アテゾリズマブ 840mgを発売、トリプルネガティブ乳がん適応に対し/中外

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 中外製薬株式会社は、抗PD-L1モノクローナル抗体アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)840mg製剤が、2019年11月27日、薬価収載および発売となった旨を発表。アテゾリズマブ 840mg製剤は、本年9月20日に承認を取得したPD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌の適応に対する用法・用量となる2週間間隔投与に対する至適用量製剤である。

 トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対するアテゾリズマブの有効性および安全性は、全身薬物療法を受けていない切除不能な局所進行または転移のあるTNBCの患者を対象に、アテゾリズマブと化学療法の併用と、化学療法単独を比較し、有効性ならびに安全性、薬物動態を検討した多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検第III相臨床試験であるIMpassion130試験にて検討された。

(ケアネット 細田 雅之)


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血液1滴で13種のがん検出、2時間以内に99%の精度で―東芝

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 東芝は11月25日、血液中のマイクロRNAを使ったがん検出技術を開発したと発表した。同社によると、独自のマイクロRNA検出技術を使った健康診断などの血液検査により、生存率の高いStage 0の段階でがんの有無を識別することが期待できるという。早期の社会実装に向け、来年から実証試験を進めていく。

 リキッドバイオプシーの解析対象となるマイクロRNAを巡っては、2014年に「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発プロジェクト」が始動。国立がん研究センターや国立長寿医療研究センターが保有するバイオバンクを活用し、膨大な患者血清などの検体を臨床情報と紐づけて解析。血中マイクロRNAをマーカーとした検査システムの開発が進んでいる。この研究成果をベースに、国内メーカー4社が、日本人に多い13種のがんについて、血液検体から全自動で検出するための機器や検査用試薬、測定器キットなどの開発に取り組んでいる最中だ。

 東芝も本プロジェクトに当初より参画。東京医科大学と国立がん研究センターとの共同研究において、このほど膵臓がんや乳がんなど13種類のがん患者と健常者について、独自の電気化学的なマイクロRNA検出技術を活用し、2時間以内に99%の精度で網羅的に識別することに成功した。この中には、Stage 0の検体も含まれていたという。本研究により、13がん種いずれかのがんの有無について、簡便かつ高精度に検出するスクリーニング検査の実現が期待される。独自のマイクロRNAチップと専用の小型検査装置を用いることで、検査時間を2時間以内に短縮し、即日検査も可能になるという。

 東芝は、本技術の詳細を12月3~8日に福岡で開催される日本分子生物学会で発表する。

(ケアネット 鄭 優子)


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東芝:プレスリリース

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赤肉摂取減らしても心血管代謝・がん死亡に効果なし?

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 赤肉の摂取量を減らした場合、臨床的に重篤なアウトカムに効果があるかどうかを検討した無作為化研究はほとんどない。今回、カナダ・McMaster大学のDena Zeraatkar氏らの無作為化研究の系統的レビューから、エビデンスの確実性は低いが、赤肉を制限した食事が主な心血管代謝アウトカムとがん死亡および発症に対して、ほとんどまたはまったく影響しない可能性が示唆された。Annals of Internal Medicine誌オンライン版2019年10月1日号に掲載。

 EMBASE、CENTRAL、CINAHL、Web of Science、ProQuestを開始から2018年7月まで、MEDLINEを開始から2019年4月まで、言語の制限なしで検索し、赤肉または加工肉の多い食事と少ない食事(6ヵ月以上、週に1サービング以上の差)による無作為化比較研究を特定した。2人のレビューアーが独立してデータを抽出し、バイアスリスクとエビデンスの確実性を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・適格基準を満たした12試験のうち、4万8,835人の女性を登録したWomen’s Health Initiative(WHI)Dietary Modification Trialから、赤肉または加工肉が少ない食事が全死亡(ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.95〜1.03])、心血管死亡(HR:0.98、95%CI:0.91〜1.06)、心血管疾患発症(HR:0.99、95%CI:0.94〜1.05)について、ほとんどまたはまったく影響しない可能性があるという、最も信頼できるエビデンスが得られた(エビデンスの確実性は「low」)。
・さらに上記の研究から、赤肉または加工肉が少ない食事はがん死亡(HR:0.95、95%CI:0.89〜1.01)、大腸がん発症(HR:1.04、95%CI:0.90〜1.20)および乳がん発症(HR:0.97、95%CI: 0.90〜1.04)を含むがん発症にほとんどまたはまったく影響しないというエビデンスも得られた(エビデンスの確実性は「low」から「very low」)

(ケアネット 金沢 浩子)


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Zeraatkar D, et al. Ann Intern Med. 2019 Oct 1. [Epub ahead of print]

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初潮や出産年齢と乳がん患者の死亡リスク:日本人前向きコホート

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 初潮、閉経、出産など女性の生殖要因は乳がんの発症だけでなく、進行や予後とも関連する可能性があるが、そのエビデンスは限られている。東北大学の南 優子氏らは、日本人乳がん患者における生殖要因と、腫瘍特性や死亡リスクの関連を前向きに検討した。Breast Cancer誌2019年11月号の報告より。

 1997年から2013年の間に日本の単施設で乳がんと診断された患者1,468例を対象として、生殖要因と腫瘍特性、死亡リスクの関連が分析された。2016年までの追跡期間中央値8.6年において、全死因死亡272例、乳がんによる死亡199例が報告されている。

 主な結果は以下のとおり。

・症例間比較において、初潮年齢の遅さは乳がんの進行と逆相関していた。
・出産経験のない患者では、エストロゲン受容体(ER)陽性あるいはプロゲステロン受容体(PR)陽性の腫瘍を有する傾向がみられた。
・Cox比例ハザードモデルを用いた解析の結果、腫瘍特性による調整後、出産回数と全死因死亡リスクとの間にU字型の関連がみられた([出産回数1回と比較して]出産経験なし:ハザード比[HR]=2.10、2回:HR=1.28、3回以上:HR=1.50)。
・ER陰性およびPR陰性の腫瘍を有する患者においては、初潮年齢と最終出産年齢の遅さが、全死因死亡リスクと相関していた([初潮年齢12歳以下と比較して]15歳以上:HR=2.18、傾向のp=0.03、[最終出産年齢29歳以下と比較して]35歳以上:HR=3.10、傾向のp=0.01)。
・ER陽性およびPR陽性の腫瘍を有する経産患者においては、最終出産からの期間の短さが死亡リスクと関連していた([10年以上と比較して]4年以下:HR=5.72、傾向のp=0.004)。

 著者らは、初潮や出産のタイミングは乳がん患者の生存に重要な影響を与え、女性のライフコースと乳がんアウトカムの関連を理解するための手がかりになると考えられると結論付けている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


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Minami Y, et al. Breast Cancer. 2019 Nov;26:687-702.

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乳がん家族歴による検診開始年齢を検討/JAMA Oncol

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 乳がん検診ガイドラインでは、リスクの高い女性は早期検診が必要としているが、乳がんの家族歴のある女性に対する指針は限られている。今回、ドイツ・German Cancer Research Center(DKFZ)のTrasias Mukama氏らが、500万人以上の女性が含まれるスウェーデンの全国的コホート研究で、家族歴ごとのリスクに相当する乳がん検診の開始年齢を検討した。JAMA Oncology誌オンライン版2019年11月14日号に掲載。

 本研究はSwedish family-cancer data setを用いて、少なくとも1人の第1度近親者がいる、1932年以降に生まれたすべての女性(509万9,172人)を対象とした。1958年1月1日~2015年12月31日のデータを収集し、2017年10月1日~2019年3月31日に分析した。第1度および第2度近親者における乳がんの家族歴、浸潤性乳がん罹患について調査し、全対象における40歳・45歳・50歳での10年累積罹患率に達する年齢を家族歴ごとに評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・本研究に参加した509万9,172人の女性のうち、11万8,953人(2.3%)が浸潤性乳がんと診断された。10万2,751人(86.4%、診断時の平均[SD]年齢:55.9 [11.1]歳)は、乳がん診断時に第1度および第2度近親者に家族歴がなかった。
・リスクに基づき特定された乳がん検診の推奨開始年齢は、乳がんと診断された第1度および第2度近親者の人数と第1度近親者の診断年齢によって変化した。たとえば、一般集団の推奨開始年齢が50歳のとき、全対象における50歳での10年累積罹患率(2.2%)に達する年齢をみると、乳がんの第1度近親者が2人以上でいずれかが50歳前に診断されている場合は27歳であり、いずれも50歳以降に診断されている場合は36歳であった。

 著者は、「本研究は、集団ベースの登録に基づく乳がん検診において、リスクに基づいた推奨開始年齢を特定している。これらの結果は、乳がん患者の近親者に対する現在の検診ガイドラインを補完する質の高いエビデンスとして役立つかもしれない」と述べている。

(ケアネット 金沢 浩子)


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Mukama T, et al. JAMA Oncol. 2019 Nov 14. [Epub ahead of print]

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取扱い規約とTNM分類は統合可能か?/日本癌治療学会

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 本邦では、臓器別に各学会が作成する取扱い規約が使われてきたが、世界中の日本以外の国で主に使用されるのは国際対がん連合(UICC)/米国がん合同委員会(AJCC)によるTNM分類である。国際的な臨床試験への参加時や、論文投稿時に生じる齟齬への対応策はあるのか。第57回日本癌治療学会学術集会(10月24~26日)で、がん研究会有明病院消化器外科の佐野 武氏が、「日本の取扱い規約とUICC/AJCC TNM分類は統合可能か? 」と題した講演を行った。

病期の大部分は翻訳可能、しかし一部が混同

 はじめに佐野氏は、取扱い規約とTNM分類の本質的な違いについて解説。取扱い規約が日本人患者のみを対象に、臓器ごとのルールに則り、病期・病理・治療・効果判定を扱っているのに対し、TNM分類はグローバルな使用を目的に、全臓器共通の原則に則り、臓器ごとの病期のみを扱うものである。両者の目的や枠組みの違いを混同すべきではなく、「TNM分類に従った治療などというものはない。日本の臨床医にとって、取扱い規約は目の前の患者に最も適した診断・治療法を探るための規約であり、独自の分類があることはメリットといえる」と話した。

 問題は、TNM分類への正確な翻訳ができない、あるいは一部が似ているために用語や分類を混同するケースがある点だと同氏は指摘。胃がん領域では、2010年に国内で取扱い規約とガイドラインの改訂が行われ、同時期にTNM分類も改訂が予定されていた。両者を比較すると、例えば“M1”は胃癌取扱い規約では腹腔外転移を表すが、TNM分類では領域リンパ節転移以外の転移すべてを表していた。また領域リンパ節(N)の扱いや、深達度(T)で表す対象としてリンパ管侵襲(Ly)と静脈侵襲(V)を含むかどうか、なども異なっていた。

日本から世界に発信し、UICC/AJCCでの策定過程にコミットすべき

 そこで、胃癌取扱い規約(第13版→第14版)および治療ガイドライン(第2版→第3版)の改訂にあたって、大規模な整理が行われた。最も大きな問題とされたのは、領域リンパ節の扱い。TNM分類では単純に転移リンパ節個数のみを評価するが、取扱い規約では各リンパ節に番号が振られ、どのリンパ節への転移かによってグルーピングし、病期を評価してきた歴史がある。表記としては同じN1~N3が、指し示す内容としては全く異なるものとなっていた。胃癌取扱い規約の第14版では、このグルーピングをなくし、ステージングについてはTNM分類と一致させる方向で改訂を行った。従来のリンパ節番号や肝転移(H)、腹膜転移(P)の考え方は残しつつも、TNM分類に翻訳可能な形に整理されている。

 治療についてはガイドラインに移行させ、紙面上では規約独自のものは黒字、TNM分類と共通のものは青字と区別できるようにした。一方、同時期に行われていたTNM第6版から第7版への改訂過程において、AJCCは食道がんのみのデータに基づいて食道と胃でステージングを統一しようと動いていた。これに対し、日本側は日本と韓国のデータベースに基づく新たな胃がんのステージングを提案し、実際に採用された経緯がある。さらに、国際胃癌学会(IGCA)を通じて、世界中から2万例以上のデータを集めて解析した結果をもって提案した新たなステージングが、取扱い規約第15版およびTNM分類第8版に採用されている。

 佐野氏は「日本が長年にわたり蓄積してきた詳細で正確なデータベースは国際的な分類の改訂にも貢献できるもの」と話し、UICC/AJCCに対する積極的な働きかけも必要であることを強調した。「両者を統合することはできないし、する必要はない」とし、「ただし、ステージングに関しては日本の規約がTNMを受け入れることで国際的な齟齬はなくなるであろう。わが国は、診断、病理、治療の分野で独自性を維持すればよいのではないか」として講演を締めくくった。

初の「領域横断的がん取扱い規約」発刊

 国内に目を向けると、各取扱い規約の間で臓器別に異なる用語・記載法・記載順が採用され、改訂時期もバラバラな状態が続いてきた。国際的・臓器横断的なバスケット試験も増加する中、日本癌治療学会では日本病理学会と共同で、日本におけるがんの病期分類の標準化をめざして、「領域横断的がん取扱い規約 第1版」を刊行した。

 本規約は、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がんなど22領域を網羅。病理医や腫瘍科医にとって大きなフラストレーションとなっていた「臓器によって情報の掲載順・掲載方法が異なる」点を改善し、臨床情報→原発巣→組織型→病期分類と記載順と形式を統一している。記号や用語の違いについても、本書における「総則」を冒頭で定義し、それとは異なる点については側注で解説している。また、TNM分類と共通の記述については青字で区別し、適宜側注で解説が加えられて、読み替えができるよう構成されている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


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乳がん術後トラスツズマブ、心毒性の影響は?

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 乳がん治療に用いられる分子標的薬トラスツズマブの心毒性の発生頻度や機序などが、ベルギー・ブリュッセル自由大学のEvandro de Azambuja氏らにより明らかにされた。トラスツズマブ関連心毒性の発生率、発生時期、治療完了への影響およびリスク因子について、トラスツズマブ術後補助療法の臨床試験3件のプール解析を行った結果、1年間のトラスツズマブ投与は心イベントのリスクを高めるが、ほとんどは無症候性または軽度の左室駆出率(LVEF)低下であり、トラスツズマブによる術後補助療法は多くの患者にとって心毒性の点で安全な治療と考えるべきであることが示されたという。トラスツズマブ関連心毒性は、HER2陽性乳がん患者においてなお議論の余地があるが、今回の結果を踏まえて著者は、「トラスツズマブ関連心毒性は投与中止の主な原因であることから、さらなる研究を行い、予防と管理の個別化が必要である」とまとめている。Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2019年10月11日号掲載の報告。

 研究グループは、大規模臨床試験のHERA、NSBAP B-31およびNCCTG 9831(Alliance 試験)の個々の患者データについてプール解析を行った。

 心イベントの定義は、個々の試験に従った。

 主な結果は以下のとおり。

・3件の臨床試験に登録された計7,445例(トラスツズマブ群4,017例、対照群3,428例)が解析対象となった。
・追跡期間中央値は、10年(119.2~137.2ヵ月)を超えた。
・トラスツズマブ群のほぼ全例(97.4%)がアントラサイクリン併用化学療法を受けた。
・トラスツズマブ群で452例(11.3%)に心イベントが発生した。その多く(351例、8.7%)が軽度症候性または無症候性のLVEF低下であった。
・重度うっ血性心不全は、対照群(0.8%)よりトラスツズマブ群(2.3%)で高頻度であった。
・ほとんどの心イベントはトラスツズマブ治療中に発生し(78.1%)、心イベントは治療中止の主な原因であったが(10.0%)、多くの患者はトラスツズマブ治療を完了した(76.2%)。
・心イベント発生と有意に関連したベースラインのリスク因子は、ベースラインLVEF<60%、高血圧症、BMI>25、年齢≧60、および非白人であった。

(ケアネット)


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de Azambuja E, et al. Breast Cancer Res Treat. 2019 Oct 11. [Epub ahead of print]

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新抗体薬物複合体DS-7300、固形がんを対象とした臨床試験開始/第一三共

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 第一三共株式会社(本社:東京都中央区)は、再発・進行性の固形がん患者を対象としたDS-7300(B7-H3を標的とした抗体薬物複合体[ADC])の第I/II臨床試験において、最初の患者への投与を開始した。

 B7-H3は、肺がん、頭頸部がん、食道がん、前立腺がん、子宮内膜がん、乳がんなど様々のがん種において過剰発現しているたんぱく質の一種で、がんの進行や予後の悪化に関係していると言われているが、現在、がん治療を対象に承認されているB7-H3を標的とした治療薬はない。DS-7300は、独自のリンカーを介して新規のトポイソメラーゼⅠ阻害剤(DXd)を抗B7-H3抗体に結合させ、1つの抗体につき約4個のDXdが結合。薬物をがん細胞内に直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えるよう設計されている。

 同試験は、日本と米国における再発・進行性の固形がん患者(頭頸部がん、食道がん、非小細胞肺がん等)を対象とした第I/II相臨床試験で、2つのパートからなる。パート1(用量漸増パート)では、約40例の患者を対象に、DS-7300の投与量を段階的に増やしながら安全性と忍容性を評価し、最大耐用量と推奨用量を決定する。パート2(用量展開パート)では、約120例の患者を対象に、推奨用量での安全性と忍容性を評価すると共に、客観的奏効率、奏効期間、無増悪生存期間及び全生存期間を含む有効性を評価する。

(ケアネット 細田 雅之)


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進行/再発乳がんへのパルボシクリブ、実臨床での有効性と安全性/日本癌治療学会

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 進行/再発乳がんに対するCDK4/6阻害薬のパルボシクリブ(商品名:イブランス)の有効性と安全性を後ろ向き単施設観察研究で検討した結果、実臨床データベースにおいても、内分泌療法耐性の患者にも有効であり、内分泌療法に感受性の高い患者やフロントラインでの使用がより効果的な傾向が示唆された。がん・感染症センター都立駒込病院の岩本 奈織子氏が、第57回日本癌治療学会学術集会(10月24~26日)で発表した。

 進行/再発乳がんにおいて、パルボシクリブは内分泌療法に耐性でも有効で、内分泌療法に感受性の高い患者でより有効であり、高齢者にも比較的安全であるとされている。一方、好中球減少の発現率がとくにアジア人で高いことが明らかになっている。しかしながら実臨床におけるアジア人のデータが限られていることから、岩本氏らは、実臨床データよりパルボシクリブの有効性と安全性を検証した。

 本試験は、2017年12月~2018年12月にパルボシクリブ125mg(3週投与、1週休薬)による治療を開始したエストロゲン受容体(ER)陽性/HER2陰性の進行/再発乳がん45例が対象。そのうち、開始用量減量、内分泌治療歴なし、化学療法治療歴2ライン以上、他のCDK4/6阻害薬の使用歴ありの患者を除外した24例のデータを評価した。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は有害事象(AE)であった。

 主な結果は以下のとおり。

・24例中8例がde novo症例で、9例がPALOMA-3試験の適格基準に適合した。
・年齢中央値は66.5歳(45~86歳)、23例(96%)が閉経後であった。
・再発乳がんに対して化学療法を受けていた患者は21%であった。
・パルボシクリブとの併用薬剤は17例(71%)がフルベストラント、6例(25%)がレトロゾール、1例(4%)がアナストロゾールであった。
・奏効率は9%、クリニカルベネフィット率は32%、病勢コントロール率は55%であった。
・平均追跡期間は11.4ヵ月、PFS中央値は9.8ヵ月(95%信頼区間:8.8~13.8)であった。
・サブ解析では、直近の内分泌療法期間が6ヵ月以下より6ヵ月超のほうが、また65歳未満より65歳以上のほうが、PFSが良好な傾向がみられた。
・好中球減少症は、全Gradeでは100%、Grade3/4では92%に発現した。発熱性好中球減少症(FN)が1例(4%)に認められた。各AEの発現率は65歳以上と65歳未満の患者でほぼ同等であった。
・FNの1例を除く23例(96%)で休薬、19例(79%)が減量していた。2例(8%)がAE(クレアチニン上昇、下痢)で中止していた。65歳以上のほうが65歳未満より減量例が多かった。

 岩本氏は、PALOMA-3試験やTREnd試験などの結果を交えて考察し、パルボシクリブのベネフィットについて、フロントラインでの使用が効果的であること、内分泌療法に対する感受性が有効性の指標となること、高齢者にも忍容性があることの3点を提示した。

(ケアネット 金沢 浩子)


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遠隔オリゴ転移再発乳がんの予後および予後因子/日本癌治療学会

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 進行乳がん(ABC)のガイドラインの定義によるオリゴ転移がん(OMD)がNon-OMD(NOMD)と比べて有意に予後良好であり、通常の再発乳がんの予後因子である「遠隔転移巣の根治切除の有無」「転移臓器個数」「転移臓器部位」「無病期間(DFI)」「周術期の化学療法の有無」がOMDにおいても予後因子であることが示唆された。がん研有明病院/隈病院の藤島 成氏が第57回日本癌治療学会学術集会(10月24~26日)で発表した。

 一部の進行乳がんにおいて長期予後が得られる症例があり、そのような症例としてOMDやHER2陽性乳がんが挙げられる。ABCのガイドラインにおけるOMDの定義は、転移個数が少なくサイズが小さい腫瘍量の少ない転移疾患とされており、その転移個数は5個以下となっているが、転移臓器の個数は定義されていない。OMDの転移臓器の個数は1つにすべきというドイツのグループからの意見もあり、その定義について議論されている。今回、藤島氏らはABCのガイドラインの定義によるOMDの予後を評価し、さらにOMDの予後因子を検討した。

 対象は、がん研有明病院で原発性乳がんの手術を受け2005~14年に遠隔再発を来した患者612例のうち、重複がん、両側乳がん、追跡不能例を除いた437例。ABCのガイドラインに基づき分類したOMDとNOMDの予後を比較し、さらにOMDの予後因子を分析した。脳転移および転移個数5個以下でも根治切除不能と判断した症例はNOMDに分類した。

 主な結果は以下のとおり。

・OMDは133例、NOMDは304例であった。
・再発時年齢中央値、DFI中央値、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体、HER2の発現は両群に有意差はなかった。
・サブタイプ別では全体として両群に有意差はなかったが、トリプルネガティブ(TN)についてOMDが10.5%、NOMDが20.4%と、OMDのほうが少なかった。
・転移部位について、肝転移、肺転移では両群に差はなかったが、骨転移、遠隔リンパ節転移はNOMDよりOMDで少なかった(どちらもp<0.01)。
・再発後の初回全身療法はNOMDで化学療法が有意に多く(p<0.01)、OMDは内分泌療法が有意に多かった(p<0.01)。
・OMD症例の14例(10.5%)に遠隔転移巣の根治切除術が実施されており、14例中13例が1臓器のみの転移であった(肺転移:9例、肝転移:3例、骨転移:1例、子宮・卵巣:1例)。
・追跡期間中央値は40ヵ月(範囲:0~150)、遠隔再発後の全生存期間(OS)中央値は、OMD(76ヵ月)がNOMD(33ヵ月)よりも有意に予後が良好だった(p<0.01)。
・OMDにおけるサブタイプ別のOS中央値は、luminalが92ヵ月、luminal/HER2が126ヵ月と、HER2の59ヵ月、TNの52ヵ月より予後良好な傾向が認められた。
・OMDにおけるOSに関する単変量比例ハザードモデル解析によると、ER陽性(p=0.02)、周術期の化学療法なし(p=0.01)、遠隔転移巣の根治切除あり(p=0.04)、1臓器のみの転移(p<0.01)、DFI 2年以上(p<0.01)、肝転移なし(p=0.04)、サブタイプがluminalもしくはluminal/HER2(p=0.03)が有意な予後良好因子であった。再発時年齢が50歳未満も予後良好な傾向がみられた(p=0.07)。
・多変量比例ハザードモデル解析によると、周術期の化学療法なし(p=0.04)、遠隔転移巣の根治切除あり(p=0.03)、1臓器のみの転移(p<0.01)、DFI 2年以上(p<0.01)、肝転移なし(p=0.05)が有意な予後良好因子であった。
・予後良好因子が2個以下と3個以上で分類すると、遠隔転移後のOS中央値は3個以上が106ヵ月で、2個以下の34ヵ月に比べて有意に予後が良好であった(p<0.01)。

 藤島氏は、「ABCのガイドラインに基づいてOMDとNOMDに分類すると、OMDは有意に予後良好である。しかし、OMD患者の予後は臨床的因子によって異なるため、OMD患者の中でも臨床的因子を考慮した異なる治療戦略が必要ではないか」と述べた。

(ケアネット 金沢 浩子)


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