高リスク早期乳がんへの術後アベマシクリブ、HR0.68でiDFS改善(monarchE Cohort 1)/ESMO BREAST 2022

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 日本および欧州(EMA)での承認の対象である、腋窩リンパ節転移個数や腫瘍径といった臨床現場で判定しやすい特徴により定義された再発リスクの高いホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2−)早期乳がん患者に対して、術後薬物療法としてのCDK4/6阻害薬アベマシクリブと内分泌療法併用のベネフィットが示された。ドイツ・Evang. Kliniken Essen-MitteのMattea Reinisch氏が、欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2022、2022年5月3~5日)でmonarchE試験Cohort 1の有効性データを報告した。

[monarchE試験 Cohort 1]
・対象:HR+/HER2−の初発乳がん、遠隔転移なし・腋窩リンパ節転移陽性の症例(閉経状況問わず)、術前/術後の化学療法は許容
・Cohort 1(全体の91%):腋窩リンパ節転移(pALN)が4個以上またはpALN1~3個かつGrade3の病変または腫瘍径≧5cm
・試験群:アベマシクリブ150mg×2/日+標準的術後内分泌療法。アベマシクリブは最長2年間投与(アベマシクリブ+ET群:2,555例)
・対照群:標準的術後内分泌療法(タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬、LH-RHアゴニストなど。薬剤は主治医選択)(ET群:2,565例)
・評価項目:
[主要評価項目]無浸潤疾患生存期間(iDFS)
[副次評価項目]遠隔無転移生存期間(DRFS)、全生存期間(OS)、安全性、患者報告アウトカムなど

 Cohort 1における主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時の臨床病理学的特徴は両群でバランスがとれていた(pALN≧4個:アベマシクリブ+ET群65.6% vs.ET群65.1%、Grade3:41.6% vs.40.9%、腫瘍径≧5cm:23.5% vs.23.6%)。
・データカットオフは2021年4月1日、追跡期間中央値は28ヵ月。
・2年間に到達せず治療が中止されたのはアベマシクリブ+ET群17.8% vs. ET群17.0%だった。
・iDFSはアベマシクリブ+ET群で有意に改善し(ハザード比[HR]:0.680、95%信頼区間[CI]:0.572~0.808、Nominal p<0.0001)、2年iDFS率はアベマシクリブ+ET群92.6% vs.ET群89.6%、3年iDFS率は88.6% vs. 82.9%(3年後の絶対ベネフィット:5.7%)だった。
・DRFSも有意な改善が認められ(HR:0.669、95%CI:0.554~0.809、Nominal p<0.0001)、2年DRFS率は94.1% vs.91.2%、3年DRFS率は90.2% vs. 85.7%(3年後の絶対ベネフィット:4.5%)だった。
・主な再発部位は骨・肝臓・肺といった遠隔転移で、その発生率はアベマシクリブ+ET群で低かった(71.9% vs.75.6%)。
・安全性解析結果は、アベマシクリブの既知の安全性プロファイルと一致した。

 Reinisch氏は、ルーチンの乳がん診断の一環として特定可能な定義による再発高リスクのHR+/HER2−早期乳がん患者において、術後薬物療法としてのアベマシクリブと内分泌療法の併用が、遠隔転移のリスク低減を含む、浸潤性疾患リスクの臨床的に意義ある低減を示したとまとめている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


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monarchE試験(Clinical Trials.gov)

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HER2+乳がん脳転移例、T-DXdで高い頭蓋内奏効率(TUXEDO-1)/ESMO BREAST 2022

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 活動性の脳転移を有するHER2陽性乳がん患者において、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)で73.3%と高い頭蓋内奏効率が得られたことが、前向き単群第II相試験(TUXEDO-1試験)で示された。オーストリア・ウイーン医科大学のRupert Bartsch氏が、欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2022、2022年5月3~5日)で報告した。

 HER2CLIMB試験では、活動性の脳転移を有するHER2陽性乳がんへのトラスツズマブ+カペシタビン+tucatinibの投与で、頭蓋内奏効率が47.3%、無増悪生存期間(PFS)中央値が9.5ヵ月だったことがで報告されている。

 今回のTUXEDO-1試験の対象は、トラスツズマブまたはペルツズマブの投与歴があり、即時の局所治療の適応がないHER2陽性乳がん患者で、新たに診断された脳転移(未治療)または局所治療後に進行した脳転移を有する15例。T-DXd 5.4mg/kgを3週ごとに投与した。主要評価項目はResponse Assessment in Neuro-Oncology(RANO)-BM基準で中央判定された頭蓋内奏効率、副次評価項目は頭蓋外奏効率、PFS、全生存期間、安全性、QOLなどであった。Simonの2段階デザインに基づき15例が登録され(第1段階:6例、第2段階:9例)、15例全例でT-DXdが1回以上投与された。

 主な結果は以下のとおり。

・平均年齢は69歳(範囲:30~76)、ベースラインで神経症状があった患者は40%、脳転移について未治療が40%、局所治療後進行が60%だった。
・頭蓋内奏効率は、ITT集団(15例)で73.3%(95%CI:48.1~89.1)、PP集団(脳転移がなかった1例を除外)で78.6%だった。
・追跡期間中央値は11ヵ月(範囲:3~17)、PFS中央値は14ヵ月(95%CI:11.0~NR)だった。
・クリニカルベネフィット率は、ITT集団で86.7%、PP集団で92.9%だった。
・ベースラインで測定可能な頭蓋外病変を有していた8例のうち5例(62.5%)に部分奏効を認めた。
・主な非血液学的毒性として、Grade1/2の倦怠感(66.7%)、悪心(46.7%)がみられた。Grade3の左室駆出率低下が1例、Grade2の間質性肺疾患が1例にみられた。
・治療期間中、QOLは維持された。

 Bartsch氏は「本結果は、中枢神経系に転移のあるHER2+乳がんに全身治療が可能なことを示す一連のエビデンスに追加され、2次性中枢神経系腫瘍における抗体薬物複合体のさらなる研究を支持する」とまとめた。

(ケアネット 金沢 浩子)


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TUXEDO-1試験(Clinical Trials.gov)

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BRCA1/2病的バリアント、新たに3がん種との関連が明らかに/JAMA Oncol

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 BRCA1/2遺伝子の病的バリアントは、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膵がんの発症リスク上昇に関与することが知られている。今回、日本人集団における世界最大規模のがん種横断的ゲノム解析が実施され、上記4がん種のほかに胃がん、食道がん、胆道がんの発症リスクも上昇させることが示唆された。理化学研究所生命医科学研究センターの桃沢 幸秀氏らによるJAMA Oncology誌オンライン版2022年4月14日号への報告。

 研究グループは、2003年4月~2018年3月にバイオバンク・ジャパンに登録されたデータを用いて、胆道がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がん、子宮体がん、食道がん、胃がん、肝がん、肺がん、リンパ腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、腎がんの14がん種における計10万3,261人(患者群6万5,108人、対照群3万8,153人)について、BRCA1/2遺伝子のゲノム解析を実施。データの解析は、2019年8月~2021年10月に行われた。

 ゲノム解析はターゲットシークエンス法を用いて、BRCA1/2遺伝子のタンパク質への翻訳に影響が大きいとされる翻訳領域およびその周辺2塩基の合計16,111塩基の配列を調査
。病的バリアントと各がん種との関連は、各がん種の患者と対照者との間の病的バリアント保持率を比較することで評価した。
 
 主な結果は以下のとおり。

・平均年齢は患者群(診断時)が64.1歳、対照群(登録時)が61.8歳。それぞれ女性が42.3%、46.9%だった。
・1,810個の遺伝的バリアントが同定され、さらに、ENIGMAコンソーシアムの手法を用いて、これらの遺伝的バリアントから315個の病的バリアントが同定された。
・オッズ比(OR)>4.0(本研究における統計学的基準:p<1×10-4)を満たしたのは、BRCA1遺伝子については、すでに疾患リスクとの関連が知られている女性乳がん(OR:16.1)、卵巣がん(OR:75.6)、膵がん(OR:12.6)に加えて、胃がん(OR:5.2、95%信頼区間[CI]:2.6~10.5)、胆道がん(OR:17.4、95%CI:5.8~51.9)で関連が認められた。BRCA2遺伝子については、女性乳がん(OR:10.9)、男性乳がん(OR:67.9)、卵巣がん(OR:11.3)、膵がん(OR:10.7)、前立腺がん(OR:4.0)に加えて、胃がん(OR:4.7、95%CI:3.1~7.1)、食道がん(OR:5.6、95%CI:2.9~11.0)で関連が認められた。
・なお、p<0.05の基準までみると、BRCA1遺伝子については肺がんとリンパ腫、BRCA2遺伝子については子宮頸がん、子宮体がん、肝がん、腎がんとの関連が認められた。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


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Momozawa Y,et al. JAMA Oncol. 2022 Apr 14. [Epub ahead of print]

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日本医療研究開発機構(AMED)プレスリリース

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乳がん術後化学療法後、長期QOLが悪化しやすい患者の特徴/JCO

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 乳がん術後補助化学療法後のQOLの長期的経過は個人差が大きい。今回、フランス・Gustave RoussyのAntonio Di Meglio氏らが術後補助化学療法を受けた乳がん患者のQOLの長期的経過の特徴を調査し、関連する健康行動パターンを特定した結果、ほとんどの患者は経過が良好だったが、QOLが著しく悪化し、診断後4年間は治療前の値に回復しなかった集団が特定された。このグループでは、過体重、身体的不活動、喫煙がとくに多く、その他のリスク因子として、若年、併存疾患あり、低所得、内分泌療法ありが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年4月21日に掲載。

 本研究の対象は、CANTO(CANcer TOxicity)試験において化学療法を受けているStageI〜IIIの乳がん患者。QOL(European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire-C30 Summary Score)の経過と各グループの患者との関連は、それぞれ、グループを基にした経過モデルと多変量多項ロジスティック回帰の反復推定によって調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・QOLの経過によって、大変良好(51.7%)、良好(31.7%)、悪化(10.0%)、悪い(6.6%)の4グループが特定された(4,131例)。
・QOLが悪化したグループは、ベースラインのQOL(平均:78.3/100、95%CI:76.2〜80.5)が良好で、1年目(平均:58.1/100、95%CI:56.4〜59.9)で著しく悪化し、診断後4年目(平均:61.1/100、95%CI:59.0~63.3)まで治療前の値に回復しなかった。
・健康的な行動は、より良い経過のグループの患者と関連していた。診断時における肥満(痩せに対する調整オッズ比[OR]:1.51、95%信頼区間[CI]:1.28〜1.79、p<0.0001)および現在喫煙(非喫煙に対する調整OR:1.52、95%CI:1.27〜1.82、p<0.0001)はQOLが悪化したグループの患者と関連しており、4年目まで過体重で身体活動が不十分な患者が多く、化学療法中にもしばしば喫煙していたことも特徴としてみられた。
・悪化したグループの患者に関連するその他の因子として、若年(1歳低下による調整OR:1.01、95%CI:1.01~1.02、p=0.043)、併存疾患あり(なしに対する調整OR:1.22、95%CI:1.06~1.40、p=0.005)、低所得(裕福な家計に対する調整OR:1.21、95%CI:1.07〜1.37、p=0.002)、内分泌療法あり(なしに対する調整OR:1.14、95%CI:1.01〜1.30、p=0.047)などがあった。

(ケアネット 金沢 浩子)


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Meglio AD, et al. J Clin Oncol. 2022 Apr 21.[Epub ahead of print]

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日本人乳がん経験者、皮膚関連副作用で困っていること

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 がん治療後の皮膚関連症状の多くは生命予後にあまり影響しないことから軽視されがちであり、患者自身も治療から長期間経った場合に医療関係者に相談してよいものか悩んでいるケースがある。しかしその実態は十分に調査されていない。身原皮ふ科・形成外科クリニックの身原 京美氏らは国内の乳がん経験者約370人に対してアンケート調査を実施。その結果をProgress in Medicine誌2022年3月号に報告した。

 本研究では、日本国内の9つの乳がん患者会を通じて20歳以上の女性の乳がん生存者を対象にアンケート調査を実施した。調査票は、1)回答時点における主要な皮膚関連症状の有無と、Numerical Rating Scale(NRS)を用いた0~10の11段階で困っている程度を評価、2)症状の低減が期待できる治療(一般薬、医薬部外品などを含む)に対する1ヵ月当たりの自己負担での支出意欲の確認、3)皮膚関連の国際的なQOL評価尺度であるSkindex-29を用い、回答時点の直近1週間における皮膚関連症状に起因する現状のQOLの評価から構成された。

 主な結果は以下のとおり。

・369人の回答者の平均年齢は60.3歳で50代が最も多かった(33.9%)。
・乳がんと診断されてからの経過年数は最短が5ヵ月、最長が35年0ヵ月(平均8年10カ月)と広く分布しており、全体の7割は10年以内であった。
・乳がんの治療内容は、手術に関しては乳房温存手術が55.3%、乳房切除術が48.0%であった。放射線治療は62.1%が受けたと回答した.薬物療法に関しては、59.6%が化学療法、19.0%が分子標的薬による治療、78.0%がホルモン療法を受けていた。再発・転移について「ある」と回答したのは15.2%であった。
・乳房およびその周辺での乳がん治療薬あるいは放射線治療による皮膚関連症状の有無については、63.1%が「副作用がある」と回答した。
・症状として50%を超えたのは、カサカサ・乾燥(70.8%)、色素沈着(50.6%)、しびれ・感覚異常(50.6%)であった。
・困っている程度は、NRSスコアが高い順に、むくみ(4.78)、しびれ・感覚異常(4.65)、つっぱる・かたい(4.78)であった。
・脱毛や髪質の変化については58.3%が「ある」と回答し、困っている程度はNRSスコアが5.41と、今回確認した項目の中で最も高かった。
・手や足の爪については、3割前後が変色や変形、爪が折れやすいなどの症状の持続を自覚しており、困っている程度はNRSスコアが高い順に、爪が折れやすい(4.53)、爪の変形(4.26)、爪の変色(3.98)であった。
・症状軽減を目的とした治療費の支払い意思額は、「月額3,000円まで」が最も多かった(38.5%)。
・皮膚関連症状の有無を治療内容別に比較したところ、乳房温存手術と乳房切除術の比較において、カサカサ・乾燥、かゆみ、汗が出ないの3症状は乳房温存手術で有意に多く認められ、しびれ・感覚異常は乳房切除術で有意に多く認められた。
・放射線治療ありとなしの比較において、放射線治療ありで、カサカサ・乾燥、色素沈着、汗が出ないが有意に多く認められた.
・化学療法ありとなしの比較において、化学療法ありで、むくみ、爪の変色、爪の変形、爪が折れやすい、脱毛や髪質の変化が有意に多く認められた.
・ホルモン療法は、その有無で症状の頻度に有意な差を認めなかった.
・乳がん診断からの経過年数と、それぞれの皮膚関連症状のために困っている程度(NRSスコア)や支出意欲との相関をみると、脱毛や髪質の変化のみで時間経過に伴う有意な低減がみられたが、これ以外の項目で有意差はなかった。

 著者らは、個人差はあるものの、60%以上が何らかの皮膚関連症状を有しており、各皮膚関連症状の困りごとの程度や治療に対する支出意欲は、乳がんと診断されてからの期間による大きな変化はなく、乳がん経験者の多くは長期にわたり皮膚に関連する症状に悩み、負担を感じていることが示唆されたとしている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


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身原 京美ほか. Progress in Medicine Vol.42 No.3 2022.3.

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浸潤性乳がんの検出率、乳房トモシンセシス+合成マンモグラフィvs.デジタルマンモグラフィ/Lancet Oncol

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 乳がん検診における浸潤性乳がんの検出率について、デジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィと2Dフルフィールドデジタルマンモグラフィ単独で比較したところ、デジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィで有意に高かったことが、ドイツで実施された非盲検無作為化優越性試験(TOSYMA)で示された。University Hospital MunsterのWalter Heindel氏らがLancet Oncology誌オンライン版2022年4月12日号に報告。

 本試験は、ドイツの2つの連邦州における17の検診施設で実施された。対象は品質管理されたマンモグラフィ集団検診プログラムに参加した50〜69歳の女性。地域ごとに層別化したブロック無作為化を用いて、デジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィ、または2Dフルフィールドデジタルマンモグラフィに1対1に無作為に割り付けた。主要評価項目は、ITT集団での浸潤性乳がんの検出率と24ヵ月の浸潤性中間期がん率で、安全性はas-treated集団で評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・2018年7月5日~2020年12月30日に、9万9,689人の女性をデジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィ群(4万9,804人)とデジタルマンモグラフィ群(4万9,830人)に割り付けた。
・主要評価項目が評価可能な参加者において、浸潤性乳がんが検出された女性は、デジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィ群で4万9,715人中354人(1,000人当たり7.1例)、デジタルマンモグラフィ群で4万9,762人中240人(1,000人当たり4.8例)だった(オッズ比:1.48、95%CI:1.25~1.75、p<0.0001)。
・有害事象は各群6件報告で重篤な有害事象は報告されておらず、デバイスの不具合はデジタル乳房トモシンセシス+合成2Dマンモグラフィ群で23件、デジタルマンモグラフィ群で5件報告された。

(ケアネット 金沢 浩子)


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Heindel W, et al. Lancet Oncol. 2022 Apr 12.[Epub ahead of Print]

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TOSYMA試験(Clinical Trials.gov)

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LINEを用いた乳がんのePRO、副作用の効率的な収集に成功/慶應義塾大学

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 慶應義塾大学医学部は、2022年4月12日、同外科学教室の林田 哲氏、北川 雄光氏、同医療政策・管理学教室の宮田 裕章氏、帝京大学医学部外科学教室の神野 浩光氏らの研究グループが開発した、LINEを利用して乳がん患者の健康状態や薬物の副作用情報を収集するePRO(electronic Patient Reported Outcome:電子的な患者報告アウトカム)取得システムが、効率的な情報収集をしたことを明らかにした。

 このePROの取得システムでは、患者のLINEアプリケーションへメッセージが定期的に送信される。患者が簡単なタップ操作でメッセージに返答すると、管理者は、がん治療薬の副作用重症度を国際的指標(PRO-CTCAE)形式で把握することができる。

 同システムのフィージビリティ試験として、乳がんの薬物療法を受けている患者にシステムを提供し、利用の継続性や患者情報が良好に取得可能であるかを検討した。

 その結果、LINE経由での質問に対する利用者の回答数・回答率は、専用アプリケーションを用いた海外の同様の研究と比較してきわめて高く、また60歳を超える患者も良好な利用・継続が可能であった。

 LINEを用いたePROの取得システムは、抗がん剤による重篤な副作用を未然に把握するなど、より安全・安心な新しい形の医療を提供できる可能性が考えられる。

 同研究成果は、2022年3月12日にCancer Science誌オンライン版に掲載された。

(ケアネット 細田 雅之)


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Cancer Science誌記事

慶応義塾大学プレスリリース

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HR+/HER2-早期乳がん、21遺伝子アッセイと内分泌療法反応性による治療ガイドは有用か/JCO

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 ドイツ・West German Study Group(WGS)によるWSG-ADAPT HR+/HER2-試験において、再発スコアと内分泌療法への反応に基づく薬物療法のガイドが臨床で実行可能であり、リンパ節転移3個以下の閉経前および閉経後患者は化学療法なしですむことが示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年4月11日号に掲載。

 本試験では、早期乳がんの薬物療法について、21遺伝子アッセイ(再発スコア)と3週間の術前内分泌療法への反応の組み合わせによるガイドを検討した。ベースラインと内分泌療法後のKi67については中央で評価した。

・対象:病理学的局所リンパ節転移(pN)0~1(リンパ節転移0~3個)の乳がん患者
・試験群:再発スコア12~25点で、内分泌療法に反応した(内分泌療法後のKi67が10%以下)患者
・対照群:再発スコア11点以下の患者
試験群、対照群とも内分泌療法のみ実施。上記以外の患者(内分泌療法に反応しなかったN0~1、再発スコア12~25点の患者を含む)は、dose-dense化学療法後、内分泌療法を受けた。
・評価項目
[主要評価項目]5年無浸潤疾患生存期間(iDFS)
[副次評価項目]遠隔DFS、全生存率(OS)など

 主な結果は以下のとおり。

・ITT集団は2,290例(試験群1,422例、対照群868例)、閉経前女性は試験群26.3%、対照群34.6%、pN1は試験群27.4%、対照群24.0%だった。
・5年iDFS差の片側95%下方信頼限界は-3.3%で、事前設定による非劣性が認められた(p=0.05)。
・5年iDFSは、試験群92.6%(95%CI:90.8〜94.0)、対照群93.9%(95%CI:91.8〜95.4)、5年遠隔DFSは、試験群95.6%、対照群96.3%、5年OSは、試験群97.3%、対照群98.0%だった。年齢とリンパ節転移別のサブグループにおいても結果は同様だった。
・N0~1、再発スコア12~25点の患者では、内分泌療法に反応した患者(内分泌療法のみ実施)の結果は、50歳超では内分泌療法に反応しなかった患者(化学療法実施)の結果と同等であり、50歳以下では優っていた。
・アロマターゼ阻害薬(主に閉経後女性)がタモキシフェン(主に閉経前女性)に比べて内分泌療法への反応が高かった(78.1% vs.41.1%、p<0.001)。
・内分泌療法に反応したのは、再発スコアが0~11点で78.8%、12~25点で62.2%、25点超で32.7%だった(4,203例、p<0.001)。

(ケアネット 金沢 浩子)


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Nitz UA, et al. J Clin Oncol. 2022 Apr 11. [Epub ahead of print]

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乳がん術前・術後補助療法、乳がん死亡率とその他の死亡率への影響~系統的レビュー

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 乳がん治療における術前補助療法や術後補助療法は、乳がんによる死亡率を低下させる可能性がある一方、乳がん以外による死亡率を増加させる可能性がある。今回、英国・オックスフォード大学のAmanda J. Kerr氏らが系統的レビューを実施したところ、ほとんどの比較試験で、がんによる死亡率または再発率が10〜25%減少し、乳がん以外による死亡率の増加はみられなかったが、アントラサイクリンでの化学療法と放射線療法については乳がん以外による全死亡率が増加していた。Cancer Treatment Reviews誌オンライン版2022年3月4日号に掲載。

 本レビューでは、ガイドラインを検索し、早期浸潤性乳がんで推奨されている術前・術後補助療法を特定。各治療において最も高いレベルのエビデンスを、系統的に文献検索した。

 主な結果は以下のとおり。

・米国やその他の国において、化学療法(アントラサイクリン、タキサン、プラチナ、カペシタビン)、抗HER2療法(トラスツズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、ネラチニブ)、内分泌療法(タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬、卵巣摘出/卵巣機能抑制)、ビスホスホネートなどの治療が推奨されていた。
・放射線療法の選択肢として、乳房温存術後において全乳房照射・乳房部分照射・腫瘍床ブースト照射・局所リンパ節照射、乳房切除術後において胸壁照射・局所リンパ節照射があった。
・推奨されている治療選択は、無作為化比較試験(1万例超の試験が8件、1,000〜1万例の試験が15件、1,000人未満での試験が1件)で支持されていた。
・ほとんどの比較試験で、乳がんによる死亡率または再発率が10〜25%減少し、乳がん以外による死亡率は増加しなかった。
・アントラサイクリンでの化学療法と放射線療法は、乳がん以外による全死亡率を増加させた。アントラサイクリンリスクは心疾患と白血病によるものだった。
・放射線リスクは主に心疾患、肺がん、食道がんによるものであり、心臓、肺、食道の放射線量の増加に伴い、それぞれの疾患が増加した。
・タキサンは白血病リスクを上昇させた。

(ケアネット 金沢 浩子)


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Kerr AJ, et al. Cancer Treat Rev. 2022;105:102375.

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乳がん検診10年の偽陽性リスク、乳房トモシンセシスvs.デジタルマンモグラフィ

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 デジタル乳房トモシンセシスによる乳がん検診は、デジタルマンモグラフィより偽陽性率が低い可能性がある。米国・カリフォルニア大学デービス校のThao-Quyen H. Ho氏らは、デジタル乳房トモシンセシスまたはデジタルマンモグラフィによる10年間の検診で、偽陽性の累積リスクを推定した結果、デジタル乳房トモシンセシスのほうが低く、また、モダリティの違いよりも隔年検診・高齢・非高濃度乳房が偽陽性率の大幅な低下と関連することが示された。JAMA Network Open誌2022年3月1日号に掲載。

 本研究は、Breast Cancer Surveillance Consortiumの126の放射線施設において、2005年1月1日~2018年12月31日に前向きに収集したデータを用いた効果比較研究で、40~79歳の90万3,495人の結果を2021年2月9日から9月7日まで分析。乳がん診断と死亡の競合リスクを考慮し、年1回もしくは隔年でデジタル乳房トモシンセシスまたはデジタルマンモグラフィで10年間検診後、追加画像診断・短い間隔での経過観察の推奨・生検の推奨について1回以上の偽陽性リコールの累積リスクを評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・90万3,495人の女性における296万9,055回の検診(初回検診を除く)の画像を、放射線科医699人が読影した。
・検診時の平均年齢(SD)は57.6(9.9)歳、60歳未満での検診が58%、高濃度乳房は46%、トモシンセシスでの検診が15%だった。
・年1回の検診では、10年間における1回以上の偽陽性の累積確率はデジタルマンモグラフィに比べトモシンセシスで有意に低かった。全リコールは49.6% vs.56.3%(差:-6.7、95%CI:-7.4~-6.1)、短い間隔での経過観察の推奨で16.6% vs.17.8%(差:-1.1、95%CI:-1.7~-0.6)、生検の推奨で11.2% xs.11.7%(差:-0.5、95%CI:-1.0~-0.1)だった。
・隔年の検診でも、偽陽性の累積確率は、デジタルマンモグラフィに比べトモシンセシスで有意に低かった(35.7% vs.38.1%、差:-2.4、95%CI:-3.4~-1.5)が、短い間隔での経過観察の推奨(10.3% vs.10.5%、差:-0.1、95%CI:-0.7~0.5)、生検の推奨(6.6% vs.6.7%、差:-0.1、95%CI:-0.5~0.4)では有意な差はなかった。
・デジタルマンモグラフィに対するトモシンセシスでの偽陽性の累積確率の減少は、年1回検診した非高濃度乳房の女性で最も大きかった。
・モダリティにかかわらず、偽陽性の累積確率は、年1回の検診より隔年の検診、年齢が若い患者より高い患者、extremely dense breastの女性よりentirely fattyの女性で大幅に低かった。

(ケアネット 金沢 浩子)


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Ho TH, et al. JAMA Netw Open. 2022;5:e222440.

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