2010年03月 岡山大学 医学部医学科卒業 2010年04月 亀田総合病院 ジュニアレジデント 2012年04月 聖路加国際病院 乳腺外科 シニアレジデント 2015年04月 聖路加国際病院 乳腺外科 フェロー 2016年05月 岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 呼吸器・乳腺内分泌外科学 2018年10月 国立がん研究センター中央病院 JCOG運営事務局 レジデント 2019年08月 European Organisation for Research and Treatment of Cancer (EORTC) フェロー
ヨーロッパ最大の多施設共同臨床研究グループEORTC(European Organisation for Research and Treatment of Cancer)に留学中の高橋 侑子氏に、fellowとしての研修の日々、大規模臨床試験を推進する現場からのリアルな情報をレポートいただきます。
研修中に実感、日本とEUで国際共同試験を行う難しさ
EORTCはEU圏内の複数の国の施設が参加する国際共同試験を主に行っています。試験によっては、北米、南米、アジア、オセアニアの他の臨床試験グループとも共同試験を行っています。乳がんに関しては、EORTCは同じベルギーにheadquarterがあるBIG(Breast International Group)とも共同試験を行なっており、EORTCの試験をglobalで行う場合はEORTCからBIGへ提案し、BIGの枠組みでglobal試験を行うことが多いです。
2010年03月 岡山大学 医学部医学科卒業 2010年04月 亀田総合病院 ジュニアレジデント 2012年04月 聖路加国際病院 乳腺外科 シニアレジデント 2015年04月 聖路加国際病院 乳腺外科 フェロー 2016年05月 岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 呼吸器・乳腺内分泌外科学 2018年10月 国立がん研究センター中央病院 JCOG運営事務局 レジデント 2019年08月 European Organisation for Research and Treatment of Cancer (EORTC) フェロー
ヨーロッパ最大の多施設共同臨床研究グループEORTC(European Organisation for Research and Treatment of Cancer)に留学中の高橋 侑子氏に、fellowとしての研修の日々、大規模臨床試験を推進する現場からのリアルな情報をレポートいただきます。 第2回では留学の手続きの実際と、ベルギーでの生活についてお伺いしました。
主要評価項目である独立中央判定委員会による奏効率(objective response rate:ORR)は60.9%と非常に高い効果を示した。病勢制御率(disease control rate:DCR)は97.3%、6ヵ月以上の臨床的有用率(clinical benefit rate:CBR)は76.1%であった。奏効期間の中央値は14.8ヵ月であり、3次治療以降としては非常に長い奏効期間を有した。65.8%がペルツズマブによる治療歴を有し、ペルツズマブ治療歴のない症例でより奏効率が高い傾向を示した。無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)の中央値は16.4ヵ月、全生存期間(overall survival:OS)の中央値は未到達であった。有害事象(adverse event:AE)はGrade3以上の治療関連AEが57.1%(薬剤との因果関係ありが48.8%)、SAEが22.8%(同12.5%)、治療関連死は4.9%(同1.1%)であった。とくに注目されているAEである肺障害は全Gradeで13.6%と高頻度に発生していた。多くはGrade1または2であったが、2.2%がGrade5であり、やはり注意が必要なAEであるといえよう。総じて毒性が強く、とくに肺障害に注意が必要なものの、非常に高い奏効率と奏効期間を有する薬剤であるといえる。本試験の結果は同日New England Journal of Medicine(NEJM)誌オンライン版に掲載された。筆者は本薬剤の開発の初期段階から関わってきたが、実際に自分が使って感じている実感と本臨床試験の結果は合致している。
[ レポーター紹介 ] 山本 眞基子 1997年30代で乳がんを発症。 NPO法人BCネットワーク(Young Japanese Breast Cancer Network)を設立 。
米国在住の1997年に、30代で乳がんを発症。仕事や子育てなど多忙な年代で、海外生活の中乳がんになった自身の経験、そして日本国内だけでなく米国在住の日本人女性においても乳がん患者が年々増加傾向にあることから、日本語での乳がんの情報発信を目的としたNPO法人、BCネットワーク(Young Japanese Breast Cancer Network)を設立した山本 眞基子さんに、米国の乳がん診療の状況を患者目線からご紹介いただきます。後編では、米国では20年以上前から行われているという遺伝子検査や、食事・運動療法の実際などについてお聞きしました。