リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップーP(対象)設定の要点と実際 その1【「実践的」臨床研究入門】第34回

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本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 今回からは、Research Question(RQ)を構成する、P(対象)、E(曝露要因)、C(比較対照)、O(アウトカム)、それぞれの要素をより具体的かつ明確なカタチに設定するための要点と実際について解説していきます。下記に、これまでにブラッシュアップしてきた、われわれのClinical Question(CQ)とRQ、PECOを再掲します。

CQ:食事療法を遵守すると非ネフローゼ症候群の慢性腎臓病患者の腎予後は改善するのだろうか
P(対象):非ネフローゼ症候群の慢性腎臓病(CKD)患者
E(曝露要因):食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の遵守
C(比較対照):食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の非遵守
O(アウトカム):1)末期腎不全(透析導入)、2)糸球体濾過量(GFR)低下速度

「標的母集団」と「研究対象集団」、「解析対象集団」

 まず、Pを設定するうえでの最初のポイントとして、「標的母集団」と「研究対象集団」、「解析対象集団」の違いについて解説します。

 われわれのRQのPとなるCKDは、日本腎臓学会の診療ガイドライン1)で以下のように定義(抜粋)されています。

(1)尿検査、画像診断、血液検査、病理などで腎障害の存在が明らかで、とくに蛋白尿の存在が重要
(2)GFR<60mL/分/1.73m2
(1)、(2)のいずれか、または両方が3ヵ月以上持続する

 「標的母集団」とは自身のRQが対象とし、その研究結果を一般化しようとする集団全体です。上記の定義を用いることにより、このRQの「標的母集団」の概念を明確にし、Pの具体的な「組み入れ基準」をはっきり示すことができそうです。ただ、実際の「研究対象集団」というのは、「標的母集団」の一部をサンプリングして代用したものにすぎません。

 たとえば、われわれが行ったCKD患者の腎予後予測モデルの研究2)では、日本全国の腎臓内科のある17ヵ所の大規模病院から患者登録を行いました。その結果、この研究の「研究対象集団」は、腎臓内科に紹介されていないCKD患者を含んでいません。

 このような偏りを「選択バイアス」と言い、研究の「外的妥当性」を損なう原因になりえます。「外的妥当性」とは、得られた研究結果を行われた「研究対象集団」とは異なるサンプルや「セッティング」(「研究対象集団」のサンプリングが行われた場)にも当てはめることができるか、ということです(「一般化可能性」とも言います)。われわれは、本研究の結果は腎臓内科医がいない小規模病院やクリニックで診療されているCKD患者には適用することが難しい可能性を、研究の限界の1つとしてこの論文1)のディスカッションの項で述べました。「外的妥当性」に対し、「内的妥当性」という用語もありますが、こちらは研究の結論(研究結果からの推論)の「研究対象集団」での当てはまりのよさ、を表します。

 研究対象には「除外基準」を設定することが多くあります。前述の研究2)では、予後が大きく異なるであろう治療中の悪性腫瘍を併発している患者などは除外しました。本稿のRQでも関連研究レビューの結果から、ネフローゼ症候群はPから除外するとにしました(連載第11回参照)。また、研究参加への同意が撤回されたり、追跡が不能になった患者も除外されます。このように「研究対象集団」から除外基準に合致する患者だけでなく、種々の事由で除かれて、実際の解析に用いられたサンプルを「解析対象集団」と言います。ただ、「除外基準」をあまり多く設けすぎると、「標的母集団」、「研究対象集団」と「解析対象集団」の乖離が大きくなり、「外的妥当性」が低くなってしまいます。論文ではフローチャートなども用いて、これらを明確に区別して記述することが、観察研究の報告ガイドラインであるSTROBE声明3)でも推奨されています。フローチャートの具体例については引用文献2のFigure 1.もご参照ください。


【 引用文献 】

講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


バックナンバー

53. 線形回帰(重回帰)分析 その4

52. 線形回帰(重回帰)分析 その3

51. 線形回帰(重回帰)分析 その2

50. 線形回帰(重回帰)分析 その1

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34. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップーP(対象)設定の要点と実際 その1

33. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その8

32. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その7

31. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その6

30. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その5

29. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その4

28. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その3

27. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その2

26. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その1

25. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その5

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18. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その1

17. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その3

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15. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その1

14. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その3

13. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その2

12. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用その1

11. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その2

10. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その1

9. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その3

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4. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その1

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2. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー その1

1. 臨床上の疑問とリサーチ・クエスチョン

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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その8【「実践的」臨床研究入門】第33回

提供元:CareNet.com

本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

検索式で研究デザインを限定する その3

 前回は、PubMedの「Filterサイドバー」(連載第31回参照)を利用して、検索式で「研究デザイン」を「観察研究」に限定する方法について説明しました。「Filterサイドバー」を用いる方法は簡便ですが、Publication typeが“Observational Study(観察研究)”であるという情報が付与されていない論文は、検索式から漏れてしまいます。そこで、今回は「観察研究フィルター」の検索式を紹介します。また、実際にわれわれのResearch Question(RQ)の関連研究レビューの検索式に「観察研究フィルター」の検索式を加えて、「Filterサイドバー」を使う方法と検索結果を比較してみたいと思います。

 Journal of the Medical Library Associationという医学図書館学についての専門学術誌があります。この雑誌に掲載された論文1)で、「研究デザイン」を「観察研究」に絞る、PubMed用の「観察研究フィルター」の検索式が紹介されています。ちなみにこの論文1)では、「観察研究フィルター」以外にも、「システマティックレビューフィルター」と「介入研究フィルター」のPubMedおよびEmbaseの検索式が提示されていますので、ご関心があれば参照してください。

 下記に、この論文1)で紹介されたPubMed用の「観察研究フィルター」検索式の例を示します。

・“Epidemiologic Studies”[mh] OR “case control”[tiab] OR “case-control”[tiab] OR ((case[tiab] OR cases[tiab]) AND (control[tiab] OR controls[tiab)) OR “cohort study”[tiab] OR “cohort analysis”[tiab] OR “follow up study”[tiab] OR “follow-up study”[tiab] OR “observational study”[tiab] OR longitudinal[tiab] OR retrospective[tiab] OR “cross sectional”[tiab] OR questionnaire[tiab] OR questionnaires[tiab] OR survey[tiab]

 それでは、Advance Search Builderを用いて(連載第27回参照)、われわれのRQの関連研究レビューのための検索式に、この「観察研究フィルター」検索式を加えてみましょう。検索結果は下記の表1のようになりました(本稿執筆2023年6月時点)。

表1

 前回解説した、「Filterサイドバー」の“article type”で“Observational Study(観察研究)”に絞り込んだ検索結果の10倍以上の文献数がヒットしました。この検索結果に、改めて「Filterサイドバー」を用いて“Observational Study(観察研究)”に限定すると、下記の表2のとおりとなり、前回ヒットした文献がすべて検索されました。

表2

 このように、今回解説した「研究デザインフィルター」の検索式を用いた方が、「Filterサイドバー」を使うよりも、さらに網羅的な検索ができることがわかります。

 


【 引用文献 】

講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


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ASCO2023 FLASH 乳がん

|企画・制作|ケアネット

2023年6月2~6日に開催された2023 ASCO Annual Meetingで発表された旬な乳がんのトピックを国立がん研究センター中央病院の下井 辰徳氏がレビュー。


レポーター紹介

harasense

下井 辰徳 ( しもい たつのり ) 氏
国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科


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海外研修留学便り 【米国留学記(久保田 祐太郎氏)】第3回

[ レポーター紹介 ]
久保田 祐太郎くぼた ゆうたろう

2003年   3月 昭和大学医学部医学科卒業
2003年   4月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 員外助教
2009年   7月 国立がん研究センター東病院 消化管内科 研修医
2010年   7月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 助教
2014年   1月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 助教
2016年   4月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 講師
2021年 10月   University of California San Diego, Department of Surgery, Visiting Scholar

 

サンディエゴについて

 サンディエゴは何といっても気候が最高です。基本的に毎日晴天で、日中に雨が降ることはほとんどありません。冬は東京の春先ぐらいの気温なので厚手のコートは不要ですし、夏は東京より気温が低く、また湿度も低いのでとても過ごしやすいです。留学先のUniversity of California San Diego(UCSD)のキャンパスは、サンディエゴの北のラ・ホーヤにあり、アメリカの大学らしく広大な土地を有しています。このラ・ホーヤは全米でも有数のビーチリゾートとして有名で、高級住宅地が広がっています。

 私の研究室はUCSDのキャンパス内にはなく、南に少し離れたところにあります。この地域は海岸からは少し離れていますが、写真のとおり雰囲気はしっかりと南国です。また、日系のスーパーが集まっており、少し値段が高いですが日本人に必要な食材や日用品は大体そろいます。

研究室近くの街並み

 観光地としてのサンディエゴは、動物園やシーワールド、ミッドウェイ戦艦などが有名ですが、どちらかというとリゾート地としての側面のほうが魅力的で、家族でのんびり過ごすのに適した場所です。このため近年、アメリカではサンディエゴは居住地として人気で、多くの人が移住してきているようです。治安に関しては、こちらで約1年半生活していますが、怖い思いをしたことは一度もなく、アメリカの中でも治安が良いほうの都市です。

 また医学研究に関しては、サンディエゴにはUCSD以外にもScripps研究所やSoak研究所など世界的に有名な研究所があり、また全米でもバイオベンチャー企業が多い都市として有名です。このようにサンディエゴは、居住環境としても、研究環境としても、留学するにはとてもお勧めの都市です。

ミッドウェイ戦艦
サンディエゴ動物園

実際の留学生活

 このように環境的には申し分のないサンディエゴですが、私が留学を開始した2021年ごろからはアメリカの物価が高騰し、2022年4月からは急激な円安も重なり、実際に現地で生活するにあたっての経済的な負担は大きいです。物価のわかりやすい例として、ファストフード店でハンバーガーを食べるのに15ドル(約2,100円)程度かかるので、日本と比べると2~3倍の感覚です。アパートメントの家賃も、前述のとおり人が集まってきているためここ数年は年々上がっており、現在は数年前の約2倍程度まで上がっています。

 私は幸運にも所属する研究室および昭和大学から給料が出ているので生活できていますが、周りには経済面が原因で帰国を早めた人もいます。このように、サンディエゴに限らずアメリカ留学における経済的な負担はここ数年で変わっているので、留学前にある程度支出を想定して準備しておいたほうがよいでしょう。ただ、もちろんこの点を除けば、アメリカでの生活は何もかもが新鮮で楽しいです。日本とは異なる文化や習慣に触れることで、日本の良い点、悪い点を客観的に見ることもできます。

研究以外のアメリカでの楽しみ

 私は、留学前からせっかくアメリカに行くのだから、研究以外にもアメリカでしかできないことを経験したいと考えていました。とくにアメリカの自然に興味があり、国立公園に行ってみたいと思っていて、これまでにイエローストーン国立公園、グランドキャニオン国立公園、ヨセミテ国立公園に行くことができました。私はこれまで旅行というとヨーロッパの歴史的な街並みや建築物、芸術品を見に行くことが多かったのですが、アメリカの大自然を目の当たりにして、あまりの雄大さにとても感動しました。人が創造したものとは違った美しさで、写真や動画ではどうしても表現しきれないので、アメリカ留学の際にはぜひ行くことをお勧めします。いずれの国立公園もアクセスがよいわけではないので、日本から行こうと思うと大変ですが、アメリカに住んでいると週末や連休を利用して比較的に簡単に行くことができます。

イエローストーン国立公園
グランドキャニオン国立公園
ヨセミテ国立公園

 また、アメリカといえばプロスポーツです。残念ながらサンディエゴにはメジャーリーグベースボール(MLB)のパドレスしかないのですが、ロサンゼルスまで行けば、MLB、ナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、ナショナルホッケーリーグ(NHL)の4大スポーツをすべて観ることができます。私は、まだNFLは観に行けていませんが、それ以外は何度か観に行きました。とくに昨年はパドレスがプレイオフに進み、セミファイナルのフィリーズとの試合を観ました。当然スタジアムは満員で、日本とは異なり応援団による楽器や応援歌の演奏がない分、観客の歓声やため息がより強調され、スタジアム全体での一体感を生んでいるように感じました。この観客の応援する姿を見て、改めて野球発祥の地であるアメリカでの野球の人気を実感しました。

 以上、今回はサンディエゴでの生活環境について紹介しました。次回は、週一回参加しているUCSD病院のMolecular Tumor Boardについて報告します。

  


リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その7【「実践的」臨床研究入門】第32回

提供元:CareNet.com

本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

検索式で研究デザインを限定する その2

 前回は、「研究デザイン」を「ランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)」に限定するための検索式について説明しました。ただ、われわれのClinical Question(CQ)とResearch Question(RQ)(下記)の「研究デザイン」は「RCT」ではなく「観察研究」です。

CQ:食事療法を遵守すると非ネフローゼ症候群の慢性腎臓病患者の腎予後は改善するのだろうか
P(対象):非ネフローゼ症候群の慢性腎臓病(CKD)患者
E(曝露要因):食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の遵守
C(比較対照):食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の非遵守
O(アウトカム):1)末期腎不全(透析導入)、2)eGFR低下速度の変化

 そこで、今回からは「研究デザイン」を「観察研究」に限る方法について解説したいと思います。まずは、PubMedの「Filterサイドバー」(連載第31回参照)の”ARTICLE TYPE”で”Observational Study”のFilterを使用する方法を紹介しましょう。デフォルトでは”Observational Study”は”ARTICLE TYPE”のリストには挙げられていません。したがって、初めに「Filterサイドバー」の下側にある”Additional filters”をクリックし、”ARTICLE TYPE”のリストから”Observational Study”を追加で選択します。

 それでは、われわれのRQの検索式に、”Observational Study”のFilterを加えてみましょう。PubMed Advanced Search Builderを用いて、これまで改訂してきたP、Eそれぞれの構成要素のブロック(下記)の検索式をANDでつなぎます(連載第27回参照)。

Pのブロック
・Kidney Disease[mh:noexp] OR “diabetic nephropathy”[tiab] OR Diabetic Nephropathies[mh] OR Renal Insufficiency[mh:noexp] OR Renal Insufficiency, Chronic[mh:noexp] OR “chronic kidney disease*”[tiab] OR “chronic renal disease*”[tiab] OR CKD[tiab] OR predialysis[tiab] OR pre-dialysis[tiab]

Eのブロック
・Diet, Protein-restricted[mh] OR “low-protein diet*”[tiab] OR “protein-restricted diet*”[tiab]

 まずPubMed Advanced Search Builderで #1 AND #2 のResultsでヒットした論文数をクリックします。そして、メイン画面左側の「Filterサイドバー」の”ARTICLE TYPE”から、先ほど追加した”Observational Study”のFilterを選択します。すると、検索結果は表のとおりとなります(本稿執筆2023年5月時点)。

 最終的にヒットした論文の文献情報を確認すると、当たり前ですが、すべての論文で”Observational Study”であるという情報がPublication typeとして与えられています。それゆえ、Publication typeの情報が付与されていない論文は検索から漏れてしまう恐れがあります。そこで、次回は「観察研究」をさらに網羅的に捕捉するための「観察研究フィルター」の検索式を紹介します。


講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
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30. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その5

29. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その4

28. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その3

27. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その2

26. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その1

25. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その5

24. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その4

23. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その3

22. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その2

21. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その1

20. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その3

19. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その2

18. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 学術誌、論文、著者の影響力の指標 その1

17. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その3

16.リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その2

15. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー CONNECTED PAPERSの活用 その1

14. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その3

13. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用 その2

12. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー コクラン・ライブラリーの活用その1

11. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その2

10. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー UpToDateの活用その1

9. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その3

8. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その2

7. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理その1

6. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その3

5. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その2

4. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 診療ガイドラインの活用その1

3. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビューその2

2. リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー その1

1. 臨床上の疑問とリサーチ・クエスチョン

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海外研修留学便り 【米国留学記(久保田 祐太郎氏)】第2回

[ レポーター紹介 ]
久保田 祐太郎くぼた ゆうたろう

2003年   3月 昭和大学医学部医学科卒業
2003年   4月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 員外助教
2009年   7月 国立がん研究センター東病院 消化管内科 研修医
2010年   7月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 助教
2014年   1月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 助教
2016年   4月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 講師
2021年 10月   University of California San Diego, Department of Surgery, Visiting Scholar

 

所属する研究室について

 私の所属する研究室は、University of California San Diego(UCSD)の外科学部門に所属していますが、同時にAntiCancer Inc.というマウスを用いた受託研究を行う会社という側面もあります。教授のRobert M. Hoffman先生の専門は、がんにおけるメチオニン代謝異常、GFP(Green fluorescent protein)などの蛍光タンパクを用いた生体内イメージング、患者由来組織同所移植(Patient derived orthotopic xenograft: PDOX)モデル、独自の遺伝子改変サルモネラ菌を用いた細菌療法など多岐にわたり、いずれの分野でも数多くの論文を発表しています。1984年から続く歴史のある研究室で、毎年20~30本の論文を出していてとても活気があります。

 現在、私はがんにおけるメチオニン代謝異常を基とした治療の研究を進めているので、まず簡単に説明します。

がんにおけるメチオニン代謝異常

 がんのグルコース依存はWarburg効果として有名ですが、メチオニン依存については知らない方も多いと思います。私は腫瘍内科医ですが、正直なところ、こちらに来るまでまったく知りませんでした。メチオニンをコードするmRNA配列はAUGで、これは開始コドンとして機能するため、基本的に生体内でのタンパク合成はメチオニンから始まります。また、メチオニンはメチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2A(MAT2A)という酵素でs-アデノシルメチオニン(SAM)に代謝されますが、このSAMは体内における唯一のメチル基供与体です。すなわちDNA、RNA、ヒストンのメチル化にメチオニンは必須であり、さまざまな遺伝子発現の調節に関わっています。

 このようにメチオニンはわれわれの体内においてとても重要な役割を果たしており、必須アミノ酸に分類されていますが、体内でホモシステインから合成が可能なアミノ酸です。正常細胞はメチオニンが不足しても、この合成経路からの補充によって生存が可能ですが、メチオニンおよびメチル基の消費量の多いがん細胞は、この内因性のメチオニン合成では供給が追いつかず、アポトーシスを起こします。このため、がんは外因性のメチオニン供給に依存しています。この性質は身近なところだと、脳腫瘍や脳転移の評価に用いるメチオニンPET(保険未収載)で利用されています。実際、メチオニン制限のがんに対する有効性はin vitroin vivoともに数多く報告されていて、近年徐々に注目されてきています。

実際の研究内容

 メチオニンは多くの動物性、植物性タンパクに含まれているため、食事のみによる制限が難しいという問題点があります。このため、Hoffman教授は、メチオニン分解酵素(recombinant methioninase)を開発し、この酵素と食事によるメチオニン制限とを組み合わせた治療を提案しています。しかし、現状ではまだ課題も多く、実用化には至っていません。

 この主な理由として、前述のとおりメチオニン制限は正常細胞への影響が少ないものの、やはり極度のメチオニン制限を長期間続けると体内でのタンパク合成に支障が出ることや、メチオニンが枯渇するとがんを攻撃するCD8陽性T細胞の活性も低下してしまうことなどが挙げられます。

 このため、私はがんの局所でのみメチオニンを枯渇させることができないかと考え、細菌療法やメチオニン分解酵素の投与方法の工夫などで、その実現を目指した研究を進めています。またその他にも、メチオニン制限と抗がん剤の併用による相乗効果や、メチオニン制限が具体的にヒストンやDNAのメチル化にどのような影響を及ぼすのかについても調べています。

米国で研究することの利点

 最後に、アメリカで研究することの利点についてです。第1の利点は、やはり臨床の仕事がない分、研究に没頭できることです。一部の最先端の研究所は別として、アメリカだからといって研究の内容や質が日本と大きく異なるわけではありません。与えられたテーマについて自分で科学的に考えて、実験を組み、結果を出す。当然、毎回思いどおりの結果が得られるわけではなく、その結果をもとに実験を再考する。その過程で私の研究室のHoffman教授と議論し、助言をもらうこともできます。研究者としては当たり前のことですが、この過程こそが臨床の合間ではなかなかできなかったことなので、毎日とても楽しく充実しています。

 また、論文を執筆する際に、米国人の教授から直接指導を受けられるのも、利点の1つです。とくにHoffman教授は、論文数約1,900本を誇る百戦錬磨の研究者で、われわれ研究員が書いた論文に対して一つひとつ丁寧に指導してくれます。論文を作成して提出すると、早いと数時間、遅くとも翌日には内容が修正されて戻ってきます。その後、直接内容について話し合うのですが、その際に私の書いた論文の良い点と悪い点を指摘したうえで、どのように改善するべきかを細かく指導してくれます。悪い点としてとくによく指摘されるのは、最も大切な論文の題名にインパクトがないということと、考察で余分なことを書き過ぎていて逆にわかり難くなっているということです。これはわれわれ日本人の論文に一般的に言える特徴だと思います。

 また、当然ですが、英文校正を同時にしてもらえるのもありがたいです。内容が意図していたものと変わってしまうことはないですし、私の書いた英文を生かしながらよりよい表現に直してくれます。日本では英語論文の書き方についてしっかりとした指導を受けたことがなかったので、大変貴重な経験になっています。

 次回は留学中の米国での生活について紹介します。

サンディエゴ ラ・ホーヤの海岸

サンディエゴ ホテル・デル・コロナド

  


リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その6【「実践的」臨床研究入門】第31回

提供元:CareNet.com

本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

検索式で研究デザインを限定する

 これまで解説してきたように、検索式作成のポイントは、P(対象)とI(介入)またはE(曝露)の構成要素で構築する、ということでした。実際には、さらに「研究デザイン」を限定する検索式を加えることがよくあります(「研究デザイン」については連載第6回で簡単に説明しましたので、ご参照ください)。たとえば、システマティック・レビュー(SR:systematic review)では、「研究デザイン」としてランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)のみを対象とすることがよくあります。今回は、「研究デザイン」をRCTに限定する検索式について解説します。

 MEDLINE(PubMed)では、すべてのRCTが”Randomized Controlled Trial as Topic”というMeSH terms(連載第21回参照)が付与されるなどして、RCTとしてインデックス化されているわけではありません。そこで、コクラン・ハンドブックでは「研究デザイン」をRCTに限定する検索式(PubMedで検証済み)を、下記およびリンクのとおり2種類公開しています。

Sensitivity-maximizing version (2008 revision); PubMed format
・(randomized controlled trial[pt] OR controlled clinical trial[pt] OR randomized[tiab] OR placebo[tiab] OR drug therapy[sh] OR randomly[tiab] OR trial[tiab] OR groups[tiab] NOT (animals [mh] NOT humans [mh]))

Sensitivity- and precision-maximizing version (2008 revision); PubMed format
・(randomized controlled trial[pt] OR controlled clinical trial[pt] OR randomized[tiab] OR placebo[tiab] OR clinical trials as topic[mesh:noexp] OR randomly[tiab] OR trial[ti] NOT (animals[mh] NOT humans [mh]))

 それぞれの検索式のPubMedへのダイレクトリンク(Sensitivity-maximizing versionSensitivity- and precision-maximizing version)も公開されています。本稿執筆時点(2023年4月)では、Sensitivity-maximizing versionおよびSensitivity- and precision-maximizing versionのヒット論文数は、それぞれ498万2,019件と140万7,761件でしたので、その名のとおり、感度はSensitivity-maximizing versionのほうが高いことがわかります。

 それでは、この「研究デザイン」をRCTに限定する検索式を、これまで改訂を重ねてきた、われわれのResearch Question(RQ)の関連研究レビューの検索式に加えてみましょう。検索結果は下記の表1および2のようになりました(本稿執筆2023年4月時点)。

表1

表2

 「研究デザイン」をRCTに限定するとヒット論文数は、Sensitivity-maximizing version(表1)で834件から291件、Sensitivity- and precision-maximizing version(表2)では166件に減っていることがわかります。

 ちなみに、PubMedでは、「Filterサイドバー」から、Clinical trialやRandomized Controlled Trialなど”article type”で「絞り込み検索」を行うこともできます。「Filterサイドバー」は、検索窓に何らかのキーワードを入力し、”search”をクリックした後に表示されるメイン画面左側に表示されます。しかし、この「絞り込み検索」が機能するには、対象となる論文にPublication type[pt]の「タグ」情報が付与されていることが前提となり(連載第23回参照)、付与されていない場合は漏れてしまいます。したがって、今回解説した、「研究デザイン」を限定する検索式を使用したほうが、より網羅的に検索することができるのです。


講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


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(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

 

海外研修留学便り 【米国留学記(久保田 祐太郎氏)】第1回

[ レポーター紹介 ]
久保田 祐太郎くぼた ゆうたろう

2003年   3月 昭和大学医学部医学科卒業
2003年   4月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 員外助教
2009年   7月 国立がん研究センター東病院 消化管内科 研修医
2010年   7月 昭和大学病院 内科学講座消化器内科学部門 助教
2014年   1月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 助教
2016年   4月 昭和大学病院 内科学講座腫瘍内科学部門 講師
2021年 10月   University of California San Diego, Department of Surgery, Visiting Scholar

 

 私は2021年10月に渡米し、現在University of California San Diego(UCSD)外科学部門のRobert M. Hoffman教授の研究所に所属し、研究生活を過ごしています。

 渡米時の年齢は42歳で、とくに基礎研究で目立った実績があるわけでもありませんでした。このような状況の臨床医の研究留学に意味があるのか疑問に感じる方も多いかもしれません。しかしその一方で、私と同じように基礎研究に興味はあるものの、臨床に没頭するあまり留学の機会を逃してきた同世代の先生もいるかと思います。渡米して1年半が経過しましたが、私はこの留学生活でさまざまな事を学び、また臨床医のときとは少し異なる視点で物事を考えられるようになったという実感があります。今回の留学体験記では、それらの詳細を4回に分けて紹介します。若い先生はもちろん、私のように40歳前後で留学を考えている(または躊躇している)先生にも参考になれば幸いです。

自己紹介

 まずは簡単に私の経歴を紹介します。私は乳腺外科医ではなく腫瘍内科医です。学生時代からがんの臨床や研究に興味があり、卒後まずは昭和大学病院で消化器内科医としてがん診療に携わり始めました。2000年代初頭で、ちょうど新たな抗がん剤が続々と認可され始めたころでした。毎年何種類もの新たな抗がん剤が登場し、その効果を実感する中でがん薬物療法に魅了され、医師10年目に昭和大学に腫瘍内科学教室が新設された際に転科しました。

留学までの経緯

 私は元々、基礎医学者であった父親の影響もあり、医学生のころから基礎研究に興味がありました。幼少期に父親の留学のため、フィラデルフィア、ロサンゼルスで過ごした経験もあったので、若手のころはある程度臨床医として経験を積んだ後、基礎研究にも従事し、海外に留学したいと考えていました。

 しかし、現実はなかなか思いどおりには行かず…。同世代のがん薬物療法に携わってきた先生には共感していただけると思いますが、高齢化社会の到来によるがん患者の急激な増加、化学療法の急速な進歩による腫瘍内科医としての需要の増加により、日々の臨床業務に追われ、気が付けば20年の月日が経過していました。この間に学位を取得し、その後も基礎研究をしていた時期はありましたが、忙しさのあまりなかなか継続できませんでした。このため留学は半ば諦めかけていましたが、2020年の秋に当教室の角田 卓也教授から留学の話をいただきました。冒頭に述べたとおり、40歳を超えており、基礎研究での実績があるわけでもなかったので、何のための留学か考えましたが、以下の理由で留学を決意しました。

 まず、腫瘍内科医としてさまざまな抗がん剤を使う中で、その有効性を実感しつつも、治療効果には限界があることや副作用の問題に直面し、一度根本的な部分からがんと向き合ってみたいと考えました。また、良くも悪くもがん薬物療法に慣れ、日々の仕事がマンネリ化してきていたため、この先のキャリアを考えると一旦環境を変えてみることも必要だと思いました。こうして留学を決めたのですが、最後に留学準備に関しても少し触れておきます。

留学が決まってからの準備

 留学が決まるとまず留学先の大学からJ1ビザ適格証明書(DS-2019)を発行してもらう必要があります。この手続きはそれほど難しくはありませんが、英語能力の証明が必要で、UCSDではIELTS、TOEFLなどで一定以上の成績を示すか、受け入れ先の教室の教授との面談で許可をもらうかのいずれかが必要でした。私は留学が決まってからオンライン英会話を始め、毎日英語学習に費やす時間を何とか確保して準備し、2021年4月の教授との面談で許可をもらうことができました。DS-2019を取得後は、アメリカ大使館からJ1ビザを発行してもらう必要がありますが、私の場合はコロナ禍で申請者が少なかったこともあり、すぐに大使館の面談の予約が取れ、その2週間後にはビザを取得することができました。

現地での生活の準備

 現地での生活の準備に関しては、同じ研究所に医局の前任者がいたため、事前に情報をもらい準備を進めました。具体的には、日本にいるうちから現地の不動産エージェント(日本人)と連絡を取り、事前に住居を決めてから渡米しました。多少費用はかかりますが、渡米後すぐにアパートメントに入居でき、電気、水道、ガス、インターネットなどのライフラインの手配もサポートしてもらえたので有用でした。

 また、細かい点ですが、アメリカの銀行口座やクレジットカード、携帯電話のSIMなど日本で手配できるものは可能な限り事前に手配してから渡米しました。英語力に自信のある方は不要かもしれませんが、日常生活でのネイティブの英語は、慣れるまでは早すぎて何を言っているのか全然わからないので、事前に日本で手配出来ることはしていったほうがよいと思います。

 次回は、留学先での研究内容について紹介します。

研究所でRobert M. Hoffman教授と

UCSD構内

サンディエゴの街並み

  


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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その5【「実践的」臨床研究入門】第30回

提供元:CareNet.com

本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

検索式を改訂する

 今回は前回からの続きで、検索式の能力を検証しながら改訂していきます。前回解説したとおり、P(対象)の構成要素ブロックにRenal Insufficiency[mh:noexp] OR(太字部分)を加え、E(曝露)のブロックとANDでかけ合わせ、再度「Key論文」のブロックとNOTでつなぐと、表1の結果になります(本稿執筆2023年3月時点)。

表1

 Pのブロックには、MeSH termsを加えた結果、ヒットした論文数が大幅に増えています(Search #1)。前回検索時から約1ヵ月経っているので、Eのブロックで検索された論文数もわずかに増加し(Search #2)、改訂検索式でのヒット論文数も数10編増えています(Search #3)。この改訂検索式と「Key論文」のブロックをかけ合わせた結果、ヒットする論文数は7編から6編と1つ減っています。当初ヒットしなかったコクラン・システマティックレビュー(SR:systematic review)論文1)が、改訂検索式ではヒットするようになったのです(お時間ある方は確認してみてください)。

 それでは同じ要領で、ヒットしなかった「Key論文」すべてが捕捉できるように、検索式をさらに改訂してみましょう。残りのヒットしなかった「Key論文」のMeSH termsなどの情報をチェックします(連載第29回参照)。たとえば、現時点の検索式に含まれるMeSH termsやテキストワードは、ヒットしなかった「Key論文」の1つである非コクランSR2)のMeSH termsやタイトルおよびアブストラクトに含まれていません。

 非コクランSR2)の書誌情報(リンク)から、この論文に付与されているMeSH terms”Diabetic Nephropathies”をPの構成要素ブロックに追加します。

・Diabetic Nephropathies[mh]

 同様に、ヒットしなかった非コクランSR3)の書誌情報(リンク)を見ると、この論文にはMeSH termsが付与されていません。そこで、論文タイトルに含まれている”diabetic nephropathy”をテキストワードとしてPのブロックに追加してみます。

・”diabetic nephropathy”[tiab]
※[mh]や[tiab]という「タグ」については、連載第24回で解説していますので、ご参照ください。

 すると、さらに改訂した検索式とその結果は表2のようになります。

表2

 「Key論文」4-6)は再改訂検索式でヒットするようになり、残りはとうとう非コクランSR1編7)になりました。この論文7)のMeSH termsを見てみると(リンク)、再改訂検索式のEのブロックに含まれている”Diet, Protein-restricted”は付与されています。しかし、再改訂検索式Pのブロックに含まれるMeSH termsはいずれも付与されていません。したがって、この論文7)のMeSH termsの中から、新たに”Kidney Disease”を検索式Pのブロックに加えることにします。

 MeSH terms”Kidney Disease”の階層構造はリンクのとおりですが、その下位概念は含まれないように、[mh: noexp]の「タグ」を付けます(連載第24回参照)。

・Kidney Disease[mh: noexp]

 再々改訂検索式の検索結果は表3となり、すべての「Key論文」がヒットするようになりました。

表3


【 引用文献 】

講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その4【「実践的」臨床研究入門】第29回

提供元:CareNet.com

本連載は、臨床研究のノウハウを身につけたいけれど、メンター不在の臨床現場で悩める医療者のための、「実践的」臨床研究入門講座です。臨床研究の実践や論文執筆に必要な臨床疫学や生物統計の基本について、架空の臨床シナリオに基づいた仮想データ・セットや、実際に英語論文化した臨床研究の実例を用いて、解説していきます。

 

 前回、われわれのResearch Question(RQ)の関連研究レビューのために暫定的に作成した検索式の検索能力を検証しました。以前に挙げていた、われわれのRQの「Key論文」(連載第16回参照)が、この仮の検索式によって漏れなくヒットするかを確かめました。その結果は、「Key論文」10本中3本しかヒットしなかったという、少し残念なものでした。今回からは、検索式を修正する方法について解説します。

検索式でヒットしなかった論文のMeSH termsをチェックする

 前回と同様に、PubMed Advanced Search BuilderでP(対象)とE(曝露)の検索式ブロックをANDでかけ合わせた後に、「Key論文」のブロックとNOTでつなぎます。すると、暫定検索式でヒットしなかった「Key論文」が、下の表のように7本であることがわかります。ちなみに、本稿執筆時点(2023年2月)では前回検索時から約1ヵ月経っているので、それぞれの検索式ブロックでヒットする論文数が増えていることに気が付きます。

 それはさておき、ヒットしなかった「Key論文」のMesH terms(連載第21回参照)などの情報をPubMed Advanced Search BuilderのResultsのリンクからチェックしてみましょう。7本の論文が表示されているはずなので、まずこれら7本の論文を、PubMedページ画面右上方の”Display options”を用いて出版日順に並べ替えてみます。7本の中で最も古く出版されたコクラン・システマティックレビュー(SR:systematic review)論文1)のMeSH termsは、リンク(右側「PAGE NAVIGATION」下の「MeSH terms」をクリック)および下記のとおりです。

・Diabetic Nephropathies / diet therapy
・Diet, Protein-Restricted
・Dietary Proteins / administration & dosage
・Humans
・Randomized Controlled Trials as Topic
・Renal Insufficiency / etiology
・Renal Insufficiency / prevention & control
※MeSH termsの後のスラッシュ(/)以下はサブヘディングという機能で、テーマの絞り込みに利用されます(リンク参照)。

 暫定検索式のEの構成要素ブロックに含まれるMeSH terms “Diet, Protein-Restricted”は、このコクランSR論文1)にも付与されています。ですので、Eのブロックの検索結果には、この論文も含まれています(お時間ある方は確認してみてください)。しかし、暫定検索式のPの構成要素ブロックのMeSH termsやテキストワード(連載第26回参照)は、この論文のタイトルやアブストラクト、付与されているMeSH termsに含まれていません。その結果、この論文は検索から漏れてしまったようです。

 前述のとおり、暫定検索式でヒットしなかったコクランSR論文1)に付与されているMeSH termsには”Renal Insufficiency”があります。これは、暫定検索式のPの構成要素ブロックに組み込まれているMeSH terms ”Renal Insufficiency, Chronic”の上位概念(連載第25回参照)にあたり、リンクおよび下記の階層構造となっています。

・Renal Insufficiency
 ○Acute Kidney Injury
  ■Kidney Tubular Necrosis, Acute
 ○Cardio-Renal Syndrome
 ○Renal Insufficiency, Chronic

 このコクランSR論文1)を捕捉するため、Pの構成要素ブロックにMeSH terms ”Renal Insufficiency”を加えたい。一方、その下位概念は”Renal Insufficiency, Chronic”以外は含まないようにしたいので、[mh: noexp]の「タグ」を指定します(連載第24回参照)。したがって、太字部分を追加して、以下のようにPのブロックの検索式を改変します。

Renal Insufficiency[mh:noexp] OR Renal Insufficiency, Chronic[mh:noexp] OR “chronic kidney disease*”[tiab] OR “chronic renal disease*”[tiab] OR CKD[tiab] OR predialysis[tiab] OR pre-dialysis[tiab]


【 引用文献 】

講師紹介

harasense

長谷川 毅 ( はせがわ たけし ) 氏
昭和大学統括研究推進センター研究推進部門 教授
昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門/衛生学公衆衛生学講座 兼担教授
福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター 特任教授

[略歴]
1996年昭和大学医学部卒業。
2007年京都大学大学院医学研究科臨床情報疫学分野(臨床研究者養成コース)修了。
都市型および地方型の地域中核病院で一般内科から腎臓内科専門診療、三次救急から亜急性期リハビリテーション診療まで臨床経験を積む。その臨床経験の中で生じた「臨床上の疑問」を科学的に可視化したいという思いが募り、京都の公衆衛生大学院で臨床疫学を学び、米国留学を経て現在に至る。


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