出産や授乳は乳がんの生涯リスク低下と関連する一方、出産後早期は一過性に乳がんリスクや予後不良リスクが高まることが知られている。今回、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CenterのCourtney T. van Geelen氏らが生殖細胞系列病的バリアント(PV)を有する乳がん患者において、最終出産から乳がん診断までの期間や授乳歴と全生存期間(OS)との関連を検討したところ、最終出産から10年以上経過した後の診断および授乳歴は、良好なOSと独立して関連していた。ESMO Open誌2026年9月号に掲載。
本研究は、オーストラリアおよびニュージーランドの遺伝性乳がんコホートKathleen Cuningham Foundation Consortiumのデータを用いた後ろ向きコホート研究である。対象は、1980~2022年に浸潤性乳がんと診断され、高・中程度浸透率の乳がん感受性遺伝子にクラス4~5のPVを有し、乳がん診断後に妊娠していない女性1,200例とした。最終出産から診断までの期間を、未産、10年未満、10年以上に分類した。年齢、エストロゲン受容体(ER)の有無、化学療法、手術、放射線療法を調整したCox比例ハザードモデルを使用して、OSとの関連を評価した。
術前化学療法(NAC)は女性の乳がんで広く行われているが、男性の乳がんにおけるNACの有効性は十分に明らかになっていない。今回、中国・Zhejiang University School of MedicineのLiwei Pang氏らは、SEERデータベースを用いて、男性乳がんに対するNAC後の病理学的完全奏効(pCR)率および全生存期間(OS)をサブタイプ別に検討した。その結果、男性乳がん患者では女性乳がん患者と比較してpCR率が有意に低く、とくにホルモン受容体(HR)+/HER2-およびHR+/HER2+ではNACへの抵抗性がより高かった。また、男性乳がんにおいてpCRはOSの予後因子ではないことが示唆された。Breast Journal誌2026年9月12日号に掲載。
本研究は、米国のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)データベースから2000~20年にNACを受けた男性乳がん患者のデータを抽出して実施した後ろ向き観察研究である。患者をHR+/HER2-、HR+/HER2+、HR-/HER2+、HR-/HER2-に分類し、pCR(ypT0/Tis ypN0)率を比較した。OSはKaplan-Meier法で推定し、log-rank検定により差を解析した。また、後ろ向き観察研究での選択バイアスを軽減するため傾向スコアマッチングを行い、単変量および多変量Cox比例ハザード回帰によりOSに関連する予後因子を検討した。
乳がん術後放射線療法の部位(左側vs.右側)と虚血性心疾患リスクとの関連を調査した後ろ向きコホート研究の結果、ベースライン時の心血管リスクが高い患者では、左側乳房への放射線療法(左側RT)は、右側乳房への放射線療法(右側RT)と比較して虚血性心疾患リスクの上昇と関連したことを、韓国・Ajou University School of MedicineのChung Seung Yeun氏らが示した。JAMA Network Open誌2026年9月2日号掲載の報告。
早期乳がん患者において、局所再発(LRR)は遠隔転移および乳がん関連死亡リスクの増加と関連しているが、2回連続して同側LRRが発生した場合の転帰に関するデータはきわめて少ない。今回、イタリア・European Institute of OncologyのMonica Milano氏らは、ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)乳がんで2回の同側LRRを経験した患者の転帰について単施設コホート研究で評価した。その結果、約半数の患者で7年以内に無浸潤性乳がん生存(IBCFS)イベントが発生し、とくに内分泌療法抵抗性や胸壁・領域リンパ節再発で予後不良の傾向が示された。eClinicalMedicine誌2026年8月31日号に掲載。
本研究は、European Institute of Oncologyのデータベースを用いた単施設コホート研究で、対象は、2001年1月~2025年9月に2回目の同側LRRを経験した18歳以上のHR+/HER2-乳がん患者とした。評価項目はIBCFSおよび無遠隔再発生存(DRFS)であった。