提供元:CareNet.com

2021年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)ガイドラインでは、リンパ節転移陽性またはT1c以上のHER2陽性(HER2+)およびトリプルネガティブ(TN)早期乳がんに対して術前全身療法を推奨しているが、臨床的にはリンパ節転移陰性のT1c腫瘍の管理に関しては議論が続いている。今回、カナダ・トロント大学のYerin R. Lee氏らは、T1-T2のHER2+およびTN乳がんにおける腫瘍径とリンパ節転移の関連を評価し、T1c腫瘍におけるリンパ節転移陽性の予測因子を検討した。その結果、HER2+およびTN乳がんにおいて、T1a/bであってもリンパ節転移率は高く、T1cではホルモン受容体陰性(HR-)/HER2+および50歳以下がリンパ節転移リスクの独立した予測因子であることが示唆された。Annals of Surgical Oncology誌2026年7月号に掲載。
本研究は、オンタリオ州臨床評価科学研究所の2000~19年のデータを用いた人口ベースの後ろ向きコホート研究である。主要評価項目は、腫瘍サイズ(T1a-T2)およびサブタイプ別に層別化した局所リンパ節転移陽性(N1-N3)であった。多変量ロジスティック回帰分析により、T1cの乳がんにおけるリンパ節転移陽性の独立した予測因子を調べた。
主な結果は以下のとおり。
・T1a-T2の1万1,007例を解析した。内訳はHR-/HER2+が1,923例、HR+/HER2+が4,542例、TNが4,542例であった。
・T1a/bにおけるリンパ節転移陽性割合は、HR-/HER2+では11~22%、HR+/HER2+では11~14%、TNでは7~11%であった。
・T1cにおけるリンパ節転移陽性割合は、HR-/HER2+では32%、HR+/HER2+では26%、TNでは19%であった。
・T2におけるリンパ節転移陽性割合は、HR-/HER2+では38%、HR+/HER2+では42%、TNでは30%であった。
・T1cでは、「HR-/HER2+」および「50歳以下」が、リンパ節転移陽性のオッズ増加と独立して関連していた。
(ケアネット 金沢 浩子)
【原著論文はこちら】


