リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その4【「実践的」臨床研究入門】第24回

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本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

 下記は、連載第22回でも提示した、われわれのコクラン・システマティックレビュー(SR:systematic review)論文1)のクリニカル・クエスチョン(CQ)とリサーチ・クエスチョン(RQ)のP(対象)とI(介入)です。

CQ:アルドステロン受容体拮抗薬は維持透析患者の予後を改善するか
P:維持透析患者
I :アルドステロン受容体拮抗薬

 今回からは、このコクランSR論文1)の検索式の具体例を読み解きながら、実際の検索式の構造について解説します。

Pの構成要素をORでつないでまとめる

 検索式はPとI(もしくはE)で構成すると説明しました(連載第22回参照)。実際の検索式ではPとI(もしくはE)の構成要素に分けて、論理演算子(ANDやOR)でつなぎます。PやI(もしくはE)、それぞれの構成要素は、MeSH(Medical Subject Headings)やテキストワードで表される類似した語句を”OR”でつなげて、できるだけ検索漏れが少なくなるようにするのです。

 それでは、われわれのコクランSR論文1)の実際の検索式をみてみましょう(参照 Appendix 1. Electronic search strategies)。データベースごと(CENTRAL、MEDLINE、EMBASE)の検索式が公開されています。これらの検索データの違いについては連載第17回をご参照ください。ここでは、実際の文献検索の参考になるように、MEDLINEの検索式をPubMed用に変換した検索式を用いて解説します。

 以下は、Pの構成要素に該当する部分の検索式です。 

1.Renal Replacement Therapy[mh:noexp]
2.Renal Dialysis[mh:noexp]
3.Peritoneal Dialysis[mh]
4.CAPD[tiab] OR CCPD[tiab] OR APD[tiab]
5.Hemodiafiltration[mh]
6.Hemodialysis, home[mh]
7.dialysis[tiab]
8.hemodialysis[tiab] OR haemodialysis[tiab]
9.hemofiltration[tiab] OR haemofiltration[tiab]
10.hemodiafiltration[tiab] OR haemodiafiltration[tiab]
11.end-stage-kidney[tiab] OR end-stage-renal[tiab] OR endstage-kidney[tiab] OR endstage-renal[tiab]
12.ESKD[tiab] OR ESKF[tiab] OR ESRD[tiab] OR ESRF[tiab]
13.#1 OR #2 OR #3 OR #4 OR #5 OR #6 OR #7 OR #8 OR #9 OR #10 OR #11 OR #12

 まず、#1-3ではPの構成要素の概念である「透析」に関連するMeSH term (統制語)がリストアップされ、「タグ」でもMeSHが検索項目として指定されています(連載第23回参照)。#3のタグは[mh]、#1、 2のタグは[mh: noexp]ですが、そのMeSH term に付随する下位のMeSH termも含むか含まないか、という指定の違いになります。

 たとえば、#1の”Renal Replacement Therapy”というMeSH termの階層構造は下記およびリンクのようになっています。

○Renal Replacement Therapy
 ■Continuous Renal Replacement Therapy
 ■Hemofiltration
 ■Hemoperfusion
 ■Hybrid Renal Replacement Therapy
 ■Intermittent Renal Replacement Therapy
 ■Kidney Transplantation
 ■Renal Dialysis
  ●Hemodiafiltration
  ●Hemodialysis, Home
  ●Peritoneal Dialysis

 このコクランSR論文1)のPの構成要素の概念は「透析」のなかでも慢性期に行う「維持透析」です。したがって、”Renal Replacement Therapy”のひとつ下の階層に位置するMeSH termのうち、急性期に行う”Continuous Renal Replacement Therapy”や、特殊な血液浄化療法である”Hemoperfusion”、”Hybrid Renal Replacement Therapy”、”Intermittent Renal Replacement Therapy”、また”Kidney Transplantation”は、Pの構成要素に該当しません。そのため、Renal Replacement Therapy[mh:noexp]として、これらの下位のMeSH termは含まない検索式にしているのです。”Renal Dialysis”以下の「維持透析」の概念に含まれるMesh Termは#2、 3、 5、 6で個別に指定して補完しています。また、#4、 7、 8-10ではMeSHで拾えない同義語・関連語をテキストワードで記述し、「タグ」でTitle/Abstractを指定して検索式に組み込んでいます(連載第23回参照)。

 Pである維持透析患者は末期腎不全患者という表現もされます。#11では「フレーズ検索」を使用することにより、これらのテキストワードが「タグ」で指定したTitle/Abstractに含まれる論文を検索しています。「フレーズ検索」とはハイフンでつないだ単語が指定した順序で出現するフレーズを検索する機能です。ハイフンを使わずに、フレーズを””(ダブルクォーテーション)で囲んでも「フレーズ検索」になります。#12は、”ESKD”や”ESKF”などの末期腎不全を示す略語をカバーしています。

 最後に、#13で#1から#12までをORでつなぐことにより、Pの構成要素の検索式が出来上がります。

 


【 引用文献 】

講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


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臨床応用近づく 乳房超音波診断へのAIの導入~展望と課題(林田 哲氏 / 中村 清吾氏)

 本邦での実用化を目指し、乳房超音波検査でのAI診断システムの開発を進める慶応義塾大学医学部一般・消化器外科の林田 哲氏にその概要を解説いただくとともに、昭和大学医学部乳腺外科の中村 清吾氏との対談で、臨床応用に向けた課題や実用化の展望、世界的な開発状況などについてお話いただきます。

 

 

[演者紹介]

林田 哲 (はやしだ てつ)

慶応義塾大学医学部一般・消化器外科
慶応義塾大学病院ブレストセンター長


中村 清吾(なかむら せいご)

昭和大学医学部乳腺外科
昭和大学病院ブレストセンター長

 


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海外研修留学便り 【米国留学記(猪狩 史江氏)】第1回

[ レポーター紹介 ]
猪狩 史江いがり ふみえ

2007年 3月 獨協医科大学医学部医学科卒業
2007年 4月 順天堂大学医学部附属浦安病院 臨床研修医
2009年 4月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 乳腺科 助手
2017年 3月 順天堂大学大学院医学研究科 博士(医学)課程 修了
2018年 1月 順天堂大学順天堂医院 乳腺科 助教
2019年 4月 順天堂大学順天堂医院 乳腺科 非常勤助教
      Cedars Sinai Medical Center Los Angeles U.S.
      Visiting Postdoctoral Scientist
2021年  6月  順天堂大学順天堂医院 乳腺科 助教
2021年10月  順天堂大学附属浦安病院 乳腺・内分泌外科 助教
2022年10月  順天堂大学附属浦安病院 乳腺・内分泌外科 准教授

 

 私は2019~21年の2年間、米国・カリフォルニア州にある、Cedars Sinai Medical CenterにVisiting Postdoctoral Scientistとして研究留学をしておりました。

 海外留学を目指されている方々の参考に、少しでも力になれれば幸いです。

私にとっての海外留学

人生の目標だったことが、人生の宝物に。

 

留学を志したきっかけ〜専門医取得後の次なる目標の探索〜

 私が所属する医局では、年1回その時の自分が考えている将来像をMissionとVisionに分け、具体的な目標設定をするような教授面談がありました。入局当初の目下の目標は、”乳腺専門医を取得すること”でした。乳腺外科医を志すほとんどの若手は、まずこの目標を掲げるのが普通だと思います。私もその1人で、臨床医として中途半端になりたくないという思いから、臨床経験の研鑽を積むのに必死でした。

 さまざまな患者さんに巡り合う経験をしていく中で、各々にClinical Questionがあることを自覚し始めました。臨床的にはこれが問題で、こういうことを知りたい・乳がんのBiologyではどうなのだろうと考えるようになり、基礎研究の門をたたきに大学院に進みました。せっかく大学院に進むのだから、基礎研究を一から学びたいと思い、基礎ラボの経験をさせて頂きました。これはこれで大変な道のりでしたが、この経験が後の研究留学を支えてくれたことは間違いないです。

 また医局内で、若手医師が海外学会に参加できる機会を与えて下さっていたこともあり、私も何度か参加させて頂きました。初めてSt.Gallen Conferenceに参加した際、日本の一施設で日々実臨床で抱えていたClinical Questionが、世界中でも同様に議論されていたことに感銘を受けました。大袈裟に言うと、世界が近く感じた経験でした。その経験以来、海外学会で発表することを毎年の目標としてきました。

 大学院在学中には、文部科学省主催の“がんプロフェッショナル育成事業”の一環で、トランスレーショナルリサーチを学びにMD Anderson Cancer Centerでの見学実習に参加しました。日米の研究環境、医療・社会制度の違い、日本ではあまり感じることが薄い、人種・宗教観の違いなどを目の当たりにしました。またこの研修では、薬剤師・研究職・医師といったバックグランドが異なるメンバーで研修をしたことで、各職種の視点からの考えを伺うことができ、視野が広がる有意義な経験となりました。

 自分なりに充実した大学院生活を経て、当初の目標であった乳腺専門医の取得も達成し、再び臨床生活に戻りました。さて、次の目標はどうしよう。

 世界が身近に感じ始め、海外留学を考え始めたのは、この頃でした。

留学先探し〜人と人の繋がり〜

 コネクションがなければ、新規で留学先を探し始めてもすぐには決まらないことは知っていました。まず留学経験のある先生方からアドバイスを頂き、周囲に留学先を探していることを発信し続け、人伝に留学のお話を頂く機会を増やしていきました。私の場合は、留学先が決まるまで結局約4年かかりましたが、研究環境、生活環境(治安・気候など)等が自分の希望とマッチするラボから運良くお話を頂くことができました。

Cedars Sinai Medical Center Tanaka Lab

 

留学先が決まったら〜準備で頭痛の日々、本当に渡米できるのか??〜

 まずは英語の壁。ネイティブのような文法の使い方や日常会話は独学で準備しました。研究費取得の申請や、留学先によっては英語のコミュニケーション能力評価を提示するためにTOEFL等の結果の提示が必要であったので、受験もしました。

 生活費の問題。海外留学補助支援のための研究費取得に、いくつかアプライしました。年齢制限を設けている事も多く、もし少しでも海外留学を考えているのであれば、早くから動くに越したことはありません。渡米後に他国から来ている留学生から驚かれたのは、少なからずの方が無給で留学に来ることです。M.D.、Ph.D.を持っているのに、なぜ日本人は無給で働くのかとよく聞かれました。米国は資格に対する対価が日本より明確です。私の施設では、州の最低賃金をクリアできる収入保証を提示できないと、ビザが下りませんでした。とくに米国はそういった施設が増えているようです。日本社会が目指す”人への投資”の一環として、海外留学・研究支援金のサポート充実にぜひ期待したいです。

 ビザの申請には、受け入れ先からDS2019を発行してもらう必要があります。私は4月から渡米予定で調整していたので、常勤先も3月で退職。だが3月に入ってもDS2019が来ない…。周囲にも本当に渡米できるのかと心配されましたが、3月下旬にやっと取得できました。このぎりぎり感、米国あるあるかも? と思いながら…、そして渡米してからも、米国あるあるの数々のミッションに直面していくのでした。

自宅近くの美術館(LA County Museum of Art [LACMA])からの夕日
毎日こんなにも美しい夕日を見るために、海外留学を目指してはいかがですか?

 


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4 海外研修留学便り【米国留学記(猪狩 史江氏)】第4回

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1 海外研修留学便り【米国留学記(猪狩 史江氏)】第1回

リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その3【「実践的」臨床研究入門】第23回

提供元:CareNet.com

本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

 MEDLINE(PubMed)のような1次情報源を活用した文献検索においては、できる限り多くの関連研究を収集できるように、網羅的かつ客観的で再現可能な検索式の構築が必要となります。そのために有用なツールであるMeSH(Medical Subject Headings)や(連載第21回参照)、検索式構成のための基本的なポイント(連載第22回参照)について説明しました。今回からは、実践的な検索式構築について解説していきます。

MeSHとテキストワードの両方を使い、タグを活用して検索

 これまで、検索式構築におけるMeSHの有用性について強調してきましたが、MeSHにも弱点があります。

 MeSHでは、新しい概念や略語、薬剤の製剤名などはカバーされていないことが多いです。また、とくに新しい論文ほど個々の文献へのMeSHの付与(連載第21回参照)が漏れていることもあるようです(近年は自動化が進んでいるようですが)。そのため、実際の検索式では、MeSHだけでなくテキストワードも用いることが一般的です。

 テキストワードでは、MeSHで拾えない同義語・関連語、(アメリカ英語とイギリス英語で)異なるスペル、略語や(薬剤の)固有名詞など、を指定します。

 たとえば、前回PICOの例として取り上げた、われわれのコクラン・システマティックレビュー(SR: systematic review)論文1)のP(対象)の構成要素の概念である「透析」”dialysis”のMeSHは”Renal Dialysis”でした(連載第22回参照)。“MeSH Database”で”Renal Dialysis”を調べると、リンク(および下記)のように”Renal Dialysis”の説明がなされています(連載第21回参照)。

“Therapy for the insufficient cleansing of the blood by the kidneys based on dialysis and including hemodialysis, peritoneal dialysis, and hemodiafiltration.”
「(自己の)腎臓による血液浄化が不充分な場合の、血液透析、腹膜透析、血液濾過透析を含む透析(という技術)に基づく治療法(筆者による意訳)。」

 ”hemodialysis”や”hemodiafiltration”はイギリス英語のスペルではそれぞれ、”haemodialysis”、”haemodialysis”となります。”peritoneal dialysis”は”CAPD”などの略語で示されることもあります。

 また、この論文1)のI(介入)の構成概念である”aldosterone receptor antagonist”のMeSHは”Mineralocorticoid Receptor Antagonists”でしたが、具体的な個別の薬剤の固有名詞はカバーできないおそれがあります。

 そこで、検索式に”spironolactone”や”eplerenone”などの製剤名をテキストワードで加えて対応します。

 「タグ」を活用した検索項目の指定方法についても説明します。検索ワードの末尾に「タグ」を付けることにより、検索項目を限定することが出来ます。「タグ」で指定できる検索項目の一覧は、PubMedトップページの左下のリンク、FAQs & User Guideのページを下にスクロールすると”Search Field descriptions and tags”という小見出しの後に列記されていますので、ご参照ください。

 ここでは、検索式で良く使うタグを紹介します。

 実践的には、MeSHとテキストワードを併用し、タグを活用して検索式を組み立てるのです。

 


【 引用文献 】

講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
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[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
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 前回、網羅的なPubMed検索を行うために役立つツールであるMeSH(Medical Subject Headings)の概要を説明しました。今回からは、MeSHも活用したPubMed検索式の具体的な作成方法について解説します。

 まずは、あなたの「漠然とした臨床上の疑問」であるクリニカル・クエスチョン(CQ)を「具体的で明確な研究課題」であるリサーチ・クエスチョン(RQ)に変換しましょう(連載第1回参照)。言い換えると、CQをRQの典型的な「鋳型」であるPE(I)COのP(対象)とE(曝露要因)もしくはI(介入)、C(比較対照)、O(アウトカム)に流し込むのです。

 ここでは、われわれが最近出版したコクラン・システマティックレビュー (SR: systematic review)論文1)のPICOを例に挙げて、説明します。

検索式はPとI(もしくはE)で構成する

 降圧薬の1種であるアルドステロン受容体拮抗薬は、心血管疾患(CVD: cardiovascular disease)発症リスクを低下させることが知られています。しかし、腎機能が廃絶した透析患者では、アルドステロン受容体拮抗薬の作用機序から重篤な高カリウム血症を生じる懸念もあり、その有効性と安全性については確かなエビデンスは確立されていませんでした。このような背景のもと、われわれは下記のCQとRQ(PICO)を立案しました。

CQ:アルドステロン受容体拮抗薬は透析患者の予後を改善するか
P:透析患者
I :アルドステロン受容体拮抗薬
C:プラセボもしくは通常治療(アルドステロン受容体拮抗薬なし)
O:全死亡、CVD死亡、CVD発症、高カリウム血症、など

 このように、RQ(PICO)を立てた後、はじめに押さえておくべき検索式作成のポイントは、下記のとおりです。

 まず、PとI(またはE)というRQの2つの構成要素の概念を英語検索ワードに変換して、検索式の構築を考えます。

 適切な英語検索ワードの選択については連載第3回で解説しました。その手順を踏んで、Pの構成要素の概念である「透析」をライフサイエンス辞書で検索してみると、まず”dialysis”という英語キーワードがヒットします。続いて、前回解説したMeSHも調べてみましょう。MeSHデータベースで”dialysis”を検索すると、リンクのように”Renal Dialysis”や”Dialysis”、”Peritoneal Dialysis”などのMeSH term(統制語)がヒットします。Iのアルドステロン受容体拮抗薬もライフサイエンス辞書で調べると、”aldosterone receptor antagonist”という英語キーワードが検索されます。同様に、MeSHデータベースで”aldosterone receptor antagonist”をキーワードに検索すると、リンクのように”Mineralocorticoid Receptor Antagonists”がMeSH termでした。

 検索式作成におけるもう一つのポイントは、CとOは検索式に一般的には含めない、ということです。なぜなら、CやOはひとつの構成概念では決まらないことが多いからです。実際、今回提示したわれわれのコクランSR1)論文のRQ(PICO)でも、Cはプラセボもしくは通常治療と2つの概念で構成されています。Oも、ここで記載した4つのアウトカムだけでなく、Summary of findings tableに記載した主要なものだけでも、女性化乳房(アルドステロン受容体拮抗薬の頻度の多い副作用)、左心室重量(心エコーにて評価)と計6つ挙げています1)。また、PubMedでの検索の対象になるのは論文タイトルと抄録ですので、CやOの構成概念は必ずしも記載されていないことが多い、ということもCとOを検索式に含めない理由とされています。

 


【 引用文献 】

講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


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32. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その7

31. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その6

30. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その5

29. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その4

28. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その3

27. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その2

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25. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その5

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14. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その3

13. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その2

12. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用その1

11. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その2

10. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その1

9. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その3

8. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その2

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5. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その2

4. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その1

3. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビューその2

2. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー その1

1. 臨床上の疑問とリサーチ・クエスチョン

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海外研修留学便り 【米国留学記(村上 和香奈氏)】第4回

[ レポーター紹介 ]
村上 和香奈むらかみ わかな

2010年     防衛医科大学校卒業・海上自衛官任官
2010-2012年 防衛医科大学校・自衛隊中央病院 初期研修医
2012-2014年 海上自衛隊脳神経外科
2012-2015年 昭和大学病院脳神経外科・救命救急科
2015-2022年 防衛医科大学校放射線科
2016-現在   相良病院 特別研究員
2017-現在   昭和大学大学院医学研究科博士課程
2019-2021年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)放射線科

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)乳腺放射線科に研究員として留学後、現在は昭和大学放射線医学講座に勤務する村上 和香奈氏に、現地での研究内容や日米での検診・診断システムの違いなどについて4回にわたりレポートいただきます。第4回では米国での放射線科医のキャリアや他職種との協働の実際についてお伺いしました。

 

第4回:米国での放射線科医の働き方

 

 

2022.07.15 


ASCO2022レポート 乳がん

akihiko_shimomura

提供元:CareNet.com

レポーター:下村 昭彦氏
(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 乳腺・腫瘍内科)

 2022年6月3日から7日まで5日間にわたり、2022 ASCO Annual Meetingが今年はハイブリッドで実施された。日本からの現地参加者はそれほど多くなかったようであるが(筆者調べでは、乳がん関係者は10人未満の参加)、プレナリーのトップバッターを務められた国立がん研究センター東病院の吉野先生をはじめ、オーラルやポスターで発表された方々の中には現地参加された方も多かったようである。私は昨年と同じくバーチャルでの参加となったが、やはり日常診療をしながら深夜に学会に参加するのは負担が大きく、また会場の特別な空気感の中でほかの研究者と直接意見交換する機会を持てないのは寂しいものである。来年は現地で参加できることを願ってやまない。

 さて、2022年のテーマは“Advancing Equitable Cancer Care Through Innovation”であった。乳がん領域では昨年に引き続きプレナリーで日常臨床を変える結果が発表され、ほかにも抗体医薬複合体(antibody drug conjugates:ADCs)の演題が多く、さまざまな概念が変わった年であったといえるであろう。

 乳がんの演題について、プレナリーセッションの1題、Metastaticから2題、Local/Adjuvantから1題を紹介する。

HER2低発現の切除不能・転移乳がんに対するトラスツズマブ デルクステカンと主治医選択治療を比較した第III相臨床試験(DESTINY-Breast04試験, LBA2)

 まず1つ目に、これまで10年以上にわたって私たちがよりどころとしてきたサブタイプの概念を変えることとなったプレナリーの演題を紹介する。

 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は抗HER2抗体にトポイソメラーゼ阻害剤を結合したADCsであり、単群第II相試験であるDESTINY-Breast01試験の結果をもって日本を含めた各国で承認され、HER2陽性乳がんに対して使用されている薬剤である。DESTINY-Breast03試験では圧倒的な差でT-DM1よりも優れており、2次治療における標準治療と位置付けられている。本薬剤の第I相試験ではHER2低発現(HER2 IHC 1+もしくは2+かつISH陰性)に対しても有効性が認められたことから、本試験が計画された。HER2低発現は転移乳がん(MBC)の約50%を占める。

 DESTINY-Breast04試験は、HER2低発現の切除不能・転移乳がんに対して、2~3次治療としてT-DXdと主治医選択治療(treatment of physician’s choice:TPC、カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセルから選択)を、ホルモン受容体(hormone receptor:HR)陽性患者における無増悪生存期間(progression free survival:PFS)を主要評価項目として検証した第III相試験である。

 373例(うちHR陽性331例)がT-DXd群に、184例(うちHR陽性163例)がTPC群に割り付けられた。主要評価項目のHR陽性集団におけるPFSにおいて、10.1 vs.5.4ヵ月(HR:0.51、95%CI:0.40~0.64、p<0.0001)とT-DXd群において有意に良好であった。また、全患者においても9.9 vs.5.1ヵ月とHR陽性集団と同傾向であった。さらに副次評価項目の全生存期間(overall survival:OS)において、HR陽性集団では23.9 vs.17.5ヵ月(HR:0.64、95%CI:0.48~0.64、p=0.0028)と統計学的有意にT-DXd群で良好であり、全患者においても23.4 vs.16.8ヵ月とHR陽性集団と同様であった。探索的解析ではHR陰性(すなわち、これまでトリプルネガティブ乳がんと呼んでいたサブタイプ)においても、PFSで8.5 vs.2.9ヵ月、OSで18.2 vs.8.3ヵ月とHR陽性と同様にT-DXd群で良い傾向であった。サブグループ解析でも、あらゆるサブグループにおいてT-DXdの有効性が示された結果であった。腫瘍縮小においてもHR陽性で52.6 vs.16.3%、HR陰性で50.0 vs.16.7%であり、T-DXd群で高い奏効が得られた。

 一方、T-DXdは注意すべき有害事象の多い薬剤である。G3以上の有害事象はT-DXd群で53%、TPC群で67%であり、むしろT-DXd群で少ない傾向にあった。T-DXdでとくに注意すべき有害事象は12.1%であり、これまでの試験と大きな差は認めなかった。しかし、G5が0.8%で認められている。これはDESTINY-Breast03試験では認められなかった事象である。比較的治療歴の濃厚な症例が含まれていたことが一因かもしれないが、より詳細な検討が必要だと思われる。心毒性の頻度は低く許容範囲内であろう。

 本試験は、乳がんに「HER2低発現」という新たなサブタイプを築いた。今後われわれはこれまでのサブタイプの概念を捨てて、さまざまなバイオマーカーを複合的に判断しながら治療戦略を考えていく必要がある。

HR陽性HER2陰性乳がんに対するsacituzumab govitecan(SG)と主TPCを比較した二重盲検無作為化第III相試験(TROPiCS-02試験, LBA1001)

 ADCsの試験をもうひとつ紹介する。SGはTROP-2という細胞表面タンパクを標的としたADCsであり、2020年のESMOでは、MBCに対する治療歴のあるトリプルネガティブ乳がん(triple negative breast cancer:TNBC)を対象として行われたASCENT試験で、PFS、OSのいずれも改善したことが示された薬剤である。国内ではまだ開発の途上であるが、米国などでは承認され標準治療の1つとなっている。こちらも、先行して行われた第I相試験でHR陽性HER2陰性集団に対しても有効性が期待されており、本試験が計画された。

 TROPiCS-02試験は、内分泌療法1レジメン、CDK4/6阻害剤1レジメン、タキサン含む化学療法2~4レジメンの治療歴があるHR陽性HER2陰性MBCを対象として行われた。

 SGとTPC(カペシタビン、エリブリン、ビノレルビン、ゲムシタビンから選択)に、それぞれ272例、271例が割り付けられた。いずれの群においても95%が内臓転移を有していた。主要評価項目のPFSにおいて5.5 vs.4.0ヵ月(HR:0.66、95%CI:0.53~0.83、p=0.0003)と、統計学的有意にSG群で良好であった。サブグループ解析では、いずれのサブグループにおいてもSG群で良好な結果であった。副次評価項目のOSについては中間解析が実施され有意差は認められなかったが、ややSG群で良好な傾向を認めた。奏効率についてはSG群で21%、TPC群で14%であった。G3以上の有害事象はSG群で74%、TPC群で60%であり、SGの特徴である血球減少や消化器毒性が報告された。

 DESTINY-Breast04試験と比べるとやや心もとない結果ではあるものの、TROPiCS-02試験のほうが治療歴はずっと濃厚であること、内臓転移のある症例がほとんどであること、全例がタキサン治療歴を有するなど、予後不良集団がエンリッチされていることが原因と考えられる。これら2試験の結果から、HR陽性HER2陰性乳がんにおいても複数のADCsが今後治療選択の中に入ってくることになるであろう。

HER3を標的としたADCsであるpatritumab deruxtecanの第I/II相試験の結果(#1002)

 もうひとつ新しいバイオマーカーを対象とした試験を紹介しておきたい。patritumab deruxtecan(HER3-DXd)は、抗HER3抗体であるpatritumabにT-DXdと同じ殺細胞性薬剤であるデルクステカンを結合した新しいADCである。乳がんを対象として第I/II相試験が実施されていたが、その有効性の結果が発表された。なお、用量漸増パートでは最大耐用量に到達せず、最終的に6.4mg/kgが推奨用量となった。用量漸増パート、用量設定パートでは全サブタイプを対象として実施され、その後HR陽性HER2陰性またはTNBCかつHER3-highと、HR陽性HER2陰性かつHER3-lowを対象として拡大パートが実施された。

 全パートを統合して解析した奏効率は、HR陽性HER2陰性HER3-high and lowで30.1%(95%CI:21.8~39.4)、TNBC HER3-highで22.6%(95%CI:12.3~36.2)、HER2陽性HER3-highで42.9%(95%CI:17.7~71.1)と高い奏効を認めた。PFSはそれぞれ7.4ヵ月(4.7~8.4)、5.5ヵ月(3.9~8.4)、11.0ヵ月(4.4~16.4)であり、こちらも濃厚な治療歴のある症例を対象とした第I/II相試験としては十分良好な結果であった。

 毒性についてはG3以上が4.8mg/kgコホートで64.6%、6.4mg/kgコホートでは81.6%であった。とくに頻度が高い有害事象としては好中球減少、血小板減少、白血球減少、貧血などの血液毒性が多く、悪心、食欲低下、嘔吐、下痢などの消化器毒性や粘膜障害、倦怠感、脱毛などが見られていた。

 HER3という新たなバイオマーカーを対象としたADC出現によって、今後さらにサブタイプの概念が変わっていく可能性が高い。多くの治療選択肢からどのようにして最適な治療を選択していくか、より深い議論が必要となるであろう。

乳房温存手術を受けたT1N0 Luminal A乳がんに対する放射線治療省略(LUMINA試験, LBA501)

 日本国内では乳房再建術が保険適用となってから乳房全切除術が増加しているものの、約半数には乳房温存手術(breast conserving surgery:BCS)が実施されている。温存乳房に対する放射線治療(radiation therapy:RT)は標準治療であり、RTによって局所再発を67%減らすことが可能である。一方、(寡分割照射の実施が増えているにせよ)毎日の照射は患者にとって負担であるし、皮膚の変化や放射線肺臓炎など、有害事象も少なくない。そこで、再発低リスクのLumina Aタイプの患者を対象として、術後RTの省略を試みた試験が本試験である。Luminal AタイプのBCS+RT後の5年局所再発率は2.8%と報告されている。

 LUMINA試験では低リスクのLuminal Aタイプの患者の定義として、55歳以上、T1N0、G1~2、ER≧1%、PgR>20%、HER2陰性かつKi67≦13.25%と定義した。前向き単群試験として、閾値5年局所再発率を5%未満と定義した。Ki67は中央判定で評価し、必要サンプル数は500と設定された。また試験参加者は少なくとも5年間のホルモン療法(アロマターゼ阻害剤またはタモキシフェン)を実施された。500例の患者が登録され、55~64歳が40%、65~74歳が48%、75歳以上が12%であった。主要評価項目の5年局所再発率は2.3%(95%CI:1.3~3.8)であった。局所再発は試験登録から2.5年たったところから徐々に増加していた。副次評価項目である対側乳がんの発症は1.9%(95%CI:1.1~3.2)、すべての再発は2.7%(95%CI:1.6~4.1)、5年無病生存は89.9%(95%CI:87.5~92.2%、半数が乳がん以外の2次がん)、5年OSは97.2%(95%CI:95.9~98.4%、乳がん死は1例のみ)と非常に良好な成績であった。

 この結果から55歳以上で増殖能が低く、また早期のLuminal Aタイプ乳がんではRT省略についても検討の余地が出てくると考えられる。

 


レポーター紹介

下村 昭彦 ( しもむら あきひこ ) 氏
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 乳腺・腫瘍内科

リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その1【「実践的」臨床研究入門】第21回

提供元:CareNet.com

本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

 これまで、関連研究レビューのための情報ソースとして、1次情報ではなく、まずは、2次情報(診療ガイドラインやUpToDate®、コクラン・ライブラリー、など)の活用をお勧めし(連載第3回参照)、それらの実践的な使用方法について解説してきました。今回からは、医学研究における1次情報の最も代表的な検索インターフェースである、PubMedの活用方法について解説します。

 PubMedは米国国立医学図書館(United States National Library of Medicine:NLM)が作成している、生物医学系論文の書誌情報と抄録の電子データベースであるMEDLINEの検索プラットフォームです。PubMedの運営もNLMが行っており、無料で提供されています。その他の検索プラットフォームとデータベースについても、連載第17回で解説しましたので、ご参照ください。

 ここでは、まず、PubMed検索の際に有用なツールであるMeSH(Medical Subject Headings)について紹介します。

PubMedの統制語辞書MeSH

 はじめに、統制語について説明します。統制語とは、いろいろな類語で表現されるひとつの概念を表す、代表的な単語です。MeSHは、NLMが作成した、さまざまな医学用語を統一し、上位語・下位語や同義語・類義語を整理した統制語辞書です。PubMedではMeSHを利用することで、より網羅的な検索ができるようになります。

 それでは、実際にMeSHを使ってみましょう。下記は、これまでブラッシュアップしてきた、われわれのClinical Question (CQ)とResearch Question(RQ)、 PECOです(連載第14回参照)。

CQ:食事療法を遵守すると非ネフローゼ症候群の慢性腎臓病患者の腎予後は改善するのだろうか
P:非ネフローゼ症候群の慢性腎臓病(CKD)患者
E:食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の遵守
C:食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の非遵守
O:1)末期腎不全(透析導入)、 2)eGFR低下速度の変化

 このCQのキーワードである、「低たんぱく食(low protein diet)」(連載第3回参照)で、MeSHを調べてみます。まず、PubMedのトップページを開きます。トップページの右下にMeSH Databaseというリンクがありますので、クリックします。MeSH Databaseの検索窓が出てきますので、”low protein diet”と入力してみましょう。すると、PubMedのリンクのように”Diet, Protein-restricted”が低たんぱく食のMeSH term(統制語)であることがわかります。

 下にスクロールしていくと、”Entry Terms”という小見出しの後に、下記のような類語が列記(一部略)されており、これらは上記のMeSH Term, “Diet, Protein-restricted”ひとつで統制されます。

・Low Protein Diet
・Protein Restricted Diet
・Protein-Restricted Diets
・…

 一方、個々の文献にはMeSH Termが10語程度付与されています。その論文のMajor TopicとなるMeSH Termにはアスタリスク(*)がついています。

 実際に、これまで何度か取り上げた、われわれのCQの「Key論文」1)で見てみましょう。この論文のPubMedのリンクを下にスクロールすると、”MeSH terms”の小見出しがあり、この論文に下記の通り(一部略)のMeSH Termが登録されていることがわかります。

・Diet, Protein-restricted*
・Disease Progression*
・Glomerular Filtration Rate
・…

 PubMedではMeSH Termを利用することで、より網羅的な検索ができるようになります。今回、お示ししたように、自身のRQの「Key論文」(連載第8回参照)で登録されているMeSH Termを「逆引き」してみるのも良いと思います。

 


【 引用文献 】

講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


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4. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その1

3. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビューその2

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1. 臨床上の疑問とリサーチ・クエスチョン

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ASCO2022 FLASH 乳がん

|企画・制作|ケアネット

2022年6月3日から7日まで開催された2022 ASCO Annual Meetingで発表された旬な乳がんトピックを、国立がん研究センター中央病院の下井 辰徳氏がレビュー。


レポーター紹介

harasense

下井 辰徳 ( しもい たつのり ) 氏
国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科


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海外研修留学便り 【米国留学記(村上 和香奈氏)】第3回

[ レポーター紹介 ]
村上 和香奈むらかみ わかな

2010年     防衛医科大学校卒業・海上自衛官任官
2010-2012年 防衛医科大学校・自衛隊中央病院 初期研修医
2012-2014年 海上自衛隊脳神経外科
2012-2015年 昭和大学病院脳神経外科・救命救急科
2015-2022年 防衛医科大学校放射線科
2016-現在   相良病院 特別研究員
2017-現在   昭和大学大学院医学研究科博士課程
2019-2021年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)放射線科

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)乳腺放射線科に研究員として留学後、現在は昭和大学放射線医学講座に勤務する村上 和香奈氏に、現地での研究内容や日米での検診・診断システムの違いなどについて4回にわたりレポートいただきます。第3回では米国での乳がん検診についてお伺いしました。

 

第3回:米国での乳がん検診・画像診断の最前線

 

2022.06.15