提供元:CareNet.com

免疫療法が適応とならない未治療の局所再発・切除不能/転移トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を対象に、ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd)の1次治療としての有効性と安全性を治験責任医師選択の化学療法(ICC)と比較した国際第III相TROPION-Breast02試験における日本で登録された38例での解析結果を、福島県立医科大学の佐治 重衡氏が第34回日本乳癌学会学術総会で報告した。
本試験では、ITT集団において全生存期間(OS)および盲検下独立中央判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)が、Dato-DXd群で有意な改善が認められたことがESMO2025で報告されている。
・対象:免疫療法が適応とならない未治療の局所再発・切除不能/転移TNBC
・試験群:Dato-DXd(3週ごと6mg/kg点滴静注)
・対照群:ICC(パクリタキセル、nab-パクリタキセル、カペシタビン、エリブリン、カルボプラチンから選択)
・評価項目:
[主要評価項目]OS、BICRによるPFS
[副次評価項目]治験担当医師評価によるPFS、BICRによる奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、安全性
主な結果は以下のとおり。
・ITT集団644例のうち日本で登録された患者は38例(Dato-DXd群:17例、ICC群:21例)であった。
・患者背景について、日本の集団ではICC群の選択薬剤がITT集団と比べてnab-パクリタキセルが少なく、多くの医師がパクリタキセルを選択していた。
・BICRによるPFS中央値は、Dato-DXd群が15.0ヵ月とICC群の7.0ヵ月より改善し(ハザード比[HR]:0.45、95%信頼区間[CI]:0.19~1.01)、ITT集団と同様であった。
・OS中央値は、Dato-DXd群24.0ヵ月、ICC群18.5ヵ月でITT集団とほぼ同様であった(HR:0.55、95%CI:0.22~1.30)。
・BICRによるORRは、少数例ではあるもののDato-DXd群64.7%、ICC群23.8%であった。DoR中央値は順に、20.3ヵ月(95%CI:4.6~NR)と5.8ヵ月(同:4.2~NR)であった。
・毒性について、治療関連有害事象(TRAE)による治療中止例はDato-DXd群が12%、ICC群が16%とICC群のほうが多かった。TRAEは、Dato-DXd群では脱毛、悪心、口内炎、角膜炎など眼症状が多く発現し、脱毛は全体集団に比べて日本の集団で多かった。
佐治氏は、「例数は少ないが、日本サブセットでもDato-DXdは効果および安全性ともITT集団と同様のデータが示された」とまとめ、「日本の患者においてもITT集団のデータを基に説明したり、投与することが可能」と述べた。
(ケアネット 金沢 浩子)
【参考文献・参考サイトはこちら】



