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未治療のPD-L1陽性局所進行トリプルネガティブ乳がん患者の治療において、化学療法+ペムブロリズマブと比較してサシツズマブ ゴビテカン+ペムブロリズマブは、有意に長い無増悪生存期間(PFS)をもたらし、奏効期間が長い傾向を認め、有害事象による投与中止率が低いことが、米国・Harvard Medical SchoolのSara M. Tolaney氏らASCENT-04/KEYNOTE-D19 Clinical Trial Investigatorsが実施した「ASCENT-04/KEYNOTE-D19試験」で示された。サシツズマブ ゴビテカンは、抗Trop-2モノクローナル抗体とトポイソメラーゼI阻害薬であるSN-38を結合させた抗体薬物複合体。ASCENT試験の知見に基づき、2レジメン以上の全身療法を受けた転移を有するトリプルネガティブ乳がんの治療薬として日本を含む複数の国で承認されている。NEJM誌2026年1月22日号掲載の報告。
28ヵ国の無作為化第III相試験
ASCENT-04/KEYNOTE-D19試験は、日本を含む28ヵ国186施設で実施した非盲検無作為化第III相試験(Gilead Sciencesの助成を受けた)。
2022年10月~2024年8月の期間に参加者を登録した。進行病変に対する前治療を受けておらず、PD-L1陽性の切除不能な局所進行・転移を有するトリプルネガティブ乳がんの成人患者を対象とした。
被験者を、サシツズマブ ゴビテカン(21日を1サイクルとして、1、8日目に静脈内投与)+ペムブロリズマブ(同1日目に静脈内投与)を受ける群、または担当医が選択した化学療法+ペムブロリズマブ(同1日目に静脈内投与)を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。化学療法は、パクリタキセルまたはアルブミン懸濁型パクリタキセル(28日を1サイクルとして、1、8、15日目に静脈内投与)、あるいはゲムシタビン+カルボプラチン(21日を1サイクルとして、1、8日目に静脈内投与)のうち1つを選択した。
主要評価項目はPFSとし、盲検下に独立中央審査委員会が評価した。
担当医判定でも同様の結果
443例を登録し、サシツズマブ ゴビテカン群に221例(年齢中央値54歳)、化学療法群に222例(同55歳)を割り付けた。全例が女性であった。全体の追跡期間中央値は14.0ヵ月(範囲:0.1~28.6)だった。
PFS中央値は、化学療法群が7.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:7.3~9.3)であったのに対し、サシツズマブ ゴビテカン群は11.2ヵ月(95%CI:9.3~16.7)と有意に優れた(ハザード比[HR]:0.65、95%CI:0.51~0.84、両側p<0.001)。担当医判定によるPFS中央値も同様の結果であった(11.3ヵ月vs.8.3ヵ月、HR:0.67、95%CI:0.52~0.87)。
全生存期間に関するデータは未成熟で、両群とも中央値には未到達だった。
客観的奏効率(完全奏効+部分奏効)は、サシツズマブ ゴビテカン群が60%(95%CI:53~66)、化学療法群は53%(95%CI:46~60)であった。また、奏効例の奏効期間中央値はそれぞれ16.5ヵ月(95%CI:12.7~19.5)および9.2ヵ月(95%CI:7.6~11.3)であり、サシツズマブ ゴビテカン群で長い傾向を認めた。
有害事象による投与中止、12%vs.31%
Grade3以上の有害事象は、サシツズマブ ゴビテカン群で71%、化学療法群で70%に発現し、頻度の高いものとして好中球減少(43%vs.45%)、下痢(10%vs.2%)、貧血(7%vs.16%)がみられた。有害事象による投与中止の発生率は、サシツズマブ ゴビテカン群で低かった(12%vs.31%)。死亡の原因となった有害事象の発生率は、両群とも3%であった。
著者は、「PFSの有益性に加え、奏効期間が長く、投与中止の可能性が低いことは、転移を有するトリプルネガティブ乳がん患者のほぼ半数が初回治療ライン以降の治療を受けない現状を踏まえると、サシツズマブ ゴビテカン+ペムブロリズマブが、早期治療ラインにおいて、この治療困難な患者集団のアウトカムの改善に進展をもたらすものであることを示している」「この抗体薬物複合体と免疫療法薬の併用療法の安全性プロファイルは、各薬剤の既知のプロファイルと一致しており、新たな安全性の懸念は認めなかった」としている。
(医学ライター 菅野 守)
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