HR+/HER2+進行乳がん、導入療法後の維持療法にパルボシクリブ追加でPFS延長(PATINA)/NEJM

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 ホルモン受容体陽性、HER2陽性の進行乳がんの1次治療では、標準的な導入療法で病勢の進行を認めなかった患者の維持療法において、標準療法単独と比較して標準療法+パルボシクリブ(サイクリン依存性キナーゼ4/6阻害薬)は、無増悪生存期間(PFS)が有意に1年超長く、奏効率や奏効例の奏効期間も良好だが、Grade3/4の有害事象の頻度が2倍超であることが、米国・Harvard Medical SchoolのOtto Metzger氏らが実施した「PATINA試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2026年1月29日号に掲載された。

8ヵ国の無作為化第III相試験

 PATINA試験は、8ヵ国123施設で実施した非盲検無作為化第III相試験であり、2017年6月~2021年7月に参加者を登録した(Pfizerなどの助成を受けた)。

 年齢18歳以上のホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)受容体陽性、HER2陽性の進行乳がんで、1次治療における導入療法として化学療法(タキサン系薬剤)+HER2標的療法(トラスツズマブ+ペルツズマブまたはトラスツズマブ単剤)の投与を4~8サイクル受け、病勢の進行を認めなかった患者(完全奏効、部分奏効、安定)を対象とした。

 被験者を、導入療法の最終投与日から12週以内に、維持療法としてHER2標的療法(トラスツズマブ+ペルツズマブまたはトラスツズマブ単剤)+内分泌療法(アロマターゼ阻害薬またはフルベストラント)の投与を開始する群(標準療法群)、または標準療法に加えパルボシクリブの投与を開始する群(パルボシクリブ群)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、担当医評価によるPFS。副次評価項目は、奏効率、臨床的ベネフィット、安全性および全生存期間などであった。

PFS中央値は44.3ヵ月vs.29.1ヵ月

 518例(年齢中央値53.4歳、男性3例[0.6%]、白人401例[77.4%]、閉経後女性320例[61.8%])を登録し、パルボシクリブ群に261例、標準療法群に257例を割り付けた。無作為化前の導入療法のサイクル数中央値は6であり、導入療法終了時に70.1%が完全奏効・部分奏効、29.3%が安定であった。維持療法では、94.0%が2剤併用抗HER2療法、90.7%がアロマターゼ阻害薬の投与を受けた。

 追跡期間中央値53.5ヵ月の時点におけるPFSは、標準療法群が29.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:23.3~38.6)であったのに対し、パルボシクリブ群は44.3ヵ月(32.4~56.8)と有意に延長した(ハザード比:0.75、95%CI:0.59~0.96、両側非層別log-rank検定のp=0.02)。

 また、12、24、48ヵ月時のPFS率は、パルボシクリブ群がそれぞれ84.9%、65.2%、46.5%、標準療法群は73.2%、55.3%、38.3%だった。

 確定された奏効率(導入療法による完全奏効例を除外し、少なくとも2回の連続した評価で完全奏効または部分奏効が持続していた患者の割合)は、パルボシクリブ群が32.9%(95%CI:26.9~39.4)、標準療法群は24.8%(19.3~30.0)であった。

 確定された奏効期間中央値は、パルボシクリブ群が44.9ヵ月(95%CI:27.1~51.6)、標準療法群は30.8ヵ月(26.0~評価不能)だった。

Grade3の有害事象が79.7%、Grade4は10.0%

 Grade3の有害事象は、パルボシクリブ群で79.7%と、標準療法群の30.6%の2倍超の頻度で発現し、主に好中球減少(55.9%vs.2.0%)と白血球減少(15.7%vs.0.8%)であった。Grade4の有害事象は、それぞれ10.0%および3.6%に見られた。

 Grade5の有害事象(試験薬以外の原因による致死的イベント)は、パルボシクリブ群で3.8%、標準療法群で4.4%に認めたが、担当医判定による試験薬関連の死亡の報告はなかった。重篤な有害事象は、それぞれ28.7%および21.8%で発現した。

 また、パルボシクリブ群では、57.7%で減量を要し(27.7%が1回、30.0%が2回の減量)、18%で投与中止の原因となった有害事象が見られた。

 著者は、「本試験では、導入療法中に病勢が進行した患者を除外したため、病変の生物学的特性がより良好な患者を試験集団に集積した可能性がある」「44ヵ月を超える無増悪生存期間の達成は臨床的に意義のある進展を示すもの」「早期死亡はまれで、6ヵ月全生存率は両群とも99%を超えており、これは導入療法を完了して維持療法の段階に移行した患者の良好なアウトカムを反映するものである」としている。

(医学ライター 菅野 守)


【原著論文はこちら】

Metzger O, et al. N Engl J Med. 2026;394:451-462.

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乳がん後の心筋梗塞と脳卒中リスク

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 乳がんと診断された女性におけるその後の心筋梗塞と脳卒中のリスクを分析したところ、心筋梗塞は20%、脳卒中は58%のリスク増加が示唆された。イタリア・トリノ大学のFulvio Ricceri氏らが、イタリア北西部の130万人の女性を対象とした大規模集団研究で分析した結果を、Breast Cancer Research and Treatment誌2026年1月29日号で報告した。

 乳がんの生存期間は検診の普及と治療法の進歩により延長したが、同時に他疾患のリスクも増加している。原因としては、遺伝的要因、共通のリスク因子、治療による副作用などが挙げられる。そこで本研究では、治療の潜在的な副作用を考慮しつつ、乳がん患者における心筋梗塞と脳卒中のリスクを分析した。対象集団は、国勢調査データと複数の医療行政データベースをリンクさせた行政コホート研究であるピエモンテ縦断研究(PLS)の30~75歳の女性で、ベースライン時点で心筋梗塞または脳卒中の既往があった女性は除外した。原因別比例ハザードモデルを用いた競合リスク分析を実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・30~75歳の134万2,333人のうち1万9,203人が乳がんと診断され、そのうち206人(1.1%)が心筋梗塞、203人(1.1%)が脳卒中を発症した。
・乳がん患者では心筋梗塞(ハザード比[HR]:1.20、95%信頼区間[CI]:1.05~1.38)および脳卒中(HR:1.58、95%CI:1.38~1.82)のリスク増加が認められた。
・心筋梗塞については化学療法が主要な危険因子であったが、脳卒中については治療法による違いは認められなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)


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Ricceri F, et al. Breast Cancer Res Treat. 2026;215:66.

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PD-L1陽性の未治療TN乳がん、サシツズマブ ゴビテカン併用でPFS延長/NEJM

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 未治療のPD-L1陽性局所進行トリプルネガティブ乳がん患者の治療において、化学療法+ペムブロリズマブと比較してサシツズマブ ゴビテカン+ペムブロリズマブは、有意に長い無増悪生存期間(PFS)をもたらし、奏効期間が長い傾向を認め、有害事象による投与中止率が低いことが、米国・Harvard Medical SchoolのSara M. Tolaney氏らASCENT-04/KEYNOTE-D19 Clinical Trial Investigatorsが実施した「ASCENT-04/KEYNOTE-D19試験」で示された。サシツズマブ ゴビテカンは、抗Trop-2モノクローナル抗体とトポイソメラーゼI阻害薬であるSN-38を結合させた抗体薬物複合体。ASCENT試験の知見に基づき、2レジメン以上の全身療法を受けた転移を有するトリプルネガティブ乳がんの治療薬として日本を含む複数の国で承認されている。NEJM誌2026年1月22日号掲載の報告。

28ヵ国の無作為化第III相試験

 ASCENT-04/KEYNOTE-D19試験は、日本を含む28ヵ国186施設で実施した非盲検無作為化第III相試験(Gilead Sciencesの助成を受けた)。

 2022年10月~2024年8月の期間に参加者を登録した。進行病変に対する前治療を受けておらず、PD-L1陽性の切除不能な局所進行・転移を有するトリプルネガティブ乳がんの成人患者を対象とした。

 被験者を、サシツズマブ ゴビテカン(21日を1サイクルとして、1、8日目に静脈内投与)+ペムブロリズマブ(同1日目に静脈内投与)を受ける群、または担当医が選択した化学療法+ペムブロリズマブ(同1日目に静脈内投与)を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。化学療法は、パクリタキセルまたはアルブミン懸濁型パクリタキセル(28日を1サイクルとして、1、8、15日目に静脈内投与)、あるいはゲムシタビン+カルボプラチン(21日を1サイクルとして、1、8日目に静脈内投与)のうち1つを選択した。

 主要評価項目はPFSとし、盲検下に独立中央審査委員会が評価した。

担当医判定でも同様の結果

 443例を登録し、サシツズマブ ゴビテカン群に221例(年齢中央値54歳)、化学療法群に222例(同55歳)を割り付けた。全例が女性であった。全体の追跡期間中央値は14.0ヵ月(範囲:0.1~28.6)だった。

 PFS中央値は、化学療法群が7.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:7.3~9.3)であったのに対し、サシツズマブ ゴビテカン群は11.2ヵ月(95%CI:9.3~16.7)と有意に優れた(ハザード比[HR]:0.65、95%CI:0.51~0.84、両側p<0.001)。担当医判定によるPFS中央値も同様の結果であった(11.3ヵ月vs.8.3ヵ月、HR:0.67、95%CI:0.52~0.87)。

 全生存期間に関するデータは未成熟で、両群とも中央値には未到達だった。

 客観的奏効率(完全奏効+部分奏効)は、サシツズマブ ゴビテカン群が60%(95%CI:53~66)、化学療法群は53%(95%CI:46~60)であった。また、奏効例の奏効期間中央値はそれぞれ16.5ヵ月(95%CI:12.7~19.5)および9.2ヵ月(95%CI:7.6~11.3)であり、サシツズマブ ゴビテカン群で長い傾向を認めた。

有害事象による投与中止、12%vs.31%

 Grade3以上の有害事象は、サシツズマブ ゴビテカン群で71%、化学療法群で70%に発現し、頻度の高いものとして好中球減少(43%vs.45%)、下痢(10%vs.2%)、貧血(7%vs.16%)がみられた。有害事象による投与中止の発生率は、サシツズマブ ゴビテカン群で低かった(12%vs.31%)。死亡の原因となった有害事象の発生率は、両群とも3%であった。

 著者は、「PFSの有益性に加え、奏効期間が長く、投与中止の可能性が低いことは、転移を有するトリプルネガティブ乳がん患者のほぼ半数が初回治療ライン以降の治療を受けない現状を踏まえると、サシツズマブ ゴビテカン+ペムブロリズマブが、早期治療ラインにおいて、この治療困難な患者集団のアウトカムの改善に進展をもたらすものであることを示している」「この抗体薬物複合体と免疫療法薬の併用療法の安全性プロファイルは、各薬剤の既知のプロファイルと一致しており、新たな安全性の懸念は認めなかった」としている。

(医学ライター 菅野 守)


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Tolaney SM, et al. N Engl J Med. 2026;394:354-366.

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HER2+早期乳がん、術前化学療法によるcCRの予測因子を同定

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 初期薬物療法後に臨床的完全奏効(cCR)が得られたHER2陽性早期乳がんにおける非切除療法の有用性を検証することを目的としたJCOG1806試験において、探索的解析としてcCR率と予測因子を検討した。その結果、HER2陽性早期乳がんの57.6%で初期薬物療法後にcCRが得られ、予測因子としてER陰性、IHCスコア3+、高い組織学的グレードが同定された。広島大学の重松 英朗氏らが、International Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年1月22日号で報告した。

 本試験は単群検証的試験で、HER2陽性はIHCスコア3+またはISH増幅あり、cCRは触診、造影MRI、超音波検査で検出可能な病変が認められない状態と定義した。多変量ロジスティック回帰分析を用いてcCRの予測因子を同定した。

 主な結果は以下のとおり。

・cCR率は57.6%(196例/340例、95%信頼区間[CI]:52.2~63.0)であった。
・ER陽性度が高い腫瘍(10%以上)は、ER陰性腫瘍と比較してcCR率が有意に低かった(オッズ比[OR]:0.41、95%CI:0.20~0.81)。
・IHCスコア3+の乳がんは、IHCスコア1+/2+よりもcCR率が高かった(OR:2.19、95%CI:1.01~4.74)。
・組織学的グレード1の乳がんと比較して、グレード2(OR:2.92、95%CI:1.07~7.93)およびグレード3(OR:4.90、95%CI:1.76~13.7)でcCRのオッズが高かった。
・非cCRで手術を受けた患者において22.2%がypT0と診断された。

(ケアネット 金沢 浩子)


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Shigematsu H, et al. Int J Clin Oncol. 2026 Jan 22. [Epub ahead of print]

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高齢者におけるCDK4/6阻害薬の毒性、薬剤別に調査

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 高齢者におけるCDK4/6阻害薬の安全性は十分に検討されていない。トルコ・Koc大学のBahadir Koylu氏らは、FAERSデータベースの分析を通じて、高齢者におけるCDK4/6阻害薬(アベマシクリブ、パルボシクリブ、ribociclib)に関連する毒性を調査したところ、腎毒性、肺毒性、心毒性、神経認知毒性の発現率が高く、アベマシクリブは腎毒性・肺毒性、パルボシクリブは神経毒性・血栓性/出血性毒性、ribociclibは腎毒性・心毒性との関連が認められた。Breast誌2025年12月29日号に掲載。

 この後ろ向き薬物安全性調査は、CDK4/6阻害薬が主に疑われる薬剤として記録された乳がん女性患者4万9,223例(18~100歳)を同定し、4つの年齢層(65歳未満、65~74歳、75~84歳、85歳以上)に層別化した。年齢関連の差異を検出するため、年齢層別多変量解析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・アベマシクリブでは、高齢のサブグループで急性腎不全および間質性肺疾患がより頻繁に報告された。消化器系および血液系の有害事象は加齢に伴い報告頻度が減少した。
・パルボシクリブでは、認知症、聴覚・前庭障害、水晶体疾患、関節炎、血栓性イベント、中枢神経系出血性合併症のオッズが年齢とともに有意に増加した。
・ribociclibでは、高齢のサブグループで急性腎不全、慢性腎臓病、不整脈、虚血性心疾患の報告が増加した。肝臓関連有害事象の報告頻度は加齢とともに減少した。

(ケアネット 金沢 浩子)


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Koylu B, et al. Breast. 2025;85:104687. [Epub ahead of print]

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加工食品、がん罹患リスクと関連する保存料を特定/BMJ

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 フランス・ソルボンヌ・パリ・ノール大学のAnais Hasenbohler氏らは大規模前向きコホート研究において、加工食品で広く使用されている保存料の摂取と、がん(全体、乳がん、前立腺がん)罹患率上昇に、複数の正の関連が観察されたことを報告した。保存料は、微生物や酸化による劣化を防ぐことで保存可能期間を延長する、包装食品に添加される物質。それら保存料については、in vivoおよびin vitroの実験的研究において、終末糖化産物(AGE)ならびに変異原性および潜在的発がん活性に関与する負の影響が示唆されていた。BMJ誌2026年1月7日号掲載の報告。

大規模前向きコホートで、保存料の摂取量とがん罹患の関連を評価

 保存料が添加された食品とがん罹患率の関連を大規模前向きコホートで調べる検討は、French NutriNet-Sante cohort(2009~23年)のデータを用いて行われた。

 対象は、ベースラインで少なくとも2回の24時間食事記録を完了し、がんに罹患していない15歳以上10万5,260例であった。

 研究グループは、ブランド加工食品に含まれている保存料の累積時間依存摂取量を、24時間食事記録を用いて評価し、3つの食品成分データベースとNutriNet-Santeデータベースを統合して加工食品に含まれる特定の食品添加物を調べ、事後的ラボ解析で最も頻繁に摂取された添加物と食品の組み合わせについて評価した。

 参加者を、保存料(単一、グループ)別の摂取量で三分位に分類(第1三分位~第3三分位)し(参加者の3分の1以上が摂取していた保存料では参加者を性別に低・中・高摂取者の三分位に分類。それ以外は性別に中央値により非摂取者および低/高摂取者に分類)、摂取量とがん罹患率の関連を、潜在的交絡因子を補正した多変量比例ハザードCoxモデルを用いて解析した。

数種の保存料で、摂取量が多いとがん罹患率が上昇

 参加者の平均年齢は42.0歳(SD 14.5)、女性が78.7%であった。平均追跡期間7.57年(SD 4.56)において、4,226例ががん罹患の診断を受けていた(乳がん1,208例、前立腺がん508例、大腸がん352例、その他2,158例)。

 数種の保存料について、摂取量が多いこととがん罹患率が高いことの関連が次のように認められた。

・非抗酸化物質の総摂取量と(1)全がん(高摂取者vs.非摂取/低摂取者のハザード比[HR]:1.16[95%信頼区間[CI]:1.07~1.26、尤度比検定のp<0.001]、60歳時点の絶対がんリスクはそれぞれ13.3%vs.12.1%)および(2)乳がん(1.22[1.05~1.41、尤度比検定のp=0.02]、5.7%vs.4.8%)。
・ソルビン酸の総摂取量(とくにソルビン酸カリウム)と、(1)全がん(1.14[1.04~1.24、尤度比検定のp=0.01]、13.4%vs.11.8%)および(2)乳がん(1.26[1.07~1.49、尤度比検定のp=0.02]、5.7%vs.4.6%)。
・亜硫酸塩の総摂取量と、全がん(1.12[1.02~1.24、尤度比検定のp=0.03]、13.4%vs.11.9%)。
・ピロ亜硫酸カリウムと、(1)全がん(1.11[1.03~1.20、尤度比検定のp=0.01]、13.5%vs.12.0%)および(2)乳がん(1.20[1.04~1.38、尤度比検定のp=0.01]、5.7%vs.4.9%)。
・亜硝酸ナトリウムと、前立腺がん(1.32[1.02~1.70、傾向のp=0.03]、4.2%vs.3.4%)。
・硝酸カリウムと(1)全がん(1.13[1.05~1.23、尤度比検定のp=0.001]、14.0%vs.12.0%)および(2)乳がん(1.22[1.05~1.41、尤度比検定のp=0.003]、5.9%vs.4.8%)。
・酢酸塩の総摂取量と(1)全がん(1.15[1.06~1.25、尤度比検定のp=0.003]、14.3%vs.12.2%)および(2)乳がん(1.25[1.07~1.45、尤度比検定のp=0.02]、6.1%vs.4.9%)。
・酢酸と全がん(1.12[1.01~1.25、尤度比検定のp=0.01]、14.4%vs.12.4%)。
・エリソルビン酸ナトリウムと、(1)全がん(1.12[1.04~1.22、尤度比検定のp<0.001]、13.5%vs.11.9%)および(2)乳がん(1.21[1.04~1.41、尤度比検定のp=0.01]、5.7%vs.4.8%)。

がんと関連しない保存料は17種のうち11種

 個別に検証した保存料17種のうち11種は、がん罹患との関連が示されなかった。

 著者は、「がん発症との関連をより深く理解するためには、健康関連バイオマーカーをベースとした疫学調査および実験的研究を行う必要があるが、もし今回の新たなデータが確認されれば、消費者保護強化の観点から、食品業界に対して添加物の使用規定の見直しを求めることになる。少なくとも今回得られた知見は、消費者に、加工食品は最小限にとどめ新鮮な食品を好んで食するよう推奨する根拠となるものである」とまとめている。

(ケアネット)


【原著論文はこちら】

Hasenbohler A, et al. BMJ. 2026;392:e084917.

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HR+/HER2-転移乳がんへのパルボシクリブ+内分泌療法、日本の実臨床での高齢/PS不良患者における有用性

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 HR+/HER2-進行乳がんの1次治療としてCDK4/6阻害薬が確立され、欧米諸国では実臨床で高齢患者における有効性や安全性が確認されている。しかし、体格の小さいアジア人における高齢者やPS不良の患者でのエビデンスは限られている。今回、日本医科大学多摩永山病院の柳原 恵子氏らがアジア人患者における実臨床でのパルボシクリブ+内分泌療法(ET)の有効性と安全性を評価し、年齢およびPSによるサブグループ解析を実施した。その結果、高齢患者(70歳以上)において無増悪生存期間(PFS)は若年患者と有意な差がみられず、忍容性も良好であった。また、PS 2~3の全患者で病勢コントロールが達成されたという。Oncology Research誌2025年12月30日号に掲載。

 本研究は単施設後ろ向き研究で、2021年4月~2025年3月にHR+/HER2-の再発もしくは転移を有する乳がんに対する1次治療としてパルボシクリブ+ETを投与されたアジア人患者46例を評価した。主要評価項目はPFS、副次評価項目は奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、安全性などであった。年齢(70歳未満vs.70歳以上)およびPS(0~1 vs.2~3)によるサブグループ解析を実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・PFS中央値は26.6ヵ月(範囲:1.4~69.5)で、年齢層別では70歳未満群で26.9ヵ月、70歳以上群で26.2ヵ月(p=0.760)、PS別では0~1群で26.9ヵ月、2~3群で17.8ヵ月であった(p=0.099)。
・ORRは60.9%、DCRは93.5%で、PS 2~3群では全患者で病勢コントロールが達成された。
・最も頻度の高い血液毒性は好中球減少症(80.4%)と白血球減少症(86.7%)で、Grade3以上の貧血はまれ(2.2%)であった。高齢患者では貧血の発現頻度が高かったが、全体的な有害事象は管理可能な範囲であった。
・47.8%が減量されたが、有効性の低下は認められなかった。

 著者らは、「これらの結果は、パルボシクリブ+ETが高齢患者と一部のPS 2~3の患者で有意なベネフィットを示し、年齢もPSも除外基準とすべきではないことを裏付けている」とし、さらに「適切なモニタリングと用量調節により、パルボシクリブは脆弱な集団にも安全に投与でき、効果的な治療へのアクセスが確保できる」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)


【原著論文はこちら】

Yanagihara K, et al. Oncol Res. 2025;34:11.

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転移乳がんへのT-DXd+放射線療法、重篤な毒性増加は示されず

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 転移を有するHER2陽性またはHER2低発現の乳がん患者において、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)と放射線の併用療法は治療上の利点が期待される一方で、安全性と実現可能性に関するエビデンスは限られている。今回、T-DXd治療と放射線療法を同時に併用しても重篤な毒性や治療継続を妨げる毒性の増加は認められなかったことを、イタリア・Azienda Ospedaliero-Universitaria CareggiのLuca Visani氏らが明らかにした。The Breast誌2026年1月2日号掲載の報告。

 転移乳がんの治療では全身治療が病勢コントロールの中心であるが、放射線療法も症状緩和や局所制御のために用いられる。そこで研究グループは、T-DXd治療中に放射線療法を同時に併用しても安全かどうかを後ろ向きに検証した。

 対象は、イタリア、スロベニア、オーストリア、スウェーデンの6施設で2021年5月~2024年5月にT-DXd治療(±放射線療法)を受けた転移を有するHER2陽性またはHER2低発現の乳がん患者であった。併用療法の定義は、T-DXd治療中または治療開始10日以内に実施された放射線療法とした。主要評価項目は併用療法とGrade3以上の有害事象(AE)との関連で、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)や全生存期間(OS)などであった。

 主な結果は以下のとおり。

・全体(147例)の年齢中央値は49歳で、T-DXd+放射線群(67例)は45歳、T-DXd単独群(80例)は53歳であった。脳転移を有する患者はT-DXd+放射線群のほうが多かった(55.2%vs.22.5%)。放射線の照射部位は中枢神経系が最多であった(54.9%)。T-DXd開始からの追跡期間中央値は9(範囲:0.5~46)ヵ月であった。
・Grade3以上のAEは24例(16.3%)に発現し、T-DXd+放射線群(11.9%)とT-DXd単独群(20.0%)の間に有意差は認められなかった(p=0.30)。
・毒性によるT-DXdの中止は19例(12.9%)で、T-DXd+放射線群とT-DXd単独群で同等であった(11.9%vs.13.8%)。
・頭蓋内への放射線照射後に症候性放射線壊死が1例(1.5%)報告された。
・間質性肺疾患は、T-DXd+放射線群で7例(10.4%)、T-DXd単独群で7例(8.8%)に発現した。
・探索的解析では、放射線併用によるPFSまたはOSへの悪影響は示されなかった。

 研究グループは「これらの結果は、HER2陽性またはHER2低発現の転移乳がん患者に対するT-DXdと放射線療法の併用療法は実行可能で忍容性も高いことを示唆するものである。T-DXdと放射線療法の最適な順序、安全性および有効性をより明確にするためには前向き研究が必要である」とまとめた。

(ケアネット 森)


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Visani L, et al. Breast. 2026;85:104691.

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リスクベースvs.年1回の乳がん検診、乳がん発生率や生検率を比較/JAMA

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 集団ベースの遺伝子検査を含むリスクに基づく乳がん検診について、StageIIB以上の乳がん発生率が従来の年1回の検診に対し非劣性で、生検率は低減しないものの、個々のリスクに基づく検診の強度、検診法、開始年齢の層別化の安全にもつながることが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のLaura J. Esserman氏らが実施した「WISDOM試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2025年12月12日号で報告された。

米国の実践的無作為化臨床試験

 WISDOM試験は、全米50州で行われた実践的な並行群間無作為化臨床試験であり、2016年9月~2023年2月に、40~74歳で、乳がんや非浸潤性乳管がん(DCIS)の既往歴がなく、予防的両側乳房切除術を受けていない女性2万8,372人を登録した(Patient-Centered Outcomes Research Institute[PCORI]などの助成を受けた)。

 被験者を、リスクに基づく乳がん検診を受ける群(リスクベース群、1万4,212人)、または年次乳がん検診を受ける群(年次群、1万4,160人)に無作為に割り付けた。すべての研究手順はオンラインのプラットフォーム経由で行った。無作為化を辞退して検診法を自分で選択した女性は観察コホートに登録した。

 リスク評価には、9つの疾患感受性遺伝子、多遺伝子リスクスコア(polygenic risk score:PRS)、Breast Cancer Surveillance Consortium(BCSC)のバージョン2のモデルを用いた。

 リスクベース群は、次の4つのリスク別の推奨事項のいずれか1つを受けた。(1)最高リスク(5年リスクが6%以上で、高浸透率の病原性変異を有する):6ヵ月ごとのマンモグラフィまたはMRIによる交互の検査、カウンセリング、(2)高リスク(年齢別リスクの上位2.5パーセンタイル):年1回のマンモグラフィとリスク低減カウンセリング、(3)平均的リスク:2年ごとのマンモグラフィ、(4)低リスク(40~49歳で、5年リスクが1.3%未満):リスクが1.3%以上になるか、50歳に達するまで検診は不要。

 主要複合評価項目は、StageIIB以上の乳がんの発生の非劣性と、生検率の低減に関する優越性とした。StageIIB以上の乳がん発生については、両群間の絶対差の両側95%信頼区間(CI)の上限値が10万人年当たり50未満の場合に、リスクベース群は非劣性と見なした。

生検率は低減せず

 全体の平均年齢は54(SD 9.6)歳で、非ヒスパニック系白人が77%を占めた。リスクベース群の内訳は、最高リスクが2%、高リスクが8%、平均的リスクが63%、低リスクが27%であった。追跡期間中央値は5.1年で、この間に523件の乳がん(浸潤がん408件[78%]、DCIS 115件[22%])が発生した。

 StageIIB以上の乳がんは52件(リスクベース群21件、年次群31件)発生し、リスクベース群の年次群に対する非劣性が示された(リスクベース群30.0[95%CI:16.3~43.8]/10万人年vs.年次群48.0[95%CI:30.1~65.5]/10万人年、率差:-18.0[95%CI:-40.2~4.1]/10万人年、非劣性のp<0.001)。

 乳房生検率は、リスクベース群で有意な低減を示さなかった(リスクベース群1,029件vs.年次群943件、率差:98.7[95%CI:-17.9~215.3]/10万人年、優越性のp=0.10)。一方、マンモグラフィの施行数はリスクベース群で少なかった(3万2,332件vs.3万4,751件、-3,835.9[-4,516.8~-3,154.9]/10万人年)。

観察コホートの89%がリスクベースを選択

 副次評価項目であるStageIIA以上の乳がんは、リスクベース群の非劣性の基準(群間差の95%CI上限値<100/10万人年)を満たした(率差:-28.6[95%CI:-64.5~7.3]/10万人年)。浸潤性乳がん、DCISの診断率はいずれも両群間で同程度であった。

 リスクベース群におけるがんの発生率、生検、マンモグラフィ、MRIの施行率は、リスクカテゴリーが上昇するに従って増加した。たとえば、浸潤性乳がんの発生率は、10万人/年当たり最高リスクで1,279、高リスクで428、平均的リスクで233、低リスクで169だった。

 なお、これらの無作為化コホートとは別に、自分で検診法を決定した観察コホート(1万8,031人)のうち、1万5,980人(89%)がリスクベースの乳がん検診を選択した。

 著者は、「リスクに基づく乳がん検診は、女性にとって安全かつ受容可能であり、プレシジョン・メディシン(精密医療)時代に、検診の近代化の機会を提供する」「次のプラットフォームであるWISDOM 2.0では、サブタイプ別の祖先集団に基づくリスク評価のためのPRSと、画像診断によるAIを使ったリスク測定値を活用する取り組みが進行中である」としている。

(医学ライター 菅野 守)


【原著論文はこちら】

Esserman LJ, et al. JAMA. 2025 Dec 12. [Epub ahead of print]

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高リスク早期TN乳がん、術後EC+PTXにCBDCA追加で3年DFS・OS改善/BMJ

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 高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者に対する術後補助療法として、エピルビシン+シクロホスファミド(EC療法)後の週1回パクリタキセル(PTX)投与にカルボプラチン(CBDCA)を追加することで、新たな安全性の懸念なく早期再発リスクが低下し、生存アウトカムが有意に改善したことが示された。中国・復旦大学上海がんセンターのYin Liu氏らが、第III相の無作為化非盲検試験「CITRINE試験」の結果を報告した。高リスクの早期TNBCの予後は不良であり、術後補助療法の強化戦略の最適化が依然として必要とされていたが、TNBCに対する術後補助療法としてのアントラサイクリン/タキサン系化学療法へのカルボプラチン追加の有益性については、意見が分かれていた。BMJ誌2025年12月23日号掲載の報告。

中国の復旦大学上海がんセンターで実施

 研究グループは、新たに診断された切除可能な片側浸潤性TNBCで、手術後の切除断端陰性、病理学的に局所リンパ節転移陽性またはリンパ節転移陰性でありKi-67が50%以上の18~70歳の女性患者を、カルボプラチン群または対照群に1対1の割合で無作為に割り付けた。

 カルボプラチン群は、エピルビシン+シクロホスファミドを2週間隔で4サイクル投与後、パクリタキセルとカルボプラチンを1サイクル28日(1日目、8日目、15日目に投与)で4サイクル投与した。対照群は、エピルビシン+シクロホスファミドを3週または2週間隔で4サイクル投与後、パクリタキセルを1サイクル21日(1日目、8日目、15日目に投与)で4サイクル投与した。

 主要評価項目はITT集団における無病生存期間(DFS)、副次評価項目は無再発生存期間(RFS)、遠隔無病生存期間(DDFS)、全生存期間(OS)および安全性であった。

3年DFS、RFS、DDFSおよびOSが改善

 2020年3月~2022年3月に808例が登録され無作為化された(カルボプラチン群404例、対照群404例)。このうち、カルボプラチン群の1例が治療開始前に同意を撤回した。

 データカットオフ日(2025年3月10日)時点で、追跡期間中央値44.7ヵ月において推定3年DFS率は、カルボプラチン群92.3%、対照群85.8%であった(補正前ハザード比[HR]:0.64、95%信頼区間[CI]:0.43~0.95、p=0.03)。しかし、比例ハザード仮説の検証では仮説が成立しないことが判明し(p=0.02)、区分ハザードモデルによる解析の結果、HRが時間経過とともに変化することが示された(0~12ヵ月のHR:0.31[95%CI:0.13~0.73]、12~36ヵ月のHR:0.65[95%CI:0.39~1.09]、36ヵ月以降のHR:1.98[95%CI:0.69~5.69])。

 副次エンドポイントについては、カルボプラチン群は対照群と比較し、3年RFS率(93.8%vs.88.3%、HR:0.59[95%CI:0.37~0.93]、p=0.02)、3年DDFS率(94.8%vs.89.8%、0.61[0.37~0.98]、p=0.04)、および3年OS率(98.0%vs.94.0%、0.41[0.20~0.83]、p=0.01)の改善が認められた。

 Grade3/4の治療関連有害事象の発現割合は、カルボプラチン群で66.7%(269/403例)、対照群で55.0%(222/404例)であった。治療に関連した死亡は認められなかった。

(ケアネット)


【原著論文はこちら】

Liu Y, et al. BMJ. 2025;391:e085457.

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