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出産や授乳は乳がんの生涯リスク低下と関連する一方、出産後早期は一過性に乳がんリスクや予後不良リスクが高まることが知られている。今回、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CenterのCourtney T. van Geelen氏らが生殖細胞系列病的バリアント(PV)を有する乳がん患者において、最終出産から乳がん診断までの期間や授乳歴と全生存期間(OS)との関連を検討したところ、最終出産から10年以上経過した後の診断および授乳歴は、良好なOSと独立して関連していた。ESMO Open誌2026年9月号に掲載。
本研究は、オーストラリアおよびニュージーランドの遺伝性乳がんコホートKathleen Cuningham Foundation Consortiumのデータを用いた後ろ向きコホート研究である。対象は、1980~2022年に浸潤性乳がんと診断され、高・中程度浸透率の乳がん感受性遺伝子にクラス4~5のPVを有し、乳がん診断後に妊娠していない女性1,200例とした。最終出産から診断までの期間を、未産、10年未満、10年以上に分類した。年齢、エストロゲン受容体(ER)の有無、化学療法、手術、放射線療法を調整したCox比例ハザードモデルを使用して、OSとの関連を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・解析対象1,200例の追跡期間中央値は13年で、診断時期は最終出産から10年以上が52%、10年未満が32%、未産が16%であった。10年未満で診断された患者は、10年以上の患者より若く(年齢中央値36歳vs.48歳、p<0.0001)、BRCA1 PV保有およびER陰性乳がんの割合が高かった。
・全体集団では、未産婦と比較して最終出産から10年以上で診断された乳がんはOS良好と関連した(ハザード比[HR]:0.63、95%信頼区間[CI]:0.43~0.92、p=0.02)。一方、10年未満での診断では有意な関連は認められなかった(HR:0.82、95%CI:0.55~1.21、p=0.31)。
・経産婦では、授乳歴あり(HR:0.49、95%CI:0.33~0.73、p<0.001)および最終出産から10年以上(HR:0.48、95%CI:0.31~0.74、p<0.001)は、それぞれ独立して良好なOSと関連した。
著者らは、出産からの時期と授乳歴は遺伝性乳がんにおける重要な予後修飾因子であり、リスク層別化やサバイバーシップケアに資する可能性があるとしている。
(ケアネット 金沢 浩子)
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