HR+/HER2-/PIK3CA変異型進行乳がん、gedatolisibベース治療でPFSが倍に延長(VIKTORIA-1 Study 2)/ASCO2026

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 CDK4/6阻害薬とアロマターゼ阻害薬による治療後に進行したHR+/HER2-/PIK3CA変異型の進行乳がんを対象に、PI3K/AKT/mTOR(PAM)経路を包括的に阻害するgedatolisib+フルベストラント±パルボシクリブ併用療法と、α特異的PI3K阻害薬alpelisib+フルベストラント併用療法を比較した第III相VIKTORIA-1試験コホート2の結果を、米国・ワシントン大学のSara A. Hurvitz氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。gedatolisibベースの併用療法は無増悪生存期間(PFS)の中央値を2倍に延長し、かつ有害事象による治療中止率は低かったことが示された。

 VIKTORIA-1試験は、CDK4/6阻害薬とアロマターゼ阻害薬投与中または投与後に進行したHR+/HER2-の進行乳がん患者を対象とした第III相ランダム化試験。PIK3CAの状態に基づいてコホート1(PIK3CA野生型)とコホート2(PIK3CA変異型)に分けられている。これまでのPIK3CA野生型コホートの報告では、フルベストラント単独群と比較して、gedatolisib+パルボシクリブ+フルベストラント併用群(ハザード比[HR]:0.24、95%信頼区間[CI]:0.17~0.35、p<0.0001)およびgedatolisib+フルベストラント併用群(HR:0.33、95%CI:0.24~0.48、p<0.0001)は、PFSにおいて統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善をもたらしたことが報告されている。

 コホート2では、PIK3CA変異を有する患者(362例)は、gedatolisib+パルボシクリブ+フルベストラント併用群(gedatolisib3剤併用群、155例)、gedatolisib+フルベストラント併用群(gedatolisib2剤併用群、52例)、alpelisib+フルベストラント併用群(alpelisib併用群、155例)に3:1:3で無作為に割り付けられた。スケジュールは28日間サイクルで、gedatolisibは180mgを3週投与1週休薬(週1回静脈内投与)、パルボシクリブは125mgを3週投与1週休薬(連日経口投与)、フルベストラントは500mgを1・15日目、その後4週ごと(筋肉内投与)、alpelisibは300mg(連日経口投与)とした。

 主要評価項目は、gedatolisib3剤併用群vs.alpelisib併用群の盲検下独立中央判定(BICR)によるPFSであった。重要な副次評価項目は全生存期間(OS)、その他の副次評価項目はgedatolisib2剤併用群vs.alpelisib併用群のPFS、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性などであった。データカットオフは2026年3月9日。

 主な結果は以下のとおり。

・ベースラインの患者特性は3群間でバランスがとれていた。gedatolisib3剤併用群、gedatolisib2剤併用群、alpelisib併用群の年齢中央値は60歳/62歳/60歳、閉経後が81.3%/86.5%/81.3%、肝または肺転移ありが78.7%/76.9%/72.9%、前治療における病勢進行までの期間が6ヵ月以下だったのが14.2%/11.5%/17.4%であった。前治療のCDK4/6阻害薬は大部分がパルボシクリブまたはribociclibであった。
・追跡期間中央値12.8ヵ月時点のPFSにおいて、gedatolisib3剤併用群vs.alpelisib併用群のHRは0.50(95%CI:0.37~0.68、p<0.0001)、gedatolisib2剤併用群vs.alpelisib併用群のHRは0.51(95%CI:0.33~0.79、p=0.0013)であり、gedatolisibベースの治療により統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善をもたらした。PFS中央値は下記のとおり。
 -gedatolisib3剤併用群 11.1ヵ月(95%CI:9.0~16.7)
 -gedatolisib2剤併用群 11.3ヵ月(95%CI:9.1~22.1)
 -alpelisib併用群 5.6ヵ月(95%CI:5.2~7.4)
・OSデータは未成熟であるものの(成熟度45.8%)、データカットオフ時点でOSイベントはgedatolisib3剤併用群30.4%、gedatolisib2剤併用群27.1%、alpelisib併用群34.6%に発生した。gedatolisib3剤併用群vs.alpelisib併用群のHRは0.76(95%CI:0.50~1.14、p=0.0908)、gedatolisib2剤併用群vs.alpelisib併用群のHRは0.93(95%CI:0.55~1.6、p=0.4026)であった。OS中央値は下記のとおり。
 -gedatolisib3剤併用群 NR(95%CI:21.5~NE)
 -gedatolisib2剤併用群 22.8ヵ月(95%CI:17.6~NE)
 -alpelisib併用群 31.1ヵ月(95%CI:20.0~NE)
・ORRは、gedatolisib3剤併用群48.9%、gedatolisib2剤併用群35.7%、alpelisib併用群26.0%であった。
・DOR中央値は、gedatolisib3剤併用群15.7ヵ月(95%CI:9.2~20.6)、gedatolisib2剤併用群24.2ヵ月(95%CI:7.4~NE)、alpelisib併用群7.5ヵ月(95%CI:5.5~15.8)であった。
・治療関連の有害事象(AE)による治療中止率は、gedatolisib3剤併用群2.6%、gedatolisib2剤併用群3.8%、alpelisib併用群7.1%であった。gedatolisib3剤併用群で多く認められたAEは、好中球減少症(63.4%[Grade3:47.7%、Grade4:11.1%])と口内炎(61.4%[Grade3:16.3%])であった。
・全Gradeの高血糖は、gedatolisib3剤併用群15.0%(Grade3:2.6%)、gedatolisib2剤併用群11.5%(いずれもGrade1/2)、alpelisib併用群57.9%(Grade3:13.8%、Grade4:0.7%)に発現した。

 これらの結果より、Hurvitz氏は「gedatolisib+フルベストラント±パルボシクリブ併用療法は、CDK4/6阻害薬とアロマターゼ阻害薬による治療後に進行したHR+/HER2-/PIK3CA変異型の進行乳がんの新たな標準治療となる可能性がある。コホート1の結果と組み合わせることで、VIKTORIA-1試験はPIK3CA変異の有無にかかわらずHR+/HER2-進行乳がんにおけるドライバー遺伝子としてのPAM経路の重要性を検証した」とまとめた。

(ケアネット 森)


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VIKTORIA-1試験(ClinicalTrials.gov)

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PD-L1陽性転移TN乳がん1次治療のSG+ペムブロリズマブ、PFS2と後治療までの期間を改善(ASCENT-04)/ASCO2026

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 ASCENT-04試験において、PD-L1陽性の転移を有するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の1次治療で、サシツズマブ ゴビテカン(SG)+ペムブロリズマブが化学療法+ペムブロリズマブより無増悪生存期間(PFS)を改善したことがすでに報告されている。今回、PFS2と後治療について解析した結果、化学療法+ペムブロリズマブ群からSG単剤療法へのクロスオーバー率が高かったにもかかわらず、PFS2はSG+ペムブロリズマブ群で長く、長期的なベネフィットが持続することが示唆された。また、最初と2番目の後治療までの期間はどちらもSG+ペムブロリズマブ群で長かった。米国・Winship Cancer Institute of Emory UniversityのKevin Kalinsky氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。

・対象:PD-L1陽性(CPS≧10)で未治療(根治治療の完了から6ヵ月以上経過)の局所進行切除不能/転移TNBC患者
・試験群:SG(21日サイクルの1、8日目に10mg/kg点滴静注)+ペムブロリズマブ(21日サイクルの1日目に200mg)221例
・対照群:化学療法(パクリタキセルもしくはnab-パクリタキセルもしくはゲムシタビン+カルボプラチン)+ペムブロリズマブ 222例、病勢進行後SG単剤への変更を許容
・評価項目:
[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)によるPFS
[副次評価項目]全生存期間、BICRによる奏効率・奏効期間、安全性、QOL
[探索的評価項目]PFS2、最初の後治療までの期間(TFST)、2番目の後治療までの期間(TSST)など

 主な結果は以下のとおり。

・データカットオフ(2025年3月3日)時点で追跡期間中央値は14.0ヵ月であり、SG+ペムブロリズマブ群では43%、化学療法+ペムブロリズマブ群では23%が試験治療を継続していた。
・治療中止例のうち何らかの後治療を受けたのは、SG+ペムブロリズマブ群が55%、化学療法+ペムブロリズマブ群が70%であった。SG+ペムブロリズマブ群では19%がADC(うち3例がSG)、化学療法+ペムブロリズマブ群では82%がADCの投与を受け、ほとんどがSGであった。両群共に3次治療を受けたのは14%と17%だった。
・PFS2は、化学療法+ペムブロリズマブ群のクロスオーバー率が高いにもかかわらずSG+ペムブロリズマブ群で長く、PFS2中央値は、SG+ペムブロリズマブ群では未到達、化学療法+ペムブロリズマブ群で21.0ヵ月であり、層別ハザード比(HR)は0.67(95%信頼区間[CI]:0.48~0.95)であった。
・TFST中央値はSG+ペムブロリズマブ群17.3ヵ月、化学療法+ペムブロリズマブ群9.8ヵ月であり、層別HRは0.59(95%CI:0.46~0.76)、TSST中央値はSG+ペムブロリズマブ群は未到達、化学療法+ペムブロリズマブ群21.0ヵ月であり、層別HRは0.82(95%CI:0.59~1.14)であった。

 Kalinsky氏は、「これらの結果は、PD-L1陽性の転移TNBC患者の1次治療としてSG+ペムブロリズマブの併用投与をさらに支持するものである」と結んだ。

(ケアネット 金沢 浩子)


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ASCENT-04/KEYNOTE-D19試験(ClinicalTrials.gov)

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HR+/HER2-進行乳がんに対するパクリタキセル+ベバシズマブへのアテゾリズマブ追加、PFSの改善みられず(JCOG1919E/AMBITION)/ASCO2026

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 ホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)進行乳がんは免疫学的に「cold」な腫瘍とされ、免疫チェックポイント阻害薬の臨床的有用性は限定的と位置付けられる。一方、VEGFを介した血管新生は免疫抑制的な腫瘍微小環境を促進するため、VEGF阻害により免疫抑制状態を解除し、免疫療法への応答を増強できると考えられる。こうした背景のもと、パクリタキセルおよびベバシズマブへのアテゾリズマブの上乗せ効果を検証する第III相JCOG1919E(AMBITION)試験が国内24施設で実施された。その主要解析結果を、愛知県がんセンターの原 文堅氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO 2026)で報告した。

・対象:切除不能な局所進行・再発またはStageIVのHR+/HER2-乳がん患者(≧20歳、ECOG PS 0~2、内分泌療法抵抗性または生命を脅かす内臓転移あり[有症状の転移があり早急な腫瘍縮小により症状緩和が必要な状態]、進行がんに対する化学療法歴なし)
・試験群(アテゾリズマブ追加群):28日サイクルでパクリタキセル(90mg/m2、1・8・15日目)+ベバシズマブ(10mg/kg、1・15日目)+アテゾリズマブ(840mg、1・15日目)投与 141例
・対照群:28日サイクルでパクリタキセル+ベバシズマブ投与 140例
・評価項目:
[主要評価項目]RECIST v1.1に基づく治験責任医師評価による無増悪生存期間(PFS)
[副次評価項目]全生存期間(OS)、盲検下独立中央判定(BICR)によるPFS、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性
・データカットオフ:2025年9月15日

 主な結果は以下のとおり。

・ベースライン特性は両群でバランスがとれており、年齢中央値はアテゾリズマブ追加群56.0歳vs.対照群57.0歳、PD-L1陽性(IC 1-3)は15.6%vs.16.4%、de novo症例が31.9%vs.34.3%、肝転移が67.4%vs.68.6%、CDK4/6阻害薬併用の内分泌療法歴ありが64.5%vs.62.1%、周術期の化学療法歴ありが42.6%vs.52.1%であった。
・主要評価項目である治験責任医師評価によるPFS中央値は、アテゾリズマブ追加群12.4ヵ月(95%信頼区間[CI]:10.3~15.2)、対照群が11.2ヵ月(95%CI:9.6~13.5)で、統計学的な有意差は認められなかった(層別ハザード比[HR]:0.876、95%CI:0.670~1.145、p=0.168)。
・PD-L1発現状況別にみた治験責任医師評価によるPFS中央値は、IC 0ではアテゾリズマブ追加群13.6ヵ月vs.対照群11.3ヵ月(層別HR:0.826、95%CI:0.619~1.101)、IC 1-3では9.7ヵ月vs.8.4ヵ月(層別HR:1.018、95%CI:0.537~1.931)。
・BICR評価によるPFS中央値は、アテゾリズマブ追加群16.7ヵ月vs.対照群13.8ヵ月であった(層別HR:0.919、95%CI:0.678~1.246、p=0.294)。
・治験責任医師評価によるPFS中央値のサブグループ解析の結果、de novo症例、転移がんへのCDK4/6阻害薬歴なし、周術期化学療法歴なしの患者において、アテゾリズマブ追加群で良好な傾向がみられた。
・OS中央値は、アテゾリズマブ追加群が39.1ヵ月、対照群が31.2ヵ月で、アテゾリズマブ追加群で数値上の改善傾向がみられたものの、統計学的な有意差は示されなかった(層別HR:0.804、95%CI:0.584~1.108、p=0.091)。12ヵ月OS率は85.8%vs.84.8%、24ヵ月OS率は71.6%vs.58.5%、36ヵ月OS率は51.2%vs.41.5%であった。
・治験責任医師評価によるORRはアテゾリズマブ追加群73.0%vs.対照群71.9%、DOR中央値は12.0ヵ月vs.9.5ヵ月であった。
・Grade3以上の試験治療下における有害事象(TEAE)はアテゾリズマブ追加群84.9%vs.対照群78.6%で発現した。アテゾリズマブ追加群では、皮疹(36.0%)、副腎機能不全(11.5%)、甲状腺機能低下症(10.8%)などの免疫関連有害事象が多くみられたが、多くは管理可能であり、既知の安全性プロファイルと一致していた。

 原氏は今回の結果について、「HR+/HER2-進行乳がんに対するパクリタキセル+ベバシズマブへのアテゾリズマブの追加はPFSの統計学的に有意な改善を示さなかった。OSでの数値上の改善傾向はみられたものの、アテゾリズマブのルーチンな追加を支持する結果ではない」と結論付けている。なお、バイオマーカー探索のためのトランスレーショナル研究が予定されている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


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JCOG1919E(AMBITION)試験(ClinicalTrials.gov)

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免疫療法の適応とならない転移TN乳がん1次治療のSG、PFS2と後治療までの期間を改善(ASCENT-03)/ASCO2026

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 ASCENT-03試験において、PD-(L)1阻害薬の適応とならない転移のあるトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の1次治療で、サシツズマブ ゴビテカン(SG)が化学療法より無増悪生存期間(PFS)を改善したことがすでに報告されている。今回、PFS2と後治療までの期間を解析した結果、クロスオーバー率が高いにもかかわらずPFS2がSGで長く、最初と2番目の後治療までの期間がどちらもSG群で長かったことがわかった。米国・Dana-Farber Cancer InstituteのSara M. Tolaney氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。

・対象:PD-(L)1阻害薬投与対象外で未治療の局所進行切除不能/転移TNBC患者
・試験群:SG(21日サイクルの1、8日目に10mg/kg点滴静注)279例
・対照群:化学療法(パクリタキセルもしくはnab-パクリタキセルもしくはゲムシタビン+カルボプラチン)279例、病勢進行後クロスオーバーおよび任意の2次治療可
・評価項目:
[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)によるPFS
[副次評価項目]全生存期間、BICRによる奏効率・奏効期間、安全性、QOL
[探索的評価項目]PFS2、最初の後治療までの期間(TFST)、2番目の後治療までの期間(TSST)など

 主な結果は以下のとおり。

・データカットオフ(2025年4月2日)時点で追跡期間中央値は13.2ヵ月であり、SG群では27%、化学療法群では14%が試験治療を継続していた。
・PFS2中央値はSG群が18.2ヵ月と化学療法群の14.0ヵ月より長かった(層別HR:0.70、95%CI:0.55~0.90)。
・SG群で1次治療を中止した204例のうち2次治療を受けたのは126例で、プラチナ製剤(34%)、タキサン(25%)、アントラサイクリン(11%)、トラスツズマブ デルクステカン(10%)が多かった。化学療法群で1次治療を中止した240例のうち2次治療を受けたのは179例で、主にSG(79%)であった。
・TFST中央値はSG群11.2ヵ月、化学療法群7.9ヵ月であり、層別HRは0.61(95%CI:0.50~0.75)、TSST中央値はSG群17.3ヵ月、化学療法群16.6ヵ月であり、層別HRは0.82(95%CI:0.64~1.05)であった。

 Tolaney氏は、「これらの結果は、PD-(L)1阻害薬の適応とならない転移TNBC患者の1次治療としてSGの投与をさらに支持するものである」と結んだ。

(ケアネット 金沢 浩子)


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ASCENT-03試験(ClinicalTrials.gov)

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StageIAのHER2+乳がん、術後カペシタビン+トラスツズマブで5年iDFS率97.8%(IRIS-A)/ASCO2026

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 StageIAのHER2陽性(HER2+)乳がんにおいて、カペシタビンとトラスツズマブによる術後療法により97.8%という優れた5年無浸潤疾患生存(iDFS)率が得られ、治療継続に影響を及ぼす有害事象は認められなかったことがIRIS-A試験で示された。中国・Fudan University Shanghai Cancer CenterのRuo-Xi Wang氏らが米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。

 IRIS試験シリーズは、早期HER2+乳がんにおける静脈内化学療法を行わない術後療法のde-escalationを検討する単群第II相試験として設計された4つの試験で、IRIS-A試験はカペシタビン6サイクルとトラスツズマブ1年間の併用を検討。

・対象:StageIA(T1N0)のHER2+乳がん(HR陰性の場合はT≦2cm、HR陽性の場合は1cm<T≦2cm)
・介入:カペシタビン(1,000mg/m2を1日2回、2週間、3週ごと)+トラスツズマブ(8mg/kg→6mg/kg、3週ごと)を6サイクル実施後、トラスツズマブ(6mg/kg、3週ごと)を11サイクル
・主要評価項目:iDFS

 主な結果は以下のとおり。

・2020年5月~2021年5月に187例が登録され、追跡期間中央値は66ヵ月(範囲:60~72)であった。T1micが56.1%、T1aが24.1%、T1bが4.3%、T1cが15.5%で、87.2%がHR陰性であった。
・iDFSイベントは4例に発生し、うち2例は局所もしくは領域再発、2例は対側乳がんであった。遠隔再発例や死亡例はなく、3例がDCIS(非浸潤性乳管がん)、5例が乳がん以外の原発がん(甲状腺がん、肺がん)を発症した。
・5年iDFS率は97.8%(95%信頼区間:94.3~99.1)、5年無再発生存率は98.9%(同:95.7~99.7)であった。
・5例(2.7%)にGrade3の有害事象が認められたが、Grade4/5は発現しなかった。最も頻度の高かった有害事象は手足症候群(46.5%)で、1例がGrade3だった。心臓関連の有害事象の発現は0.5%で、中止や中断に至った有害事象はなかった。

 Wang氏は、本試験の限界として単群試験でありサンプルサイズが比較的小さいこと、T1micおよびT1aの患者割合が比較的高く治療が必要かどうかについては議論の余地があることを挙げつつ、「本試験は、腫瘍が小さくリンパ節転移のないHER2+乳がんにトラスツズマブと経口化学療法を併用した最初の臨床試験である。カペシタビン+トラスツズマブは標準治療に匹敵する有効性と毒性の軽減を併せ持つ選択肢となる」とまとめた。

(ケアネット 金沢 浩子)


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IRIS試験(ClinicalTrials.gov)

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HER2+転移乳がん1次治療、T-DXd+PによるCR/deep PRが長期PFS改善と関連(DESTINY-Breast09)/ASCO2026

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 HER2+の進行または転移を有する乳がん患者の1次治療として、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)+ペルツズマブ併用療法の有用性を評価した第III相DESTINY-Breast09試験の探索的解析の結果、半数以上の患者が完全奏効(CR)または腫瘍縮小率の高い部分奏効(deep PR)を達成し、CRおよびdeep PRの達成は長期的なアウトカムの改善と関連していたことを、韓国・成均館大学校のYeon H. Park氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。

 DESTINY-Breast09試験のこれまでの解析において、T-DXd+ペルツズマブ併用療法はタキサン+トラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法(THP群)と比較してCR率がほぼ倍増し、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長したことが報告されている。今回は、最良奏効のサブグループ(CR、PR[deep PR、other PR]、安定/進行[SD/PD])別の有効性と安全性の探索的解析結果が報告された。なお、deep PRは80%以上100%未満の腫瘍縮小、other PRは30%以上80%未満の腫瘍縮小と定義した。

 主な結果は以下のとおり。

・T-DXd+ペルツズマブ群で評価可能な377例のうち、CRが15.4%、deep PRが37.4%、other PRが33.7%、SD/PDが13.5%であり、半数以上の患者がCRまたはdeep PRを達成した。
・24ヵ月PFS率は、CR:85.1%(95%信頼区間[CI]:72.2~92.3)、deep PR:80.0%(同:71.7~86.1)、other PR:64.3%(同:54.3~72.8)、SD/PD:35.5%(同:21.1~50.2)であり、CRとdeep PRの達成は同等に持続的なPFSの改善と関連していた。
・最良奏効到達までの期間の中央値は、CR:8.4ヵ月(95%CI:5.6~11.1)、deep PR:9.6ヵ月(同:6.8~11.0)、other PR:1.5ヵ月(同:1.4~2.0)であった。
・24ヵ月時点で最良奏効を継続していたのは、CR:85.0%(95%CI:72.1~92.3)、deep PR:78.9%(同:70.4~85.2)、other PR:60.4%(同:50.0~69.3)であった。
・CRおよびdeep PRを達成した患者群では総治療期間の中央値が長く、CR:28.0ヵ月(範囲:4.8~44.5)、deep PR:25.4ヵ月(同:3.4~42.7)であった。other PRは20.6ヵ月(同:2.6~41.8)、SD/PDは4.4ヵ月(同:0.3~37.2)であった。
・患者の80%が24ヵ月時点で最大の腫瘍縮小を達成しており、奏効は時間の経過とともに深まることが示唆された。
・THP群では、deep PR達成はCR達成と同等のアウトカム改善とは関連していなかった。
・Grade3以上の薬剤関連有害事象の曝露期間調整済み発現率(EAIR)は、患者1人年当たりCR:0.30、deep PR:0.28、other PR:0.32、SD/PD:0.57であった。投与中止に至った有害事象のEAIRは、それぞれ0.14、0.10、0.13、0.16であった。新たな安全性シグナルは特定されなかった。
・薬剤関連間質性肺疾患(ILD)/肺臓炎の発現率は類似しており、CR:12.1%(7例、いずれもGrade1/2)、deep PR:15.5%(22例、いずれもGrade1/2)、other PR:7.8%(10例、いずれもGrade1/2)、SD/PD:12.2%(6例、うちGrade5が2例[4.1%])であった。

 これらの結果より、Park氏は「DESTINY-Breast09試験の探索的解析の結果は、HER2+転移乳がん1次治療のアウトカムを改善するために、深く持続的な奏効を達成することの重要性を裏付けるものである」とまとめた。

(ケアネット 森)


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DESTINY-Breast09試験(ClinicalTrials.gov)

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KEYNOTE-522試験の最終解析結果が発表/ASCO2026

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 高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対し、術前および術後補助療法としてペムブロリズマブの追加を検討したKEYNOTE-522試験の最終解析結果を、スペイン・International Breast Cancer CenterのJavier Cortes氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。

 KEYNOTE-522試験は、21ヵ国183施設で実施された第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験。未治療の高リスク早期TNBC(T1c N1~2またはT2~4 N0~2、ECOG PS 0~1)患者が、術前にペムブロリズマブ(3週ごと)+パクリタキセル+カルボプラチンを4サイクル投与後、ペムブロリズマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン(またはエピルビシン)を4サイクル、術後にペムブロリズマブを最長9サイクル投与する群と、術前に化学療法+プラセボ、術後にプラセボを投与する群に2対1に無作為に割り付けられた。

 主要評価項目は病理学的完全奏効(pCR:ypT0/Tis ypN0)および無イベント生存期間(EFS)、重要な副次評価項目は全生存期間(OS)であった。

 主な結果は以下のとおり。

・1,174例がペムブロリズマブ群(784例)またはプラセボ群(390例)に無作為に割り付けられた。データカットオフ(2025年10月14日)時点の追跡期間中央値は93.8(範囲:84.7~102.8)ヵ月であった。
・7年EFS率は、ペムブロリズマブ群78.3%(95%信頼区間[CI]:75.3~81.1)、プラセボ群69.8%(95%CI:65.0~74.2)であり、ペムブロリズマブ上乗せによる臨床的に意義のある改善が認められた(ハザード比[HR]:0.68、95%CI:0.54~0.86)。
・pCR別のEFS率は、pCR達成群ではペムブロリズマブ群90.4%およびプラセボ群85.9%と差が小さかった一方、pCR非達成群では57.6%および49.7%と差が大きかった。しかし、HRはそれぞれ0.68(95%CI:0.44~1.07)および0.78(95%CI:0.58~1.03)と類似していた。これは、pCR達成の有無にかかわらずペムブロリズマブの上乗せ効果が得られることを示すとともに、同じpCR達成であってもペムブロリズマブの併用によって達成したほうが化学療法単独で達成するよりもさらに予後が良好になることを示唆している。
・7年OS率は、ペムブロリズマブ群85.1%(95%CI:82.5~87.5)、プラセボ群77.2%(95%CI:72.7~81.1)であり、ペムブロリズマブ上乗せによる臨床的に意義のある改善が認められた(HR:0.64、95%CI:0.49~0.85)。
・pCR別のOS率は、pCR達成群ではペムブロリズマブ群94.5%およびプラセボ群91.1%(HR:0.64、95%CI:0.37~1.14)、pCR非達成群では69.0%および59.8%(HR:0.76、95%CI:0.55~1.03)であり、EFSと同様の傾向が認められた。
・ペムブロリズマブ上乗せによるEFSおよびOSのベネフィットは、PD-L1発現、リンパ節転移の有無および腫瘍径を含む事前に規定されたサブグループでおおむね一貫していた。
・7年遠隔無病生存率は、ペムブロリズマブ群82.9%、プラセボ群74.2%であった(HR:0.64、95%CI:0.49~0.83)。
・Grade3以上の治療関連有害事象の発現率は、ペムブロリズマブ群77.1%、プラセボ群73.3%であった(死亡は0.5%および0.3%)。全Gradeの免疫介在性有害事象の発現率はそれぞれ35.0%および13.1%であった。

 これらの結果より、Cortes氏は「KEYNOTE-522試験の最終解析において、高リスク早期TNBC患者に対する術前ペムブロリズマブ+化学療法に続いて術後ペムブロリズマブを投与する治療法は、引き続きEFSとOSの改善をもたらすことを示した。この長期的な結果は、高リスク早期TNBC患者に対する本アプローチが、この患者群を治療するための標準治療であり続けることをさらに裏付けるものである」とまとめた。

(ケアネット 森)


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日本のがん死亡率低下も、大腸がん・膵がん・子宮頸がんは依然高水準

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 日本では全がんの年齢調整死亡率(ASR)が着実に低下している一方で、大腸がん、膵がん、子宮頸がんなど一部のがん種では依然として国際的に高い死亡率が続いていることが明らかになった。胃がんと肝がんでは大幅な改善が認められたものの、予防や検診による死亡率低下が期待されるがん種において十分な成果が得られていない実態が浮き彫りとなった。国立がん研究センターの片野田 耕太氏らによる本研究の結果はJapanese Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年3月5日号に掲載された。

 研究では、国際がん研究機関(IARC)のGlobal Cancer Observatoryデータベースおよび各国の人口動態統計を用い、日本、韓国、米国、英国、カナダ、オーストラリアなどの高所得国における1980~2024年のがん死亡率の推移を比較した。解析対象は全がんに加え、胃がん、大腸がん、肝がん、膵がん、肺がん、乳がん、前立腺がん、子宮頸がん、子宮体がんだった。

肝がん・胃がんは日本の成功事例

 歴史的に日本で死亡率が高かった胃がんと肝がんについては、長期的に大幅な減少がみられ、欧米諸国との国際格差は大幅に縮小した。とくに女性の肝がん死亡率については、日本が欧米諸国を下回る水準にまで低下した。著者らはこの背景として、B型・C型肝炎ウイルス検査の全国的な実施、妊婦へのHBs抗原検査、さらには直接作用型抗ウイルス薬(DAA)の普及といった一連の肝炎対策が有効に機能したと考えられ、WHOが掲げる2030年までのC型肝炎排除目標に向け、国際的なモデルケースになり得る、としている。

 一方、胃がんも日本における死亡率は低下し続けているものの、韓国の減少速度には及ばなかった。日本ではヘリコバクター・ピロリ除菌の保険適用拡大など1次予防が進む一方、韓国では内視鏡検診を中心とした2次予防が強力に推進されている。また、韓国では国家健康保険制度により検診データが一元管理されているのに対し、日本では職域検診の精度管理やデータ統合に課題が残ることが示唆された。

大腸がん・膵がん・子宮頸がんは深刻な高水準

 大腸がん死亡率は1980年代には欧米のほうが高かったが、その後減少が進んだ。これに対し日本では明確な低下傾向がみられず、近年では比較対象国の中でも高い水準となっている。韓国も近年減少傾向に転じており、日本との差が広がっている。

 膵がんは、日本において男女とも死亡率の上昇が続いており、国際的にみても高い水準が際立っている。早期発見が困難で予後不良な疾患であるが、喫煙や2型糖尿病が重要なリスク因子であり、禁煙や糖尿病管理といった1次予防の重要性が改めて示された。

 子宮頸がんにおいても、日本の相対的な立ち位置は悪化した。欧米諸国や韓国では死亡率が大幅に減少した一方、日本では高止まりが続いている。HPVワクチンの積極的勧奨の中止と再開の経緯もあって接種率はいまだ不十分であり、ワクチン接種と検診の双方を速やかに強化する必要性が示された。

乳がん・肺がんでも改善が緩やか

 女性の乳がん死亡率は欧米では着実に低下している一方、日本では増加傾向が続き、差は縮小している。男性の肺がんでも欧米に比べて死亡率低下が緩やかであり、近年では日本の死亡率が欧米を上回る状況となっている。

一部のがんでは予防を強化する必要性

 本研究により、日本の全がんのASRは他国と同様に引き続き低下していることが示された。とくに、かつて日本の死亡率の高さの要因となっていた胃がん、肝がんで持続的な低下がみられ、欧米諸国との差は縮小し、女性の肝がんでみられるように一部では逆転している。一方で、日本は大腸がん、膵がん、および子宮頸がんにおいて依然として最も高い死亡率を示している。女性の乳がんおよび男性の肺がんでは、日本における低下の遅れ、あるいは継続的な増加により、死亡率が欧米諸国の水準に近づいている。これらのがんの多くでは、1次予防および2次予防の方法が確立されており、胃がん、肝がんで達成された死亡率低下を再現するために、予防対策を強化する必要性が示唆される。

(ケアネット 杉崎 真名)


【原著論文はこちら】

Katanoda K, et al. Jpn J Clin Oncol. 2026 Mar 5. [Epub ahead of print]

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高リスクER+/HER2-早期乳がん、Prosignaで化学療法省略を判断できるか/ASCO2026

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 エストロゲン受容体陽性/HER2陰性(ER+/HER2-)でリンパ節転移陽性例を中心とした早期乳がんに対し、Prosigna(PAM50)による再発リスク(Risk of Recurrence:ROR)スコアを用いることで化学療法の必要性を判断できるかどうかを検討した第III相OPTIMA試験の結果を、英国・NIHR University College London Hospitals Biomedical Research CentreのRobert C. Stein氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。本試験により、RORスコアが低い患者では化学療法を安全に省略できる可能性が示された。

 化学療法の上乗せ効果を予測するために複数の多遺伝子アッセイが用いられているが、リンパ節転移陽性例や閉経前症例における最適な患者選択についてはなお議論がある。そこで研究グループは、Prosignaによる治療選択が、標準治療に対して5年時点における浸潤性乳がんのない生存期間(IBCFS)で非劣性を示すかどうかを検討した。

 対象は、ER+(IHC>10%)/HER2-の早期乳がんで、腋窩リンパ節転移が0~9個(リンパ節転移陰性の場合は腫瘍径が30mm超)の40歳以上の女性および男性で、標準化学療法の後に内分泌療法を受ける群(C+ET群[内分泌療法後にProsignaも実施])と、Prosignaにより化学療法の要否を判断する群(Prosigna群)に1対1で無作為に割り付けられた。Prosigna群では、RORスコア60超(高リスク)の場合は標準化学療法の後に内分泌療法を実施し、RORスコア60以下(低リスク)の場合は化学療法を省略して内分泌療法のみを実施した。閉経前女性に対する内分泌療法には卵巣機能抑制が含まれた。

 患者へのRORスコアは非開示とされ、化学療法が行われる理由(無作為化による割り付けかProsignaの結果に基づくものか)について、施設および患者は盲検化された。

 主な結果は以下のとおり。

・2017年1月~2025年12月に4,429例がランダム化された。非劣性解析は、事前に規定されたper-protocol集団で実施された(C+ET群の93.0%、Prosigna群の94.6%の患者が該当)。追跡期間中央値は4.0(IQR:2.0~6.0)年であった。
・患者特性は両群でバランスがとれており、年齢中央値56歳、閉経後62%、閉経前37%、男性1%であった。リンパ節転移状況は、pN0/pN1miが8%、pN1/pN1snが73%、pN2が19%であった。
・RORスコア中央値は、C+ET群が50、Prosigna群が49であった。Prosigna群の67.8%がRORスコア60以下と判定され、化学療法を省略可能だった。C+ET群でRORスコア60以下だったのは66.0%であった。
・乳がん再発は、C+ET群5.7%(低RORスコア群3.7%)およびProsigna群5.9%(同:4.2%)に生じ、低RORスコア集団では低かった。大半は遠隔転移であった。
・全体における5年IBCFS率は、C+ET群91.8%(95%信頼区間[CI]:90.1~93.2)、Prosigna群90.3%(95%CI:88.5~91.8)であり、事前に設定された非劣性マージン3%に対して非劣性が示された(ハザード比[HR]:1.03[90%CI:0.85~1.25]、非劣性のp=0.006)。
・低RORスコア集団における5年IBCFS率は、C+ET群の低RORスコア群94.8%(95%CI:93.1~96.1)、Prosigna群の低RORスコア群93.6%(95%CI:91.7~95.0)であり、事前に設定された非劣性マージン3.5%に対して非劣性が示された(HR:1.06[90%CI:0.80~1.40]、非劣性のp=0.003)。
・全体における5年無遠隔再発率は、C+ET群94.1%(95%CI:92.7~95.3)、Prosigna群93.3%(95%CI:91.7~94.5)であった(HR:1.04[90%CI:0.83~1.30])。低RORスコア集団ではそれぞれ97.0%(95%CI:95.6~98.0)および96.0%(95%CI:94.5~97.1)であった(HR:1.17[90%CI:0.82~1.66])。
・閉経状態、腫瘍径やリンパ節転移状態を含むサブグループ間でも同様の結果が得られた。

 Stein氏は、「OPTIMA試験は、ER+/HER2-早期乳がんでRORスコアが60以下の患者では化学療法から得られるベネフィットがあったとしてもごくわずかであることを示した。結果は試験の全集団に適用されるが、卵巣機能抑制を受けた40歳以上の閉経前女性やリンパ節転移の多い患者、StageIIIAの患者において、Prosignaの結果に基づいた化学療法の決定を支援する可能性がある」とまとめた。

(ケアネット 森)


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HR+/HER2+早期乳がん、de-escalation術前療法でも良好な長期予後(WSG TP-II)/JCO

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 HR+/HER2+の早期乳がんにおいて、術前療法としてトラスツズマブ+ペルツズマブにパクリタキセルまたは内分泌療法(ET)を併用した第II相WSG TP-II試験の結果、ET併用群でも良好な長期生存アウトカムが得られたことが、ドイツ・Evangelisches Krankenhaus Bethesda KlinikのOleg Gluz氏らにより示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年5月18日号掲載の報告。

 本試験は、手術可能なHR+/HER2+乳がん患者を対象に、トラスツズマブ+ペルツズマブの術前療法(12週間)に加え、パクリタキセル(週1回)またはETの併用が、病理学的完全奏効(pCR)や全生存期間(OS)などに及ぼす影響を評価した第II相多施設共同無作為化非盲検試験。なお、術後療法として全例に抗HER2療法が行われるとともに、術前療法でpCRが得られなかった患者では術後化学療法を必須とした(pCR達成例では術後化学療法は任意)。

 主要評価項目はpCR、副次評価項目はOS、非浸潤性乳管がんを含む無イベント生存期間(EFS)、無浸潤疾患生存期間(iDFS)、健康関連QOLなどとした。これまでの主要評価項目の解析では、パクリタキセル併用群のpCR率はET併用群よりも優れていることが明らかになっている(56.4% vs.23.7%)。今回は、最終の5年OS解析結果などが報告された。

 主な結果は以下のとおり。

・207例が2つの試験群に1対1で無作為に割り付けられた。
・5年OS率は、ET併用群100%(95%信頼区間[CI]:100.0~100.0)、パクリタキセル併用群97.9%(95%CI:95.0~100.0)であった。
・5年EFS率は、ET併用群92.1%(95%CI:86.6~97.9)、パクリタキセル併用群94.8%(95%CI:90.5~99.3)であった。
・5年iDFS率は、ET併用群97.7%(95%CI:94.5~100.0)、パクリタキセル併用群79.8%(95%CI:55.6~100.0)であった。

 研究グループは「WSG TP-II試験では、HR+/HER2+の早期乳がんにおいて、忍容性が良好なde-escalationの術前療法を行い、そのpCR達成の有無に応じて術後化学療法を調整するアプローチの安全性および有効性が示唆された」とまとめた。

(ケアネット 森)


【原著論文はこちら】

Gluz O, et al. J Clin Oncol. 2026 May 18. [Epub ahead of print]

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