乳がんになりやすい血液型

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 ABO/Rh式血液型と乳がんの関連について、これまでの研究では結果が分かれている。今回、ギリシャ・Democritus University of ThraceのAnastasia Bothou氏らが実施したギリシャ人女性における症例対照研究では、乳がんとA型の女性の間に有意な関連を示すことが報告された。Journal of B.U.ON.誌2019年9-10月号に掲載。

 本研究には、2016~19年にギリシャの2つの病院で診察を受けた女性341例が参加した。症例群は乳がん切除術後に病理学的に乳がんと確認された女性202例、対照群は臨床検査と超音波検査/デジタルマンモグラフィで乳がんではなかった女性139例。

 血液型の調査の結果、症例群ではA型61.9%、B型5.5%、O型26.7%、AB型5.9%、対照群ではA型31.6%、B型13.7%、O型47.5%、AB型7.2%であった。これらの結果をIBM SPSSソフトウェアを用いて解析したところ、カイ二乗検定とピアソンの相関係数の検定から、乳がんとA型に有意な相関が示され(p<0.01)、A型の女性はB、O、AB型の女性より乳がんリスクが高いことが示された。

(ケアネット 金沢 浩子)


【原著論文はこちら】

Bothou A, et al. J BUON. 2019;24:1884-1888.

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飲酒と喫煙と家族性乳がんリスクの関連

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 飲酒および喫煙は乳がんリスクの増加と関連しているが、家族性乳がんのリスクによってその関連性は変わるのだろうか。今回、米国コロンビア大学のNur Zeinomar氏らが検討したところ、適度な飲酒は、とくにエストロゲン受容体(ER)陽性乳がんの女性において乳がんリスクの増加と関連するが、それは家族性乳がんリスクが低いと予測される女性においてのみであることがわかった。また、家族性乳がんリスクが高く、飲酒する女性では、現在の喫煙が乳がんリスク増加と関連することが示された。Breast Cancer Research誌2019年11月28日号に掲載。

 本研究は、Prospective Family Study Cohortを用いて、飲酒、喫煙、乳がんリスクの関連を評価した。多変量Cox比例ハザードモデルを使用して、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定し、家族性リスクプロファイル(familial risk profile:FRP)によって関連性が変わるかどうかを検討した。FRPは、家系ベースのアルゴリズムであるBreast Ovarian Analysis of Disease Incidence and Carrier Estimation Algorithm(BOADICEA)により予測される乳がんの1年発症率とした。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値10.4年の間に、1万7,435人の女性のうち1,009人が乳がんを発症した。
・喫煙または飲酒と乳がんリスクとの間に、全体として関連は認められなかった(非喫煙者に対する現在喫煙者のHR:1.02、95%CI:0.85~1.23、非常習飲酒者に対する週7杯以上の飲酒者のHR:1.10、95%CI:0.92~1.32)。
・FRPの低い女性では、週7杯以上の飲酒者は非常習飲酒者に比べてER陽性乳がんのリスクが増加したが、FRPの高い女性では関連がなかった。例として、FRPの10パーセンタイル(5年BOADICEA:0.15%)の女性の推定HRは1.46(95%CI:1.07~1.99)だが、90パーセンタイル(5年BOADICEA:4.2%)の女性では関連がなかった(HR:1.07、95%CI:0.80~1.44)。
・喫煙との関連はFRPによって変わらなかったが、飲酒する女性では喫煙状況についてFRPによる正の乗法的相互作用が認められた(相互作用のp=0.01)。ただし、非常習飲酒者については認められなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)


【原著論文はこちら】

Zeinomar N, et al. Breast Cancer Res. 2019;21:128.

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高濃度乳房女性にはMRI検査の追加が有用/NEJM

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 きわめて高濃度乳房でマンモグラフィ検査が正常の女性において、MRIスクリーニングの追加はマンモグラフィ検査単独と比較し、2年間のスクリーニング中の中間期がんの診断件数が有意に減少することが、オランダ・ユトレヒト大学のMarije F. Bakker氏らによる多施設共同無作為化比較試験「Dense Tissue and Early Breast Neoplasm Screening trial:DENSE試験」の結果、示された。高濃度乳房は乳がんのリスク因子であるが、マンモグラフィ検査によるがん検出には限界があり、高濃度乳房の女性における早期発見率の改善と中間期乳がん減少のためのMRI追加に関するデータが必要とされていた。NEJM誌2019年11月28日号掲載の報告。

きわめて高濃度乳房の女性約4万例で、MRI追加と非追加の中間期がん発生を比較

 研究グループは、オランダで2年ごとに実施されているデジタルマンモグラフィ検診プログラムに参加し、マンモグラフィ検査で陰性と判定されたきわめて高濃度乳房の50~75歳の女性4万373例を、MRI追加実施招待(MRI追加)群と、マンモグラフィ検査のみのマンモグラフィ群に、1対4の割合で無作為に割り付け追跡評価した(MRI追加群8,061例、マンモグラフィ群3万2,312例)。

 主要評価項目は、2年間のスクリーニング期間における中間期がんの発生頻度の群間差であった。

MRI追加群でマンモグラフィ単独群より中間期乳がん発生頻度が有意に低下

 中間期がんの発生頻度(スクリーニング1,000件当たり)は、MRI追加群で2.5件、マンモグラフィ群で5.0件であり、群間差は2.5件(95%信頼区間[CI]:1.0~3.7、p<0.001)であった。

 MRI追加群のうち、実際にMRI検査を受けた女性は4,783例(59%)であり、MRI追加群で中間期がん診断された20例のうち、4例(スクリーニング1,000件当たり0.8)がMRI実施例、16例(同4.9)はMRI非実施例であった。したがって、MRI実施例におけるMRIによるがん検出率は、スクリーニング1,000件当たり16.5件(95%CI:13.3~20.5)であった。

 陽性適中率は、MRI検査陽性例(BI-RADSスコア3~5)で17.4%(95%CI:14.2~21.2)、MRI検査陽性生検実施例(BI-RADSスコアが4または5、フォローアップMRIでスコア4または5を含む)で26.3%(95%CI:21.7~31.6)であった。一方、偽陽性率は、スクリーニング1,000件当たり79.8件であった。

 MRI実施例において、検査中または検査直後の有害事象あるいは重篤な有害事象の発現率は0.1%で、血管迷走神経反応、造影剤反応、血管外漏出に関連していた。

(医学ライター 吉尾 幸恵)


【原著論文はこちら】

Bakker MF, et al. N Engl J Med. 2019;381:2091-2102.

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飲酒と喫煙に対する健康政策はがん死を減らせるのか

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 長期の飲酒と喫煙はがんの危険因子として認識されているが、飲酒と喫煙に対する公衆衛生政策ががんの死亡率に与える影響は検討されていない。今回、オーストラリア・メルボルン大学のHeng Jiang氏らが、オーストラリアにおける1950年代~2013年の飲酒および喫煙に関する政策とがん死亡率の変化との関連を検討した結果、いくつかの政策変更が飲酒・喫煙の変化とその後20年間のがん死亡率の変化に関連することが示された。BMC Medicine誌2019年11月号に掲載。

 本研究では、アルコールとタバコの1人当たり消費量の1911~2013年における集団ベースの時系列データと、1950年代~2013年の頭頸部(口唇、口腔、咽頭、喉頭、食道)がん、肺がん、乳がん、大腸および肛門がん、肝臓がん、がん全体の死亡率を、オーストラリア統計局(Australian Bureau of Statistics)、ビクトリア州がん協会(Cancer Council Victoria)、WHOがん死亡データベース(WHO Cancer Mortality Database)、オーストラリア保健福祉研究所(Australian Institute of Health and Welfare)から収集した。アルコールとタバコの消費量の変化と重大な関係がある政策を初期モデルで特定後、主要な公衆衛生政策やイベントに基づいて推定遅延を伴う介入ダミーを作成し、時系列モデルに挿入して、政策変更とがん死亡率との関係を推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・1960年代のアルコール販売免許の自由化は、飲酒人口の増加とその後の男性のがん死亡率の増加と有意に関連していた。
・1976年以降のオーストラリアにおける任意呼気検査の導入は、飲酒人口の減少とその後の男女両方のがん死亡率の減少に関連していた。
・1962年と1964年のタバコに関する英国と米国の公衆衛生報告書の発表と1976年のテレビとラジオでのタバコ広告禁止は、オーストラリアにおけるタバコ消費量の減少とその後のがん(肝臓がん除く)の死亡率の減少に関連していた。
・1960年代~1980年代の飲酒と喫煙に関する政策の変更は、女性より男性でより大きな変化と関連していた(とくに頭頸部がん、肺がん、大腸がん)。

(ケアネット 金沢 浩子)


【原著論文はこちら】

Jiang H, et al. BMC Med. 2019;17:213.

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出産歴による乳がん検診開始年齢を検討/Eur J Cancer

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 乳がんリスクに出産歴が影響することは認識されているが、現在の乳がん検診ガイドラインはこの因子によるリスクの違いが考慮されていない。乳がんリスクが高い女性は早期の検診が必要であることから、ドイツ・German Cancer Research CenterのTrasias Mukama氏らは、生殖プロファイルに基づくリスクに合った検診開始年齢を検討した。European Journal of Cancer誌オンライン版2019年11月21日号に掲載。

 本研究は、1931年以降に生まれた509万9,172人のスウェーデン人女性の全国コホート研究。参加者におけるSwedish Cancer Registry、Multi-generation Register、Cause of Death Register、および国勢調査(1958~2015)の記録をリンクさせた。

 著者らは、一般集団における40、45、50歳(現在のガイドラインで推奨されている検診開始年齢)での10年累積乳がんリスクを算出し、生殖因子(出産歴および初産年齢)が異なる群ごとにそのリスクレベルに達成する年齢を調べた。

 その結果、リスクレベルに達成する年齢は、現在のガイドラインの推奨年齢と-3~+9歳の差が認められた。これらの結果は、検診開始年齢について新たな情報を提供し、個別化検診に向けて重要なステップとなる。

(ケアネット 金沢 浩子)


【原著論文はこちら】

Mukama T, et al. Eur J Cancer. 2019 Nov 21. [Epub ahead of print]

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アテゾリズマブ 840mgを発売、トリプルネガティブ乳がん適応に対し/中外

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 中外製薬株式会社は、抗PD-L1モノクローナル抗体アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)840mg製剤が、2019年11月27日、薬価収載および発売となった旨を発表。アテゾリズマブ 840mg製剤は、本年9月20日に承認を取得したPD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌の適応に対する用法・用量となる2週間間隔投与に対する至適用量製剤である。

 トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対するアテゾリズマブの有効性および安全性は、全身薬物療法を受けていない切除不能な局所進行または転移のあるTNBCの患者を対象に、アテゾリズマブと化学療法の併用と、化学療法単独を比較し、有効性ならびに安全性、薬物動態を検討した多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検第III相臨床試験であるIMpassion130試験にて検討された。

(ケアネット 細田 雅之)


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血液1滴で13種のがん検出、2時間以内に99%の精度で―東芝

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 東芝は11月25日、血液中のマイクロRNAを使ったがん検出技術を開発したと発表した。同社によると、独自のマイクロRNA検出技術を使った健康診断などの血液検査により、生存率の高いStage 0の段階でがんの有無を識別することが期待できるという。早期の社会実装に向け、来年から実証試験を進めていく。

 リキッドバイオプシーの解析対象となるマイクロRNAを巡っては、2014年に「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発プロジェクト」が始動。国立がん研究センターや国立長寿医療研究センターが保有するバイオバンクを活用し、膨大な患者血清などの検体を臨床情報と紐づけて解析。血中マイクロRNAをマーカーとした検査システムの開発が進んでいる。この研究成果をベースに、国内メーカー4社が、日本人に多い13種のがんについて、血液検体から全自動で検出するための機器や検査用試薬、測定器キットなどの開発に取り組んでいる最中だ。

 東芝も本プロジェクトに当初より参画。東京医科大学と国立がん研究センターとの共同研究において、このほど膵臓がんや乳がんなど13種類のがん患者と健常者について、独自の電気化学的なマイクロRNA検出技術を活用し、2時間以内に99%の精度で網羅的に識別することに成功した。この中には、Stage 0の検体も含まれていたという。本研究により、13がん種いずれかのがんの有無について、簡便かつ高精度に検出するスクリーニング検査の実現が期待される。独自のマイクロRNAチップと専用の小型検査装置を用いることで、検査時間を2時間以内に短縮し、即日検査も可能になるという。

 東芝は、本技術の詳細を12月3~8日に福岡で開催される日本分子生物学会で発表する。

(ケアネット 鄭 優子)


【参考文献・参考サイトはこちら】

東芝:プレスリリース

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赤肉摂取減らしても心血管代謝・がん死亡に効果なし?

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 赤肉の摂取量を減らした場合、臨床的に重篤なアウトカムに効果があるかどうかを検討した無作為化研究はほとんどない。今回、カナダ・McMaster大学のDena Zeraatkar氏らの無作為化研究の系統的レビューから、エビデンスの確実性は低いが、赤肉を制限した食事が主な心血管代謝アウトカムとがん死亡および発症に対して、ほとんどまたはまったく影響しない可能性が示唆された。Annals of Internal Medicine誌オンライン版2019年10月1日号に掲載。

 EMBASE、CENTRAL、CINAHL、Web of Science、ProQuestを開始から2018年7月まで、MEDLINEを開始から2019年4月まで、言語の制限なしで検索し、赤肉または加工肉の多い食事と少ない食事(6ヵ月以上、週に1サービング以上の差)による無作為化比較研究を特定した。2人のレビューアーが独立してデータを抽出し、バイアスリスクとエビデンスの確実性を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・適格基準を満たした12試験のうち、4万8,835人の女性を登録したWomen’s Health Initiative(WHI)Dietary Modification Trialから、赤肉または加工肉が少ない食事が全死亡(ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.95〜1.03])、心血管死亡(HR:0.98、95%CI:0.91〜1.06)、心血管疾患発症(HR:0.99、95%CI:0.94〜1.05)について、ほとんどまたはまったく影響しない可能性があるという、最も信頼できるエビデンスが得られた(エビデンスの確実性は「low」)。
・さらに上記の研究から、赤肉または加工肉が少ない食事はがん死亡(HR:0.95、95%CI:0.89〜1.01)、大腸がん発症(HR:1.04、95%CI:0.90〜1.20)および乳がん発症(HR:0.97、95%CI: 0.90〜1.04)を含むがん発症にほとんどまたはまったく影響しないというエビデンスも得られた(エビデンスの確実性は「low」から「very low」)

(ケアネット 金沢 浩子)


【原著論文はこちら】

Zeraatkar D, et al. Ann Intern Med. 2019 Oct 1. [Epub ahead of print]

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初潮や出産年齢と乳がん患者の死亡リスク:日本人前向きコホート

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 初潮、閉経、出産など女性の生殖要因は乳がんの発症だけでなく、進行や予後とも関連する可能性があるが、そのエビデンスは限られている。東北大学の南 優子氏らは、日本人乳がん患者における生殖要因と、腫瘍特性や死亡リスクの関連を前向きに検討した。Breast Cancer誌2019年11月号の報告より。

 1997年から2013年の間に日本の単施設で乳がんと診断された患者1,468例を対象として、生殖要因と腫瘍特性、死亡リスクの関連が分析された。2016年までの追跡期間中央値8.6年において、全死因死亡272例、乳がんによる死亡199例が報告されている。

 主な結果は以下のとおり。

・症例間比較において、初潮年齢の遅さは乳がんの進行と逆相関していた。
・出産経験のない患者では、エストロゲン受容体(ER)陽性あるいはプロゲステロン受容体(PR)陽性の腫瘍を有する傾向がみられた。
・Cox比例ハザードモデルを用いた解析の結果、腫瘍特性による調整後、出産回数と全死因死亡リスクとの間にU字型の関連がみられた([出産回数1回と比較して]出産経験なし:ハザード比[HR]=2.10、2回:HR=1.28、3回以上:HR=1.50)。
・ER陰性およびPR陰性の腫瘍を有する患者においては、初潮年齢と最終出産年齢の遅さが、全死因死亡リスクと相関していた([初潮年齢12歳以下と比較して]15歳以上:HR=2.18、傾向のp=0.03、[最終出産年齢29歳以下と比較して]35歳以上:HR=3.10、傾向のp=0.01)。
・ER陽性およびPR陽性の腫瘍を有する経産患者においては、最終出産からの期間の短さが死亡リスクと関連していた([10年以上と比較して]4年以下:HR=5.72、傾向のp=0.004)。

 著者らは、初潮や出産のタイミングは乳がん患者の生存に重要な影響を与え、女性のライフコースと乳がんアウトカムの関連を理解するための手がかりになると考えられると結論付けている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


【原著論文はこちら】

Minami Y, et al. Breast Cancer. 2019 Nov;26:687-702.

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乳がん家族歴による検診開始年齢を検討/JAMA Oncol

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 乳がん検診ガイドラインでは、リスクの高い女性は早期検診が必要としているが、乳がんの家族歴のある女性に対する指針は限られている。今回、ドイツ・German Cancer Research Center(DKFZ)のTrasias Mukama氏らが、500万人以上の女性が含まれるスウェーデンの全国的コホート研究で、家族歴ごとのリスクに相当する乳がん検診の開始年齢を検討した。JAMA Oncology誌オンライン版2019年11月14日号に掲載。

 本研究はSwedish family-cancer data setを用いて、少なくとも1人の第1度近親者がいる、1932年以降に生まれたすべての女性(509万9,172人)を対象とした。1958年1月1日~2015年12月31日のデータを収集し、2017年10月1日~2019年3月31日に分析した。第1度および第2度近親者における乳がんの家族歴、浸潤性乳がん罹患について調査し、全対象における40歳・45歳・50歳での10年累積罹患率に達する年齢を家族歴ごとに評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・本研究に参加した509万9,172人の女性のうち、11万8,953人(2.3%)が浸潤性乳がんと診断された。10万2,751人(86.4%、診断時の平均[SD]年齢:55.9 [11.1]歳)は、乳がん診断時に第1度および第2度近親者に家族歴がなかった。
・リスクに基づき特定された乳がん検診の推奨開始年齢は、乳がんと診断された第1度および第2度近親者の人数と第1度近親者の診断年齢によって変化した。たとえば、一般集団の推奨開始年齢が50歳のとき、全対象における50歳での10年累積罹患率(2.2%)に達する年齢をみると、乳がんの第1度近親者が2人以上でいずれかが50歳前に診断されている場合は27歳であり、いずれも50歳以降に診断されている場合は36歳であった。

 著者は、「本研究は、集団ベースの登録に基づく乳がん検診において、リスクに基づいた推奨開始年齢を特定している。これらの結果は、乳がん患者の近親者に対する現在の検診ガイドラインを補完する質の高いエビデンスとして役立つかもしれない」と述べている。

(ケアネット 金沢 浩子)


【原著論文はこちら】

Mukama T, et al. JAMA Oncol. 2019 Nov 14. [Epub ahead of print]

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