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サシツズマブ ゴビテカン(SG)は、既治療で転移を有するトリプルネガティブおよびHR+/HER2-乳がん患者を対象とした複数の臨床試験において、標準治療と比較して患者の転帰を大幅に改善し、安全性プロファイルは管理可能であることが示されている。今回、米国やカナダ、欧州、アジアで実施された試験でSGを投与された転移乳がん患者の安全性データを統合した解析結果を、米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのHope S. Rugo氏が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)で発表した。
対象となった試験は、北米・欧州で実施されたASCENT試験、TROPiCS-02試験、IMMU-132-01試験、アジアで実施されたEVER-132-001試験、EVER-132-002試験、ASCENT-J02試験であった。試験治療下における有害事象(TEAE)は初回投与日から最終投与の30日以内に発現したすべての有害事象(AE)と定義し、北米・欧州とアジアの両地域で比較した。
主な結果は以下のとおり。
・解析には、北米・欧州の688例とアジアの281例が含まれた。両地域のほぼ全例(99%以上)がいずれかのGradeのTEAEを経験し、Grade3以上のTEAEは北米・欧州74%およびアジア78%、重篤な有害事象は28%および22%に発現した。
・SGの減量(北米・欧州28%、アジア24%)、中断(61%、63%)、中止(5%、4%)、死亡(1%、3%)につながったTEAEの発現率は両地域で同程度であった。
・投与中止につながった最も一般的なTEAEは、北米・欧州では好中球減少症、下痢、疲労、肺炎(それぞれ1%未満)であり、アジアでは好中球減少症、白血球減少症、疲労、敗血症性ショック(それぞれ1%)であった。
・全GradeおよびGrade3以上の好中球減少症、貧血、白血球減少症、全GradeのAST/ALT上昇、低アルブミン血症はアジアのほうが北米・欧州よりも高頻度であった。
・全GradeおよびGrade3以上の下痢と全Gradeの疲労はアジアのほうが少なかった。
・好中球減少症は両地域ともに治療初期に多く発現したが、適切なマネジメントや減量により、その後減少した。
・両地域ともにG-CSF製剤の予防的投与は好中球減少症の発現率の低下と関連しており、1次予防としてのG-CSF製剤の有用性が示唆された。
・下痢および悪心も適切な支持療法によって管理可能であることが示唆された。
これらの結果より、Rugo氏は「全GradeおよびGrade3以上のTEAE、減量・中断・中止・死亡につながったTEAEの発現率は北米・欧州とアジアの両地域で同程度であった。本研究は、転移乳がんにおけるSGのアジアを含む安全性解析としてはこれまでで最大規模のものであり、患者サブグループ間でSGが一貫して管理可能な安全性プロファイルを有する治療薬であることを改めて裏付けるものである」とまとめた。
(ケアネット 森)









