海外研修留学便り 【米国留学記(久保田 祐太郎氏)】第3回

[ レポーター紹介 ]
久保田 祐太郎くぼた ゆうたろう

2003年   3月 昭和大学医学部医学科卒業
2003年   4月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 員外助教
2009年   7月 国立がん研究センター東病院 消化管内科 研修医
2010年   7月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 助教
2014年   1月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 助教
2016年   4月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 講師
2021年 10月   University of California San Diego, Department of Surgery, Visiting Scholar

 

サンディエゴについて

 サンディエゴは何といっても気候が最高です。基本的に毎日晴天で、日中に雨が降ることはほとんどありません。冬は東京の春先ぐらいの気温なので厚手のコートは不要ですし、夏は東京より気温が低く、また湿度も低いのでとても過ごしやすいです。留学先のUniversity of California San Diego(UCSD)のキャンパスは、サンディエゴの北のラ・ホーヤにあり、アメリカの大学らしく広大な土地を有しています。このラ・ホーヤは全米でも有数のビーチリゾートとして有名で、高級住宅地が広がっています。

 私の研究室はUCSDのキャンパス内にはなく、南に少し離れたところにあります。この地域は海岸からは少し離れていますが、写真のとおり雰囲気はしっかりと南国です。また、日系のスーパーが集まっており、少し値段が高いですが日本人に必要な食材や日用品は大体そろいます。

研究室近くの街並み

 観光地としてのサンディエゴは、動物園やシーワールド、ミッドウェイ戦艦などが有名ですが、どちらかというとリゾート地としての側面のほうが魅力的で、家族でのんびり過ごすのに適した場所です。このため近年、アメリカではサンディエゴは居住地として人気で、多くの人が移住してきているようです。治安に関しては、こちらで約1年半生活していますが、怖い思いをしたことは一度もなく、アメリカの中でも治安が良いほうの都市です。

 また医学研究に関しては、サンディエゴにはUCSD以外にもScripps研究所やSoak研究所など世界的に有名な研究所があり、また全米でもバイオベンチャー企業が多い都市として有名です。このようにサンディエゴは、居住環境としても、研究環境としても、留学するにはとてもお勧めの都市です。

ミッドウェイ戦艦
サンディエゴ動物園

実際の留学生活

 このように環境的には申し分のないサンディエゴですが、私が留学を開始した2021年ごろからはアメリカの物価が高騰し、2022年4月からは急激な円安も重なり、実際に現地で生活するにあたっての経済的な負担は大きいです。物価のわかりやすい例として、ファストフード店でハンバーガーを食べるのに15ドル(約2,100円)程度かかるので、日本と比べると2~3倍の感覚です。アパートメントの家賃も、前述のとおり人が集まってきているためここ数年は年々上がっており、現在は数年前の約2倍程度まで上がっています。

 私は幸運にも所属する研究室および昭和大学から給料が出ているので生活できていますが、周りには経済面が原因で帰国を早めた人もいます。このように、サンディエゴに限らずアメリカ留学における経済的な負担はここ数年で変わっているので、留学前にある程度支出を想定して準備しておいたほうがよいでしょう。ただ、もちろんこの点を除けば、アメリカでの生活は何もかもが新鮮で楽しいです。日本とは異なる文化や習慣に触れることで、日本の良い点、悪い点を客観的に見ることもできます。

研究以外のアメリカでの楽しみ

 私は、留学前からせっかくアメリカに行くのだから、研究以外にもアメリカでしかできないことを経験したいと考えていました。とくにアメリカの自然に興味があり、国立公園に行ってみたいと思っていて、これまでにイエローストーン国立公園、グランドキャニオン国立公園、ヨセミテ国立公園に行くことができました。私はこれまで旅行というとヨーロッパの歴史的な街並みや建築物、芸術品を見に行くことが多かったのですが、アメリカの大自然を目の当たりにして、あまりの雄大さにとても感動しました。人が創造したものとは違った美しさで、写真や動画ではどうしても表現しきれないので、アメリカ留学の際にはぜひ行くことをお勧めします。いずれの国立公園もアクセスがよいわけではないので、日本から行こうと思うと大変ですが、アメリカに住んでいると週末や連休を利用して比較的に簡単に行くことができます。

イエローストーン国立公園
グランドキャニオン国立公園
ヨセミテ国立公園

 また、アメリカといえばプロスポーツです。残念ながらサンディエゴにはメジャーリーグベースボール(MLB)のパドレスしかないのですが、ロサンゼルスまで行けば、MLB、ナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、ナショナルホッケーリーグ(NHL)の4大スポーツをすべて観ることができます。私は、まだNFLは観に行けていませんが、それ以外は何度か観に行きました。とくに昨年はパドレスがプレイオフに進み、セミファイナルのフィリーズとの試合を観ました。当然スタジアムは満員で、日本とは異なり応援団による楽器や応援歌の演奏がない分、観客の歓声やため息がより強調され、スタジアム全体での一体感を生んでいるように感じました。この観客の応援する姿を見て、改めて野球発祥の地であるアメリカでの野球の人気を実感しました。

 以上、今回はサンディエゴでの生活環境について紹介しました。次回は、週一回参加しているUCSD病院のMolecular Tumor Boardについて報告します。

  


リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その7【「実践的」臨床研究入門】第32回

提供元:CareNet.com

本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

検索式で研究デザインを限定する その2

 前回は、「研究デザイン」を「ランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)」に限定するための検索式について説明しました。ただ、われわれのClinical Question(CQ)とResearch Question(RQ)(下記)の「研究デザイン」は「RCT」ではなく「観察研究」です。

CQ:食事療法を遵守すると非ネフローゼ症候群の慢性腎臓病患者の腎予後は改善するのだろうか
P(対象):非ネフローゼ症候群の慢性腎臓病(CKD)患者
E(曝露要因):食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の遵守
C(比較対照):食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の非遵守
O(アウトカム):1)末期腎不全(透析導入)、2)eGFR低下速度の変化

 そこで、今回からは「研究デザイン」を「観察研究」に限る方法について解説したいと思います。まずは、PubMedの「Filterサイドバー」(連載第31回参照)の”ARTICLE TYPE”で”Observational Study”のFilterを使用する方法を紹介しましょう。デフォルトでは”Observational Study”は”ARTICLE TYPE”のリストには挙げられていません。したがって、初めに「Filterサイドバー」の下側にある”Additional filters”をクリックし、”ARTICLE TYPE”のリストから”Observational Study”を追加で選択します。

 それでは、われわれのRQの検索式に、”Observational Study”のFilterを加えてみましょう。PubMed Advanced Search Builderを用いて、これまで改訂してきたP、Eそれぞれの構成要素のブロック(下記)の検索式をANDでつなぎます(連載第27回参照)。

Pのブロック
・Kidney Disease[mh:noexp] OR “diabetic nephropathy”[tiab] OR Diabetic Nephropathies[mh] OR Renal Insufficiency[mh:noexp] OR Renal Insufficiency, Chronic[mh:noexp] OR “chronic kidney disease*”[tiab] OR “chronic renal disease*”[tiab] OR CKD[tiab] OR predialysis[tiab] OR pre-dialysis[tiab]

Eのブロック
・Diet, Protein-restricted[mh] OR “low-protein diet*”[tiab] OR “protein-restricted diet*”[tiab]

 まずPubMed Advanced Search Builderで #1 AND #2 のResultsでヒットした論文数をクリックします。そして、メイン画面左側の「Filterサイドバー」の”ARTICLE TYPE”から、先ほど追加した”Observational Study”のFilterを選択します。すると、検索結果は表のとおりとなります(本稿執筆2023年5月時点)。

 最終的にヒットした論文の文献情報を確認すると、当たり前ですが、すべての論文で”Observational Study”であるという情報がPublication typeとして与えられています。それゆえ、Publication typeの情報が付与されていない論文は検索から漏れてしまう恐れがあります。そこで、次回は「観察研究」をさらに網羅的に捕捉するための「観察研究フィルター」の検索式を紹介します。


講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


バックナンバー

55. 生存時間分析 その1

54. 線形回帰(重回帰)分析 その5

53. 線形回帰(重回帰)分析 その4

52. 線形回帰(重回帰)分析 その3

51. 線形回帰(重回帰)分析 その2

50. 線形回帰(重回帰)分析 その1

49. いよいよ多変量解析 その2

48. いよいよ多変量解析 その1

47. 何はさておき記述統計 その8

46. 何はさておき記述統計 その7

45. 何はさておき記述統計 その6

44. 何はさておき記述統計 その5

43. 何はさておき記述統計 その4

42. 何はさておき記述統計 その3

41. 何はさておき記述統計 その2

40. 何はさておき記述統計 その1

39. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐E(要因)およびC(比較対照)設定の要点と実際 その2

38. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐E(要因)およびC(比較対照)設定の要点と実際 その1

37. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐O(アウトカム)設定の要点と実際 その2

36. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐O(アウトカム)設定の要点と実際 その1

35. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップーP(対象)設定の要点と実際 その2

34. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップーP(対象)設定の要点と実際 その1

33. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その8

32. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その7

31. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その6

30. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その5

29. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その4

28. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その3

27. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その2

26. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その1

25. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その5

24. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その4

23. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その3

22. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その2

21. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その1

20. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その3

19. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その2

18. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その1

17. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その3

16.リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その2

15. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その1

14. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その3

13. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その2

12. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用その1

11. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その2

10. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その1

9. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その3

8. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その2

7. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その1

6. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その3

5. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その2

4. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その1

3. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビューその2

2. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー その1

1. 臨床上の疑問とリサーチ・クエスチョン

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HER2低発現進行乳がんへのT-DXd、ER低発現でもPFS・OS延長(DESTINY-Breast04)/ESMO BREAST 2023

提供元:CareNet.com

 第III相DESTINY-Breast04試験のサブグループ解析の結果、HER2低発現(IHC法でER陽性細胞が1~10%)で、エストロゲン受容体(ER)低発現の切除不能または転移のある乳がん患者(MBC)において、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)が医師選択化学療法(TPC)よりも無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を有意に改善し、その結果はER陰性(IHC法でER陽性細胞が0%)患者と同様であったことを、英国・エディンバラ大学のDavid A. Cameron氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2023、5月11~13日)で報告した。

 ASCO2022のプレナリーセッションで、HER2低発現のMBC患者に対するDESTINY-Breast04試験の結果が報告されており、ホルモン受容体(HR)の発現状況にかかわらずT-DXd群ではPFSおよびOSが有意に延長したことが示されている。今回のサブグループ解析では、ER低発現の患者における有効性と安全性の探索的解析が行われた(データカットオフ:2022年1月11日)。

<DESTINY-Breast04試験 サブグループ解析>
・対象:1~2ラインの化学療法歴があり、HER2低発現(IHCスコア1+またはIHCスコア2+かつISH-)のMBC患者110例(ER陰性[0%]58例、ER低発現[1~10%]52例)
・試験群(T-DXd群):T-DXdを3週間間隔で5.4mg/kg投与 75例
・対照群(TPC群):カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、パクリタキセル、nab-パクリタキセルから選択 35例
・評価項目:
[主要評価項目]HR陽性患者の盲検下独立中央評価委員会(BICR)によるPFS
[副次評価項目]全患者のBICRによるPFS、HR陽性患者および全患者のOSなど

 主な結果は以下のとおり。

●サブグループ解析には110例が組み込まれた(括弧内は順に年齢中央値、化学療法歴が1ラインの割合、CDK4/6阻害薬による治療歴ありの割合)。
– ER陰性:T-DXd群40例(58.9歳、40.0%、5.0%)、TPC群18例(55.9歳、27.8%、0%)
– ER低発現:T-DXd群35例(57.6歳、60.0%、62.9%)、TPC群17例(47.1%、52.9%)
●PFS中央値は、T-DXd群がTPC群よりも良好であった。
– ER陰性:T-DXd群8.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:4.3~11.7)vs.TPC群2.9ヵ月(95%CI:1.4~5.1)、ハザード比[HR]:0.46(95%CI:0.24~0.89)
– ER低発現:T-DXd群8.4ヵ月(95%CI:5.6~12.2)vs.TPC群2.6ヵ月(95%CI:1.2~4.6)、HR:0.24(95%CI:0.12~0.48)
●OS中央値も、T-DXd群ではTPC群よりも良好であった。
– ER陰性:T-DXd群18.2ヵ月(95%CI:13.6~NE)vs.TPC群8.3ヵ月(95%CI:5.6~20.6)、HR:0.48(95%CI:0.24~0.95)
– ER低発現:T-DXd群20.0ヵ月(95%CI:13.5~NE)vs.TPC群10.2ヵ月(95%CI:7.8~14.5)、HR:0.35(95%CI:0.16~0.75)
●確定奏効率も、T-DXd群ではTPC群よりも良好であった。
– ER陰性:T-DXd群50.0%(95%CI:33.8~66.2)vs.TPC群16.7%(95%CI:3.6~41.4)
– ER低発現:T-DXd群57.1%(95%CI:39.4~73.7)vs.TPC群5.9%(95%CI:0.1~28.7)
●T-DXd群においてGradeを問わず多く発現した治療関連有害事象(TRAE)は、悪心(77.3%)、嘔吐(40.0%)、疲労(37.3%)、食欲低下(34.7%)、脱毛(33.3%)、便秘(33.3%)、貧血(30.7%)、下痢(29.3%)、トランスアミナーゼ値上昇(26.7%)などで、これまで得られていた結果と一致していた。Grade3以上のTRAEは、T-DXd群では53.3%(40例)、TPC群では75.0%(24例)に生じた。

(ケアネット 森 幸子)


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早期TN乳がん、術前後のアテゾリズマブ追加でEFS・DFS・OS改善(IMpassion031)/ESMO BREAST 2023

提供元:CareNet.com

 未治療の早期トリプルネガティブ(TN)乳がんにおける術前化学療法へのアテゾリズマブ追加および術後のアテゾリズマブ投与の有用性を検討した第III相IMpassion031試験の最終解析で、副次評価項目である無イベント生存期間(EFS)、無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)の改善が示された。また探索的解析から、手術時に病理学的完全奏効(pCR)が得られた患者は予後良好なこと、pCRが得られず血中循環腫瘍DNA(ctDNA)が残存していた患者は予後不良なことが示された。ブラジル・Hospital Sao Lucas da PUCRSのCarlos H. Barrios氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2023、5月11~13日)で報告した。

 本試験の主要評価項目であるpCR率については、PD-L1の有無(SP142によるIC:1%未満vs.1%以上)にかかわらず、アテゾリズマブ群が57.6%とプラセボ群(41.1%)に比べて有意に(p=0.0044)改善したことが報告されている。今回は、副次評価項目であるEFS、DFS、OS、安全性について最後の患者登録から3年後の最終解析と探索的バイオマーカー解析について報告された。

・対象:原発巣が2cmを超える未治療のStageII~IIIの早期TN乳がん患者333例
・試験群(アテゾリズマブ群、165例):術前にアテゾリズマブ(840mg、2週ごと)+nab-パクリタキセル(毎週)12週間投与後、アテゾリズマブ+ドキソルビシン+シクロホスファミド(2週ごと)8週間投与。術後、アテゾリズマブ(1,200mg、3週ごと)を11サイクル実施
・対照群(プラセボ群、168例):術前にプラセボ+nab-パクリタキセル12週間投与後、プラセボ+ドキソルビシン+シクロホスファミド8週間投与し手術を実施
(両群ともpCR未達の患者は、術後補助化学療法を許容)

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中央値40ヵ月前後(アテゾリズマブ群40.3ヵ月、プラセボ群39.4ヵ月)における最終解析において、pCRが得られず術後補助化学療法を受けたのは、アテゾリズマブ群70例中14例(20%)、プラセボ群99例中33例(33%)であった。
・ITT集団におけるEFSのハザード比(HR)は0.76(95%信頼区間[CI]:0.47~1.21)で、PD-L1陽性(IC 1%以上)の患者では0.56(同:0.26~1.20)であった。
・DFSのHRは0.76(95%CI:0.44~1.30)で、PD-L1患者では0.57(同:0.23~1.43)であった。
・OSのHRは0.56(95%CI:0.30~1.04)で、PD-L1陽性患者では0.71(同:0.26~1.91)であった。
・pCR状況別のEFSの探索的解析では、pCRが得られた患者では両群共に長期のEFSが良好であったが、pCRが得られなかった患者では両群共にEFSが不良で、pCRが長期予後を大きく左右していた。
・アテゾリズマブにおける新たな安全性シグナルや治療関連死はみられなかった。
・ctDNAにおける探索的解析によると、ctDNA陽性率はベースラインの94%から手術時に12%と減少し、ctDNA消失率はアテゾリズマブ群89%、プラセボ群86%と両群で同様だった。消失しなかった患者はpCRが得られなかった。
・手術時にpCRが得られずctDNAが陽性だった患者はDFS、OSが不良だったが、アテゾリズマブ群でOSの数値的な改善がみられた(HR:0.31、95%CI:0.03~2.67)。

 Barrios氏は「早期TN乳がんに対して、術前化学療法へのアテゾリズマブ追加で有意なpCRベネフィットが得られ、EFS、DFS、OSの改善につながった」とした。

(ケアネット 金沢 浩子)


【参考文献・参考サイトはこちら】

IMpassion031試験(ClinicalTrials.gov)

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進行TN乳がんへのペムブロリズマブ+化療、臨床的有用性が得られ化療中止した例やimAE発現例でも有効(KEYNOTE-355)/ESMO BREAST 2023

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 手術不能な局所再発または転移・再発トリプルネガティブ(TN)乳がんの1次治療においてペムブロリズマブ+化学療法をプラセボ+化学療法と比較した第III相KEYNOTE-355試験の探索的解析の結果、ペムブロリズマブ+化学療法により臨床的有用性が得られた患者でペムブロリズマブの最終投与前に化学療法を中止した患者、また免疫介在性有害事象(imAE)発現患者において、CPSにかかわらず、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)が改善したことが示された。米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer Center のHope S. Rugo氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2023、5月11~13日)で報告した。

 本試験では、PD-L1 CPS 10以上の患者において、ペムブロリズマブ+化学療法により統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるPFSとOSの改善が示されたことが報告されている。今回は、ペムブロリズマブ+化学療法を受け完全奏効(CR)もしくは部分奏効(PR)を達成または病勢安定(SD)を24週以上持続した患者、すなわち臨床的有用性が得られた患者のうちペムブロリズマブ最終投与前21日より前に化学療法を中止した患者におけるPFSとOSを評価した。さらに、ペムブロリズマブ+化学療法を受けた患者でimAEが1件以上発現した患者においても評価した。

・対象:PD-L1陽性の手術不能な局所再発もしくは転移・再発TN乳がん(ECOG PS 0/1)
・試験群:ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)+化学療法(ナブパクリタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン/カルボプラチンのうちいずれか)
・対照群:プラセボ+化学療法

 今回の探索的解析における主な結果は以下のとおり。

・2021年6月15日のデータカットオフ時点で、ペムブロリズマブ+化学療法の治療を受け臨床的有用性が得られた患者において、ペムブロリズマブ投与中止前に化学療法を中止した患者および全体でのペムブロリズマブ投与期間中央値、化学療法期間中央値、PFS中央値、OS中央値は、順に以下のとおりで、CPSに関係なくPFS、OSとも上回っていた。
– 治療を受けた全患者
 化学療法中止例(92例):14.1ヵ月 6.0ヵ月 14.5ヵ月 32.9ヵ月
 全体(317例)     : 9.4ヵ月 7.9ヵ月 11.6ヵ月 26.4ヵ月
– CPS 1以上の患者
 化学療法中止例(70例):15.3ヵ月 5.9ヵ月 18.7ヵ月 34.5ヵ月
 全体(249例)     : 9.4ヵ月 8.2ヵ月 11.7ヵ月 26.6ヵ月
– CPS 10以上の患者
 化学療法中止例(46例):20.8ヵ月 6.8ヵ月 36.7ヵ月 未到達
 全体(143例)     :11.1ヵ月 8.5ヵ月 14.4ヵ月 34.4ヵ月

・imAE発現患者および全体におけるペムブロリズマブ投与期間中央値、化学療法期間中央値、PFS中央値、OS中央値は、順に以下のとおりで、imAE発現患者でPFS、OSとも上回っていた。
– 治療を受けた全患者
 imAE発現例(149例):8.8ヵ月 7.2ヵ月 9.7ヵ月 23.9ヵ月
 全体(562例)    :5.6ヵ月 5.1ヵ月 7.5ヵ月 17.2ヵ月
– CPS 1以上の患者
 imAE発現例(109例):8.8ヵ月 7.3ヵ月 9.8ヵ月 26.3ヵ月
 全体(421例)    :5.9ヵ月 5.1ヵ月 7.6ヵ月 17.6ヵ月
– CPS 10以上の患者
 imAE発現例(64例):10.4ヵ月 8.4ヵ月 11.8ヵ月 35.6ヵ月
 全体(219例)   : 7.6ヵ月 5.8ヵ月  9.7ヵ月 22.8ヵ月

 今回の解析から、ペムブロリズマブ+化学療法で臨床的有用性が得られた患者において、PD-L1発現レベルにかかわらず、化学療法中止後もペムブロリズマブは有用であることが示唆された。この結果から、Rugo氏は「臨床的有用性が得られて化学療法を中止した患者において、ペムブロリズマブ継続が適している」とした。

(ケアネット 金沢 浩子)


【参考文献・参考サイトはこちら】

KEYNOTE-355試験(ClinicalTrials.gov)

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乳がん術後妊娠希望で内分泌療法を一時中断、再発リスクは?/NEJM

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 ホルモン受容体陽性の早期乳がん既往患者(42歳以下等の条件あり)において、妊娠を試みるための内分泌療法の一時的な中断は、乳がんイベントの短期リスクを増大しなかったことを、米国・ダナファーバーがん研究所のAnn H. Partridge氏らが報告した。これまで乳がん後に妊娠を試みるために内分泌療法を一時中断した女性の、再発リスクに関する前向きデータは不足していた。今回の結果を踏まえて著者は、「長期安全性の情報を確認するために、さらなる追跡調査が必要である」とまとめている。NEJM誌2023年5月4日号掲載の報告。

妊娠希望で内分泌療法を一時中断、乳がんイベント発生数を評価

 研究グループは、国際多施設共同研究者主導の単群試験で、乳がんを有した若い女性で妊娠を試みるために術後補助内分泌療法の一時中断を評価した。

 42歳以下、乳がんStageI、IIまたはIIIで、術後補助内分泌療法期間が18~30ヵ月の妊娠を希望する女性を適格とした。

 主要評価項目は、追跡期間中の乳がんイベント(同側または局所の浸潤性乳がん、遠隔再発、対側浸潤性乳がんの発生と定義)発生数であった。主要解析は、追跡期間1,600患者年後に実施することが計画された。事前に規定した安全性の閾値は、同一期間中の乳がんイベント発生数が46件とした。

 一時中断群の乳がんアウトカムを、本試験の組み入れ基準に該当すると思われた外部の女性コホート(対照群)と比較した。

63.8%が出産、乳がん再発リスクは事前規定の安全性閾値内

 2014年12月~2019年12月に、516例が有効性に関する主要解析に包含された。年齢中央値は37歳、乳がん診断から試験登録までの期間中央値は29ヵ月であり、93.4%が乳がんStageIまたはIIであった。

 妊娠について追跡した497例において、368例(74.0%)が1回以上妊娠し、317例(63.8%)が1人以上の生児を出産した。

 追跡期間1,638患者年(追跡期間中央値41ヵ月)において、乳がんイベントを発生した患者は44例で、安全性閾値を上回らなかった。

 乳がんイベント3年発生率は、一時中断群8.9%(95%信頼区間[CI]:6.3~11.6)、対照群9.2%(7.6~10.8)であった。絶対群間差は-0.2ポイント(95%CI:-3.1~2.8)、補正後ハザード比は0.81(95%CI:0.57~1.15)であった。

(ケアネット)


【原著論文はこちら】

Partridge AH, et al. N Engl J Med. 2023;388:1645-1656.

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。
(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

海外研修留学便り 【米国留学記(久保田 祐太郎氏)】第2回

[ レポーター紹介 ]
久保田 祐太郎くぼた ゆうたろう

2003年   3月 昭和大学医学部医学科卒業
2003年   4月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 員外助教
2009年   7月 国立がん研究センター東病院 消化管内科 研修医
2010年   7月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 助教
2014年   1月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 助教
2016年   4月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 講師
2021年 10月   University of California San Diego, Department of Surgery, Visiting Scholar

 

所属する研究室について

 私の所属する研究室は、University of California San Diego(UCSD)の外科学部門に所属していますが、同時にAntiCancer Inc.というマウスを用いた受託研究を行う会社という側面もあります。教授のRobert M. Hoffman先生の専門は、がんにおけるメチオニン代謝異常、GFP(Green fluorescent protein)などの蛍光タンパクを用いた生体内イメージング、患者由来組織同所移植(Patient derived orthotopic xenograft: PDOX)モデル、独自の遺伝子改変サルモネラ菌を用いた細菌療法など多岐にわたり、いずれの分野でも数多くの論文を発表しています。1984年から続く歴史のある研究室で、毎年20~30本の論文を出していてとても活気があります。

 現在、私はがんにおけるメチオニン代謝異常を基とした治療の研究を進めているので、まず簡単に説明します。

がんにおけるメチオニン代謝異常

 がんのグルコース依存はWarburg効果として有名ですが、メチオニン依存については知らない方も多いと思います。私は腫瘍内科医ですが、正直なところ、こちらに来るまでまったく知りませんでした。メチオニンをコードするmRNA配列はAUGで、これは開始コドンとして機能するため、基本的に生体内でのタンパク合成はメチオニンから始まります。また、メチオニンはメチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2A(MAT2A)という酵素でs-アデノシルメチオニン(SAM)に代謝されますが、このSAMは体内における唯一のメチル基供与体です。すなわちDNA、RNA、ヒストンのメチル化にメチオニンは必須であり、さまざまな遺伝子発現の調節に関わっています。

 このようにメチオニンはわれわれの体内においてとても重要な役割を果たしており、必須アミノ酸に分類されていますが、体内でホモシステインから合成が可能なアミノ酸です。正常細胞はメチオニンが不足しても、この合成経路からの補充によって生存が可能ですが、メチオニンおよびメチル基の消費量の多いがん細胞は、この内因性のメチオニン合成では供給が追いつかず、アポトーシスを起こします。このため、がんは外因性のメチオニン供給に依存しています。この性質は身近なところだと、脳腫瘍や脳転移の評価に用いるメチオニンPET(保険未収載)で利用されています。実際、メチオニン制限のがんに対する有効性はin vitroin vivoともに数多く報告されていて、近年徐々に注目されてきています。

実際の研究内容

 メチオニンは多くの動物性、植物性タンパクに含まれているため、食事のみによる制限が難しいという問題点があります。このため、Hoffman教授は、メチオニン分解酵素(recombinant methioninase)を開発し、この酵素と食事によるメチオニン制限とを組み合わせた治療を提案しています。しかし、現状ではまだ課題も多く、実用化には至っていません。

 この主な理由として、前述のとおりメチオニン制限は正常細胞への影響が少ないものの、やはり極度のメチオニン制限を長期間続けると体内でのタンパク合成に支障が出ることや、メチオニンが枯渇するとがんを攻撃するCD8陽性T細胞の活性も低下してしまうことなどが挙げられます。

 このため、私はがんの局所でのみメチオニンを枯渇させることができないかと考え、細菌療法やメチオニン分解酵素の投与方法の工夫などで、その実現を目指した研究を進めています。またその他にも、メチオニン制限と抗がん剤の併用による相乗効果や、メチオニン制限が具体的にヒストンやDNAのメチル化にどのような影響を及ぼすのかについても調べています。

米国で研究することの利点

 最後に、アメリカで研究することの利点についてです。第1の利点は、やはり臨床の仕事がない分、研究に没頭できることです。一部の最先端の研究所は別として、アメリカだからといって研究の内容や質が日本と大きく異なるわけではありません。与えられたテーマについて自分で科学的に考えて、実験を組み、結果を出す。当然、毎回思いどおりの結果が得られるわけではなく、その結果をもとに実験を再考する。その過程で私の研究室のHoffman教授と議論し、助言をもらうこともできます。研究者としては当たり前のことですが、この過程こそが臨床の合間ではなかなかできなかったことなので、毎日とても楽しく充実しています。

 また、論文を執筆する際に、米国人の教授から直接指導を受けられるのも、利点の1つです。とくにHoffman教授は、論文数約1,900本を誇る百戦錬磨の研究者で、われわれ研究員が書いた論文に対して一つひとつ丁寧に指導してくれます。論文を作成して提出すると、早いと数時間、遅くとも翌日には内容が修正されて戻ってきます。その後、直接内容について話し合うのですが、その際に私の書いた論文の良い点と悪い点を指摘したうえで、どのように改善するべきかを細かく指導してくれます。悪い点としてとくによく指摘されるのは、最も大切な論文の題名にインパクトがないということと、考察で余分なことを書き過ぎていて逆にわかり難くなっているということです。これはわれわれ日本人の論文に一般的に言える特徴だと思います。

 また、当然ですが、英文校正を同時にしてもらえるのもありがたいです。内容が意図していたものと変わってしまうことはないですし、私の書いた英文を生かしながらよりよい表現に直してくれます。日本では英語論文の書き方についてしっかりとした指導を受けたことがなかったので、大変貴重な経験になっています。

 次回は留学中の米国での生活について紹介します。

サンディエゴ ラ・ホーヤの海岸

サンディエゴ ホテル・デル・コロナド

  


リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その6【「実践的」臨床研究入門】第31回

提供元:CareNet.com

本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

検索式で研究デザインを限定する

 これまで解説してきたように、検索式作成のポイントは、P(対象)とI(介入)またはE(曝露)の構成要素で構築する、ということでした。実際には、さらに「研究デザイン」を限定する検索式を加えることがよくあります(「研究デザイン」については連載第6回で簡単に説明しましたので、ご参照ください)。たとえば、システマティック・レビュー(SR:systematic review)では、「研究デザイン」としてランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)のみを対象とすることがよくあります。今回は、「研究デザイン」をRCTに限定する検索式について解説します。

 MEDLINE(PubMed)では、すべてのRCTが”Randomized Controlled Trial as Topic”というMeSH terms(連載第21回参照)が付与されるなどして、RCTとしてインデックス化されているわけではありません。そこで、コクラン・ハンドブックでは「研究デザイン」をRCTに限定する検索式(PubMedで検証済み)を、下記およびリンクのとおり2種類公開しています。

Sensitivity-maximizing version (2008 revision); PubMed format
・(randomized controlled trial[pt] OR controlled clinical trial[pt] OR randomized[tiab] OR placebo[tiab] OR drug therapy[sh] OR randomly[tiab] OR trial[tiab] OR groups[tiab] NOT (animals [mh] NOT humans [mh]))

Sensitivity- and precision-maximizing version (2008 revision); PubMed format
・(randomized controlled trial[pt] OR controlled clinical trial[pt] OR randomized[tiab] OR placebo[tiab] OR clinical trials as topic[mesh:noexp] OR randomly[tiab] OR trial[ti] NOT (animals[mh] NOT humans [mh]))

 それぞれの検索式のPubMedへのダイレクトリンク(Sensitivity-maximizing versionSensitivity- and precision-maximizing version)も公開されています。本稿執筆時点(2023年4月)では、Sensitivity-maximizing versionおよびSensitivity- and precision-maximizing versionのヒット論文数は、それぞれ498万2,019件と140万7,761件でしたので、その名のとおり、感度はSensitivity-maximizing versionのほうが高いことがわかります。

 それでは、この「研究デザイン」をRCTに限定する検索式を、これまで改訂を重ねてきた、われわれのResearch Question(RQ)の関連研究レビューの検索式に加えてみましょう。検索結果は下記の表1および2のようになりました(本稿執筆2023年4月時点)。

表1

表2

 「研究デザイン」をRCTに限定するとヒット論文数は、Sensitivity-maximizing version(表1)で834件から291件、Sensitivity- and precision-maximizing version(表2)では166件に減っていることがわかります。

 ちなみに、PubMedでは、「Filterサイドバー」から、Clinical trialやRandomized Controlled Trialなど”article type”で「絞り込み検索」を行うこともできます。「Filterサイドバー」は、検索窓に何らかのキーワードを入力し、”search”をクリックした後に表示されるメイン画面左側に表示されます。しかし、この「絞り込み検索」が機能するには、対象となる論文にPublication type[pt]の「タグ」情報が付与されていることが前提となり(連載第23回参照)、付与されていない場合は漏れてしまいます。したがって、今回解説した、「研究デザイン」を限定する検索式を使用したほうが、より網羅的に検索することができるのです。


講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


バックナンバー

55. 生存時間分析 その1

54. 線形回帰(重回帰)分析 その5

53. 線形回帰(重回帰)分析 その4

52. 線形回帰(重回帰)分析 その3

51. 線形回帰(重回帰)分析 その2

50. 線形回帰(重回帰)分析 その1

49. いよいよ多変量解析 その2

48. いよいよ多変量解析 その1

47. 何はさておき記述統計 その8

46. 何はさておき記述統計 その7

45. 何はさておき記述統計 その6

44. 何はさておき記述統計 その5

43. 何はさておき記述統計 その4

42. 何はさておき記述統計 その3

41. 何はさておき記述統計 その2

40. 何はさておき記述統計 その1

39. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐E(要因)およびC(比較対照)設定の要点と実際 その2

38. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐E(要因)およびC(比較対照)設定の要点と実際 その1

37. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐O(アウトカム)設定の要点と実際 その2

36. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐O(アウトカム)設定の要点と実際 その1

35. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップーP(対象)設定の要点と実際 その2

34. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップーP(対象)設定の要点と実際 その1

33. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その8

32. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その7

31. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その6

30. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その5

29. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その4

28. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その3

27. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その2

26. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その1

25. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その5

24. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その4

23. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その3

22. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その2

21. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その1

20. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その3

19. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その2

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17. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その3

16.リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その2

15. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その1

14. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その3

13. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その2

12. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用その1

11. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その2

10. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その1

9. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その3

8. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その2

7. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その1

6. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その3

5. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その2

4. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その1

3. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビューその2

2. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー その1

1. 臨床上の疑問とリサーチ・クエスチョン

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(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

 

海外研修留学便り 【米国留学記(久保田 祐太郎氏)】第1回

[ レポーター紹介 ]
久保田 祐太郎くぼた ゆうたろう

2003年   3月 昭和大学医学部医学科卒業
2003年   4月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 員外助教
2009年   7月 国立がん研究センター東病院 消化管内科 研修医
2010年   7月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 助教
2014年   1月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 助教
2016年   4月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 講師
2021年 10月   University of California San Diego, Department of Surgery, Visiting Scholar

 

 私は2021年10月に渡米し、現在University of California San Diego(UCSD)外科学部門のRobert M. Hoffman教授の研究所に所属し、研究生活を過ごしています。

 渡米時の年齢は42歳で、とくに基礎研究で目立った実績があるわけでもありませんでした。このような状況の臨床医の研究留学に意味があるのか疑問に感じる方も多いかもしれません。しかしその一方で、私と同じように基礎研究に興味はあるものの、臨床に没頭するあまり留学の機会を逃してきた同世代の先生もいるかと思います。渡米して1年半が経過しましたが、私はこの留学生活でさまざまな事を学び、また臨床医のときとは少し異なる視点で物事を考えられるようになったという実感があります。今回の留学体験記では、それらの詳細を4回に分けて紹介します。若い先生はもちろん、私のように40歳前後で留学を考えている(または躊躇している)先生にも参考になれば幸いです。

自己紹介

 まずは簡単に私の経歴を紹介します。私は乳腺外科医ではなく腫瘍内科医です。学生時代からがんの臨床や研究に興味があり、卒後まずは昭和大学病院で消化器内科医としてがん診療に携わり始めました。2000年代初頭で、ちょうど新たな抗がん剤が続々と認可され始めたころでした。毎年何種類もの新たな抗がん剤が登場し、その効果を実感する中でがん薬物療法に魅了され、医師10年目に昭和大学に腫瘍内科学教室が新設された際に転科しました。

留学までの経緯

 私は元々、基礎医学者であった父親の影響もあり、医学生のころから基礎研究に興味がありました。幼少期に父親の留学のため、フィラデルフィア、ロサンゼルスで過ごした経験もあったので、若手のころはある程度臨床医として経験を積んだ後、基礎研究にも従事し、海外に留学したいと考えていました。

 しかし、現実はなかなか思いどおりには行かず…。同世代のがん薬物療法に携わってきた先生には共感していただけると思いますが、高齢化社会の到来によるがん患者の急激な増加、化学療法の急速な進歩による腫瘍内科医としての需要の増加により、日々の臨床業務に追われ、気が付けば20年の月日が経過していました。この間に学位を取得し、その後も基礎研究をしていた時期はありましたが、忙しさのあまりなかなか継続できませんでした。このため留学は半ば諦めかけていましたが、2020年の秋に当教室の角田 卓也教授から留学の話をいただきました。冒頭に述べたとおり、40歳を超えており、基礎研究での実績があるわけでもなかったので、何のための留学か考えましたが、以下の理由で留学を決意しました。

 まず、腫瘍内科医としてさまざまな抗がん剤を使う中で、その有効性を実感しつつも、治療効果には限界があることや副作用の問題に直面し、一度根本的な部分からがんと向き合ってみたいと考えました。また、良くも悪くもがん薬物療法に慣れ、日々の仕事がマンネリ化してきていたため、この先のキャリアを考えると一旦環境を変えてみることも必要だと思いました。こうして留学を決めたのですが、最後に留学準備に関しても少し触れておきます。

留学が決まってからの準備

 留学が決まるとまず留学先の大学からJ1ビザ適格証明書(DS-2019)を発行してもらう必要があります。この手続きはそれほど難しくはありませんが、英語能力の証明が必要で、UCSDではIELTS、TOEFLなどで一定以上の成績を示すか、受け入れ先の教室の教授との面談で許可をもらうかのいずれかが必要でした。私は留学が決まってからオンライン英会話を始め、毎日英語学習に費やす時間を何とか確保して準備し、2021年4月の教授との面談で許可をもらうことができました。DS-2019を取得後は、アメリカ大使館からJ1ビザを発行してもらう必要がありますが、私の場合はコロナ禍で申請者が少なかったこともあり、すぐに大使館の面談の予約が取れ、その2週間後にはビザを取得することができました。

現地での生活の準備

 現地での生活の準備に関しては、同じ研究所に医局の前任者がいたため、事前に情報をもらい準備を進めました。具体的には、日本にいるうちから現地の不動産エージェント(日本人)と連絡を取り、事前に住居を決めてから渡米しました。多少費用はかかりますが、渡米後すぐにアパートメントに入居でき、電気、水道、ガス、インターネットなどのライフラインの手配もサポートしてもらえたので有用でした。

 また、細かい点ですが、アメリカの銀行口座やクレジットカード、携帯電話のSIMなど日本で手配できるものは可能な限り事前に手配してから渡米しました。英語力に自信のある方は不要かもしれませんが、日常生活でのネイティブの英語は、慣れるまでは早すぎて何を言っているのか全然わからないので、事前に日本で手配出来ることはしていったほうがよいと思います。

 次回は、留学先での研究内容について紹介します。

研究所でRobert M. Hoffman教授と

UCSD構内

サンディエゴの街並み

  


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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その5【「実践的」臨床研究入門】第30回

提供元:CareNet.com

本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

検索式を改訂する

 今回は前回からの続きで、検索式の能力を検証しながら改訂していきます。前回解説したとおり、P(対象)の構成要素ブロックにRenal Insufficiency[mh:noexp] OR(太字部分)を加え、E(曝露)のブロックとANDでかけ合わせ、再度「Key論文」のブロックとNOTでつなぐと、表1の結果になります(本稿執筆2023年3月時点)。

表1

 Pのブロックには、MeSH termsを加えた結果、ヒットした論文数が大幅に増えています(Search #1)。前回検索時から約1ヵ月経っているので、Eのブロックで検索された論文数もわずかに増加し(Search #2)、改訂検索式でのヒット論文数も数10編増えています(Search #3)。この改訂検索式と「Key論文」のブロックをかけ合わせた結果、ヒットする論文数は7編から6編と1つ減っています。当初ヒットしなかったコクラン・システマティックレビュー(SR:systematic review)論文1)が、改訂検索式ではヒットするようになったのです(お時間ある方は確認してみてください)。

 それでは同じ要領で、ヒットしなかった「Key論文」すべてが捕捉できるように、検索式をさらに改訂してみましょう。残りのヒットしなかった「Key論文」のMeSH termsなどの情報をチェックします(連載第29回参照)。たとえば、現時点の検索式に含まれるMeSH termsやテキストワードは、ヒットしなかった「Key論文」の1つである非コクランSR2)のMeSH termsやタイトルおよびアブストラクトに含まれていません。

 非コクランSR2)の書誌情報(リンク)から、この論文に付与されているMeSH terms”Diabetic Nephropathies”をPの構成要素ブロックに追加します。

・Diabetic Nephropathies[mh]

 同様に、ヒットしなかった非コクランSR3)の書誌情報(リンク)を見ると、この論文にはMeSH termsが付与されていません。そこで、論文タイトルに含まれている”diabetic nephropathy”をテキストワードとしてPのブロックに追加してみます。

・”diabetic nephropathy”[tiab]
※[mh]や[tiab]という「タグ」については、連載第24回で解説していますので、ご参照ください。

 すると、さらに改訂した検索式とその結果は表2のようになります。

表2

 「Key論文」4-6)は再改訂検索式でヒットするようになり、残りはとうとう非コクランSR1編7)になりました。この論文7)のMeSH termsを見てみると(リンク)、再改訂検索式のEのブロックに含まれている”Diet, Protein-restricted”は付与されています。しかし、再改訂検索式Pのブロックに含まれるMeSH termsはいずれも付与されていません。したがって、この論文7)のMeSH termsの中から、新たに”Kidney Disease”を検索式Pのブロックに加えることにします。

 MeSH terms”Kidney Disease”の階層構造はリンクのとおりですが、その下位概念は含まれないように、[mh: noexp]の「タグ」を付けます(連載第24回参照)。

・Kidney Disease[mh: noexp]

 再々改訂検索式の検索結果は表3となり、すべての「Key論文」がヒットするようになりました。

表3


【 引用文献 】

講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


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55. 生存時間分析 その1

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41. 何はさておき記述統計 その2

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39. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐E(要因)およびC(比較対照)設定の要点と実際 その2

38. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐E(要因)およびC(比較対照)設定の要点と実際 その1

37. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐O(アウトカム)設定の要点と実際 その2

36. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップ‐O(アウトカム)設定の要点と実際 その1

35. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップーP(対象)設定の要点と実際 その2

34. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップーP(対象)設定の要点と実際 その1

33. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その8

32. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その7

31. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その6

30. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その5

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25. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その5

24. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その4

23. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その3

22. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その2

21. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その1

20. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その3

19. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その2

18. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その1

17. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その3

16.リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その2

15. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その1

14. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その3

13. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その2

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11. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その2

10. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その1

9. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その3

8. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その2

7. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その1

6. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その3

5. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その2

4. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その1

3. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビューその2

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1. 臨床上の疑問とリサーチ・クエスチョン

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