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CDK4/6阻害薬とアロマターゼ阻害薬による治療後に進行したHR+/HER2-/PIK3CA変異型の進行乳がんを対象に、PI3K/AKT/mTOR(PAM)経路を包括的に阻害するgedatolisib+フルベストラント±パルボシクリブ併用療法と、α特異的PI3K阻害薬alpelisib+フルベストラント併用療法を比較した第III相VIKTORIA-1試験コホート2の結果を、米国・ワシントン大学のSara A. Hurvitz氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。gedatolisibベースの併用療法は無増悪生存期間(PFS)の中央値を2倍に延長し、かつ有害事象による治療中止率は低かったことが示された。
VIKTORIA-1試験は、CDK4/6阻害薬とアロマターゼ阻害薬投与中または投与後に進行したHR+/HER2-の進行乳がん患者を対象とした第III相ランダム化試験。PIK3CAの状態に基づいてコホート1(PIK3CA野生型)とコホート2(PIK3CA変異型)に分けられている。これまでのPIK3CA野生型コホートの報告では、フルベストラント単独群と比較して、gedatolisib+パルボシクリブ+フルベストラント併用群(ハザード比[HR]:0.24、95%信頼区間[CI]:0.17~0.35、p<0.0001)およびgedatolisib+フルベストラント併用群(HR:0.33、95%CI:0.24~0.48、p<0.0001)は、PFSにおいて統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善をもたらしたことが報告されている。
コホート2では、PIK3CA変異を有する患者(362例)は、gedatolisib+パルボシクリブ+フルベストラント併用群(gedatolisib3剤併用群、155例)、gedatolisib+フルベストラント併用群(gedatolisib2剤併用群、52例)、alpelisib+フルベストラント併用群(alpelisib併用群、155例)に3:1:3で無作為に割り付けられた。スケジュールは28日間サイクルで、gedatolisibは180mgを3週投与1週休薬(週1回静脈内投与)、パルボシクリブは125mgを3週投与1週休薬(連日経口投与)、フルベストラントは500mgを1・15日目、その後4週ごと(筋肉内投与)、alpelisibは300mg(連日経口投与)とした。
主要評価項目は、gedatolisib3剤併用群vs.alpelisib併用群の盲検下独立中央判定(BICR)によるPFSであった。重要な副次評価項目は全生存期間(OS)、その他の副次評価項目はgedatolisib2剤併用群vs.alpelisib併用群のPFS、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性などであった。データカットオフは2026年3月9日。
主な結果は以下のとおり。
・ベースラインの患者特性は3群間でバランスがとれていた。gedatolisib3剤併用群、gedatolisib2剤併用群、alpelisib併用群の年齢中央値は60歳/62歳/60歳、閉経後が81.3%/86.5%/81.3%、肝または肺転移ありが78.7%/76.9%/72.9%、前治療における病勢進行までの期間が6ヵ月以下だったのが14.2%/11.5%/17.4%であった。前治療のCDK4/6阻害薬は大部分がパルボシクリブまたはribociclibであった。
・追跡期間中央値12.8ヵ月時点のPFSにおいて、gedatolisib3剤併用群vs.alpelisib併用群のHRは0.50(95%CI:0.37~0.68、p<0.0001)、gedatolisib2剤併用群vs.alpelisib併用群のHRは0.51(95%CI:0.33~0.79、p=0.0013)であり、gedatolisibベースの治療により統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善をもたらした。PFS中央値は下記のとおり。
-gedatolisib3剤併用群 11.1ヵ月(95%CI:9.0~16.7)
-gedatolisib2剤併用群 11.3ヵ月(95%CI:9.1~22.1)
-alpelisib併用群 5.6ヵ月(95%CI:5.2~7.4)
・OSデータは未成熟であるものの(成熟度45.8%)、データカットオフ時点でOSイベントはgedatolisib3剤併用群30.4%、gedatolisib2剤併用群27.1%、alpelisib併用群34.6%に発生した。gedatolisib3剤併用群vs.alpelisib併用群のHRは0.76(95%CI:0.50~1.14、p=0.0908)、gedatolisib2剤併用群vs.alpelisib併用群のHRは0.93(95%CI:0.55~1.6、p=0.4026)であった。OS中央値は下記のとおり。
-gedatolisib3剤併用群 NR(95%CI:21.5~NE)
-gedatolisib2剤併用群 22.8ヵ月(95%CI:17.6~NE)
-alpelisib併用群 31.1ヵ月(95%CI:20.0~NE)
・ORRは、gedatolisib3剤併用群48.9%、gedatolisib2剤併用群35.7%、alpelisib併用群26.0%であった。
・DOR中央値は、gedatolisib3剤併用群15.7ヵ月(95%CI:9.2~20.6)、gedatolisib2剤併用群24.2ヵ月(95%CI:7.4~NE)、alpelisib併用群7.5ヵ月(95%CI:5.5~15.8)であった。
・治療関連の有害事象(AE)による治療中止率は、gedatolisib3剤併用群2.6%、gedatolisib2剤併用群3.8%、alpelisib併用群7.1%であった。gedatolisib3剤併用群で多く認められたAEは、好中球減少症(63.4%[Grade3:47.7%、Grade4:11.1%])と口内炎(61.4%[Grade3:16.3%])であった。
・全Gradeの高血糖は、gedatolisib3剤併用群15.0%(Grade3:2.6%)、gedatolisib2剤併用群11.5%(いずれもGrade1/2)、alpelisib併用群57.9%(Grade3:13.8%、Grade4:0.7%)に発現した。
これらの結果より、Hurvitz氏は「gedatolisib+フルベストラント±パルボシクリブ併用療法は、CDK4/6阻害薬とアロマターゼ阻害薬による治療後に進行したHR+/HER2-/PIK3CA変異型の進行乳がんの新たな標準治療となる可能性がある。コホート1の結果と組み合わせることで、VIKTORIA-1試験はPIK3CA変異の有無にかかわらずHR+/HER2-進行乳がんにおけるドライバー遺伝子としてのPAM経路の重要性を検証した」とまとめた。
(ケアネット 森)
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