妊娠希望で乳がん術後内分泌療法を一時中断した場合の再発リスク(POSITIVE)/SABCS2022

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 HR陽性早期乳がんの若年女性において、妊娠を希望して術後補助内分泌療法を一時中断した場合のアウトカムを検討した前向き試験はない。今回、内分泌療法を2年間中断した場合の乳がん再発の観点から見た安全性について、前向き単群試験のPOSITIVE試験で検討した結果、短期的には再発リスクに影響がないことが示唆された。米国・Dana-Farber Cancer InstituteのAnn H. Partridge氏が、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。

・対象:術後補助内分泌療法を18~30ヵ月間受けたStageI~IIIのHR陽性乳がん患者で、妊娠を希望し内分泌療法を中断する42歳以下の閉経前女性
・方法:内分泌療法を、wash out期間(3ヵ月)を含み、妊娠企図、妊娠、出産、授乳で2年間中断し、再開後5~10年追跡
・評価項目:
[主要評価項目]乳がん無発症期間(BCFI)
[副次評価項目]妊娠および出生児のアウトカムなど

 主な結果は以下のとおり。

・2014年12月~2019年12月に518例が登録された。登録時の年齢中央値は37歳(範囲:27~43歳)、75%が出産歴がなく、94%がStage I/IIであった。内分泌療法はタモキシフェン単独が最も多く(42%)、次いでタモキシフェン+卵巣機能抑制(36%)で、62%が術前もしくは術後化学療法を受けていた。
・追跡期間中央値41ヵ月においてBCFIイベントが44例に発生し、3年間累積発生率は8.9%だった。これはSOFT/TEXT試験(Breast. 2020)の対照コホートで算出した9.2%と同様だった。
・妊娠アウトカムを評価した497例中368例(74%)が1回以上妊娠し、317例(64%)が1回以上出産し、365児が誕生した。
・その後の内分泌療法は、競合リスク分析によると76%が再開し、8%は再開前に再発/死亡し、15%は再開していなかった。

 Partridge氏は「これらのデータは、若年の乳がん女性の治療とフォローアップに、患者中心の生殖医療を取り入れる必要があることを強調している」と述べた。なお、本試験は、内分泌療法の再開と乳がんのアウトカムをモニターするために、2029年までフォローアップ予定という。

(ケアネット 金沢 浩子)


【 参考文献・参考サイトはこちら 】

POSITIVE(ClinicalTrials.gov)

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術前化療でリンパ節転移が陰性化した乳がんのALND省略後の再発、SLNBとTADの比較(OPBC-04/EUBREAST-06/OMA)/SABCS2022

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 リンパ節転移陽性乳がんで術前化学療法により転移が陰性化した患者において、診断がセンチネルリンパ節生検(SLNB)単独または標的腋窩郭清(TAD)併用のいずれであっても、腋窩リンパ節郭清(ALND)省略後の早期腋窩再発が非常にまれであったことを、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのGiacomo Montagna氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。再発率は、標的腋窩郭清併用でもセンチネルリンパ節生検単独より有意に低くはなかったという。

 4つの前向き試験で、術前化学療法後にリンパ節転移陽性の患者においてセンチネルリンパ節生検の偽陰性率が10%を超えることが示されているが、これらの試験では全例が腋窩リンパ節郭清を実施しているため腋窩再発のデータはない。標的腋窩郭清により偽陰性率の低下が報告されているが、腋窩再発率の低下につながるかどうかは不明である。またこの設定で、腋窩病期診断のためにセンチネルリンパ節生検単独と標的腋窩郭清併用のいずれを用いるべきかコンセンサスは得られていない。今回Montagna氏らは、術前化学療法でリンパ節の病理学的完全奏効を達成し腋窩リンパ節郭清を省略した、リンパ節転移陽性乳がん患者の大規模なリアルワールド集団において、腋窩の局所浸潤再発率を評価し、さらにデュアルトレーサーマッピングによるセンチネルリンパ節生検もしくは標的腋窩郭清後の腋窩再発率を比較した。

 本研究の対象は、T1-4かつN1-3(生検による)で、術前化学療法後にデュアルトレーサーマッピングによるセンチネルリンパ節生検もしくは標的腋窩郭清(センチネルリンパ節生検との併用、デュアルトレーサーマッピングの有無は問わない)による診断で病理学的にリンパ節転移陰性だった乳がん患者。腋窩再発、局所再発、あらゆる浸潤性再発(局所もしくは遠隔)の累積発生率を競合リスク分析で解析し、さらにセンチネルリンパ節生検と標的腋窩郭清の3年累積発生率をGray検定で比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・2013年4月~2020年12月に適格となった1,144例(センチネルリンパ節生検666例、標的腋窩郭清478例)を評価した。年齢中央値は50歳、臨床的T2が57%、臨床的N1が95%、HER2陽性が54%であった。
・術前化学療法レジメンはセンチネルリンパ節生検群と標的腋窩郭清群で違いが見られた。
・センチネルリンパ節の摘出個数の中央値は、センチネルリンパ節生検群4個(IQR:3~5)、標的腋窩郭清群3個(四分位範囲[IQR]:2~4)だった(p<0.001)。リンパ節の平均摘出個数も同様に標的腋窩郭清群が少なかった。
・リンパ節放射線治療実施は、センチネルリンパ節生検78%、標的腋窩郭清85%だった(p=0.005)。
・腋窩再発率は、全体で3年時0.65%(95%信頼区間[CI]:0.29~1.3)、5年時1.0%(同:0.49~2.0)だった。3年腋窩再発率はセンチネルリンパ節生検(0.8%)と標的腋窩郭清(0.5%)で差がなかった(p=0.55)。
・局所再発率は、全体で3年時1.5%(95%CI:0.83~2.4)、5年時2.7%(同:1.6~4.1)だった。3年局所再発率はセンチネルリンパ節生検(1.9%)と標的腋窩郭清(0.8%)で差がなかった(p=0.19)。
・浸潤性再発率は、全体で3年時7.5%(95%CI:5.9~9.3)で、5年時10%(同:8.3~13)だった。3年浸潤性再発率はセンチネルリンパ節生検(7.3%)と標的腋窩郭清(7.3%)で差がなかった(p=0.60)。

 Montagna氏は「これらの結果は、術前化学療法でリンパ節転移陰性となった患者でのリンパ節郭清省略を支持している」と結論した。

(ケアネット 金沢 浩子)


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HER2+進行乳がん2次治療でのT-DXd、OSがT-DM1に対し36%改善(DESTINY-Breast03)/SABCS2022

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 トラスツズマブおよびタキサン系薬剤の前治療歴があり、HER2+の切除不能または転移を有する乳がん患者に対する、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)とトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)を比較した第III相DESTINY-Breast03試験のアップデート解析において、T-DXd群では全生存期間(OS)が36%改善したことを、米国・University of California Los AngelesのSara A. Hurvitz氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。なお、この結果はLancet誌オンライン版2022年12月6日号に同時掲載された。

 これまで、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)でDESTINY-Breast03試験の中間解析結果が発表され、T-DXd群ではT-DM1群よりも主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)が有意に延長したことが示されていた。副次評価項目のOSは両群ともに未到達であったため、今回初めてOSに関する解析が行われた。

・対象:トラスツズマブおよびタキサン系薬剤の前治療歴があり、HER2+(IHCスコア3+、またはIHCスコア2+かつISH+)の切除不能または転移を有する乳がん患者524例
・試験群(T-DXd群):T-DXdを3週間間隔で5.4mg/kg投与 261例
・対照群(T-DM1群):T-DM1を3週間間隔で3.6mg/kg投与 263例
・評価項目:
[主要評価項目]盲検下独立中央評価委員会(BICR)によるPFS
[副次評価項目]OS、BICRおよび治験医師などの判定による奏効率(ORR)、BICRによる奏効期間(DOR)、安全性

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値は、T-DXd群で28.4ヵ月(0.0~46.9ヵ月)、T-DM1群で26.5ヵ月(0.0~45.0ヵ月)であった(データカットオフ:2022年7月25日)。
・治療期間中央値は、T-DXd群で18.2ヵ月(0.7~44.0ヵ月)、T-DM1群で6.9ヵ月(0.7~39.3ヵ月)であった。
・T-DXd群の年齢中央値は54.3歳、HR+が50.2%で、T-DM1群の年齢中央値は54.2歳、HR+が51.0%であった。両群ともにアジア系が約60%で、過去に中央値2ラインの化学療法歴を有していた。
・両群ともにOSの中央値には達しておらず、T-DXd群の95%信頼区間(CI)は40.5~NE、T-DM1群の95%CIは34.0~NE(ヵ月)であった。
・OSのハザード比(HR)は0.64(95%CI:0.47~0.87、p=0.0037)で、事前に規定されていたp値(0.013)を下回っていた。
・12ヵ月時点のOS率は、T-DXd群94.1%(95%CI:90.4~96.4)vs. T-DM1群86.0%(81.1~89.8)、24ヵ月時点は77.4%(71.7~82.1)vs. 69.9%(63.7~75.2)、36ヵ月時点は69.3%(62.5~75.1)vs. 55.4%(47.4~62.8)であった。
・BICRによるPFS中央値は、T-DXd群28.8ヵ月vs. T-DM1群6.8ヵ月(HR:0.33、95%CI:0.26~0.43、p<0.000001)であった。
・BICRによるORRは、T-DXd群で78.5%(CRは21.1%)、T-DM1群で35.0%(CRは9.5%)であった。
・クリニカルベネフィット率は、T-DXd群で89.3%、T-DM1群で46.4%であった。
・DOR中央値は、T-DXd群で36.6ヵ月、T-DM1群で23.8ヵ月であった。
・治験医師などの判定によるPFS2中央値は、T-DXd群で40.5ヵ月、T-DM1群で25.7ヵ月であった。
・Grade3以上の治療関連有害事象は、T-DXd群で56.4%、T-DM1群で51.7%であった。
・外部判定委員会の判定による薬剤関連の間質性肺疾患は、T-DXd群で15.2%(Grade1:4.3%、Grade2:10.1%、Grade3:0.8%)、T-DM1で3.1%(Grade1:1.5%、Grade2:1.1%、Grade3:0.4%)であった。

 Hurvitz氏は、「トラスツズマブおよびタキサン系薬剤の前治療歴があり、HER2+の切除不能または転移を有する乳がん患者において、T-DM1と比較して、T-DXdで治療を行った群では、臨床的かつ統計学的に有意なOSおよびPFSの改善がみられた。また、長期に及ぶ治療において、安全性プロファイルは管理可能で忍容性も高かった」とまとめた。

(ケアネット 森 幸子)


【 参考文献・参考サイトはこちら 】

DESTINY-Breast03(ClinicalTrials.gov)

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ペグフィルグラスチムの自動投与デバイス発売、患者の通院負担軽減に期待/協和キリン

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 協和キリンは、持続型G-CSFペグフィルグラスチム(商品名:ジーラスタ)の自動投与デバイスであるジーラスタ皮下注3.6mgボディーポッド(以下、同剤)を12月6日より発売すると発表した。

 ペグフィルグラスチムは、がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制を適応症として2014年から日本で販売している。通常、がん化学療法剤投与終了後の翌日以降に投与されるが、同剤は約27時間後に薬剤が自動投与される機能を搭載する。

 がん化学療法と同日に使用することでペグフィルグラスチム投与のための通院が不要となる。この機能により、化学療法を実施する患者の通院負担の軽減に寄与するという。

 同剤はテルモと共同で開発を行い、協和キリンが実施した第I相臨床試験の結果に基づき、2022年7月に承認を取得、2022年11月に薬価収載された。

(ケアネット 細田 雅之)


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AIで乳がん病変の良悪性鑑別を~非侵襲的かつ鑑別精度の高い手法の開発目指す

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 GEヘルスケア・ジャパン株式会社(以下、GEヘルスケア)と愛媛大学は、乳がんの早期発見・診断精度向上に向けた非侵襲的な検査方法を開発するべく2021年より共同研究を開始している。本研究では同医学部附属病院で得られた乳腺病変のデータに人工知能技術を使用した解析を行っており、その結果、画像データから乳腺病変の良悪性を鑑別できる可能性が示唆された。本結果は、12月6日の記者会見で発表されたもので、将来的に乳がんの診断や治療に伴う身体的負担や心理的不安、検査コストの低減につながる可能性がある。

 乳がん領域において、検診のマンモグラフィ画像から病変検出や良悪性判定するためにCAD(Computer-aided diagnosis)が活用されるなど、人工知能による乳がん発症予測の実現化が期待され、実際に陰性のマンモグラフィ検査後5年以内の乳がん発症リスクを推定できることも報告されている1)。一方、精密検査では超音波検査や乳腺MRIを実施した後、米国放射線専門医会(ACR)が中心となって作成したガイドラインBreast imaging reporting and data system(BI-RADS)を用いて良悪性診断を行うが、人間による腫瘤の形・辺縁の評価や判別には限界があることから、診断方法の確立が望まれている。

 そこで、GEヘルスケアと愛媛大学は「MRIによる各種定量値のマッピング画像を用いた人工知能による新たな乳腺病変の良悪性判定方法」の開発に着手。本研究に当たっている松田 卓也氏(同大学大学院医学系研究科医療情報学講座)らは、Synthetic MRIの“1回の撮像から複数種類の定量値マップが取得できる”という利点を用い、造影前後の乳腺Synthetic MRIのマッピング画像から得たRadiomics特徴量(ヒストグラム特徴量とテクスチャー特徴量)を用いて、機械学習手法による乳腺腫瘤の良悪性鑑別に対する有用性を検討した。造影前後に行った水平断像のSynthetic MRIのsource imageからPD map、T1 map、T2 mapを作成し、それぞれからRadiomics特徴量88種類を抽出させる(88×3×2=528種類)。ただし、機械学習の性能維持のために計528特徴量から100種類の特徴量を選択(次元削減)するなどの処理を行った。

*Radiomics=Radiology(放射線医学)+Omics(すべて+学問)の意。医用画像の(多数の)特徴量を統計解析や機械学習に用いる手法のこと。

 本研究の初期検討結果について、松田 卓也氏は「今後の性能向上(特徴量の追加[そのほかのMRI画像特徴量・臨床的因子]やカテゴリー判定と組み合わせた総合的アルゴリズム)を検討している。臨床応用のためにエビデンスを構築し、更なる検討を重ねていく」とコメント。松田 恵氏(同大学医学部附属病院 放射線部)は「今後、精度を上げていくことで生検が不要になり、医療コスト面からも貢献できる可能性がある」と話した。

(ケアネット 土井 舞子)


【 参考文献・参考サイトはこちら 】

1)Yala A, et al. Radiology. 2019;292:60-66.

愛媛大学:人工知能(AI)で、乳腺病変の良悪性鑑別の精度を向上、非侵襲的かつ早期の発見を目指す

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HR0.58、camizestrantがER+HER2-進行乳がんでフルベストラントに対しPFS延長(SERENA-2)/SABCS2022

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 ホルモン受容体(ER)陽性/HER2陰性の閉経後進行乳がん(ABC)患者において、次世代経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)であるcamizestrantが、フルベストラントと比較して無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に改善した。第II相SERENA-2試験の結果を、スペイン・Vall d’Hebron University HospitalのMafalda Oliveira氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。

・対象:ER陽性/ HER2陰性の閉経後進行乳がん患者(1ライン以上の内分泌療法後の再発または進行で、ABCに対するフルベストラントまたは経口SERD治療歴はなく、内分泌療法・化学療法は1ライン以下)
・試験群:
camizestrant75mg(C75)群 74例
camizestrant150mg(C150)群 73例
・対照群:フルベストラント(F)群 73例
・評価項目:
[主要評価項目]PFS
[副次評価項目]24週における臨床的ベネフィット率(CBR24)、奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、安全性
[層別化因子]CDK4/6阻害薬による治療歴、肺/肝転移

 主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時点での年齢中央値は60.0(35~89)歳、ECOG 0が58.8%、肺/肝転移ありが58.3%、ESR1変異ありが36.7%だった。
・術後内分泌療法歴ありが66.7%、ABCに対しては化学療法ありが19.2%、内分泌療法ありが68.8%。CDK4/6阻害薬による治療歴ありは49.6%だった。
・PFS中央値は、F群3.7ヵ月に対しC75群7.2ヵ月(ハザード比[HR]:0.58、95%信頼区間[CI]:0.41~0.81、p=0.0124)、C150群7.7ヵ月(HR:0.67、95%CI:0.48~0.92、p=0.0161)となり、camizestrantの両用量群で有意に改善した。
・PFSのサブグループ解析の結果、CDK4/6阻害薬による治療歴ありおよび肺/肝転移あり、ベースライン時点でESR1変異を有する患者とER-driven disease(5th ESO-ESMO ABCにより定義)の患者において、camizestrantの両用量はフルベストラントと比較し臨床的に意義のある改善を示した。
・camizestrantの両用量での治療により、ctDNAにおけるESR1変異のレベルがサイクル 2の1日目までに検出不能または検出不能に近いレベルまで低下し、これをサイクル7の 1日目まで維持した。フルベストラントも低下させたが、camizestrantほどの低下はみられなかった。
・ORRはF群11.5%に対しC75群15.7%(オッズ比[OR]:1.43、95%CI:0.63~3.33、両側p=0.4789)、C150群20.3%(OR:1.96、95%CI:0.88~4.51、両側p=0.1675)だった。
・CBR24はF群39.1%に対しC75群48.8%(OR:1.48、95%CI:0.84~2.64、両側p=0.2554)、C150群51.0%(OR:1.62、95%CI:0.91~2.89、両側p=0.1658)だった。
・Grade3以上のTRAEはC75群1.4%、C150群2.7%、F群1.4%で発生。TRAEによる投与中断はC75群14.9%、C150群21.9%で発生したが(F群4.1%)、短期間であった。
・Grade3以上のTEAEとしては、C75群では血圧上昇、C150群では倦怠感・貧血・関節痛・ALT上昇・四肢痛・低ナトリウム血症が報告されている。

 Oliveira氏は「SERENA-2試験は主要評価項目を達成し、camizestrantは75mgと150mg の両用量で、同患者においてフルベストラントと比較してPFSを改善し、またアンメットメディカルニーズとして事前に設定された各サブグループにおいても臨床的に意義のあるPFS改善効果を示した」とまとめた。また、稀にGrade3以上のTRAEが発生し、減量や中断が行われたものの、両用量ともに忍容性は高いとしている。

 SERENA-4およびSERENA-6の2つの第III相試験が進行中となっている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


【 参考文献・参考サイトはこちら 】

SERENA-2試験(ClinicalTrials.gov)

SERENA-4試験(ClinicalTrials.gov)

SERENA-6試験(ClinicalTrials.gov)

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T-DM1既治療のHER2+進行乳がん、T-DXdがPFSとOSを改善(DESTINY-Breast02)/SABCS2022

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 トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)治療歴のあるHER2+の切除不能または転移を有する乳がん患者に対する、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)と治験医師選択の化学療法(TPC)を比較した第III相DESTINY-Breast02試験において、T-DXd群では無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)が有意に改善したことを、米国・Dana-Farber Cancer InstituteのIan Krop氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。

・対象:T-DM1治療歴のあるHER2+(IHCスコア3+、またはIHCスコア2+かつISH+)の切除不能または転移を有する乳がん
・試験群(T-DXd群):T-DXdを3週間間隔で5.4mg/kg投与 406例
・対照群(TPC群):TPC(トラスツズマブ+カペシタビンまたはラパチニブ+カペシタビン)202例
・評価項目:
[主要評価項目]盲検下独立中央評価委員会(BICR)によるPFS
[副次評価項目]OS、BICRによる奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)、治験医師などの判定によるPFS、安全性

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値は、T-DXd群で21.5ヵ月(0.1~45.6ヵ月)、TPC群で18.6ヵ月(0~45.7ヵ月)であった(データカットオフ:2022年6月30日)。
・T-DXd群の年齢中央値は54.2歳、HR+が58.6%であった。TPC群の年齢中央値は54.7歳、HR+が58.4%であった。両群ともに、過去に中央値2ラインの化学療法歴を有していた。
・BICRによるPFS中央値は、T-DXd群17.8ヵ月vs.TPC群6.9ヵ月(ハザード比[HR]:0.3589、95%信頼区間[CI]:0.2840~0.4535、p<0.000001)であった。
・OS中央値は、T-DXd群39.2ヵ月vs.TPC群26.5ヵ月(HR:0.6575、95%CI:0.5023~0.8605、p=0.0021)であった。
・ORRは、T-DXd群で69.7%、TPC群で29.2%であった。
・DORは、T-DXd群で19.6ヵ月、TPC群で8.3ヵ月であった。
・臨床的ベネフィット率(CBR)は、T-DXd群で82.3%、TPC群で46.0%であった。
・治験医師などの判定によるPFSは、T-DXd群で16.7ヵ月、TPC群で5.5ヵ月であった。
・Grade3以上の治療関連有害事象は、T-DXd群で52.7%、TPC群で44.1%であった。
・間質性肺疾患は、T-DXd群で10.4%(Grade1:2.7%、Grade2:6.4%、Grade3:0.7%、Grade4:0%、Grade5:0.5%)、TPC群で0.5%(Grade3のみ)であった。

 Krop氏は「DESTINY-Breast02試験の結果は、T-DM1治療歴のあるHER2+の切除不能または転移を有する乳がん患者において、T-DXd群では、TPC群と比較して、統計学的にも臨床的にも有意なPFSおよびOSの改善がみられた。安全性はこれまでのT-DXdの報告と一致しており、新たな有害事象は観察されなかった」とまとめた。

(ケアネット 森 幸子)


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DESTINY-Breast02(ClinicalTrials.gov)

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高リスク早期乳がんへの術後内分泌療法+アベマシクリブ、OS中間解析結果(monarchE)/SABCS2022

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 HR+/HER2-リンパ節転移陽性の高リスク早期乳がんにおける術後内分泌療法へのアベマシクリブの追加を検討するmonarchE試験では、すでに主要評価項目の無浸潤疾患生存期間(IDFS)と副次評価項目である遠隔無転移生存期間(DRFS)を改善することが示されている。今回、主要評価項目の解析から2年後に予定されていた全生存期間(OS)中間解析(IA2)の結果を、英国・The Royal Marsden HospitalのStephen R.D. Johnston氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2022)で発表した。なお、この結果はThe Lancet Oncology誌オンライン版2022年12月6日号に同時掲載された。

・対象:再発リスクの高いHR+/HER2-の早期乳がん
[コホート1]リンパ節転移4個以上、リンパ節転移1~3個の場合はグレード3もしくは腫瘍径5cm以上
[コホート2]リンパ節転移1~3個かつKi-67値20%以上かつグレード1~2で腫瘍径5cm未満
・試験群:術後療法として、標準的内分泌療法(タモキシフェンもしくはアロマターゼ阻害薬)+アベマシクリブ150mg1日2回。アベマシクリブは最長2年投与(ET+アベマシクリブ群:2,808例)
・対照群:術後療法として、標準的内分泌療法を5年以上施行(ET群:2,829例)
・評価項目:
[主要評価項目]IDFS
[副次評価項目]Ki-67高値集団におけるIDFS、DRFS、OS、安全性、薬物動態、患者報告アウトカム

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値42ヵ月(データカットオフ:2022年7月1日)時点で、すべての患者がアベマシクリブ投与を終了していた。
・ITT集団におけるIDFSのハザード比(HR)は0.664(95%信頼区間[CI]:0.578~0.762、p<0.0001)で、IDFS率の絶対的ベネフィットは、2年時の2.8%、3年時の4.8%に比べ4年時は6.4%に増加した。
・ITT集団におけるDRFSのHRは0.659(95%CI:0.567~0.767、p<0.0001)で、DRFS率の絶対的ベネフィットは、2年時の2.5%、3年時の4.1%に比べ4年時は5.9%に増加した。
・ITT集団におけるOSはimmatureであった(HR:0.929、95%CI:0.748~1.153、p=0.5027)が、死亡例数はET+アベマシクリブ群(157例)がET群(173例)より少なかった。
・コホート1において、Ki-67高値のほうが低値より予後不良だったが、Ki-67値にかかわらずアベマシクリブの治療効果が認められた。
・アベマシクリブの安全性プロファイルは管理可能で、高リスク集団にも忍容可能と考えられた。

 Johnston氏は「今回の追加解析で、術後アベマシクリブのベネフィットは増大し、4年時のIDFSとDRFSの絶対的ベネフィットは2年時、3年時と比べて増加した。OSは現時点ではimmatureだったが、ET群に比べET+アベマシクリブ群で死亡例数が少なかった」とまとめた。

(ケアネット 金沢 浩子)


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monarchE(ClinicalTrials.gov)

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術前化療で完全奏効のTN or HER2+乳がん、手術省略できるか/Lancet Oncol

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 トリプルネガティブ(TN)およびHER2陽性乳がん患者において、術前化学療法により病理学的完全奏効を達成した場合は予後良好とされ、経皮的画像ガイド下吸引補助式乳房組織生検(VACB)により正確に判断することが可能である。今回、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのHenry M. Kuerer氏らは、術前化学療法を受けたTNまたはHER2陽性の早期乳がん患者において、画像ガイド下VACBにより病理学的完全奏効と判定された場合に、手術を省略し放射線治療のみにできるかどうか検討した。The Lancet Oncology誌2022年12月号に掲載。

 本試験は米国の7施設による多施設共同単群第II相試験で、対象はcT1-2N0-1M0のTNまたはHER2陽性乳がんの妊娠していない40歳以上の女性で、標準的な術前化学療法後、残存病変が画像上2cm未満の患者とした。画像ガイド下VACBで浸潤性・潜在性がんが確認されなかった場合、手術を省略し、標準的な全乳房放射線治療を行った。主要評価項目は、生検による同側乳がん再発率、安全性はVACBを受けた全患者を対象に評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・2017年3月6日~2021年11月9日に50例が登録され、年齢中央値は62歳(四分位範囲:55~77)、TN乳がん21例(42%)、HER2陽性乳がん29例(58%)であった。
・VACBにより31例(62%、95%信頼区間:47.2~75.4)に病理学的完全奏効を確認した。
・これらの31例について、観察期間中央値26.4ヵ月(四分位範囲:15.2~39.6)時点で、同側乳がん再発は認められなかった。
・生検関連の重篤な有害事象や治療関連死亡は発生しなかった。

 この第II相試験の結果から、著者らは、術前化学療法後に画像ガイド下VACBで病理学的完全奏効が判定された患者には手術省略が可能と考察している。

(ケアネット 金沢 浩子)


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Kuerer HM, et al. Lancet Oncol. 2022;23:1517-1524.

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中程度の運動で乳がん患者の死亡リスクが60%減!?

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 乳がん患者における日常動作以上の身体活動レベルと全死因死亡リスクの関連を評価した結果、中程度の身体活動であっても死亡リスクが60%低いことを、米国・カイザーパーマネンテ南カリフォルニアのLie Hong Chen氏らが明らかにした。身体活動による乳がんの発症リスク低減効果は知られているが、乳がんと診断された後の身体活動の効果に関する評価はまだ不十分であった。JAMA Netw Open誌2022年11月17日リサーチレター掲載の報告。

 研究グループは、2年以上前に乳がんの診断を受け(生存期間中央値6年)、カリフォルニア州のヘルスケアプランのメンバーであった閉経後乳がん患者のコホート研究を実施した。対象は、1996~2012年に初期の乳がん(TNM分類0~II期)と診断された患者で、調査は2013年8月1日~2015年3月31日に行われ、2022年4月30日または患者死亡まで追跡された。

 身体活動レベルと疲労度は、ゴーディン式余暇運動調査票(GSLTPAQ)およびFatigue Severity Inventory(簡易倦怠感尺度)の2つのアンケートによって聞き取った。身体活動レベルと全死因死亡リスクの関連を、年齢、乳がんの病期、疲労度、併存疾患、診断からの年数、人種・民族、不眠症とうつ病の既往、がん治療の種類(内分泌療法、化学療法、放射線治療)によって調整し、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・参加者315例の平均年齢は71歳(57~86歳)で、68.9%が非ヒスパニック系白人であった。
・最長追跡期間8.7年(中央値7.8年[四分位範囲:7.3~8.3年])において、45例(14.3%)が死亡した。うち5例が乳がんによる死亡であった。
・死亡率は、身体活動レベルが高い群(高強度[ランニング、ジョギングなど]または高頻度)では12.9/1,000人年、身体活動レベルが中程度の群(中強度[早歩き、ゆっくりとしたサイクリングなど])では13.4/1,000人年、身体活動レベルが低い群(低強度[ヨガ、アーチェリーなど]または低頻度)では32.9/1,000人年であった。
・多変量解析において、身体活動レベルが低い群と比較して、身体活動レベルが高い群の死亡のハザード比(HR)は0.42(95%信頼区間[CI]:0.21~0.85)、身体活動レベルが中程度の死亡のHRは0.40(同:0.17~0.95)であった。

 これらの結果より、研究グループは「本研究は食事情報と客観的な身体活動の評価を欠いているという限界がある」としたうえで、「身体活動レベルが高い参加者と中程度の参加者の死亡リスクは同程度であり、がん患者のケアにおいて身体活動の取り組みを検討する必要がある」とまとめた。

(ケアネット 森 幸子)


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Chen LH, et al. JAMA Netw Open. 2022;5:e2242660.

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