[学会・役職] 日本乳癌学会理事長 日本外科学会理事 NPO法人日本乳腺甲状腺超音波医学会(JABTS)監事 NPO法人日本HBOCコンソーシアム理事長 NPO法人日本乳がん情報ネットワーク代表理事 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会副理事長 日本癌治療学会代議員 日本医学会評議員 Breast Surgery International (BSI)カウンシルメンバー
E2108試験は1次登録をした後に4〜8ヵ月の全身治療を行い、病勢進行が認められなかった症例を手術群と全身治療継続群に1対1にランダム化された。368例が登録され、258例がランダム化され、125例が手術群に、131例が全身治療継続群に割り付けられた。主要評価項目はOSで、53ヵ月の観察期間中央値で、生存期間中央値が54ヵ月、ハザード比1.09(90%CI:0.80~1.49、p=0.63)で両群間に有意差は認められなかった。副次評価項目の無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)でも両群間の差は認められず、生存曲線もほぼ重なっている状態であった。サブタイプ別のサブグループ解析ではホルモン受容体陽性HER2陰性、HER2陽性では差を認めなかったが、トリプルネガティブ乳がん(triple negative breast cancer:TNBC)ではハザード比3.50(95%CI:1.16~10.57)で、手術群で有意に悪かった。これはおそらく進行の速いTNBCにおいては全身治療の継続が重要であるということを示唆しているのであろう。局所の病変進行については手術群で良好な傾向であった。QOLは両群で変化がなかった。
2010年03月 岡山大学 医学部医学科卒業 2010年04月 亀田総合病院 ジュニアレジデント 2012年04月 聖路加国際病院 乳腺外科 シニアレジデント 2015年04月 聖路加国際病院 乳腺外科 フェロー 2016年05月 岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 呼吸器・乳腺内分泌外科学 2018年10月 国立がん研究センター中央病院 JCOG運営事務局 レジデント 2019年08月 European Organisation for Research and Treatment of Cancer (EORTC) フェロー
ヨーロッパ最大の多施設共同臨床研究グループEORTC(European Organisation for Research and Treatment of Cancer)に留学中の高橋 侑子氏に、fellowとしての研修の日々、大規模臨床試験を推進する現場からのリアルな情報をレポートいただきます。
研修中に実感、日本とEUで国際共同試験を行う難しさ
EORTCはEU圏内の複数の国の施設が参加する国際共同試験を主に行っています。試験によっては、北米、南米、アジア、オセアニアの他の臨床試験グループとも共同試験を行っています。乳がんに関しては、EORTCは同じベルギーにheadquarterがあるBIG(Breast International Group)とも共同試験を行なっており、EORTCの試験をglobalで行う場合はEORTCからBIGへ提案し、BIGの枠組みでglobal試験を行うことが多いです。
2010年03月 岡山大学 医学部医学科卒業 2010年04月 亀田総合病院 ジュニアレジデント 2012年04月 聖路加国際病院 乳腺外科 シニアレジデント 2015年04月 聖路加国際病院 乳腺外科 フェロー 2016年05月 岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 呼吸器・乳腺内分泌外科学 2018年10月 国立がん研究センター中央病院 JCOG運営事務局 レジデント 2019年08月 European Organisation for Research and Treatment of Cancer (EORTC) フェロー
ヨーロッパ最大の多施設共同臨床研究グループEORTC(European Organisation for Research and Treatment of Cancer)に留学中の高橋 侑子氏に、fellowとしての研修の日々、大規模臨床試験を推進する現場からのリアルな情報をレポートいただきます。 第2回では留学の手続きの実際と、ベルギーでの生活についてお伺いしました。