BRCA変異HER2-進行乳がん、veliparib追加でPFSが有意に改善(BROCADE3)/ESMO2019

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 生殖細胞系列のBRCA遺伝子(gBRCA)変異のあるHER2陰性進行乳がんに対して、カルボプラチン+パクリタキセルへのPARP1/2阻害薬であるveliparibの上乗せ効果を検討した第III相BROCADE3試験の結果、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことが示された。veliparibの追加による毒性プロファイルの変化はみられなかった。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、フランス・Centre Eugene MarquisのVeronique C. Dieras氏が発表した。

 gBRCA遺伝子変異のある進行乳がんを対象とした第II相試験では、カルボプラチン+パクリタキセルにveliparibを上乗せすることにより、PFS中央値および全生存期間(OS)中央値がより大きく、毒性の上乗せは軽度であることが示されていた。

・対象:gBRCA1/2変異陽性のHER2陰性進行乳がん(転移に対する細胞傷害性の抗がん剤治療が2レジメン以下、プラチナ製剤は1レジメン以下、投与終了から12ヵ月以内に進行なし)
・試験群:veliparib(120mg1日2回、Day -2~5)+カルボプラチン(AUC 6、Day 1)/パクリタキセル(80mg/m2、Day 1、8、15)21日ごと 337例
・対照群:プラセボ+カルボプラチン/パクリタキセル 170例
・評価項目:
[主要評価項目]PFS
[副次評価項目]OS、クリニカルベネフィット率(CBR)、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、PFS2

 主な結果は以下のとおり。

・主治医評価によるPFS中央値は、veliparib群14.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:12.5~17.7)、プラセボ群12.6ヵ月(95%信頼区間:10.6~14.4)で、ハザード比は0.705(95%CI:0.566~0.877、p=0.002)と有意に改善した。3年時のPFSはveliparib群26%、プラセボ群11%だった。
・独立中央委員会判定によるPFS中央値は、veliparib群19.3ヵ月(95%CI:16.5~23.3)、プラセボ群13.5ヵ月(95%CI:12.5~16.3)で、ハザード比は0.695(95%CI:0.537~0.899、p=0.005)と有意に改善した。3年時のPFSはveliparib群37%、プラセボ群20%だった。
・OS中央値はveliparib群33.5ヵ月(95%CI:27.6~37.9)、プラセボ群28.2ヵ月(95%CI:24.7~35.2)で、ハザード比は0.945(95%CI:0.729~1.225、p=0.666)だった。なお、プラセボ群の44%の患者がクロスオーバーしていた。
・24週時のCBRはveliparib群90.7%、プラセボ群93.2%、ORRはveliparib群75.8%、プラセボ群74.1%だった。
・DOR中央値はveliparib群14.7ヵ月、プラセボ群11.0ヵ月だった。
・PFS2中央値はveliparib群21.3ヵ月(95%CI:19.8~25.1)、プラセボ群17.4ヵ月(95%CI:16.0~20.0)で、ハザード比は0.760(95%CI:0.603~0.959、p=0.020)だった。
・とくに注目すべき有害事象のGrade3以上の発現率は、veliparib群、プラセボ群の順に、好中球減少症が81%、84%、血小板減少症は40%、28%、貧血は42%、40%、嘔気は6%、4.1%だった。

(ケアネット 金沢 浩子)


【 参考文献・参考サイトはこちら 】

Clinical Trials.gov

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BRCA変異HER2-進行乳がん、veliparib追加でPFSが有意に改善(BROCADE3)/ESMO2019

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 生殖細胞系列のBRCA遺伝子(gBRCA)変異のあるHER2陰性進行乳がんに対して、カルボプラチン+パクリタキセルへのPARP1/2阻害薬であるveliparibの上乗せ効果を検討した第III相BROCADE3試験の結果、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことが示された。veliparibの追加による毒性プロファイルの変化はみられなかった。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、フランス・Centre Eugene MarquisのVeronique C. Dieras氏が発表した。

 gBRCA遺伝子変異のある進行乳がんを対象とした第II相試験では、カルボプラチン+パクリタキセルにveliparibを上乗せすることにより、PFS中央値および全生存期間(OS)中央値がより大きく、毒性の上乗せは軽度であることが示されていた。

・対象:gBRCA1/2変異陽性のHER2陰性進行乳がん(転移に対する細胞傷害性の抗がん剤治療が2レジメン以下、プラチナ製剤は1レジメン以下、投与終了から12ヵ月以内に進行なし)
・試験群:veliparib(120mg1日2回、Day -2~5)+カルボプラチン(AUC 6、Day 1)/パクリタキセル(80mg/m2、Day 1、8、15)21日ごと 337例
・対照群:プラセボ+カルボプラチン/パクリタキセル 170例
・評価項目:
[主要評価項目]PFS
[副次評価項目]OS、クリニカルベネフィット率(CBR)、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、PFS2

 主な結果は以下のとおり。

・主治医評価によるPFS中央値は、veliparib群14.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:12.5~17.7)、プラセボ群12.6ヵ月(95%信頼区間:10.6~14.4)で、ハザード比は0.705(95%CI:0.566~0.877、p=0.002)と有意に改善した。3年時のPFSはveliparib群26%、プラセボ群11%だった。
・独立中央委員会判定によるPFS中央値は、veliparib群19.3ヵ月(95%CI:16.5~23.3)、プラセボ群13.5ヵ月(95%CI:12.5~16.3)で、ハザード比は0.695(95%CI:0.537~0.899、p=0.005)と有意に改善した。3年時のPFSはveliparib群37%、プラセボ群20%だった。
・OS中央値はveliparib群33.5ヵ月(95%CI:27.6~37.9)、プラセボ群28.2ヵ月(95%CI:24.7~35.2)で、ハザード比は0.945(95%CI:0.729~1.225、p=0.666)だった。なお、プラセボ群の44%の患者がクロスオーバーしていた。
・24週時のCBRはveliparib群90.7%、プラセボ群93.2%、ORRはveliparib群75.8%、プラセボ群74.1%だった。
・DOR中央値はveliparib群14.7ヵ月、プラセボ群11.0ヵ月だった。
・PFS2中央値はveliparib群21.3ヵ月(95%CI:19.8~25.1)、プラセボ群17.4ヵ月(95%CI:16.0~20.0)で、ハザード比は0.760(95%CI:0.603~0.959、p=0.020)だった。
・とくに注目すべき有害事象のGrade3以上の発現率は、veliparib群、プラセボ群の順に、好中球減少症が81%、84%、血小板減少症は40%、28%、貧血は42%、40%、嘔気は6%、4.1%だった。

(ケアネット 金沢 浩子)


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アベマシクリブ+トラスツズマブ+フルベストラント、HR+/HER2+乳がんの予後を改善(monarcHER)/ESMO2019

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 ホルモン受容体(HR)陽性/HER2陽性(HR+/HER2+)の進行乳がんに対する、アベマシクリブ+トラスツズマブ+フルベストラントの3剤併用療法の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・Dana-Farber Cancer InstituteのSara M. Tolaney氏から発表された。

 本試験はオープンラベル3群比較の国際共同第II相試験であり、HR+/HER2+進行乳がんを対象として、CDK4/6阻害薬+抗HER2薬+ホルモン剤の併用療法と、標準的な化学療法+トラスツズマブ併用療法を比較した初めての臨床試験である。

・対象:HR+/HER2+進行乳がんで、抗HER2療法を2ライン以上受けており(T-DM1とタキサン系抗がん剤の治療歴は必須)、さらにCDK4/6阻害薬とフルベストラントは未投与である患者237例
・試験群:アベマシクリブ+トラスツズマブ+フルベストラント(ATF群)またはアベマシクリブ+トラスツズマブ(AT群)
・対照群:トラスツズマブ+主治医選択の化学療法(TC群)
・評価項目:
[主要評価項目]ATF群とTC群における主治医評価による無増悪生存期間(PFS)の比較
(ATF群とTC群の比較で有意差が認められた場合、次にAT群とTC群の比較をする段階的な設定)
[副次評価項目]3群すべての奏効率(ORR)、安全性、全生存期間(OS)、患者報告アウトカム、体内薬物動態

 主な結果は以下のとおり。

・237例が登録され、ATF群、AT群、TC群に無作為に1:1:1で割り付けられた。
・主治医選択の化学療法剤の種類はビノレルビン38%、カペシタビン26%、エリブリン17%、ゲムシタビン11%などであった。
・PFS中央値はATF群で8.32ヵ月、TC群で5.69ヵ月、ハザード比(HR)0.673、p=0.0506と統計学的な有意差をもってATF群が良好であった。
・設定どおりに行われたAT群とTC群の比較では、AT群のPFS中央値は5.65ヵ月、HRが0.943、p=0.7695と、ここでは有意差は見いだせなかった。
・登録患者全体(ITT集団)を対象としたORRはATF群が32.9%、AT群は13.9%、TC群は13.9%で、ATF群とTC群の間にはp=0.0042と有意な差があった。また、奏効期間中央値はそれぞれ12.5ヵ月、9.5ヵ月、未到達であった。
・解析に必要なイベント数がまだ少ないため、探索的解析として実施されたOSの解析は、ATF群のOS中央値が24.33ヵ月、AT群は24.07ヵ月、TC群は21.50ヵ月で、ATF群のTC群に対するHRは0.751だった。また、AT群のTC群に対するHRは0.729であった。
・Grade3以上の治療関連の有害事象はATF群56.4%、AT群37.7%、TC群33.3%だった。本試験における新たな毒性の報告はなく、全般的に忍容可能な安全性プロファイルだった。

(ケアネット)


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転移TN乳がんへのアテゾリズマブの効果、PD-L1検査法が重要(IMpassion130)/ESMO2019

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 PD-L1陽性の転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)に対する1次治療として、nab-パクリタキセル(PTX)への抗PD-L1抗体アテゾリズマブの追加による臨床ベネフィットを示したIMpassion130試験。本試験におけるPD-L1陽性は、VENTANA PD-L1 SP142アッセイを用いて判定している。今回、本試験のサンプルを用いて、SP142アッセイのほか、VENTANA SP263 IHCアッセイ、Dako PD-L1 IHC 22C3アッセイでの分析結果と無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を評価したところ、SP142陽性の患者群において臨床ベネフィットが最大であることが示された。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのHope S. Rugo氏が発表した。

 IMpassion130は、PD-L1陽性転移mTNBCへの1次治療として、アテゾリズマブ+nab-PTXとプラセボ+nab-PTXを比較した第III相試験であり、免疫療法による臨床ベネフィットが初めて示された試験である。本試験におけるPD-L1陽性の定義は、SP142アッセイによるPD-L1免疫染色細胞が腫瘍細胞の1%以上とされ、本アッセイがアテゾリズマブ追加によるベネフィットが見込まれるmTNBC患者を決定する検査として承認されている。今回、本試験のサンプルを用いてバイオマーカーに関する探索的事後解析を実施し、SP142アッセイ、SP263アッセイ(どちらも腫瘍浸潤免疫細胞[IC]≧1%で陽性)、22C3アッセイ(複合陽性スコア[CPS] ≧1で陽性)の分析が一致するかを検討し、さらに臨床ベネフィットの予測能力について評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・614例(ITT集団の68%)のPD-L1状態について、3種類のアッセイを使用して評価可能であった。
・PD-L1陽性率は、SP142陽性が46%、22C3陽性が81%、SP263陽性が75%であった。
・SP142と22C3もしくはSP263との全体的な割合の一致(overall percentage agreement)はそれぞれ64%、69%で、分析一致率は基準以下(90%未満)となり同等ではなかった。
・PFSのハザード比(HR)は、SP142陽性群で0.60(95%信頼区間[CI]:0.47~0.78)、22C3陽性群で0.68(95%CI:0.56~0.82)、SP263陽性群で0.64(95%CI:0.53~0.79)、またOSでは、SP142陽性群で0.74(95%CI:0.54~1.01)、22C3陽性群で0.78(95%CI:0.62~0.99)、SP263陽性群で0.75(95%CI:0.59~0.96)であり、どちらもSP142陽性群で最も小さかった。
・SP142陰性/SP263陽性群、SP142陰性/22C3陽性群では、どちらも陽性であった群に比べて、アテゾリズマブ追加によるPFSおよびOSへのベネフィットが少なかった。

(ケアネット 金沢 浩子)


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IMpassion130(Clinical Trials.gov)

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ribociclib+フルベストラント、HR+/HER2-閉経後乳がんでOS延長(MONALEESA-3)/ESMO2019

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 ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)の閉経後進行乳がんに対する、ribociclib+フルベストラント併用療法の有効性を検討した第III相MONALEESA-3試験の最新結果が発表され、全生存(OS)期間を有意に延長したことが明らかになった。スペインで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)において、米国・David Geffen School of MedicineのDennis J. Slamon氏が発表した。ribociclibについては、HR+/HER2-の閉経前進行乳がんにおいて、内分泌療法との併用がOSを有意に延長したことがMONALEESA-7試験により示されている。

・対象:未治療または1ラインの内分泌療法を受けた、閉経後女性または男性のHR+/HER2-進行乳がん患者
・試験群:以下の2群に2対1の割合で無作為に割り付け
 ribociclib群:ribociclib(600mg/日を3週投与、1週休薬)+フルベストラント(500mg、28日を1サイクルとして1サイクル目のDay 1、Day 15、それ以降はDay 1) 484例
 プラセボ群:プラセボ+フルベストラント 242例
・評価項目:
[主要評価項目]RECIST v1.1評価に基づく無増悪生存期間(PFS)
[副次評価項目]OS、奏効率(ORR)、クリニカルベネフィット率(CBR)、安全性など

 主な結果は以下のとおり。

・2019年6月3日のデータカットオフ時点で、153例(ribociclib群121例、プラセボ群32例)が投薬継続中であった。追跡期間中央値は39.4ヵ月。
・OS中央値は、ribociclib群NRに対しプラセボ群40.0ヵ月で、ハザード比(HR):0.724、95%信頼区間(CI):0.568~0.924、p<0.00455であった。あらかじめ規定された境界値(p<0.01129)を下回り、ribociclib群における優越性が示された。
・サブグループ解析の結果、1次治療(NR vs.45.1ヵ月、HR:0.700、95%CI:0.479~1.021)、早期再発および2次治療(40.2 vs.32.5ヵ月、HR:0.730、95%CI:0.530~1.004)の患者でともにribociclib群のOSにおけるベネフィットが確認された。肺、肝転移の有無を含む、すべてのサブグループでOSにおけるベネフィットは一貫していた。
・PFS中央値についてもアップデートされ、初期解析結果と一致する結果が報告された(20.6ヵ月vs.12.8ヵ月、HR:0.587、95%CI:0.488~0.705)。治療ライン数によらずribociclib群でPFS中央値の延長が確認され、1次治療の患者では、プラセボ群19.2ヵ月に対しribociclib群で33.6ヵ月に達している(HR:0.546、95%CI:0.415~0.718)。
・後治療については、ribociclib群の81.5%、プラセボ群の84.7%で何らかの治療が行われた。ribociclib群で多かったのは内分泌療法単独(26.0%)、化学療法単独(23.2%)、プラセボ群で多かったのは内分泌療法+その他(29.2%)、化学療法単独(20.1%)であった。後治療としていずれかのラインでほかのCDK4/6阻害薬の投与があったのは、ribociclib群11%、プラセボ群25%であった。
・初回化学療法までの期間中央値は、ribociclib群でNR、プラセボ群29.5ヵ月でribociclib群で長かった(HR:0.696、95%CI:0.551~0.879)。
・PFS2(無作為化から最初の後治療後の増悪あるいは死亡までの期間)中央値は、ribociclib群39.8ヵ月に対しプラセボ群29.4ヵ月で、HR:0.670、95%CI:0.542~0.830であった。
・約40ヵ月の追跡期間において、ribociclib群で新たに報告された有害事象はなく、安全性プロファイルは以前の報告と一貫していた。ribociclib群で多くみられたGrade3/4の有害事象は、好中球減少症(57.1% vs.0.8%)、肝胆道系障害(13.7% vs.5.8%)、QTc延長(3.1% vs.1.2%)であった。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


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MONALEESA-3試験(Clinical Trials.gov)

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アベマシクリブ+フルベストラント、HR+/HER2-乳がんのOS延長(MONARCH-2)/ESMO2019

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 ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性進行乳がんを対象とした、CDK4/6阻害薬アベマシクリブ+フルベストラントの併用療法とフルベストラント単独療法との比較試験(MONARCH-2試験)の結果が、スペインで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・スタンフォード大学のGeorge W.Sledge氏によって発表された。

・国際共同二重盲検第III相比較試験
・対象:HR陽性HER2陰性乳がんで、術前ホルモン療法中か術後ホルモン療法の12ヵ月以内に再発・病勢進行(PD)が認められた症例、または進行再発がんに対する1次内分泌療法中のPD症例(閉経状況問わず。進行再発がんに対する化学療法薬の投与は認められていない)
・試験群:アベマシクリブ150mg×2回/日+フルベストラント500mg/回(アベマシクリブ群)
・対照群:プラセボ×2回/日+フルベストラント500mg/回(プラセボ群)
・アベマシクリブ群とプラセボ群に2対1の割合で割り付け
・評価項目:
[主要評価項目]主治医判定による無増悪生存期間(PFS)
[副次評価項目]全生存期間(OS)
[探索的解析]化学療法施行までの期間

 主要評価項目のPFSについては、過去に統計学的に有意にアベマシクリブ群が有効であることの発表がなされていた。今回は副次評価項目であるOSの発表がメインであり、これは事前に規定された中間解析の結果である。

 主な結果は以下のとおり。

・今回のアップデートでもPFS中央値はアベマシクリブ群16.9ヵ月、プラセボ群9.3ヵ月、ハザード比(HR):0.536、95%信頼区間(CI):0.445~0.645、p<0.0001とアベマシクリブ群の有意性が再現されていた。
・データカットオフは2019年6月20日で、観察期間中央値は47.7ヵ月。登録症例数はアベマシクリブ群で446例、プラセボ群で223例の合計669例であった。この時点ではまだアベマシクリブ群の17%、プラセボ群の4%の症例で投薬が継続中であった。
・OS中央値は、アベマシクリブ群で46.7ヵ月、プラセボ群で37.3ヵ月と9.4ヵ月の延長が見られ、HRは0.757(95%CI:0.606~0.945)、p=0.0137とアベマシクリブ群が有意にOSを延長していた。この中間解析では、統計学的に意味のあるp値は0.0208と設定されており、今回の解析結果はこれを下回っていた。
・探索的解析である化学療法までの期間中央値は、アベマシクリブ群50.2ヵ月、プラセボ群22.1ヵ月で、HR:0.625(95%CI:0.501~0.779)、p<0.0001と、有意にアベマシクリブ群で延長していた。
・投薬中止後の治療は、分子標的薬がアベマシクリブ群28.5%、プラセボ群43.9%、内分泌療法がアベマシクリブ群41.7%、プラセボ群57.0%で行われ、化学療法がアベマシクリブ群44.8%、プラセボ群61.0%で行われた。逐次的にCDK4/6阻害薬の投与を受けたのは、アベマシクリブ群で5.8%、プラセボ群で17.0%であった。
・安全性については、既報と同様の内容であり、新たな有害事象の発現はなかった。

(ケアネット)


【原著論文はこちら】
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Sledge GW Jr, et al. JAMA Oncol. 2019 Sep 29. [Epub ahead of print]

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ESMO2019レポート現地速報 乳がん

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2019年9月27日から10月1日まで開催のESMO2019の乳がんトピックを愛知県がんセンター病院 岩田 広治氏が現地バルセロナからオンサイトレビュー。

レポーター紹介

岩田 広治 ( いわた ひろじ ) 氏
愛知県がんセンター病院 副院長・乳腺科部長

転移TN乳がん、GEM/CBDCAにtrilaciclib追加でOSが大きく改善/ESMO2019

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 強力なCDK4/6阻害薬であるtrilaciclibは、その作用機序および前臨床試験から骨髄毒性の抑制および抗腫瘍作用の改善効果が期待されている。今回、転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)に対する多施設無作為化非盲検第II相試験において、ゲムシタビン/カルボプラチン(GEM/CBDCA)にtrilaciclibを追加することにより、全生存期間(OS)を有意に改善したことが報告された。一方、主要評価項目である好中球減少症の有意な抑制効果は示されなかった。スペインで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・Texas Oncology-Baylor Sammons Cancer CenterのJoyce O’Shaughnessy氏が発表。なお、本試験結果はLancet Oncology誌オンライン版9月28日号に同時掲載された。

・対象:再発/転移乳がんに対して0~2レジメンの化学療法を受けたmTNBC患者
・試験群:以下の3群に無作為に割り付け
 グループ1:GEM/CBDCA(Day1、8) 34例
 グループ2:GEM/CBDCA(Day1、8)+trilaciclib(Day1、8) 33例
 グループ3:GEM/CBDCA(Day2、9)+trilaciclib(Day1、2、8、9) 35例
 病勢の進行(PD)もしくは不耐の毒性発現まで21日ごとに投与
・評価項目:
 [主要評価項目]GEM/CBDCAによる好中球減少症の抑制(1サイクル目におけるGrade4の好中球減少症の期間、治療期間におけるGrade4の好中球減少症の発症)
 [副次評価項目]奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、OSなど

 主な結果は以下のとおり。

・52.0%がECOG PS 0、37.3%が化学療法を受けていた。
・追跡期間中央値は10.5ヵ月(範囲:0.1~25.8ヵ月)であった。
・薬物曝露期間の中央値は、グループ1(3.3ヵ月、4サイクル)に比べ、グループ2(5.3ヵ月、7サイクル)およびグループ3(5.5ヵ月、8サイクル)で延長した。
・1サイクル目のGrade4の好中球減少症の平均日数、治療期間におけるGrade4の好中球減少症の患者割合とも有意な差がみられず、trilaciclibによる骨髄抑制の有意な改善は認められなかった。
・ORRは、グループ1の33.3%に対して、グループ2(50.0%)、グループ3(36.7%)とも有意な差はなかった。
・PFSは、グループ1に対してグループ2(HR:0.60、95%信頼区間[CI]:0.30~1.18、p=0.13)およびグループ3(HR:0.59、95%CI:0.30~1.16、p=0.12)で有意な改善は認められなかったが、グループ2と3の合計では改善傾向がみられた(HR:0.59、95%CI:0.33~1.05、p=0.063)。
・OSは、グループ1に対してグループ2(HR:0.33、95%CI:0.15~0.74、p=0.028)、グループ3(HR:0.34、95%CI:0.16~0.70、p=0.0023)、グループ2と3の合計(HR:0.36、95%CI:0.19~0.67、p=0.0015)とも有意に改善した。
・trilaciclib関連の重篤な有害事象はみられなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)


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Clinical Trials.gov
Antoinette RT, et al.Lancet Oncol. 2019 September 28[Epub ahead of print]

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エヌトレクチニブ発売、脳転移へのベネフィットに注目

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 臓器横断的ながん治療薬として本邦で2剤目となる低分子チロシンキナーゼ阻害薬エヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)が販売開始したことを受け、9月5日、都内でメディアセミナー(主催:中外製薬)が開催された。吉野 孝之氏(国立がん研究センター東病院 消化管内科長)が登壇し、同剤の臨床試験結果からみえてきた特徴と、遺伝子別がん治療の今後の見通しについて講演した。

 エヌトレクチニブは、2018年3月に先駆け審査指定を受け、2019年6月に「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」を適応症とした承認を世界で初めて取得した。すでに承認・販売されているMSI-H固形がんへのペムブロリズマブの適応が、標準的治療が困難な場合に限られるのに対し、NTRK融合遺伝子陽性固形がんであれば治療歴および成人・小児を問わないことが特徴。遺伝子検査にはコンパニオン診断薬として承認されたFoundationOne CDxがんゲノムプロファイルを用いる。

がん種ごとの陽性率は?

 NTRK融合遺伝子陽性率をがん種ごとにみると、成人では唾液腺分泌がん(80~100%)1,2)、乳腺分泌がん(80~100%)3-6)などの希少がんで多く、非小細胞肺がん(0.2~3.3%)7,8)や結腸・直腸がん(0.5~1.5%)7,9-10)、浸潤性乳がん(0.1%)7)などでは少ない。しかし患者の絶対数を考えると、1%であっても相当数の患者がいるという視点も持つ必要があると吉野氏は指摘した。

 一方、小児では、乳児型線維肉腫(87.2~100%)11-14)、3歳未満の非脳幹高悪性度神経膠腫(40%)15)など陽性率の高いがん種が多く、同氏は「小児がんへのインパクトはとくに大きい」と話した。

治療開始後“早く・長く効く”こと、脳転移への高い有効性が特徴

 今回の承認は、成人に対する第II相STARTRK-2試験および小児に対する第Ib相STARTRK-NG試験の結果に基づく。STARTRK-2試験は、NTRK1/2/3ROS1またはALK遺伝子陽性の局所進行/転移性固形がん患者を対象としたバスケット試験。このうち、とくにNTRK陽性患者で著明な効果が確認され、今回の迅速承認につながった経緯がある。

 NTRK有効性評価可能集団は51例。肉腫が13例と最も多く、非小細胞肺がん9例、唾液腺分泌がんおよび乳がんが6例ずつ、甲状腺がんが5例、大腸がん・膵がん・神経内分泌腫瘍が3例ずつと続く。また、何らかの治療歴がある患者が約6割を占めていた。主要評価項目である奏効率(ORR)は56.9%、4例で完全奏功(CR)が確認された。本試験結果だけでは母数が少ないが、がん種ごとに有効性の大きな差はないと評価されている。吉野氏は、とくに奏効例のスイマープロットに着目。初回検査の時点で奏効が確認された症例、治療継続中の症例が多く、「奏功例では早く長く効くことが特徴」と話した。また、ベースライン時の患者背景として、脳転移症例が11例含まれることにも言及。評価対象となった10例での成績は、頭蓋内腫瘍奏効率50%、2例でCRが確認されている。

 Grade3以上の有害事象は多くが5%以下と頻度が低く、貧血が10.7%、体重増加が9.7%でみられた。同氏は、「総じて、副作用は非常に軽いといえる」と述べた。

3学会合同、臓器横断的ゲノム診療のガイドラインを発行予定

 小児・青年期対象のSTARTRK-NG試験においても、エヌトレクチニブの高い有効性が確認されている(ORR:100%)。5例はCNS原発の高悪性度の腫瘍で、うち2例でCRが確認された。周辺組織への浸潤が早い小児がんにおいて、非常に大きなインパクトのある治療法と吉野氏は話し、「どのタイミングで、どんな患者に検査を行い、薬を届けていくかを標準化していく必要がある」とした。

 今回の承認を受け、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本小児血液・がん学会は合同で、『成人・小児進行固形がんにおける臓器横断的ゲノム診療のガイドライン(案)』をホームページ上で公開、パブコメの募集を行った。同ガイドラインは、今回のエヌトレクチニブ承認を受け、2019年3月公開の『ミスマッチ修復機能欠損固形がんに対する診断および免疫チェックポイント阻害薬を用いた診療に関する暫定的臨床提言』を改訂・進化させた内容となっている。「NTRK融合遺伝子の検査はいつ行うべきか?」など、NTRK融合遺伝子の検査・治療についてもCQが設けられ、実践的な診断基準として知見が整理される。

 最後に、同氏はこれまで消化器がん・肺がん領域を対象として行ってきたSCRUM-Japanのがんゲノムスクリーニングプロジェクトが、2019年7月からすべての進行固形がん患者を対象に再スタートしたことを紹介(MONSTAR-SCREEN)16)。リキッドバイオプシーおよび便のプロファイリング(マイクロバイオーム)を活用しながら、臓器によらないTumor-agnosticなバスケット型臨床試験を実施していくという(標的はFGFRHER2ROS1)。承認申請に使用できる前向きレジストリ研究を推進させ、全臓器での治療薬承認を早めていきたいと語り、講演を締めくくった。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


【 参考 】
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1)Skalova A, et al.Am J Surg Pathol. 2016;40:3-13.
2)Bishop JA, et al.Hum Pathol. 2013;44:1982-8.
3)Del Castillo M, et al. Am J Surg Pathol. 2015;39:1458-67.
4)Makretsov N, et al. Genes Chromosomes Cancer. 2004;40:152-7.
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6)Lae M, et al. Mod Pathol. 2009;22:291-8.
7)Stransky N, et al. Nat Commun. 2014;5:4846.
8)Vaishnavi A, et al. Nat Med. 2013;19:1469-1472.
9)Ardini E, et al. Mol Oncol. 2014;8:1495-507.
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11)Knezevich SR, et al. Nat Genet. 1998;18:184-7.
12)Rubin BP, et al. Am J Pathol. 1998;153:1451-8.
13)Bourgeois JM, et al. Am J Surg Pathol. 2000;24:937-46.
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15)Wu G, et al. Nat Genet. 2014;46:444-450.
16)国立がん研究センターSCRUM-Japan/MONSTAR-SCREEN

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アテゾリズマブがTNBCに適応拡大、免疫CP阻害薬で初/中外製薬

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 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:小坂 達朗)は2019年9月20日、PD-L1陽性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する免疫チェックポイント阻害薬として国内で初めて、抗PD-L1モノクローナル抗体アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)が適応拡大されたことを発表した。PD-L1発現状況の確認は、2019年8月20日にコンパニオン診断薬として適応拡大の承認を取得した、病理検査用キットベンタナOptiView PD-L1(SP142)によって行う。

 今回の適応拡大は、第III相IMpassion130試験の成績に基づく。IMpassion130試験は、全身薬物療法を受けていない切除不能な局所進行または転移のあるTNBC患者を対象に、アテゾリズマブ併用群(アテゾリズマブ+nab-パクリタキセル)とnab-パクリタキセル単独群(プラセボ+nab-パクリタキセル)を比較した多施設共同無作為化プラセボ対照の二重盲検国際共同臨床試験。

 併用群では、ITT(Intent to treat)解析集団およびPD-L1陽性集団において、単独群と比較して主要評価項目であるPFS(無増悪生存期間)の延長を示した(ITT集団のPFS中央値:7.2ヵ月 vs.5.5ヵ月、ハザード比[HR]:0.80、95%信頼区間[CI]:0.69~0.92、p=0.0025/PD-L1陽性集団のPFS中央値:7.5ヵ月 vs.5.0ヵ月、HR:0.62、95%CI:0.49~0.78、p<0.0001)。もう1つの主要評価項目であるOS(全生存期間)については、第2回中間解析時点では、ITT解析集団におけるOS延長について、統計学的な有意差は認められなかった(OS中央値:21.0ヵ月 vs.18.7ヵ月、HR:0.86、95%CI:0.72~1.02、p=0.078)。一方、PD-L1陽性患者において、臨床的に意義のあるOSの延長が認められたものの、階層構造に基づいて統計解析を行う試験デザインであることから、今回の PD-L1陽性患者におけるOSの解析は検証的な位置づけではない(OS中央値:25.0ヵ月 vs.18.0ヵ月、HR:0.71、95%CI:0.54~0.93)。フォローアップは次回の計画されている解析まで継続される。

 併用療法による安全性プロファイルは、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、本併用療法で新たな安全性のシグナルは確認されなかった。なお、同試験におけるアテゾリズマブの用法・用量が840mgの2週間間隔での投与であるため、至適用量製剤として開発が行われ、9月20日付けで840mg製剤の剤形追加についても承認された。

 また、中外製薬株式会社は同日、HER2陽性乳がん患者に対するペルツズマブ(商品名:パージェタ)とトラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)の配合皮下注製剤が、両剤の静注製剤に対して非劣性を示したことを発表。配合皮下注製剤の投与には、初回は約8分、2回目以降は約5分を要する。これに対して、両剤の静注製剤を併用投与する場合、初回は約150分、2回目以降は60~150分を要する。本結果は第III相FeDeriCa試験によるもので、詳細は今後開催される医学会で発表される予定。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


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IMpassion130試験(Clinical Trials.gov)
FeDeriCa試験(Clinical Trials.gov)

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