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StageIAのHER2陽性(HER2+)乳がんにおいて、カペシタビンとトラスツズマブによる術後療法により97.8%という優れた5年無浸潤疾患生存(iDFS)率が得られ、治療継続に影響を及ぼす有害事象は認められなかったことがIRIS-A試験で示された。中国・Fudan University Shanghai Cancer CenterのRuo-Xi Wang氏らが米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。
IRIS試験シリーズは、早期HER2+乳がんにおける静脈内化学療法を行わない術後療法のde-escalationを検討する単群第II相試験として設計された4つの試験で、IRIS-A試験はカペシタビン6サイクルとトラスツズマブ1年間の併用を検討。
・対象:StageIA(T1N0)のHER2+乳がん(HR陰性の場合はT≦2cm、HR陽性の場合は1cm<T≦2cm)
・介入:カペシタビン(1,000mg/m2を1日2回、2週間、3週ごと)+トラスツズマブ(8mg/kg→6mg/kg、3週ごと)を6サイクル実施後、トラスツズマブ(6mg/kg、3週ごと)を11サイクル
・主要評価項目:iDFS
主な結果は以下のとおり。
・2020年5月~2021年5月に187例が登録され、追跡期間中央値は66ヵ月(範囲:60~72)であった。T1micが56.1%、T1aが24.1%、T1bが4.3%、T1cが15.5%で、87.2%がHR陰性であった。
・iDFSイベントは4例に発生し、うち2例は局所もしくは領域再発、2例は対側乳がんであった。遠隔再発例や死亡例はなく、3例がDCIS(非浸潤性乳管がん)、5例が乳がん以外の原発がん(甲状腺がん、肺がん)を発症した。
・5年iDFS率は97.8%(95%信頼区間:94.3~99.1)、5年無再発生存率は98.9%(同:95.7~99.7)であった。
・5例(2.7%)にGrade3の有害事象が認められたが、Grade4/5は発現しなかった。最も頻度の高かった有害事象は手足症候群(46.5%)で、1例がGrade3だった。心臓関連の有害事象の発現は0.5%で、中止や中断に至った有害事象はなかった。
Wang氏は、本試験の限界として単群試験でありサンプルサイズが比較的小さいこと、T1micおよびT1aの患者割合が比較的高く治療が必要かどうかについては議論の余地があることを挙げつつ、「本試験は、腫瘍が小さくリンパ節転移のないHER2+乳がんにトラスツズマブと経口化学療法を併用した最初の臨床試験である。カペシタビン+トラスツズマブは標準治療に匹敵する有効性と毒性の軽減を併せ持つ選択肢となる」とまとめた。
(ケアネット 金沢 浩子)
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