[学会・役職] 日本乳癌学会理事長 日本外科学会理事 NPO法人日本乳腺甲状腺超音波医学会(JABTS)監事 NPO法人日本HBOCコンソーシアム理事長 NPO法人日本乳がん情報ネットワーク代表理事 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会副理事長 日本癌治療学会代議員 日本医学会評議員 Breast Surgery International (BSI)カウンシルメンバー
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PENELOPE-B試験はホルモン受容体陽性HER2陰性乳がんに対し術前化学療法を実施した後に病理学的完全奏効(pCR)が得られなかった症例(non-pCR)を対象として、CPS-EGスコアというnon-pCRの予後を予測するスコア(J Clin Oncol.2011 May 20;29:1956-1962, Eur J Cancer. 2016 Jan;53:65-74.)が3以上のハイリスク、もしくは2で術後にリンパ節転移が陽性であるという、本試験でのハイリスク症例を対象として、術後に標準的内分泌療法に加えパルボシクリブ(125mg/日、day1~21内服、28日間隔)もしくはプラセボを同スケジュールで13コース内服し、IDFSにおいてパルボシクリブ群で良好であることを検証する優越性試験である。両群間の患者背景に大きな差はなかった。
追跡期間の中央値が42.8ヵ月のデータが発表され、2年IDFSではパルボシクリブ群で88.3%に対してプラセボ群で84.0%とパルボシクリブ群で良好な傾向を認めたものの、3年IDFSでは81.2% vs. 77.7%、4年IDFSでは73% vs. 72.4%と両群間の差は認められなかった(HR:0.93、95%CI:0.74~1.17、p=0.525)。様々なサブグループ解析も実施されたが、パルボシクリブの上乗せ効果が認められた群はなかった。OSの中間解析結果も発表され、4年IDFSで90.4% vs. 87.3% (HR:0.87、95%CI:0.61~1.22、p=0.420)と両群間の差は認めなかった。
主要評価項目のPFSはCPS≧10ではペムブロリズマブ群で9.7ヵ月、プラセボ群で5.7ヵ月 (HR:0.65、95%CI:0.49~0.86、p=0.012)であり、ペムブロリズマブ群で有意に長かった。一方、CPS≧1では7.6ヵ月 vs. 5.6ヵ月 (HR:0.74、95%CI:0.61~0.90、p=0.0014 ※注:有意水準は0.00111)、ITTでは7.5ヵ月 vs. 5.6ヵ月 (HR:0.82、95%CI:0.69~0.97)であり、いずれも両群間の差は認められなかった。レジメンごとのサブグループ解析では、nab-PTX、PTXでは有意差を認めているものの、GEM+CBDCAでは有意差を認めなかった。
2007年 信州大学医学部卒業 2007-2008年 在沖縄米国海軍病院インターン 2008-2010年 聖路加国際病院初期研修 2010-2013年 聖路加国際病院内科後期研修、チーフレジデント、腫瘍内科専門研修 2013-2015年 MPH, University of Texas School of Public Health/Graduate Research Assistant, University of Texas MD Anderson Cancer Center, Department of Breast Medical Oncology 2015-2016年 Clinical Fellow, University of Texas MD Anderson Cancer Center, Department of Investigational Cancer Therapeutics (Phase I clinical trial department) 2016-2019年 Internal Medicine Resident, University of Hawaii/Research Fellow, University of Hawaii Cancer Center (Ramos Lab) 2019年-現在 Medical Oncology Fellow (Translational Research Track), Cold Spring Harbor Laboratory (Egeblad Lab)/Northwell Health Cancer Institute
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターとハワイ大学でのレジデント、フェロー等の経験を経て、現在はCold Spring Harbor Laboratoryで腫瘍内科のフェローとして勤務する藤井健夫氏に、留学後のキャリアプランニングの考え方や、教育プログラム・診療の日米間での違いについて4回にわたってレポートいただきます。最終回となる第4回では、これまで取り組まれてきた研究や研究者としてのポジションを維持していくことの厳しさ、やりがいについてお伺いしました。
(3)臨床試験。これは臨床研究と橋渡し研究の両方の要素があるかと思います。医師主導の臨床試験の場合は、前臨床データ(細胞や動物実験の結果)を基に、自分のアイデアを文章(Letter of intent)にして臨床試験を行うための資金調達(製薬会社や政府機関など対して)を行い、金銭的サポートが確定した後に、実際の臨床試験のプロトコール作成、倫理審査、患者のリクルートと投薬、結果の発表といったことが大きな流れになります。
まず、あなたのRQのテーマについて、これまでに、何がわかっているのか(”What is already known”)、まだわかっていないことは何か(”What is still unknown”)、をはっきりさせましょう。”What is already known”、”What is still unknown”は 、論文のイントロダクションを構成する重要な要素になります。世界4大医学雑誌のひとつに数えられるBMJの原著論文では、このパートを”What is already known on this topic”でまとめたうえで、新しい知見は何か(”What this study adds”)ということを、本文とは独立した”Summary boxes”として簡潔に記述することが求められています2)。
「巨人の肩の上に立つ」(”Standing on the sholders of giants”)という言葉をご存じでしょうか。この言葉は、「万有引力の法則」を発見したアイザック・ニュートンの手紙の一節(下記)に由来するとされています。
“If I have seen further it is by standing on the shoulders of giants.(私が遠くを見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に乗っていたからです)”
この言葉の解釈は、新しい科学の発見は先人が積み重ねた研究成果に基づいている、とでもなるでしょうか。先行研究の吟味、すなわち先人たちの研究成果を学ぶことによって、新たな臨床研究を行うための礎ができるのです。ちなみに、イギリスの2ポンド硬貨の側面には、このニュートンの言葉、”Standing on the shoulders of giants”が刻印されています。「臨床研究トリビア」?でした。