AI耐性HR+進行乳がんへのカピバセルチブ上乗せ、最終OS結果(CAPItello-291)/ESMO BREAST 2026

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 アロマターゼ阻害薬(AI)治療中または治療後に再発または進行したホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)進行乳がんに対するフルベストラントへのカピバセルチブの上乗せ効果を検討した国際第III相CAPItello-291試験において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)はPIK3CAAKT1PTENのいずれかの遺伝子変異を有する患者および全体集団で有意に改善したことが報告されている。今回、副次評価項目である全生存期間(OS)の最終解析で、PIK3CA/AKT1/PTEN遺伝子に変異を有する患者集団および全体集団のいずれにおいても統計学的に有意な改善は認められなかったことを、米国・City of Hope Comprehensive Cancer CenterのHope S. Rugo氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2026、5月6~8日)で発表した。しかしながら、PFS2および初回化学療法開始/死亡までの期間(TFSC)が延長し、臨床的に意義のある効果が示されたという。

・対象:男性もしくは閉経前/後の女性のHR+/HER2-の進行乳がん患者(AI投与中/後に再発・進行、進行がんに対して2ライン以下の内分泌療法・1ライン以下の化学療法、CDK4/6阻害薬治療歴ありも許容、SERD・mTOR阻害薬・PI3K阻害薬・AKT阻害薬の治療歴は不可、HbA1c 8.0%未満)
・試験群(C+F群):カピバセルチブ(400mg1日2回、4日間投与、3日間休薬)+フルベストラント(500mg)355例
・対照群(P+F群):プラセボ+フルベストラント 353例
・評価項目:
[主要評価項目]全体集団およびPIK3CA/AKT1/PTEN遺伝子に変異を有する患者集団におけるPFS
[副次評価項目]全体集団およびPIK3CA/AKT1/PTEN遺伝子に変異を有する患者集団におけるOS、PFS2など
[探索的評価項目]TFSC

 主な結果は以下のとおり。

PIK3CA/AKT1/PTEN遺伝子に変異を有する患者集団におけるOS中央値は、C+F群28.5ヵ月、P+F群30.4ヵ月で、P+F群のほうが長かった。一方、ハザード比(HR)は0.83(95%信頼区間[CI]:0.63~1.10、p=0.201)でC+F群で良好だったが、有意な差は認められなかった。
・全体集団におけるOS中央値は、C+F群29.4ヵ月、P+F群28.6ヵ月、HRは1.00(95%CI:0.83~1.19)で差は認められなかった。
・病勢進行後に3ライン以上の後治療を受けた割合はP+F群で多く、分子標的薬の使用割合はC+F群25.8%、P+F群42.5%であった。
・PFS2中央値は、PIK3CA/AKT1/PTEN遺伝子に変異を有する患者集団ではC+F群15.9ヵ月、P+F群11.1ヵ月(HR:0.68、95%CI:0.53~0.88)であり、全体集団ではC+F群15.4ヵ月、P+F群12.7ヵ月(HR:0.85、95%CI:0.72~1.00)であった。
・TFSC中央値は、PIK3CA/AKT1/PTEN遺伝子に変異を有する患者集団ではC+F群11.0ヵ月、P+F群6.0ヵ月(HR:0.62、95%CI:0.48~0.80)であり、全体集団ではC+F群11.0ヵ月、P+F群7.0ヵ月(HR:0.74、95%CI:0.63~0.87)であった。
・追跡期間の延長によって、新たな安全性に関する懸念は認められなかった。

 Rugo氏は、OSに有意な改善が認められなかったことについて、両群における後続治療や病勢進行後の治療の不均衡がOSの差の検出力を低下させた可能性を指摘した。

(ケアネット 金沢 浩子)


【参考文献・参考サイトはこちら】

CAPItello-291試験(ClinicalTrials.gov)

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HER2+早期乳がん、特定の患者集団では術前化学療法を省略してもpCR率59.6%(PHERGain-2)/ESMO BREAST 2026

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 化学療法を併用せずトラスツズマブ・ペルツズマブ(HP)による術前療法を受けたHER2陽性・腫瘍径5~30mmの未治療早期乳がん患者において、59.6%が病理学的完全奏効(pCR)を達成し、同レジメンを術後も継続した場合に健康関連QOL(HRQoL)が良好であることが示された。スペイン・Hospital Arnau de VilanovaのAntonio Llombart Cussac氏が、pCRに基づくde-escalation戦略を評価する目的で実施されたPHERGain-2試験の結果を、欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2026、5月6~8日)で発表した。

 PHERGain-2試験は、多施設共同の第II相非盲検単群試験。HER2陽性(IHCスコア3+)かつリンパ節転移陰性、腫瘍径5~30mmの未治療早期乳がん患者を登録対象とした。患者には術前療法として、HPの皮下投与を3週間ごと8サイクル実施。術後療法について、pCRの達成状況に応じて以下の3群に割り付けられた。
コホートA(pCR[ypT0/is、ypN0]を達成):HP投与を継続して計18サイクル
コホートB(乳房内に浸潤性残存病変ありおよび/またはypN0[i+/mol+]もしくはypN1mi):トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)を3週間ごと10サイクル
コホートC(ypN1~3):任意の術後化学療法+T-DM1を3週間ごと10サイクル
※ホルモン受容体(HR)陽性の場合は術前および術後に内分泌療法を併用
[主要評価項目]1年時点でHRQoLの平均スコア(EORTC-QLQ-C30による評価)が10%以上低下した患者の割合および3年無再発期間(3y-RFI)(STEEP基準による評価)
[主要な副次評価項目]pCR、安全性

 主な結果は以下のとおり。

・2021年8月~2024年3月に、396例が登録された(年齢中央値:55歳[範囲:24~85]、閉経後:59.3%、腫瘍径中央値:18mm[範囲:7~30]、HR陽性:72.7%、T1:61.6%)。試験治療を完了したのは352例であった。
・データカットオフは2025年3月28日、追跡期間中央値は15.1ヵ月であった。
・術前HPによる治療後1年時点でpCRを達成した患者は236例(59.6%)であった(コホートA)。残存病変を有する患者のうち148例がコホートB、7例がコホートCに組み入れられた。
・pCR率について、HR陽性とHR陰性(58.3%vs.63.0%)、T1とT2(ともに59.6%)の間で有意差は認められなかった。
・ベースライン時点におけるHRQoLの平均スコアは78.6(95%信頼区間[CI]:76.8~80.5)、1年時点でHRQoLの平均スコアが10%以上低下した患者の割合は、コホートAで37.3%(95%CI:30.1~44.9%)、残存病変を有する患者(コホートB+C)では51.9%(95%CI:41.9~61.7%)であった。
・治療関連有害事象は86.6%で発現し(Grade 3以上は5.6%)、重篤な有害事象は6.1%で発現した。肺臓炎による死亡が1例(0.3%)報告され、T-DM1との因果関係が認められた。
 
 Cussac氏は、「本試験では、標準的な化学療法+HPレジメンに匹敵する優れたpCR率および臨床的に意義のあるHRQoLの維持が示された」とまとめている。なお、3y-RFIについては現在評価中とした。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


【参考文献・参考サイトはこちら】

PHERGain-2試験(ClinicalTrials.gov)

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中性脂肪、がんリスクマーカーに?~日本の全身がん検査プログラム

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 京都府立医科大学の手良向 聡氏らが行った後ろ向き観察研究から、ベースラインの血清トリグリセライド(TG)が、将来のがん発症リスクを予測する高感度なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。Health Science Reports誌2026年3月29日号掲載の報告。

 日本において、メタボリックシンドローム(Mets)併存患者のがん死亡率は年々増加しており、これらの患者のがんの早期発見が喫緊の課題となっている。近年、Metsの構成要素が活性酸素種(ROS)の生成、ホルモン産生の変化などを通じて、がん発生を促進する可能性が指摘されている。

 そこで研究者らはがんの発症とさまざまな危険因子との関連性を調べるため、2009年11月~2019年10月の期間、浜松光医学財団の浜松PET診断センターで全身がん検査を受けた浜松ホトニクスおよび関連企業の従業員1,495人(男性69.9%、平均年齢48.8歳)を対象に検証を行った。検査内容はPET-CT、胸腹部CT、頭部・骨盤MRI/MRA、腹部超音波、包括的な血液検査、腫瘍マーカーなど。主要評価項目は初回検査からがん発症までの期間で、カプランマイヤー法で推定し、Cox比例ハザードモデルを用いて、年齢、ライフスタイル、血液検査値、既往歴など各種リスク因子との関連を解析した。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中に59例(3.9%)ががんを発症し、診断時の年齢中央値は57歳であった。
・がん種は大腸がん(12例)が最も多く、次いで肺がん(8例)、乳がん(7例)、胃がん(7例)、前立腺がん(6例)と続いた。
・多変量解析において、TGの上昇はがん発症と統計学的に有意な関連を示した(ハザード比[HR]:1.004、95%信頼区間[CI]:1.001~1.008、p=0.02)。
・空腹時TGの正常上限である150mg/dLを境にした解析では、150mg/dL以上の群は150mg/dL未満の群に対し、がん発症のHRが1.99(95%CI:0.94~4.24)となり、臨床的に意義のある傾向が確認された。
・高血圧の既往がある場合、がん発症リスクが顕著に高いことが示された(HR:2.88、95%CI:1.49~5.53、p=0.002)。
・初回検査からの累積がん発症率は、2年で1.0%、4年で2.3%、6年で3.4%、8年で4.8%であった。

 研究者らは、「ベースラインTGががんリスクのバイオマーカーである可能性が示された。また、高血圧の既往も強力な予測因子であり、これら代謝関連因子を適切に管理することが、がん予防戦略において重要となる可能性がある」としている。

(ケアネット 土井 舞子)


【原著論文はこちら】

Terashima S, et al. Health Sci Rep. 2026;9:e72219.

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HR+/HER2-乳がん、早期および晩期再発の関連因子は

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 ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)乳がんのリアルワールドコホートにおいて、早期(5年未満)および晩期(5~10年)再発の関連因子を特定することを目的とした後ろ向き研究の結果、臨床的に低リスクに分類される患者であっても晩期再発が生じる可能性がある一方、早期再発は高い腫瘍量および増殖活性を反映することが示唆された。チリ・Pontificia Universidad Catolica de ChileのBenjamin Walbaum氏らによるBMC Cancer誌オンライン版2026年4月10日号掲載の報告より。
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 本研究では、1981~2022年に診断されたStageI~IIIのHR+/HER2-乳がん症例について、後ろ向き解析を実施した。無浸潤疾患生存(iDFS)率がSTEEP 2.0基準に従い評価され、評価変数には転移部位や早期および晩期の浸潤性再発が含まれた。早期再発は診断後6~<60ヵ月に発生した浸潤性再発、晩期再発は≧60~<120ヵ月に発生した浸潤性再発と定義された。

 主な結果は以下のとおり。

・計4,367例のHR+/HER2-乳がんの女性患者が解析に組み入れられた。
・81.2%がStageI/IIであり、41.4%にリンパ節転移が認められた。また、42.0%が術前化学療法を、94.0%が術後内分泌療法を受けていた。
・5年および10年iDFS率は、それぞれ85.0%および70.0%であった。
・847件の浸潤性イベント(19.4%)のうち、54.3%が早期再発であり、45.7%が晩期再発であった。
・晩期再発例と比較して早期再発例では、StageI腫瘍の割合が低く、リンパ節転移の割合と組織学的グレードが高く、Ki-67高値と関連していた。
・多変量解析において、より進行した病期が早期再発および晩期再発の双方に関連する唯一の独立した因子であった。また、高齢であることは晩期再発と関連していた。
・再発例の70.2%で遠隔転移が認められ、高腫瘍量、グレード3、Ki-67高値と関連していた。また、47.5%で内臓転移が認められた。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


【原著論文はこちら】

Walbaum B, et al. BMC Cancer. 2026 Apr 10. [Epub ahead of print]

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医師でリスクの低いがんは?~日本人の職業とがんリスクの大規模研究

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 日本の労働者における職業とがん種別発症リスクの関連を全国規模で調査した、東海大学の深井 航太氏らによる大規模症例対照研究の結果、肉体労働や運輸関連の職業でがんリスクが高いなど、職業による違いがみられ、とくに男性で顕著であることがわかった。一方、医師などの専門職では肺がん、食道がん、胃がん、大腸がんのリスクが低いことが示された。Journal of Occupational and Environmental Medicine誌オンライン版2026年4月14日号に掲載。

 本研究は、労働者健康安全機構の有する病職歴データベース(ICOD-R、2005〜23年度)を活用した多施設共同、病院ベース症例対照研究である。14万6,994例のがん症例と、年齢・性別・入院年をマッチングした27万8,244例の対照群を対象に分析した。喫煙、飲酒、肥満、シフトワークなどの生活習慣・背景因子を調整したうえで、一般事務従事者を基準とした職業別の調整オッズ比を算出した。

 主な結果は以下のとおり。

<男性>
・がん全体では、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師、教師などの専門職およびホワイトカラーの職業においてリスクが低い一方で、肉体労働、サービス業、輸送関連の職業ではリスクが高い職業が多かった。
・肺がん、食道がん、胃がん、大腸がんは、医師などの専門職でリスクが低かったが、販売、飲食物調理、接客サービス、自動車運転、建設、土木、金属製品、運搬の職業では、肺がん、大腸がん、肝がんのリスクが高かった。
・木製品製造従事者は胆道がんリスクが高かった。
・建築家、土木技術者、測量士、音楽家、化学製品製造従事者は膀胱がんリスクが高かった。
・前立腺がんは多くの職種で一般事務職よりもリスクが低かったが、これは潜在的な発症率の差というより、受診行動やPSA検査を含む検診受診率における職業間の差異を反映している可能性がある。

<女性>
・がん全体では、職業分類による差は男性ほど顕著ではないが、特定の部位で関連が認められた。
・電気機械組立従事者は、肺がん、胆道がん、胃がんのリスクが有意に高かった。
・胃がんは、事務機器操作、商品販売、家庭生活支援サービス、衣服・宝石製品製造の従事者の間でリスクが高かった。
・大腸がんは、教師、芸術家、デザイナー、写真家や、映像操作、販売類似職業、家庭支援サービス、介護サービス、農業の従事者でリスクが低かった。
・乳がんは、保健師、助産師、看護師、その他の医療従事者、介護サービス従事者が、一般事務職と比較して有意にリスクが低かった。

(ケアネット 金沢 浩子)


【原著論文はこちら】

Fukai K, et al. J Occup Environ Med. 2026 Apr 14. [Epub ahead of print]

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がん薬物療法における皮下注射剤の可能性/日本臨床腫瘍学会

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 近年、がん薬物療法領域での皮下注射剤の活用が広がっている。2026年度診療報酬改定では外来腫瘍化学療法診療料への皮下注製剤の算定も認められる見通しとなった。第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)では、腫瘍内科医、薬剤師、緩和ケア医、看護師、制度申請者の立場から、皮下注射の現状と課題が多角的に論じられた。

がん治療の時間毒性を改善できる皮下注射

 大阪大学の吉波 哲大氏は、腫瘍内科医の立場からがん薬物療法における「時間毒性」の概念を提示した。がん薬物療法においては、骨髄抑制や悪心などの薬剤毒性に加え、近年は経済毒性が注目されている。もう1つの側面として、吉波氏は時間毒性の重要性を訴える。

 時間毒性は経済毒性とも無関係ではない。たとえば、通院により仕事を休むことで、給与に影響が出る。このように、時間毒性は深刻化すると経済毒性につながる。「医療者は時間毒性に対する取り組みを強く認識しなければならない」と吉波氏は説明した。

 吉波氏が専門とする乳がん領域でも皮下注射は活用されている。HER2陽性乳がんでは、トラスツズマブとペルツズマブの併用療法が用いられるが、近年トラスツズマブとペルツズマブの配合皮下注製剤(商品名:フェスゴ)が登場した。フェスゴは2剤併用と同等の血中濃度と有効性を示す。投与時間に関しては、従来の2剤投与の90分超に対し、フェスゴでは最短5分と、1時間以上短縮ができる。患者に2剤投与とフェスゴ投与のどちらを選ぶかを聞いたところ、85%がフェスゴと回答している。その理由の多くは「診療における所要時間の短さ」であった。

 皮下注製剤について吉波氏は「がん治療の時間毒性を軽減する可能性を十分に秘めている」と結論付ける。

製剤技術の進化が皮下注射の可能性を広げる

 小牧市民病院の山本 泰大氏は、薬剤師の観点から皮下注製剤の特性と今後の展開を論じた。従来、皮下投与可能な薬液量は2mLが目安とされてきたが、ヒアルロン酸を配合することで皮下組織にスペースが確保される。そのため、薬液量が増えても投与が可能になった。同院では現時点で外来化学療法患者の約20%が皮下注射を受けている。「今後もさらに増えていくであろう」と山本氏は述べた。

 国内で承認されている皮下注射抗がん剤として、前述のフェスゴに加えてダラツズマブ、アミバンタマブ、モスネツズマブなどがある。海外でもいくつかの薬剤で臨床試験が進んでいるという。

 「皮下注射抗がん剤は、今後もさらに広がっていくことが予想され、医療コストや患者負担軽減につながることは間違いない。これからは臨床現場での運用や副作用のエビデンスを蓄積していくべき」と山本氏は述べる。

緩和ケア領域における皮下注射のメリット

 広島市立広島市民病院の余宮 きのみ氏は、緩和ケアにおける皮下注射の臨床的意義を紹介した。緩和ケア領域において持続皮下注はその簡便性と安全性から世界的に普及している。日本緩和医療学会の「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2020年版)」でも、経口困難な患者に対するオピオイドの持続皮下注が推奨される。

 緩和ケアにおける皮下注射の利点として余宮氏は、ルート確保の容易さ、シリンジポンプを小さくできる可能性、経口剤に比べた鎮痛達成の早さといった点などを挙げた。

 「皮下注射は緩和領域においても重要な選択肢になるであろう」と余宮氏は述べる。

安全な皮下注射投与のために

 国立がん研究センター東病院の市川 智里氏は、看護師の立場から発言。皮下注射は簡便ではあるものの必ずしも安全というわけではないと指摘した。抗体薬、G-CSF製剤、ホルモン薬と多岐にわたる薬剤が皮下注射として使用されており、薬剤ごとの特性と注意事項を把握しておくことの重要性を強調する。

 具体的には、6R(Right Patients・Right Drug・Right Dose・Right Time・Right Route・Right Purpose)と全身状態評価の徹底を挙げた。投与部位、硬結・疼痛予防、放射線照射部位・瘢痕部位の回避といった基本を押さえるとともに、皮下脂肪層が薄い高齢者や低栄養患者に対する工夫も重要だという。

 同院では薬剤別の早見表(投与間隔、使用針ゲージ、投与部位、投与前チェック項目など)を化学療法室に掲示し、スタッフが入れ替わっても一定の質を保てるよう工夫している。市川氏はまた、「投与観察時間を患者とのコミュニケーション機会として活用し、副作用や生活上の意見を聞き取ることで治療継続を支援していきたい」と話す。

外来腫瘍化学療法診療料への皮下注射の算定

 国立がん研究センター中央病院の下井 辰徳氏は、2026年度診療報酬改定における「外来腫瘍化学療法診療料」への皮下注射剤算定について解説した。従来、点滴・静注は外来腫瘍化学療法診療料として算定されるが、皮下注製剤は算定対象外とされていた。

 算定対象外であるため、医療機関は皮下注射を積極的に選択しにくいのが現状だ。フェスゴを例にとると、外来腫瘍化学療法診療料が算定できないという理由で、4割以上の患者で使用されていないという。

 こうした状況を受け、日本臨床腫瘍学会をはじめとする団体が合同で医療技術評価分科会に要望を提出した。要望で示したのは、皮下注も点滴と同様に専門的なケアと安全管理を伴う医療行為であること、算定されない現状が患者の時間毒性軽減という利益を阻害していること、財政影響が限定的であるといった点である。

 中医協での審議の結果、点数は点滴・静注よりも少ないが、2026年6月から皮下注製剤に対しても算定が認められる見通しだ。「次回診療報酬改定までの2年間で、算定の活用状況、点数設計などが検討されていくと予想される」と下井氏は述べる。

(ケアネット 細田 雅之)


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ツカチニブ、化学療法歴のあるHER2+手術不能/再発乳がんの適応で発売/ファイザー

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 ファイザーは2026年4月21日、「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌」の治療薬として、抗悪性腫瘍薬/HER2チロシンキナーゼ阻害薬ツカチニブ(商品名:ツカイザ)を発売した。本剤は2020年4月に米国食品医薬品局(FDA)、2021年2月に欧州医薬品庁(EMA)からすでに承認を取得している。

 本剤の製造販売承認は、海外第II相試験のHER2CLIMB試験および日本を中心とした国際共同第II相HER2CLIMB-03試験の結果に基づく。HER2CLIMB試験は、トラスツズマブ、ペルツズマブおよびトラスツズマブ エムタンシンの治療歴のある切除不能な局所進行または転移・再発乳がん患者を対象として、トラスツズマブおよびカペシタビンとの併用で、ツカチニブまたはプラセボを投与する二重盲検試験。ツカチニブ群はプラセボ群と比較して、主要評価項目である盲検下独立中央判定の評価に基づく無増悪生存期間、重要な副次評価項目である全生存期間、脳転移を有する患者集団における無増悪生存期間および奏効率を統計学的に有意に改善した。ツカチニブ群で認められた主な有害事象は、下痢、手掌・足底発赤知覚不全症候群、悪心、嘔吐、口内炎、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、関節痛および血中クレアチニン増加であり、管理可能な安全性プロファイルであると判断された。

 HER2CLIMB-03試験では、HER2CLIMB試験と同様の患者集団において、ツカチニブ、トラスツズマブならびにカペシタビンの併用を単群で評価。全体および日本人部分集団において、HER2CLIMB試験と類似した有効性と安全性の結果が得られた。

【製品概要】
商品名:ツカイザ錠50mg、同150mg
一般名:ツカチニブ エタノール付加物
効能又は効果:化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌
用法及び用量:トラスツズマブ(遺伝子組換え)及びカペシタビンとの併用において、通常、成人にはツカチニブとして1回300mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
製造販売承認取得日:2026年2月19日
薬価収載日:2026年4月8日
発売年月日:2026年4月21日
製造販売元:ファイザー株式会社

(ケアネット 遊佐 なつみ)


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乳がんサバイバー、個々に合わせた運動で10年死亡率が低下

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 乳がんサバイバーにおいて、個々の患者に合わせた運動がガイドラインで推奨されているが、長期的な死亡率への影響に関するデータは限られている。今回、米国・Kaiser Permanente Northern Californiaの研究グループがPathways Studyのデータを用いて検討したところ、個別に調整された運動戦略が乳がんサバイバーの10年全死亡率および乳がん死亡率を有意に低下させることが示唆された。米国国立衛生研究所のJinani Jayasekera氏らがJAMA Network Open誌2026年4月1日号で発表した。

 本研究は、2006~13年に登録された乳がんサバイバーを対象としたコホート研究である。既存の臨床試験を模倣するTarget Trial Emulationを用いて、個々の健康状態の変化に応じて運動内容を調整する戦略の効果を分析した。評価項目は、全死亡率および乳がん死亡率とした。

 主な結果は以下のとおり。

・1つ目の標的試験(959例)において、有酸素運動戦略が健康教育介入と比較して8年全死亡率が8.0パーセントポイント(95%信頼区間[CI]:3.4~13.3)低下した。
・2つ目の標的試験(2,107例)において、中等度の有酸素運動を週120分、または激しい有酸素運動を週60分まで段階的に増やす個別化戦略が、介入なしと比較して10年全死亡率が3.1パーセントポイント(95%CI:2.0〜4.6)有意に低下した。乳がん死亡率も2.4パーセントポイント(同:1.2〜3.5)低下した。

(ケアネット 金沢 浩子)


【原著論文はこちら】

Jayasekera J, et al. JAMA Netw Open. 2026;9:e265177.

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高齢者のがん薬物療法GLの改訂ポイント【乳腺】/日本臨床腫瘍学会

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 『高齢者のがん薬物療法ガイドライン 改訂第2版』が2026年3月25日に発刊され、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)のシンポジウムで全17項目のクリニカルクエスチョン(CQ)が解説された。乳腺領域からは、HER2陽性(CQ12)、トリプルネガティブ(CQ13)、ホルモン受容体陽性HER2陰性(CQ14)の高齢者の周術期乳がんの薬物療法に関する計3つのCQが設定された。

CQ12 高齢者HER2陽性乳がん周術期治療には、どのような治療が推奨されるか?
 HER2陽性乳がん術後の標準治療は、化学療法と抗HER2モノクローナル抗体トラスツズマブの併用療法である。しかし、高齢者では治療利益と化学療法やトラスツズマブの忍容性のバランスが問題となるため、化学療法とトラスツズマブの併用、化学療法のみ、トラスツズマブのみ、経過観察など治療選択が割れやすい。本CQでは、高齢者HER2陽性乳がん患者の周術期治療の実臨床における個別化治療と意思決定を支えるため、(1)トラスツズマブ+化学療法、(2)トラスツズマブ単剤、(3)トラスツズマブ+ペルツズマブ+化学療法の3つに分けて評価を行った。

(1)トラスツズマブ+化学療法
推奨:高齢者HER2陽性乳がん周術期治療には、トラスツズマブ+化学療法を強く推奨する。
推奨のタイプ:当該介入の強い推奨
エビデンスの強さ:A
 4件のランダム化比較試験(RCT)(HERA、BCIRG006、NSABP B-31/N9831統合解析)で、トラスツズマブ+化学療法群は化学療法単独群に比べ、全生存期間(OS)および無病生存期間(DFS)が改善した。これらは高齢者のみを対象とした試験ではないが、60歳以上のサブグループにおいても良好であり、高齢者でも治療利益は大きいと考えられた。トラスツズマブの併用により心不全や心機能低下が有意に増加したが、その多くは可逆的であった。OS・DFSの延長について、トラスツズマブ+化学療法の益は大きく一貫していることから、化学療法単独よりも優れていると評価された。

(2)トラスツズマブ単剤
推奨:化学療法の忍容性がない場合には、トラスツズマブ単剤が選択肢となりうる。
推奨のタイプ:当該介入または比較対照のいずれかについての条件付きの推奨
エビデンスの強さ:B
 わが国で行われた70歳以上の高齢者HER2陽性乳がん患者を対象としたRCT(RESPECT)において、トラスツズマブ単剤群は化学療法併用群と比べ、OS・DFSの非劣性は統計学的に示されなかった。トラスツズマブ単剤群では治療開始12ヵ月においてQOL低下が少なかった。Grade3以上の有害事象は化学療法併用群において有意に多く生じていた。1件のRCTに限られるが日本人高齢者を対象として直接性が高く、結果に対する不確実性は少ないと評価された。

(3)トラスツズマブ+ペルツズマブ+化学療法
推奨:再発リスクが高く、全身状態良好で化学療法に十分耐えうる状況に限り、トラスツズマブ+ペルツズマブ+化学療法が選択肢となりうる。
推奨のタイプ:当該介入または比較対照のいずれかについての条件付きの推奨
エビデンスの強さ:C
 1件のRCT(APHINITY)において、トラスツズマブ+ペルツズマブ+化学療法群はトラスツズマブ+化学療法群と比べてOSの有意差は認められなかった一方、ペルツズマブ追加により無浸潤疾患生存期間(iDFS)は有意に改善し、とくにリンパ節転移陽性例ではハザード比0.72と良好な上乗せ効果が示された。Grade3以上の有害事象はペルツズマブ追加により6%増加した。下痢によるQOL低下もみられたが、永続的な有害事象ではなかった。1件のRCTに限られ、高齢者に特化した試験ではないが、ペルツズマブによる予後改善が期待でき、かつ十分な忍容性があると判断される患者では検討しうると評価された。

CQ13 高齢者の周術期トリプルネガティブ乳がんに対して、免疫チェックポイント阻害薬の使用は推奨されるか?
推奨:周術期トリプルネガティブ高齢者乳がんに対して、免疫チェックポイント阻害薬の併用を弱く推奨する。
推奨のタイプ:当該介入の条件付きの推奨
エビデンスの強さ:C
 トリプルネガティブ乳がんの周術期標準治療は化学療法であるが、近年では再発高リスク症例に対して免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を併用したレジメンも推奨されている。高齢者では、治療効果と有害事象のバランスが重視されるため、ICIの使用推奨を検討することは臨床的に重要である。そこで本CQでは、高齢者トリプルネガティブ乳がんで、ICIを含む薬物治療を実施した群(介入群)とICIを含まない薬物治療または経過観察の群(対照群)のアウトカムを評価した。OS・DFSを指標とした2件のRCT(KEYNOTE-522、IMpassion031)および関連サブ解析において、OSには有意差を認めなかったが(文献検索期間終了後にOS改善の報告あり)、DFSはKEYNOTE-522では介入群で有意な延長を認め、IMpassion031でも延長傾向が示された。Grade3以上の有害事象の頻度に差はなかった。免疫関連有害事象(irAE)は介入群で増加したが、AE of special interestの定義が異なったため、評価には限界があった。ICI併用による持続的なQOL低下は認めなかった。根拠となる試験には全身状態が良好な高齢者が一部含まれるのみで、高齢者におけるエビデンスは十分ではないと評価された。

CQ14 ホルモン受容体陽性HER2陰性高齢者乳がんの術後内分泌療法にアベマシクリブやS-1の併用は推奨されるか?
 ホルモン受容体陽性HER2陰性乳がん術後の標準治療は内分泌療法であるが、再発リスクが高い場合は追加治療が検討される。近年では内分泌療法にアベマシクリブやS-1を併用する新たな治療戦略が登場している。これらの薬剤は作用機序ならびに治療効果、有害事象のプロファイルが異なることから、本CQでは(1)内分泌療法+アベマシクリブ、(2)内分泌療法+S-1に分けて、それぞれを内分泌療法単独と比較した。

(1)アベマシクリブ
推奨:ホルモン受容体陽性HER2陰性高齢者乳がんの術後内分泌療法として、再発リスクが高く治療に耐えうる状況に限り、アベマシクリブが選択肢となりうる。
推奨のタイプ:当該介入または比較対照のいずれかについての条件付きの推奨
エビデンスの強さ:C
 1件のRCT(monarchE)において、内分泌療法+アベマシクリブ群は内分泌療法のみの群と比べてOSの有意差は認められなかった(文献検索期間終了後にOS改善の報告あり)が、iDFSはアベマシクリブ追加により有意に改善した。Grade3以上の有害事象は併用群で増加した。下痢などは高齢者で問題となりやすく、休薬・減量を含めた管理を要した。本試験は高齢者に特化したものではないが、アベマシクリブ併用による再発抑制効果は示される一方、有害事象増加にも留意が必要であり、高齢者への適用は個別に判断すべきと評価された。

(2)S-1
推奨:再発高リスクホルモン受容体陽性HER2陰性高齢者乳がんの術後内分泌療法へのS-1併用は、患者の全身状態やリスク・ベネフィットを総合的に考慮したうえで行うことが望ましい。
推奨のタイプ:当該介入または比較対照のいずれかについての条件付きの推奨
エビデンスの強さ:C
 1件のRCT(POTENT)において、内分泌療法+S-1群は内分泌療法のみの群と比べてOSの有意差は認められなかったが、iDFSはS-1追加により有意に改善した。Grade3以上の有害事象は併用群で好中球減少(8%)、下痢(2%)などが報告された。1件のRCTに限られ、かつ高齢者に特化した試験ではないという限界を有するもののS-1併用による再発抑制効果は示唆されている一方、毒性増加のリスクもあることから高齢者に対する適用は個別に判断すべきと考えられた。

(ケアネット 森)


【参考文献・参考サイトはこちら】

日本臨床腫瘍学会/日本癌治療学会編. 高齢者のがん薬物療法ガイドライン改訂第2版. 南江堂;2026.

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少量〜中等量でも死亡リスクが高まるお酒の種類は?/ACC

提供元:CareNet.com

 過度な飲酒は健康に悪影響を及ぼすが、少量~中等量の飲酒と死亡率との関連については、飲料の種類によってリスク構造が大きく異なることがUKバイオバンクのデータを用いた大規模調査で明らかになった。本研究は米国心臓学会議(ACC2026、3月28~30日)のPoster Contributionsにおいて、中国・中南大学湘雅第二病院のZhangling Chen氏が発表し、Journal of the American College of Cardiology誌オンライン版2026年4月7日号(第87巻第13号増刊号)に掲載された。

 本研究は、アルコールの総摂取量ならびに種類別摂取量と、全死亡および原因別死亡率との関連を明らかにするため、2006〜22年にUKバイオバンクに参加した34万924人を解析。各参加者を1日および1週間あたりの純アルコール摂取量(g)に基づいて4つのカテゴリーに分類し、Cox回帰分析した。

(1)Never/Occasional(飲まない/たまに飲む)…男女共20g/週
(2)Low(少量)…男性:20g/週かつ20g/日、女性:20g/週かつ10g/日
(3)Moderate(中等量)…男性:20~40g/日、女性:10~20g/日
(4)High(多量)…男性:40g/日超、女性:20g/日超
純アルコール約14gは、ビール350mL、ワイン150mL、蒸留酒45mLに相当

 主な結果は以下のとおり。

・平均追跡期間13.4年に2万2,381例の死亡が記録された(心血管疾患[CVD]:4,288例、がん:1万1,063例、そのほか:7,030例)。
・総アルコール摂取量の多量群は飲まない/たまに飲む群と比較して全死亡が24%上昇(ハザード比[HR]:1.24、 95%信頼区間[CI]:1.17~1.31)、CVDによる死亡は14%(95%CI:1.01~1.28)、がんによる死亡は36%(同:1.26~1.47)、そのほかの原因別死亡は12%(同:1.02~1.22)高かった。
・中等量群でもがんによる死亡が11%上昇した(同:1.03~1.20)。
・アルコールの種類によるリスクの違いは、少量~中等量群で顕著で、蒸留酒、ビール、シードルの摂取が全死亡の有意な上昇と関連していた(HR:1.07〜1.83)。
・一方でワインの場合は、少量~中等量群では全死亡ならびに原因別死亡の低下と関連し(HR:0.79〜0.92)、多量群はがんによる死亡の上昇と関連していた(HR:1.10、95%CI:1.02~1.20)。
・多量群は、ビール、シードル、蒸留酒、ワインと種類を問わず、部位別がん死亡の上昇と関連していた。
*頭頸部、呼吸器、消化器、肝臓/胆嚢、神経系、血液、生殖器、女性乳がん

 研究者らは、「赤ワインに含まれるポリフェノールや抗酸化物質などの特定の化合物は、心血管の健康に良い影響を与える可能性がある。また、ワインは食事と一緒に飲まれることが多く、食生活の質が高く、全体的に健康的な生活習慣を送っている人に多く飲まれている。一方、蒸留酒、ビール、シードルは食事以外の場面で飲まれることが多く、食生活の質の低さやそのほかの生活習慣上のリスク要因と関連している」とし、「これらの要因を総合的に考え、アルコールの種類、摂取方法、そしてそれに伴う生活習慣のすべてが、観察された死亡リスクの差に寄与していることが示唆される」と述べている。

(ケアネット 土井 舞子)


【原著論文はこちら】

Li Z, et al. J Am Coll Cardiol. 2026;87:9249.

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