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エストロゲン受容体陽性(ER+)/HER2陰性(HER2-)の局所進行または転移乳がん患者に対する1次治療において、経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)giredestrantとパルボシクリブの併用療法は、レトロゾールとパルボシクリブの併用療法と比較して、治験責任医師評価による無増悪生存期間(INV-PFS)について数値上の改善を示したものの、統計学的に有意な差は示さなかった。英国・Royal Marsden Hospital and Institute of Cancer ResearchのNicholas C. Turner氏が、第III相persevERA BC試験の主要解析結果を、米国臨床腫瘍学会(ASCO 2026)で報告した。
・対象:ER+/HER2-の局所進行または転移乳がん患者(進行がんに対する前治療歴・SERD治療歴なし)
・試験群(giredestrant+パルボシクリブ群):giredestrant(30mg、1日1回)+プラセボ+パルボシクリブ(125mg、1~21日目に1日1回)を28日サイクルで投与 495例
・対照群:レトロゾール(2.5mg、1日1回)+プラセボ+パルボシクリブを28日サイクルで投与 497例
・評価項目:
[主要評価項目]RECIST v1.1に基づくINV-PFS
[副次評価項目]全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、臨床的有用率(CBR)、奏効期間(DOR)、安全性など
・追跡期間中央値:giredestrant+パルボシクリブ群52.2ヵ月、レトロゾール+パルボシクリブ群52.1ヵ月(データカットオフ:2026年1月30日)
主な結果は以下のとおり。
・ベースライン特性は両群でバランスが取れており、年齢中央値はともに63.0歳、閉経後が約8割(giredestrant+パルボシクリブ群79.4%vs.対照群80.9%)、内臓転移ありが約6割(60.8%vs.60.0%)、無治療期間が>12ヵ月の症例が約7割(68.9%vs.69.6%)を占めた。
・主要評価項目であるINV-PFS中央値は、giredestrant+パルボシクリブ群は33.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:30.2~38.3)で、対照群の28.2ヵ月(95%CI:25.0~33.1)に対し数値上の改善を示したが、事前に設定された統計学的な有意水準は満たさなかった(層別化ハザード比[HR]:0.89、95%CI:0.76~1.05、p=0.1553)。
・事前に規定された主要なサブグループ(年齢、内臓転移の有無、閉経状態など)におけるINV-PFS解析結果は、全体集団とおおむね一致していた。
・副次評価項目であるOS中央値は、両群とも評価不能であり、差は認められなかった(層別化HR:1.03、95%CI:0.83~1.28、p=0.7767)。
・ORRはgiredestrant+パルボシクリブ群60.2%vs.対照群55.8%、CBRは82.6%vs.80.8%と両群で同等であった。一方、DOR中央値は38.5ヵ月vs.30.4ヵ月であり、giredestrant+パルボシクリブ群において数値的に長い傾向がみられた。
・Grade3~4の有害事象はgiredestrant+パルボシクリブ群85.6%vs.対照群80.8%で発現し、両群間で同等であった。試験治療下における有害事象(TEAE)のうちとくに多くみられたのは、両群ともに好中球減少症、貧血、白血球減少などであった。
Turner氏は、本レジメンの忍容性は良好であり、1次治療においてgiredestrantからベネフィットを得られる患者を特定するためのさらなる探索が必要とし、術後内分泌療法抵抗性の患者を対象に、医師選択のCDK4/6阻害薬とgiredestrantまたはフルベストラントの併用療法の有効性を評価するpionERA BC試験が進行中とした。
(ケアネット 遊佐 なつみ)
【参考文献・参考サイトはこちら】
persevERA BC試験(ClinicalTrials.gov)
