14.Mineralocorticoid Receptor Antagonists[mh] 15.Diuretics, Potassium Sparing[mh:noexp] 16.spironolactone[tiab] 17.eplerenone[tiab] 18.canrenone[tiab] 19.#14 OR #15 OR #16 OR #17 OR #18
#14は「アルドステロン受容体拮抗薬」のMeSH term (統制語)である”Mineralocorticoid Receptor Antagonists”です(連載第22回参照)。「アルドステロン受容体拮抗薬」は降圧薬の一種でK保持性利尿薬に分類される薬剤です。”Mineralocorticoid Receptor Antagonists”というMeSH termの階層構造をみてみると、下記およびリンクのとおりとなります。
Cedars-Sinai Medical CenterのBreast Surgeryと協力し、BioBankという臨床サンプルの保存・管理を統括して行うセンターを介して臨床検体の提供を受けました。この仕組みはトランスレーショナルリサーチを行うのにとても簡便でした。Breast SurgeryのChief Directorは、Z0011試験で活躍されたArmando E. Giuliano先生です。留学期間の後半で、臨床見学までさせていただき、とても貴重な経験となりました。この件は、後にレポートしていきます。
Cedars-Sinai Medical Center Barbara & Marvin Davis Research Building(左)、 留学同期との集合写真(右)
1.Renal Replacement Therapy[mh:noexp] 2.Renal Dialysis[mh:noexp] 3.Peritoneal Dialysis[mh] 4.CAPD[tiab] OR CCPD[tiab] OR APD[tiab] 5.Hemodiafiltration[mh] 6.Hemodialysis, home[mh] 7.dialysis[tiab] 8.hemodialysis[tiab] OR haemodialysis[tiab] 9.hemofiltration[tiab] OR haemofiltration[tiab] 10.hemodiafiltration[tiab] OR haemodiafiltration[tiab] 11.end-stage-kidney[tiab] OR end-stage-renal[tiab] OR endstage-kidney[tiab] OR endstage-renal[tiab] 12.ESKD[tiab] OR ESKF[tiab] OR ESRD[tiab] OR ESRF[tiab] 13.#1 OR #2 OR #3 OR #4 OR #5 OR #6 OR #7 OR #8 OR #9 OR #10 OR #11 OR #12
まず、#1-3ではPの構成要素の概念である「透析」に関連するMeSH term (統制語)がリストアップされ、「タグ」でもMeSHが検索項目として指定されています(連載第23回参照)。#3のタグは[mh]、#1、 2のタグは[mh: noexp]ですが、そのMeSH term に付随する下位のMeSH termも含むか含まないか、という指定の違いになります。
大学院在学中には、文部科学省主催の“がんプロフェッショナル育成事業”の一環で、トランスレーショナルリサーチを学びにMD Anderson Cancer Centerでの見学実習に参加しました。日米の研究環境、医療・社会制度の違い、日本ではあまり感じることが薄い、人種・宗教観の違いなどを目の当たりにしました。またこの研修では、薬剤師・研究職・医師といったバックグランドが異なるメンバーで研修をしたことで、各職種の視点からの考えを伺うことができ、視野が広がる有意義な経験となりました。
“Therapy for the insufficient cleansing of the blood by the kidneys based on dialysis and including hemodialysis, peritoneal dialysis, and hemodiafiltration.” 「(自己の)腎臓による血液浄化が不充分な場合の、血液透析、腹膜透析、血液濾過透析を含む透析(という技術)に基づく治療法(筆者による意訳)。」
「タグ」を活用した検索項目の指定方法についても説明します。検索ワードの末尾に「タグ」を付けることにより、検索項目を限定することが出来ます。「タグ」で指定できる検索項目の一覧は、PubMedトップページの左下のリンク、FAQs & User Guideのページを下にスクロールすると”Search Field descriptions and tags”という小見出しの後に列記されていますので、ご参照ください。
検索式作成におけるもう一つのポイントは、CとOは検索式に一般的には含めない、ということです。なぜなら、CやOはひとつの構成概念では決まらないことが多いからです。実際、今回提示したわれわれのコクランSR1)論文のRQ(PICO)でも、Cはプラセボもしくは通常治療と2つの概念で構成されています。Oも、ここで記載した4つのアウトカムだけでなく、Summary of findings tableに記載した主要なものだけでも、女性化乳房(アルドステロン受容体拮抗薬の頻度の多い副作用)、左心室重量(心エコーにて評価)と計6つ挙げています1)。また、PubMedでの検索の対象になるのは論文タイトルと抄録ですので、CやOの構成概念は必ずしも記載されていないことが多い、ということもCとOを検索式に含めない理由とされています。
さて、2022年のテーマは“Advancing Equitable Cancer Care Through Innovation”であった。乳がん領域では昨年に引き続きプレナリーで日常臨床を変える結果が発表され、ほかにも抗体医薬複合体(antibody drug conjugates:ADCs)の演題が多く、さまざまな概念が変わった年であったといえるであろう。
ADCsの試験をもうひとつ紹介する。SGはTROP-2という細胞表面タンパクを標的としたADCsであり、2020年のESMOでは、MBCに対する治療歴のあるトリプルネガティブ乳がん(triple negative breast cancer:TNBC)を対象として行われたASCENT試験で、PFS、OSのいずれも改善したことが示された薬剤である。国内ではまだ開発の途上であるが、米国などでは承認され標準治療の1つとなっている。こちらも、先行して行われた第I相試験でHR陽性HER2陰性集団に対しても有効性が期待されており、本試験が計画された。
全パートを統合して解析した奏効率は、HR陽性HER2陰性HER3-high and lowで30.1%(95%CI:21.8~39.4)、TNBC HER3-highで22.6%(95%CI:12.3~36.2)、HER2陽性HER3-highで42.9%(95%CI:17.7~71.1)と高い奏効を認めた。PFSはそれぞれ7.4ヵ月(4.7~8.4)、5.5ヵ月(3.9~8.4)、11.0ヵ月(4.4~16.4)であり、こちらも濃厚な治療歴のある症例を対象とした第I/II相試験としては十分良好な結果であった。