飲酒と乳がんリスクの関連~日本人16万人の解析

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 欧米の研究から、飲酒が乳がんリスクを上昇させることが報告されている。しかし、日本人女性は欧米人女性より飲酒習慣が少なく、またアセトアルデヒドの代謝酵素の働きが弱い人が多いなど、飲酒関連の背景が欧米とは異なる。これまで日本人を対象とした大規模な研究は実施されていなかったが、今回、愛知県がんセンターや国立がん研究センターなどが共同で日本の8つの大規模コホート研究から約16 万人以上を統合したプール解析を行い、乳がんリスクと飲酒との関連を検討した。その結果、閉経前女性では飲酒により乳がん罹患リスクが上昇したことを愛知県がんセンターの岩瀬 まどか氏らが報告した。International Journal of Cancer誌オンライン版2021年1月26日号に掲載。

 本研究には、国内の大規模コホート研究である多目的コホート研究(JPHC-I, JPHC-II)、JACC研究、大崎国保コホート研究、宮城県コホート研究、三府県宮城コホート研究、三府県愛知コホート研究、放影研寿命研究の8コホート研究が参加。それぞれのコホート研究で使用している飲酒習慣のアンケート調査結果から、飲酒習慣を頻度と量に分けて検討し、頻度は「現在非飲酒」「機会飲酒(週1日以下)」「ときどき(週1日以上4日以下)」「ほとんど毎日(週5日以上)」の4つ、量は1日飲酒量で「0g」「0~11.5g」「11.5~23g」「23g以上」の 4つのカテゴリーに分類した。年齢、地域、閉経状況、喫煙、BMI、初経年齢、出産数、女性ホルモン薬の使用、余暇の運動を調整後、非飲酒に対するその他の飲酒カテゴリーの乳がん罹患リスクを算出し、プール解析を行った。また乳がんの罹患は、閉経状態に基づき閉経前乳がんと閉経後乳がんに分け、それぞれに対する飲酒の影響を検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・計15万8,164人の女性を平均14年追跡し、2,208例が新規に乳がんと診断された。
・調査時の閉経状態に基づく閉経前乳がんにおいて、飲酒頻度別では非飲酒者に対する最も頻度の高い飲酒者のハザード比(HR)は1.37(1.04~1.81)、飲酒量別では1日0gの群に対する23g以上の群のHRは1.74(1.25~2.43)であった。
・診断時の閉経状態に基づく閉経前乳がんにおいて、飲酒量別で1日0gの群に対する23g以上の群のHRは1.89(1.04~3.43)であった。
・一方、調査時もしくは診断時での閉経状態に基づく閉経後乳がんでは、飲酒頻度、飲酒量ともに乳がんリスクとの有意な関連は認められなかった。

 これらの結果から、日本人においても欧米での報告と同様に、閉経前乳がんでは飲酒が乳がんの罹患リスクを上昇させることが明らかとなった。一方、閉経後乳がんでは日本人では有意な関連が認められず、海外の結果と異なり閉経状態によって乖離がみられた。

(ケアネット 金沢 浩子)


【原著論文はこちら】

Iwase M, et al. Int J Cancer. 2021 Jan 26. [Epub ahead of print]

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海外研修留学便り 【米国留学記(大場 崇旦氏)】第1回

[ レポーター紹介 ]
大場  崇旦(おおば たかあき )

2009年3月 信州大学医学部医学科卒業
2009年4月 JA長野厚生連長野松代総合病院初期臨床研修
2011年4月 信州大学医学部外科学教室医員
2013年4月 信州大学医学部外科学教室乳腺内分泌外科学分野医員
2017年3月 信州大学大学院医学系研究科修了 博士号(医学)取得
2018年8月 Roswell Park Comprehensive Cancer Center, Center for immunotherapy, Postdoctoral fellow
2020年8月 信州大学医学部外科学教室乳腺内分泌外科学分野診療助教

 外科医としてキャリアをスタート後、米国Roswell Park Comprehensive Cancer Centerに基礎研究留学され、現在は帰国して信州大学外科学教室で乳腺内分泌外科学分野の診療助教として勤務する大場 崇旦氏に、日米の研究環境の違い、帰国後のキャリアプランニングなどについてレポートいただきます。第1回ではご自身が留学を決めた経緯から、実際の試験内容や必要な準備についてお伺いしました。

 

 2018年8月から2020年8月までの2年間、米国New York州 BuffaloにあるRoswell Park Comprehensive Cancer Centerに研究留学をしていました。この連載では、留学に至った経緯、留学先での研究、また実際のアメリカでの生活のことなどつづらせていただきます。今後、基礎研究での米国留学を考えていらっしゃる方に有用な情報をお届けできればと思います。

基礎研究は面白い! 留学を志した経緯

 初期臨床研修終了後、信州大学外科学教室に入局し、2年間の外科後期研修の後、乳腺内分泌外科を専門に決め、1年間の専門研修を信州大学医学部附属病院にて行いました。その後大学院に入学し、伊藤 研一教授のご指導の元、乳がんの基礎研究をスタートしました。当初は留学してまで基礎研究を続けていきたい、といったような強い気持ちはあまりなく、正直学位を取得できればその後は基礎研究とは距離を置き、また臨床に復帰したいと思っていました。
 しかしながら、研究を開始してみると、臨床医でなくては持てない視点から創出し、実臨床に繋がる可能性のある基礎研究の面白さとその重要性に気づき、できればこのまま基礎研究にも携わりながら臨床を続けていきたいと思うようになりました。実際、大学院卒業後も臨床の傍ら、基礎研究を続けることができ、臨床業務が終わってからの研究は体力的にはきつかったですが、充実感のあるものでした。そんな折、伊藤教授より、研究留学に行かないか? というご提案をいただき、ぜひ行かせてください、と即答しました。

ダメで当然の気持ちで初めてのアプライ

 具体的な行先は自分でこれから探さなくてはいけない状況でしたが、研究テーマとして、乳がん領域でもhot topicとなりつつある免疫療法の研究を行っているラボを希望し、様々な情報を検索すると、Roswell Park Comprehensive Cancer Centerの免疫療法部門でポスドクを募集しているという情報を見つけ、メールにてCVを送りアプライしてみました。 

 初めてのアプライだったのでダメで当然くらいの気持ちでおりましたが、翌日に、後のBossとなるDr.Fumito Itoより返信が来て、興味があるのでSkypeで面談しようということでした。本当に運がよかったのですが、Ito labではちょうど乳がん領域の免疫療法の研究を展開しようとしていたところで、乳がんが専門ということ、またある程度の基礎研究の経験がある、ということで採用していただけることとなりました。また、Dr.Itoは日本出身の外科医であり、自分が外科医であったことも採用される一つのポイントであったのではないかと思います。それが2018年1月の出来事であったと記憶しています。

ビザ発行要件の高い壁、妻のキャリアプランや子供の教育環境は?

 採用とは言っていただいたものの、ビザ発行の要件がTOEFLで90点以上、もしくは当該施設での英語教育者との面談での合格判定、という当時の自分にとってはあまりにもハードルの高い壁が突き付けられました。当然そこからは英語の猛勉強で何とか3月末に行ってもらった面談にて合格判定をもらい、ほっと胸をなでおろしました。また、私には麻酔科医の妻と二人の子供(当時7歳と4歳)がおります。当然、妻のキャリアプラン、子供の教育にも大きく影響する選択でしたが、医局と相談し、妻は2年間休職して渡米し、共に生活できることとなりました。

 


原発不明がん、NGSから原発を推定した治療の成果は?(NGSCUP)/日本臨床腫瘍学会

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 原発不明がん(CUP)は全悪性腫瘍の2〜5%を占める。生命予後は不良、治療法は未確立であり、経験的にプラチナ製剤とタキサンの併用が行われている。最近の腫瘍ゲノム解析の進歩によりCUP個別患者の腫瘍の遺伝子発現/異常パターンから原発腫瘍を推定し、特異的治療を行う試みがある。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)では、未治療のCUPに対し次世代シークエンサー(NGS)による遺伝子プロファイリングから推定された原発疾患に対する標準的治療を行う多施設共同第II相試験の結果を千葉大学の滝口 裕一氏が発表した。

 対象は未治療の転移を有するCUP患者110例(PS 0~2)。対象患者はNGS検査ののち、推定された原発腫瘍に対する標準治療を受けた。主要評価項目は1年全生存(OS)割合。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効率、有害事象などである。事前に設定された1年全生存(OS)割合の95%信頼区間(CI)の下限は40%であった。

 主な結果は以下のとおり。

・97例が推定された原発腫瘍に対する治療を受けた。
・NGSにより推定された原発腫瘍としては肺がん22%、肝臓がん16%、腎がん16%、大腸がん12%など、組織型は腺がん52.6%、低分化腺がん16.5%、未分化がん15.5%、扁平上皮がん9.3%であった。
・1年OS割合は53.1%(95%CI:42.6~62.5)で、事前に設定された閾値を上回り、主要評価項目を達成した。
・OS中央値は13.7ヵ月、PFS中央値は5.2ヵ月であった。
・発見された遺伝子異常は、TP5346.4%、KRAS19.6%、CDKN2A18.6%であった。
・事前に定義した有効な薬物療法がある腫瘍(大腸がん、乳がん、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、膀胱がん、非小細胞肺がん、胚細胞腫瘍、リンパ腫)と推定された患者はそれ以外と比べ、OS15.7ヵ月対11.0ヵ月(HR:0.634、p=0.078)、PFS5.5ヵ月対2.8ヵ月(HR:0.578、p=0.019)と、良好な生存期間を示す傾向が認められた。

(ケアネット 細田 雅之)


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遺伝子パネル検査、がん種別に見た遺伝子異常の特徴は?/日本臨床腫瘍学会

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 国立がんセンターが中心となって展開する産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業、SCRUM-Japan。2019年7月に開始した第三期プロジェクトでは、それまで消化器がんを対象としていたGI-SCREEN-Japanプロジェクトが泌尿器がん、乳がん等にも対象を拡大し、新たに血液を用いた遺伝子解析検査(リキッドバイオプシー)も取り入れた、MONSTAR-SCREENとして再始動している。参加するのは全国31施設、参加者は消化器がん、皮膚がん、乳がん、産婦人科がん、頭頸部がん、泌尿器がんなどの切除不能な固形がん患者で、腫瘍組織によるゲノム解析を受けたうえで、リキッドバイオプシー検査と腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の検査、解析を受ける。

 2月に行われた第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)Presidential Session3では、MONSTAR-SCREENの消化器・泌尿器の各サブグループが、がん種別の遺伝子変異の特徴をはじめとした、中間解析の結果を発表した。

 はじめに、舛石 俊樹氏(愛知県がんセンター)が、MONSTAR SCREENの消化器がんサブグループの中間解析結果を発表した。

【消化器がんサブグループ中間解析】

・血中循環腫瘍DNA(ctDNA)が検出された470例のうち、消化器がんは133例、非消化器がんは337例だった。
・消化器がんは非消化器がんに比べ、ctDNAレベル中央値が有意に高値であった(11.8 vs0.6%)。消化器がんの中では、大腸がんのctDNAレベルが最も高値であった。
・消化器がんは非消化器がんに比べ、発がんや腫瘍増殖に関連するシグナル伝達経路の中で、p53、RTK、MAPK、Wnt経路における遺伝子異常が有意に高頻度であり、とくに多く見られた遺伝子異常はAPCTP53変異だった。
・腫瘍組織とリキッドバイオプシーにおける遺伝子異常の検出一致率は69%(81/132)であった。

 続けて、野々村 祝夫氏(大阪大学)が、泌尿器がんサブグループの中間解析結果を発表した。

【泌尿器がんサブグループ中間解析】

・ctDNAが検出された470例のうち、泌尿器がんは70例、非泌尿器がんは400例だった。
・泌尿器がんは非泌尿器がんと比べ、ctDNAレベルに有意差を認めなかったものの、腎細胞がんは全がん種において2番めに低かった(中央値:0.13%)。
・腎がん、前立腺がん、尿路上皮がんにおける血中腫瘍遺伝子変異量(bTMB)中央値はそれぞれ0.44/Mb、0.88/Mb、4.39/Mbであり、尿路上皮がんは全がん種において最も高かった。
・泌尿器がんは非泌尿器がんに比べ、PI3K、MAPK、Wnt経路における遺伝子異常が有意に低頻度だった。
・腫瘍組織とリキッドバイオプシーにおける遺伝子異常の検出一致率は67%(10/15)であった。

 両氏は、中間解析の結果から得られた示唆を活かしながら引き続き症例を蓄積し、がん種別に奏効率に関わる検討などを行い、国内外に広く発信するとしている。

 JSMO Virtual2021は3月1~31日までオンデマンド配信が行われる(要参加登録)。
第18回日本臨床腫瘍学会学術集会

(ケアネット 杉崎 真名)


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2年ごとの乳房視触診、50歳以上の乳がん死3割減/BMJ

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 2年ごとの医療従事者による乳房の視触診(clinical breast examination:CBE)は、CBEを行わない場合と比べ、乳がん診断時の病期を軽減し(downstaging)、50歳以上の女性の乳がんによる死亡率を約3割抑制することが、インド・Homi Bhabha National InstituteのIndraneel Mittra氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年2月24日号で報告された。マンモグラフィによる乳がんスクリーニングは、50歳以上の女性では死亡率を抑制するが、50歳未満の女性における有効性には疑問があるとされる。また、乳がん自己検診(breast self-examination)の、乳がんの早期検出法としての有効性は証明されておらず、CBEが乳がんによる死亡を低減するかについても明らかではないという。

ムンバイ市の15万人のクラスター無作為化対照比較試験

 研究グループは、CBEによるスクリーニングが、CBEを行わない場合と比較して、乳がん診断時の病期を軽減させるかを検証する目的で、プロスペクティブなクラスター無作為化対照比較試験を実施した(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。

 インド・ムンバイ市の地理的な境界で定義された20のクラスターを、CBEによるスクリーニングを行う群またはCBEを行わない対照群に、10クラスターずつ無作為に割り付けた。登録は1998年5月に開始され、2019年3月、解析のためにデータベースがロックされた。乳がん歴のない35~64歳の女性15万1,538人が試験に参加した。

 スクリーニング群(7万5,360人)は、2年ごとに、訓練を受けた女性のプライマリケア医療従事者によるCBEを4回と、がん啓発情報の提供を受け、その後は2年ごとの自宅訪問による積極的サーベイランス(active surveillance)を5回受けた。対照群(7万6,178人)は、がん啓発情報の提供を1回受け、その後は2年ごとに積極的サーベイランスを8回受けた。

 主要アウトカムは、診断時における乳がんの病期の軽減および乳がん死の低減とした。

50歳未満の乳がん死、全死因死亡には差がない

 登録時の平均年齢は、スクリーニング群が44.84(SD 7.90)歳、対照群は44.92(8.00)歳であった。試験開始から20年(フォローアップ期間中央値18年)の時点で、スクリーニング群の640人、対照群の655人が乳がんと診断され、それぞれ213人および251人が乳がんによって死亡した。

 乳がん検出時の年齢は、スクリーニング群が対照群よりも若かった(55.18[SD 9.10]歳vs.56.50[9.10]歳、p=0.01)。また、乳がん診断時の病期は、スクリーニング群でStageIII/IVの割合が有意に低かった(37%[220人]vs.47%[271人]、p=0.001)。この病期の軽減は、50歳未満(診断時StageIII/IVの割合:37%[161人]vs.47%[183人]、p=0.005)および50歳以上(35%[59人]vs.46%[88人]、p=0.05)のいずれにおいても認められた。

 全体(35~64歳)では、スクリーニング群は対照群に比べ、乳がん死の割合が15%低下したが、有意な差は認められなかった(10万人年当たり20.82人[95%信頼区間[CI]:18.25~23.97]vs.24.62人[21.71~28.04]、率比[RR]:0.85[95%CI:0.71~1.01]、p=0.07)。

 一方、事後的サブセット解析では、50歳以上の女性における乳がん死は、スクリーニング群で有意に約30%低下した(10万人年当たり24.62人[95%CI:20.62~29.76]vs.34.68人[27.54~44.37]、RR:0.71[95%CI:0.54~0.94]、p=0.02)。これに対し、50歳未満の女性では有意な差はみられなかった(19.53人[17.24~22.29]vs.21.03人[18.97~23.44]、0.93[0.79~1.09]、p=0.37)。

 また、全死因死亡は、スクリーニング群で5%低下したが、有意差はなかった(RR:0.95[95%CI:0.81~1.10]、p=0.49)。

 著者は、「低・中所得国では、乳がんのスクリーニング法としてCBEを考慮すべきと考えられる」としている。

(医学ライター 菅野 守)


【原著論文はこちら】

Mittra I, et al. BMJ. 2021;372:n256.

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進行乳がんのエリブリン治療、リンパ球数と病勢進行の関連は(EMBRACE)/日本臨床腫瘍学会

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 第III相EMBRACE試験において、非タキサン系の微小管阻害薬エリブリンは進行乳がんの生存期間(OS)を有意に延長した。同試験のPost-Hoc解析では、ベースライン時のリンパ球絶対数(ALC)がエリブリン治療によるOS延長の独立した予測因子であることが示唆されている。今回、エリブリン治療によるOS延長におけるALCと病勢進行(PD)の関係が調べられた。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)において、静岡がんセンターの渡邉 純一郎氏がその結果を発表した。

 本Post-Hoc解析では、EMBRACE試験に登録された被験者が、PDの状態に基づいて3つのサブグループに分類された。
グループ1:新たな転移によるPD
グループ2:既存の病変の進行によるPD
グループ3:データカットオフまでPDなし
 ベースラインALCのカットオフ値は1,500/μLに設定。OS中央値、ハザード比(HR)、およびP値は、それぞれカプランマイヤー法、層別Cox比例ハザードモデル、および層別ログランク検定を用いて推定された。

 主な結果は以下のとおり。

・EMBRACE試験には、評価可能なベースラインALCの記録を有する症例がエリブリン群500例、主治医選択薬(TPC)群251例含まれていた。
・ALC≧1,500/μLのエリブリン群の患者では、ALC<1,500/μLと比較して新たな転移を有する患者が少ない傾向がみられたが(25% vs.29%)、有意な差はみられなかった。
・グループ1において、ベースラインALCが≧1,500/μLの場合、エリブリン群ではTPC群と比較してOSの有意な延長が示された(HR:0.485、95%信頼区間[CI]:0.271~0.869、p=0.013)。一方、ベースラインALC<1,500/μLの場合両群に差はみられなかった。
・グループ2において、ベースラインALCが≧1,500/μLの場合、エリブリン群ではOS延長の傾向が強くみられたが(中央値15.7ヵ月 vs.9.3ヵ月)、統計学的有意差は得られなかった(HR:0.746、95%CI:0.409~1.362、p=0.339)。ベースラインALC<1,500/μLの場合両群に差はみられなかった。
・グループ3では、ベースラインALCが≧1,500/μLの場合、エリブリン群のOSが有意に延長された(HR:0.567、95%CI:0.322~0.998、p=0.047)。ベースラインALC<1,500/μLの場合両群に差はみられなかった。
・さらに、新たな転移のみられた患者を除外し、それ以外の患者について解析を行ったところ、エリブリン群のOSが大幅に延長された(HR:0.571、95%CI:0.394~0.826、p=0.003)。OS中央値としては、エリブリン群で約5ヵ月延長されている。

 これらの結果を受けて同氏は、下記のように結論づけた。

・ベースラインALC≧1,500/μLは、エリブリン群におけるPDの状態を予測するバイオマーカーとはいえず、適切なカットオフ値についてのさらなる検討が必要
・ベースラインALC≧1,500/μLで、新たな転移を有さない患者が、エリブリン治療によるベネフィットを最も受けうる
・しかしながら、ベースラインALC≧1,500/μLで新たな転移を有する患者においても、エリブリンによる治療はOSの有意なベネフィットをもたらす
・TPC群の患者では、OSの予測において、ALCも病勢進行の状態も関連がみられなかった

(ケアネット 遊佐 なつみ)


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乳がん手術療法のDe-escalation、検討中の4つの方向性/日本臨床腫瘍学会

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 乳がん治療における手術療法はHalsted手術以降、一貫して縮小してきており、早期乳がんに対する胸筋温存、乳房温存などが一般的に実施されている。腋窩リンパ節郭清に関してもセンチネルリンパ節生検が広く行われるようになり、その後、センチネルリンパ節に転移を認めても条件を満たせば郭清を省略するようになっている。現在、さらなる手術縮小の可能性が前向きに検討されているが、具体的な4つの方向性について現在進行中の試験を含めて、第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)におけるシンポジウム「乳がん治療におけるDe-escalationを考える」の中で、岡山大学の枝園 忠彦氏が紹介した。

1)術前薬物療法実施症例でのセンチネルリンパ節生検

 術前薬物療法の実施後にセンチネルリンパ節生検を実施したACOSOG Z1071(Alliance)、SENTINA(Arm C)、SN FNACの各試験を、術前薬物療法なしでセンチネルリンパ節生検を実施したNSABP B-32試験と比較すると、NSABP B-32試験ではセンチネルリンパ節生検の同定率は97.2%、偽陰性率9.8%であるのに対し、他の3試験では同定率は減少し偽陰性率は増加した。しかしながら、センチネルリンパ節を多め(3個以上)に摘出もしくは腫瘍の大きさをT2までに限ることで、センチネルリンパ節生検を可能にすることが示されている。
 また、偽陰性率を下げるための工夫として、転移のあったリンパ節に術前にクリップなどのマーキングをして手術で確実に切除することにより偽陰性率が低く抑えられた結果が報告されており、現在、多くの施設でさらなる検討が実施されている。
 さらに、もともとリンパ節転移があり術前薬物療法でリンパ節転移が消失した症例にセンチネルリンパ節生検が有用かどうかについて前向き試験で検討されており、結果が待たれている。

2)術前に臨床的にリンパ節転移が認められない症例でのリンパ節郭清の省略

 現在、センチネルリンパ節生検は、術後薬物療法の実施を決定するための「診断」として利用されることが多いことから、術後薬物療法はホルモン療法のみの予定のER陽性の高齢の乳がん症例において、センチネルリンパ節生検省略の安全性と有効性を検討する試験が組まれている(NCT02564848)。
 また、超音波画像で転移がないことが明らかであればセンチネルリンパ節生検は不要ではないかとのことから、超音波検査で転移陰性を診断したうえで省略するという前向きのSOUND試験(NCT02167490)も実施されている。
 同様に、術前薬物療法が実施され、画像上完全奏効が得られている症例で、術後薬物療法を実施することが決定しているトリプルネガティブまたはHER2陽性症例において、センチネルリンパ節生検の省略を検討する前向き試験(NCT04101851)が実施されている。

3)低悪性度のDCIS症例における手術の省略

 マンモグラフィの進歩によって、石灰化を伴うごく小さな非浸潤性乳管がん(DCIS)が発見されるようになった。他方、低悪性度のDCISでは手術の有無にかかわらず予後は変わらないことが報告されている。また、すべてのDCISが浸潤がんに進行するわけではないが、進行リスクの高い患者を予測する方法がないため、すべてのDCIS症例に手術や放射線治療がなされてきた。
 このような背景から、現在、世界では4つの前向き試験が実施されており、日本でもLORETTA試験(JCOG1505)が症例登録中で、いずれも低~中悪性度でER陽性のDCISを対象に、経過観察のみもしくは経過観察+ホルモン療法の安全性を検討している。枝園氏は、これらの試験の結果によっては、低悪性度の場合は手術しないというのもオプションの1つになると思われると期待を述べた。

4)術前薬物療法で臨床的完全奏効が得られた症例における手術の省略

 術前薬物療法は早期乳がんの標準治療の1つになっており、完全奏効が得られる症例が多くなっている。とくにHER2陽性乳がんでは半数以上がHER2阻害薬と化学療法で病理学的完全奏効(pCR)が得られると報告されている。しかし、現状では手術なしでpCRを確認する方法がないため、全例に手術を行うのが標準になっている。
 それに対して、海外では診断精度を高めるために、針生検を実施してがんの残存を確認する前向き試験が実施されているが、実際には完璧にpCRを予測するのが難しいとされている。
 そこで、わが国では、HER2陽性乳がんで術前薬物療法(化学療法+HER2阻害薬)により画像上で腫瘍が消失した患者に対して、手術なしでも予後は変わらないことを前向きに確認するAMATERAS試験(JCOG1806)を現在実施している。

 最後に枝園氏は、「手術の縮小は症状が出ることを避け、整容性を向上させることを目的としているが、逆に局所再発の増加を引き起こす。データ上、局所再発は生存に影響ないが長期的には影響が出てくるため、手術縮小と引き換えに全身療法や放射線療法が必要となる」と述べ、「これら3つの組み合わせによって手術縮小と治療を両立させることが重要である」と講演を締めくくった。

(ケアネット 金沢 浩子)


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TNBC術前化療への免疫療法併用、メタ解析結果/日本臨床腫瘍学会

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 早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)における術前化学療法と免疫療法併用の有効性についてメタ解析が行われ、併用による病理学的完全奏効率(pCR)の有意な改善が示された。またPD-L1発現状態に基づくサブグループ解析の結果、PD-L1陽性集団では併用によるpCRの有意な改善が示されたが、陰性集団では統計学的有意差は得られなかった。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)で、フィリピン・St. Luke’s Medical CenterのJessa Gilda Pandy氏が発表した。

 Pubmed、Embase、Cochrane、臨床試験データベースの系統的検索と手作業による検索により、TNBCにおける術前化学療法とPD-1/PD-L1阻害薬併用についての無作為化比較試験(RCT)を特定した。2020年3月までに発表された試験が対象。変量効果モデルを使用して、統合オッズ比(OR)がpCRについて計算された。また、PD-L1発現状態に基づくpCRのサブグループ解析も実施された。

 主な結果は以下のとおり。

・4つのRCT(Keynote-522、I-SPY2、NeoTRIPaPDL1、GeparNuevo)が解析対象とされた(384例)。
・術前化学療法と免疫療法の併用は、化学療法単独と比較して有意にpCRを改善した(58.5% vs.42.4%、OR:1.76、95%信頼区間[CI]:1.11~2.79、p<0.02)。
・PD-L1発現状態に基づくサブグループ解析の結果、併用群では、PD-L1陽性集団でPD-L1陰性集団よりも高いpCRが示された(64.5% vs.52.2%)。また、陽性集団では併用によるpCRの有意な改善が示されたが(OR:1.55、95%CI:1.16~2.09、p=0.003)、陰性集団では統計学的有意差は得られなかった(OR:1.42、95%CI:0.80~2.52、p=0.23)。
・有害事象は既知の安全性プロファイルと一致していた。多くみられたのは内分泌障害、甲状腺機能低下症であった。

 Pandy氏は、症例数の少なさなど本研究の限界に触れたうえで、PD-L1発現状態は、免疫療法併用によるベネフィットをより多く受けうる患者の選択に活用できる可能性があると結論づけている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)


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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用 その2【「実践的」臨床研究入門】第5回

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本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

診療ガイドラインの解説を読み込んでみる

 下記は、本連載でこれまでに少しずつブラッシュアップしてきた架空の臨床シナリオに基づいたCQとRQ(PECO)です 。

CQ:食事療法(低タンパク食)を遵守すると慢性腎臓病患者の腎予後は改善するのだろうか

P:慢性腎臓病(CKD)患者
E:食事療法(低タンパク食)の遵守
C:食事療法(低タンパク食)の非遵守
O:腎予後

  前回、このCQに関連した診療ガイドラインを検索したところ、「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018」1)がヒットしました。この診療ガイドラインの目次をパラパラと眺めてみると、われわれのCQにかなり似通ったCQの記載が見つかります(下記)。

CQ:CKD の進行を抑制するためにたんぱく質摂取量を制限することは推奨されるか?

 このCQの該当ページの冒頭には下記の推奨が述べられています。

 推奨:CKDの進行を抑制するためにたんぱく質摂取量を制限することを推奨する。ただし、画一的な指導は不適切であり、個々の患者の病態やリスク、アドヒアランスなどを総合的に判断し、腎臓専門医と管理栄養士を含む医療チームの管理の下で行うことが望ましい (推奨グレード B1)。

 今回は、この回答(推奨)の根拠となる本文の解説を読み込んでみました。すると、このガイドラインにおける、CKD患者に対する食事療法(低たんぱく食)に関するエビデンスの概要は以下のようにまとめられました(筆者による抜粋、一部改変)。

・過剰なたんぱく質摂取は糸球体過剰ろ過を促進して腎機能に影響を与え、腎機能低下時にはたんぱく質の代謝産物が尿毒症物質として蓄積する。

・たんぱく質制限の目安として、この診療ガイドラインの編者である日本腎臓学会は「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」2)で、CKDステージ1)別のたんぱく質摂取量の基準を提示している(ステージG3a:0.8~1.0g/kg標準体重/日、G3b以降:0.6~0.8g/kg標準体重/日)。

・CKD患者におけるたんぱく質制限による腎保護効果は、これまで多くのランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)3-13)や、それらを統合(メタ解析)した、いくつかのシステマティック・レビュー14-20)で検討されている。

・CKD患者(特に糖尿病非合併例)に対するたんぱく質制限は、腎機能低下抑制に有効な可能性がある。

・これらのエビデンスはほとんどが適格基準が厳しいRCTで示されたものである。また、腎臓専門医ならびに管理栄養士の指導の遵守率が高い状態の研究結果でもあり、CKD診療一般にあてはめることは難しい可能性がある。

・特に高齢CKD患者において、たんぱく質制限による低栄養、QOL悪化、生命予後悪化などの懸念があるが、これらの可能性を明らかに示した研究結果はこれまでに認められていない。

 

新たなエビデンスを積み上げる余地(ニッチ)はあるか

 たんぱく質摂取量は、腎機能障害の程度であるCKDステージ1)別に示されてはいますが、0.6g/kg標準体重/日を下限として0.8g/kg標準体重/日前後が推奨されているようです。これまで検討している架空の臨床シナリオに基づいたCQは、単施設での臨床データを用いることを想定しています(連載第1回冒頭のダイアローグ参照)。実は、この施設は非常に厳格なたんぱく質制限(低たんぱく食0.5g/kg標準体重/日)を指導することで有名であったとします。すると、このRQ(PECO)のEは以下のように、より具体的なカタチで定義することが出来ます。

P:慢性腎臓病(CKD)患者
E:食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の遵守
C:食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の非遵守
O:腎予後

 エビデンスの隙間(ニッチ)を埋めるひとつの方策として、PECOの各要素のうちE/Cの変更・修正を工夫することが挙げられます。その結果、新規性のあるRQを考案することができるのです。このガイドラインの解説には、非常に厳格なたんぱく質制限の臨床的なメリットとデメリットに関する記述は見当たりません。したがって、われわれが行う臨床研究でエビデンスの隙間(ニッチ)を埋められるかもしれません。次回は、引き続き診療ガイドラインの解説を読み込んで、新たなエビデンスを積み上げる余地(ニッチ)について更に検討していきます。

 


【 引用文献 】

【 参考文献 】

  • 1)福原俊一. 臨床研究の道標 第2版. 健康医療評価研究機構;2017.
  • 2)木原雅子ほか訳. 医学的研究のデザイン 第4版. メディカル・サイエンス・インターナショナル;2014.
  • 3)矢野 栄二ほか訳. ロスマンの疫学 第2版. 篠原出版新社;2013.
  • 4)中村 好一. 基礎から学ぶ楽しい疫学 第4版. 医学書院;2020.
  • 5)片岡 裕貴. 日常診療で臨床疑問に出会ったときに何をすべきかがわかる本 第1版.中外医学社;2019.

講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


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新型コロナでマンモグラフィ2ヵ月中止、診断時の病期に影響/ESMO Open

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 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の影響を強く受けた北イタリアではマンモグラフィ検診が2ヵ月間中止となった。イタリア・Azienda Ospedaliero-Universitaria di ModenaのAngela Toss氏らが、検診中断後の乳がん診断時および初期治療時の病期を調査したところ、検診中断後にリンパ節転移陽性およびStage IIIの乳がんが増加していた。ESMO Open誌オンライン版2021年2月11日号に掲載。

 本研究は単施設での後ろ向き研究で、2ヵ月間のマンモグラフィ検診中断後の2020年5~7月に乳がんと診断された177例(女性174例、男性3例)の臨床病理学的特徴について、定期的に検診を実施していた2019年の同時期に乳がんと診断された223例(女性221例、男性2例)と比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・2ヵ月間の検診中断により、非浸潤がんでの診断は有意に減少し(2019年17.2%→2020年6.87%、p=0.0021)、リンパ節転移陽性(2019年12.5%→2020年23.7%、p=0.0034)およびStage III(2019年2.2%→2020年12.5%、p=0.0001)での診断は有意に増加した。
・増殖能が高い患者群(MIB-1≧20%)では、リンパ節転移陽性は18.5%増加し(p=0.0352)、Stage IIIは11.4%増加した(p=0.045)。
・増殖能が低い患者群(MIB-1<20%)では、リンパ節転移陽性は変わらなかった(p=1)が、Stage IIIは9.3%増加した(p=0.0064)。

(ケアネット 金沢 浩子)


【原著論文はこちら】

Toss A, et al. ESMO Open. 2021;6:100055.[Epub ahead of print]

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